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解説記事
解説記事「JRR-3の運転再開に向けた取り組みとこれからの展望」
著者:
細谷 俊明,Toshiaki HOSOYA 
発刊日:
公開日:
JRR-3は昭和 37年に我が国初の国産研究炉として臨界に達した後、原子力の黎明期を支える多くの研究に広く研究されてきた。 平成 23年 3月に発生した福島第一原子力発電所事故を受け、国は試験研究炉に対し、大規模な自然災害や多量の放射性物質等を放出する事故に対する対策等を義務付ける新規制基準を平成 25年 12月に策定し、既存の試験研究炉にも新規制基準を適用することとした。  JRR-3は平成 22年 11月までの運転を終え、施設定期検査期間に入っており、東北地方太平洋沖地震の影響に対する健全性確認点検と新規制基準への適合性確認のため 10年以上原子炉の停止状態が続いた。この約 10年間の間には、 JRR-3は平成 30年 11月に原子炉設置変更許可を取得し、設備等の設計・工事に係る審査を受審後、必要な耐震工事等を行い、適宜検査を受検、令和 3年 2月に新規制基準への適合性確認が完了し、運転再開を果たした。 ここでは、 JRR-3の運転再開に向けた新規制基準対応のための取り組みと、今後の JRR-3を用いた研究開発の展望を述べる。...
解説記事
解説記事「新たな試験研究炉を活用した地域振興戦略~立地自治体の視点から~」
著者:
浅原 章,Akira ASAHARA 
発刊日:
公開日:
2016年 12月、高速増殖炉原型炉もんじゅ(以下、「もんじゅ」という)が廃止措置に移行することが決定して以降、国家プロジェクトとして「もんじゅ」サイトを活用した新たな試験研究炉の整備が進められている。2020年 9月、今後概念設計を進めるべき炉型として「中出力炉」がふさわしいとする方針が示され、同年 11月には、日本原子力研究開発機構(以下、「JAEA」という)、京都大学及び福井大学の 3主体が中核的機関として選定され、概念設計を開始した。まさに今、どのような炉を整備するのかについて活発な議論がなされているところである。 他方、この新たな試験研究炉に対しては、立地地域も大きな期待を寄せている。もんじゅを含め、計 15基の原子力発電所が立地する福井県では、 2020年 3月、新たな地域振興戦略を取りまとめた「嶺南 Eコースト計画」を策定し、新たな試験研究炉の利活用に向けた施策を盛り込んでいる。本稿では、新たな試験研究炉の整備に関するこれまでの経緯を俯瞰しつつ、福井県の動向を分析することで、立地地域の視点から、国家プロジェクトに対する期待と懸念について考察した。...