解説記事「新たな試験研究炉を活用した地域振興戦略~立地自治体の視点から~」


著者:
浅原 章 Akira ASAHARA 
発刊日:
公開日:
カテゴリ: 解説記事

概要

2016年 12月、高速増殖炉原型炉もんじゅ(以下、「もんじゅ」という)が廃止措置に移行することが決定して以降、国家プロジェクトとして「もんじゅ」サイトを活用した新たな試験研究炉の整備が進められている。2020年 9月、今後概念設計を進めるべき炉型として「中出力炉」がふさわしいとする方針が示され、同年 11月には、日本原子力研究開発機構(以下、「JAEA」という)、京都大学及び福井大学の 3主体が中核的機関として選定され、概念設計を開始した。まさに今、どのような炉を整備するのかについて活発な議論がなされているところである。 他方、この新たな試験研究炉に対しては、立地地域も大きな期待を寄せている。もんじゅを含め、計 15基の原子力発電所が立地する福井県では、 2020年 3月、新たな地域振興戦略を取りまとめた「嶺南 Eコースト計画」を策定し、新たな試験研究炉の利活用に向けた施策を盛り込んでいる。本稿では、新たな試験研究炉の整備に関するこれまでの経緯を俯瞰しつつ、福井県の動向を分析することで、立地地域の視点から、国家プロジェクトに対する期待と懸念について考察した。


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