保全学と社会-科学技術と民主主義の観点から-


著者:
藤垣 裕子 Yuko FUJIGAKI
発刊日:
公開日:
カテゴリ: 解説記事

概要

1.はじめに 現代社会において科学の研究成果はほとんど時間をおかずに社会全体やその構成員の運命を左右するような形であらわれる。とくにライフサイエンスと医療の場合、応用は社会の構成員の一人一人の生や死と直結している。情報技術の場合、技術の流通は、社会の構成員一人一人のリスクや安全(セキュリティ管理とプライバシー保護ほか)と直結している。核兵器や環境汚染、遺伝子組換え食品ほか、安全と安心にかかわる重大な社会的政治的問題は、民主主義社会においては市民一人ひとりにとっての問題である。科学技術に関連した社会的政治的...


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