欧州の軽水炉機器非破壊検査能力認証制度


著者:
渡辺 恵司
発刊日:
公開日:
カテゴリ: 解説記事

概要

1.はじめに 非破壊検査結果の信頼性は、各種プラント設備全般の健全性の基礎である。一般的に ISO 9712[1]や JIS Z 2305[2]に従った非破壊試験技術者の資格保持者が検査作業に従事することで、その信頼性を確保している。特に高い安全性、信頼性が要求される原子力発電所の供用期間中検査( Inservice Inspection, 以下 ISI)における超音波探傷試験( Ultrasonic Testing, 以下 UT)に対しては、前述の資格保持に加えて実際の検査作業により近い状態での検査能力認証制度が各国で実施されている。検査能力認証制度には、主に米国機械学会規格(ASME)に従った ASME方式と ENIQ(European Network for Inspection and Quali.cation)方式がある。 ASME方式は探傷装置、検査手順書、試験技術者を一括して実証する方式で、米国等で採用されている。現在国内で実施中のステンレス鋼配管溶接部の亀裂高さ(深さ)に対する UT測定に対する PD(Performance Demonstration)制度もこの方式を基にしている。 ASME方式には、認証制度自体の客観性・透明性確保が容易という長所がある一方で、試験片を多数要する為に試験片の製作・管理コストがかかるという欠点もある。 一方 ENIQ方式は、検査手順書及び探傷装置の技術的妥当性の評価に重きを置き、必要に応じて試験技術者の探傷技量を確認する方式で、主に欧州で採用されている。古賀による解説 [3]では、 ENIQ方式は ASME方式に比べて試験片による評価が最小で済むと紹介されているが [3]、技術的妥当性の評価に多くの時間とコストがかかると言われている。また、各国の実情に応じて運用されており、実際の運用がわかりにくかった。 本解説では、これまで調査した ENIQ方式の概要と具体的な運用を紹介する。


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