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解説記事
「保全プログラムに基づく保全活動に対する検査制度の導入」について
著者:
中村 健一,Kenichi NAKAMURA
発刊日:
公開日:
1.はじめに 平成18年9月に、経済産業省原子力安全・保安院が「検査のあり方に関する検討会」にて原子力発電所におけるより科学的かつ合理的検査制度の実現に向けた今後の取り組みを取りまとめた「原子力発電施設に対する検査制度の改善について」を提示しました。今回は、取りまとめられた取り組みのうちの一つである「保全プログラムに基づく保全活動に対する検査制度の導入」について簡単に説明させていただきます。 2.個々のプラントの特性に対応した検査の必要性 我が国では実用発電用原子炉が現在55基稼動していますが、それぞれの......
解説記事
原子力施設の安全性向上へのリスク情報の活用
著者:
相澤 清人,Kiyoto AIZAWA
発刊日:
公開日:
1。はじめにここで原子力におけるリスクとは、当該施設の事故・故障により放射性物質が放散或いは放射線が漏えいし、周辺公衆が放射線被ばくによる健康影響等を受ける潜在的危険性のことを言う。原子力利用の事業活動には、エネルギー源の確保や医療、工業、農業など幅広い分野の放射線利用等に伴う便益がある一方、放射性物質の放散等を伴う事故発生の可能性があるという国民の健康や社会環境に影響を及ぼすリスクが潜在する。原子力利用に伴うリスクを十分低い水準に抑制するという安全確保の責任は、第一義的には当該原子力施設を運営する事業者......
解説記事
原子力発電所の保全方式の妥当性に関する調査・検討
著者:
出町 和之,Kazuyuki DEMACHI
発刊日:
公開日:
1.はじめに本解説記事は、(独)原子力安全基盤機構から日本保全学会が委託された課題「保全方式の妥当性に関する調査・検討」を受けて発足した「原子力発電所の保全方式の妥当性に関する調査・検討委員会」において平成18年2月~5月の期間に開催した2回の委員会、4回のワーキンググループ、および7回の幹事会での調査・検討の成果としての報告書を元に、その内容を要約したものである。献身的にご貢献頂きました皆様には心よりの感謝を申し上げます。2.保全方式の種類 原子力発電所を含む大型プラントにおいて採用されている保全方式と......
解説記事
原子力発電所機器のシール部からの漏えいに関する管理ガイドラインについて
著者:
漏えい事象評価研究分科会
発刊日:
公開日:
1.はじめに平成16年9月、日本保全学会「保全研究会」の傘下に「漏えい事象評価研究分科会(主査:東大 関村直人教授)」が設置された。本分科会では、設備機器からの冷却材等の漏えい事象を対象とし、合理性を有する分かりやすい標準的な漏えい管理のルールを策定し公表することを目的とした研究が行われ[1]、「原子力発電所機器のシール部からの漏えいに関する管理ガイドライン」案を策定するに至った。以下、その検討内容について述べる。2.漏えい事象管理ガイドラインの必要性一般に、いかなる構造物であっても時間の経過とともに経年......
解説記事
沸騰水型原子力発電所における低炭素ステンレス鋼の応力腐食割れの経過と教訓(4)
著者:
二見 常夫,Tsuneo FUTAMI
発刊日:
公開日:
4 SCCが発生したプラントの維持管理4.1 維持規格に基づくSCC管理フロー SCC第Ⅲ期は、プラントの総点検から大量の低炭素ステンレス鋼の応力腐食割れ(以下SCC;Stress Corrosion Cracking)データが得られる〔1〕と同時にSCCを現有するシュラウドおよび原子炉再循環系(以下PLR; Primary Loop Recirculation)配管の構造健全性確認が喫緊の問題となった。また軽微なき裂も多数あることも判り、運転後のプラントを新品同様に保つと公言し過剰なまでに予防保全を優先......
解説記事
溶接残留応力が強度・破壊に及ぼす影響残留応力と保全-第2回-
著者:
望月 正人,Masahito MOCHIZUKI
発刊日:
公開日:
1.はじめに 圧力容器や配管など気密性を要求される構造物の場合、その製作に溶接が用いられることが多いが、溶接を行う際の熱エネルギーの影響により材質が変化するだけでなく残留応力や変形が生じる。ここで、直接目には見えない製作時の残留応力が、供用後の劣化や損傷に影響を及ぼすことがあることに気をつけなければならない。時間経過にともなう保全活動においても、時間依存型の損傷に対して残留応力がどのような影響を及ぼすかについて把握しておくことは重要である。さらに、プラント運転後においても諸々の境界条件や荷重レベルが変化す......