特集記事 「核融合エネルギー開発の現状」(6)核融合原型炉における保守保全の考え方


著者:
染谷 洋二 Youji SOMEYA
発刊日:
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カテゴリ: 特集記事

概要

日本の核融合原型炉概念設計では、現在、プラントの設計活動と並行して保守保全シナリオの策定を進めている。特に、核融合炉の炉内機器は重水素と三重水素(トリチウム)との核融合反応で発生する高エネルギー中性子(14.06 MeV)により高い中性子損傷を受けるため、数年毎の定期的な交換が必要になる。さらに、高線量環境の中で大型機器を遠隔制御で交換することも求められる。原型炉での炉内機器の設計方針は、所定の運転期間 (中性子損傷量)までは機能を担保するように設計し、その期間を超えて健全性を確保するため定期交換を行うという考え方である。他方、高エネルギー中性子が発生する核融合原型炉では、冷却水の放射化に伴い主冷却系などが広範囲にわたって高線量率になることにも留意する必要があり、プラント主要機器の放射線防護が保全の重要な課題である。本記事では、核融合原型炉の保守保全技術の概念検討の状況と課題を解説する。


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