特集記事「AIと保全」(3) 予兆監視システム(SIAT)とIBM Watson Explorerの連携によるプラント監視技術の高度化


著者:
林 司 Tsukasa HAYASHI
発刊日:
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カテゴリ: 特集記事

概要

当社は、発電プラント(島根 2号機)が蓄積している膨大なプラントデータいわゆるビッグデータに着目し、日本電気株式会社(NEC)と共同で、このプラントデータを活用して、設備の異常を可能な限り早い段階で、かつ正確に検知する人工知能( AI)を開発してきた。この AIはネットワーク障害対応用エンジン( SIAT(System Invariant Analysis Technology))をプラント監視に応用した異常を早期に検知する予兆監視システムである。2013年には、プロトタイプのシステムによりこれまで蓄積してきた島根 2号機の運転データを用い種々の機能確認を行い、システムの有効性を確認し上で 2014年に島根 2号機に導入、同年運用を開始した。 2015年には 3号機に導入した。図 1に SIATのプラント常時監視画面を示す。図 1に表示されているのは、プラントの主要な系統である。表示の緑は系統が正常に運転中であることを示している。系統内の相関するセンサーデータがいつもと異なる動きをした場合、その相関の崩れの状態により系統表示は、緑(正常)から、黄(注意)、そして赤(異常)に変化し、警報を発報する。


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