特集記事「AIと保全」(4) 米国の CAP活動と AIの活用


著者:
渡邉 邦道 Kunimichi WATANABE
発刊日:
公開日:
カテゴリ: 特集記事

概要

原子力発電所・原子燃料加工施設など国の規制を受ける原子力施設に対する検査制度は、福島第一原子力発電所の事故の反省から、 2020年 4月より大幅に変更されることが決定している。米国の ROP(Reactor Oversight Process)制度を参考とした変更であり、これは以下のような大幅な変更になると言われている。即ち従来は、規制側は「事業者の細部にわたる活動に介入し」、事業者は「規制対応で手一杯」という改善の進まない負のスパイラルの世界からパラダイムシフトして、 ROP適用後には、規制側は「安全にフォーカスして、問題が安全上重要でなく、事業者の強い自己評価と CAPが機能している場合には直接的な介入を保留してオーバーサイトする」もので、これに対して事業者は「自ら問題を見出して、解決することで、自主規制する」という新たな世界を志向していると言われている。この新たな ROPの世界では、是正措置活動(CAP)が重要な役割を果たすという位置づけになっており、本稿では、米国におけるこの CAPシステムの取り組みと、 CAPシステムにおける AIの活用についての調査結果を紹介するものである。なお、調査結果は、米国 Palo Verde原子力発電所の協力によるものである。


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