易しい破損解析講座破面から読み解く破壊の原因その3-破損の様相は重要な手掛かり-


著者:
野口 徹
発刊日:
公開日:
カテゴリ: 解説記事

概要

3.1 破面、破損状態観察の重要性 一般に破損破壊の原因調査、破損解析では化学分析や顕微鏡組織の観察、 SEMによる破面の詳細観察など、微視的な調査の重要性が強調されます。しかしこの解説では、そのような微視的で詳細な調査の前に、目視による巨視的な破面の観察および破損部近傍の変形状態などの観察が必要、重要であることを述べてきました。またこの段階で破壊原因の殆どが推論できることを幾つかの事例を上げて示しました。 SEMによる破面観察等の詳細調査はこの推論の確認、裏付けのためと位置付けています。全体の破損経過を考えずに詳細調査をするとかえって原因が判らなくなる場合さえあるのです。今回その 3ではさらに、破損品全体の破壊の様相が原因究明の重要な手掛かりになること、特に複数の部材が破損に関わっている場合、そのいずれがまず破損破壊したのかの推論判断(第一破損の推定)が重要であることを、いくつかの事例で紹介します。


全文掲載のPDFファイルダウンロード