概要
残留応力と保全(その1 溶接変形と残留応力の基礎)大阪大学 大学院工学研究科望 月 正 人1.はじめに 保全を考えるとき,対象の長期にわたる信頼性を確保するため,初期の製作に配慮するとともに時間経過にともなう保全活動が重要となる.ここで,圧力容器や配管など気密性を要求される構造物の場合,その製作に溶接が用いられることが多いが,直接目には見えない製作時の残留応力が劣化や損傷に影響を及ぼすことに気をつけなければならない. さて,溶接によって「もの」を「つなぐ」とき,要求通りの形状・寸法を満たすとともに,使...