レーザーガウジング除染工法に関する実用化研究成果
公開日:
カテゴリ: 第15回
レーザガウジング除染工法に関する実用化研究成果
Development of Practical Realization for Laser-Gouging Decontamination Method
二菱重工業掬本田 翔也奥田 剛久吉田 和弘
Shoya Honda Takehisa Okuda Kazuhiro Yoshida
Non members Non members Non members
原子カサービス エンジニアリング掬
橋川雄樹Yuki HashikawaNon members
原子炉の保守・改造及び廃止措置時に発生する放射性廃棄物量低減のため、放射能レベル区分ダウング レードやクリアランスレベル(汚染レベルを低減させ、取扱いを容易にする)を目的とし、ラインレーザを用いたガウジング除染工法の開発を進めている。ここでは、PWR プラントの実汚染サンプルを用いた除染性能評価試験(Hot 試験)の成果について報告する。
Keywords: laser, gouging, decontaminate physics, decommissioning, clearance level
1 諸言
原子力発電設備において、廃止措置に限らず放射性廃 棄物の物量低減は、放射性廃棄物の除染による放射能レベル区分ダウングレードやクリアランスレベルが効果的であるが、高い除去能力を有し、高速処理が可能で再汚染を起こさず、除染による二次廃棄物発生量が少ない除染工法が必要である。これらの条件を満足させるためにレーザガウジング除染工法の開発を進めており、ここでは、実汚染サンプルを用いた除染性能評価試験(Hot 試験) の成果について報告する。
2 工法の概要
レーザガウジング除染工法は、レーザ照射により除染対象表面を溶融させると同時に高圧アシストガスを用い て、放射性(汚染)物質を含む溶融層を吹き飛ばし除去 する工法である。主な設備は図ー1に示すように、レーザ発振器、光学ヘッド、アシストガスノスル、回収設備で構成される。
3 除染性能評価試験(Hot 試験)
試験概要
昨年度までの研究では、模擬汚染サンプルでのCold 環境下で試験を行い、実用化への目途付けを完了した状態にあったが 1)、この度、PWR の実汚染サンプルを用いて除染性能評価試験(Hot 試験)を実施した。試験設備の概要を図ー2、試験架台内の除染施工部外観を図ー3 に示す。
2 試験設備の概要
1 除染3 除染 工 (試験 )
過去、Cold 試験で模擬汚染膜厚100?m において想定 DF=1000 が られた能力優先条件及び、DF=100 が られた施工速度の高い、速度優先条件で試験を実施した。
施工条件を表ー1、除染施工層数の概念を図ー4 に示す。
表ー1 工
4 除染 工層数の概念
試験片は、入手した実汚染サンプルを切り出し、約90mmX100mmX20mm 厚とした。除染施工前後の試験片外観の一例を図ー5 に示す。
た。これは被膜が100?m より薄く、この条件においては速度優先条件において 分なDF が られた のとえる。
尚、本試験の実汚染サンプルは、若干の放射化が想定される部 であり、表ー に示す り、 ランク でのCo-60 の測定結果から、除染後の①能力優先試験片の放射能のうち、20%程度は放射化によるCo-60 が含まれている のと推測され、放射化されていない放射性廃棄物においては、さらに大きなDF が期待できると えられる。
表ー2 試験結果(代表)
*l 定常部を速度一定にて施工した場合の算出値(段取、セッティング時間は含まない)
表ー3 実汚染サンプルの放射化(Ge 測定値比較)
工前
5 試験片 の一例
工後
4 結言
レーザガウジング除染工法は、アフターサービス工事、 廃止措置の機器解体等において発生する放射性廃棄物の
除染係数(DF)の評価方法
除染係数(DF)は、Ge 半導体検出器の計測結果(count) および、電離箱式サーベイメータの計測結果(?Sv/h)から、試験片の放射能密度(Bq/』)評価を行い、除染前後で の放射能密度(Bq/』)の比率から算出した。
尚、BG と比 して有 な放射性 はCo-60 の であった。
試験結果
試験結果を表ー2に示す。能力優先条件においては、約9000 以上のDF が られた。また、速度優先条件において 、1層でDF=100 以上が られ、2 層施工する施工能率0.45 rri/h では、約8000 以上のDF を ることができ
処理区分ダウングレードへの適用可能な除染効果を有することがHot 試験にて実証された。
参考文献
[l]橋川雄樹ほか レーザガウジング除染工法に関する実用化研究成果 本保全学 l 回学術 要旨集 愛媛 20l7 年8 月