1.はじめに
運転開始後の年数を経た原子力発電プラントについて、その健全性を評価するためには、プラントを構成する機器の健全性を評価する必要がある。機器は、経年化と共に構成する材料に劣化を考慮する必要性が生じ、またメンテナンス状況等によっても健全性に
1.はじめに
運転開始後の年数を経た原子力発電プラントについて、その健全性を評価するためには、プラントを構成する機器の健全性を評価する必要がある。機器は、経年化と共に構成する材料に劣化を考慮する必要性が生じ、またメンテナンス状況等によっても健全性に
1.緒言
原子力発電所の安全性は、機械、電気、制御及び土木 建築の各設備から成る機械系と、それを運用する人間系 の2つの系に支えられていると考えられる(Fig.1)。機械 系は多重性/多様性、独立性などのシステムに冗長性を持 たせる安全設計上の配慮
1.はじめに
高速炉は冷却材としてナトリウムを用いていることか ら高速炉特有の設備を有していること及び劣化に影響を 与える要因が軽水炉と異なることから、その特徴を考慮 した保全が必要である。軽水炉においては、高経年化技術 評価結果を踏まえ多くのプラ
1. はじめに
高速増殖炉は、燃料の増殖と放射性廃棄物中のマイナーアクチニドを燃料として再利用できることから、ウラン燃料を有効に利用できるとともに環境負荷を低減できる特長を有している。「もんじゅ」は、原型炉として実証炉・実用炉の設計、運転保守に不可
1.諸言
核燃料サイクル工学研究所には、所内各施設がプロセス用及び空調用として使用する蒸気を製造している水管ボイラが4 基設置されている。 水管ボイラは、設置後、約20 年経過しており、燃焼室内の清掃、熱交換器及び制御機器の整備等の定期保守に加え、
1.緒言
加圧水型原子力発電所(PWR)の炉内構造物にあるバ ッフルフォーマボルト(BFB)は、Fig.1 に示すようにバ ッフル板とフォーマ板を固定する呼び径約 16mm のオー ステナイトステンレス鋼製のボルトである。BFB は燃料 集合体と隣
1.緒言
東海再処理施設の主な工程は、ウラン・プルトニウム 分離精製工程、MOX 粉末製造工程、高レベル廃液ガラス 固化工程等から構成されている。各工程における分析業 務は、運転状況を把握するための工程管理分析や核物質 の計量管理分析など、様々な目
2.1 六ヶ所再処理工場の工程
六ヶ所再処理工場の主な工程は、以下のとおりである。(Fig.1 参照) ①使用済燃料受入れ・貯蔵建屋 原子力発電所から運ばれてきた使用済燃料を、使用済燃料輸送容器(キャスク)から取り出し、燃料貯蔵プールで冷却・貯蔵す
1.緒言
原子力関連施設における回転機器の保全は主に時間に 基づく保全(以降TBM)によって行われていたが、平成 21 年の新検査制度の制定以降、機器の状態に基づく保全 (以降CBM)を確立するための動きが強まった。 平成 23 年 3 月 11
1.緒言
効率的な検査の実施は経済性の観点から極めて重要であり、短時間に広範囲を一括して検査が可能である、いわゆる広域一括探傷技術の重要性が近年ますます認識されるようになってきている。プラントの保全活動という観点からは、一般的に重要な役割を担ってい
1. 緒言
東海再処理工場は、原子炉で使用された使用済み核 燃料をせん断、溶解及び精製する分離精製工場や高放 射性廃液を貯蔵するための施設等からなる核燃料再処 理施設である。東海再処理工場内の各施設は、内包する 放射性物質を施設内に閉じ込めるため、換
1.はじめに
著者らは軽水炉の主要機器・配管等を対象として、各種保全戦略(検査頻度、検査精度、抜取検査率、修理/ 取替の選択、維持規格の適用、長期サイクル運転等)が、①安全性、②信頼性、③経済合理性、④環境性、⑤社会的受容性に及ぼす影響を定量評価し
1.諸言
高速増殖炉で使用される熱交換器伝熱管の保守保全技術の開発は、水―ナトリウム反応の事故の苛烈さを考えた場合、この形式の炉において最も重要な研究開発項目である。このため原子力機構では、同炉で使用される内径1 インチ配管内で画像観察およびレーザ
1.序論
大規模構造物における配管群の健全性維持は極めて重要であり、適切な保全活動の適用が不可欠である。しかしながら、膨大かつ複雑な配管群の全数検査は工期・費用およびプローブのアクセス性等の観点から、現状困難であると言わざるを得ず、この課題を解決し
1.緒 言
機器類は、消耗品等の交換を行うなどの必要な保全を行いながら使用する。しかし、使用が長期化した機器は、経年的な部品の摩耗や歪みが生じることで動作精度が低下し、思わぬ故障に見舞われることがあり、機器類の信頼性を低下させる要因となる。 核燃料
1.緒言
原子力発電所の安全性は、機械、電気、制御及び土木建築の各設備から成る機械系と、それを運用する人間系の2つの系に支えられていると考えられる(Fig.1)。機械系は多重性/多様性、独立性などのシステムに冗長性を持たせる安全設計上の配慮やフェイ
1.はじめに
2013年12月に原子炉等規制法が改正され、再処理工場の性能が技術上の基準に適合し、維持することを求める新規制基準(以下、「性能の技術基準規則」という。)が 施行された。一方、六ヶ所再処理工場における設備は設置から十数年経過し、経年劣
1. はじめに
充分な情報が無く身近でない技術の問題は、社会的受け入れに時間を要する。19世紀産業革命の象徴であった蒸気機関では、1820 年代半ばにイギリスで始まった鉄道の商業利用にその典型を見ることができる。20世紀後半 から社会的利用が始まっ
1.管理からマネジメントへ
Quality management を品質管理というように、わが国では、マネジメントを管理と言い換える場合がある。しかし、品質管理は本来quality controlという用語の翻訳であり、コントロールとマネジメントは
1.はじめに
日本原子力発電(株)敦賀発電所2号機(以下,「敦賀 2号機」という。)は,1987年2月に営業運転を開始し,2017年2月に運転開始後30年を迎えようとしている。敦賀2号機は,発電出力116万kwの加圧水型軽水炉(以下,「PWR」とい
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