原子力安全と検査の関係に関する検討
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カテゴリ: 第11回
1.緒言
原子力発電所の安全性は、機械、電気、制御及び土木 建築の各設備から成る機械系と、それを運用する人間系 の2つの系に支えられていると考えられる(Fig.1)。機械 系は多重性/多様性、独立性などのシステムに冗長性を持 たせる安全設計上の配慮やフェイルセーフ、フールプル ーフ、インターロック等のヒューマンエラー対策などがなされており、設計上の機能が発揮されれば、一定以上 の信頼性あるいは安全性を確保できるようになっている。これに対し、人間系は、通常時(平時)においては機械 系を設計条件内で計画的に、しかも安全安定に運用(運 転、保全等)し、電気を生産するが、機械系の故障等の 内部事象や地震・津波等の外部事象により、異常が生じたり事故状態になったりした時(有事)は安全を確保する ため、機械系を停止、収束させる等の、いわゆる事故対 応を行う。言い換えると、原子力安全は機械系の安全機 能と人間系の対応が相俟って確保されると言える。なお、ここで述べたプラントの通常時(平時)における保全と 事故時(有事)における事故対応の間にはFig.2に示す ような対応関係があり、少なからぬ類似性があり、事故 は有事の保全とも言えることが報告されている[1]。
Fig.2 Similarity between maintenance in normal time and response in emergency Fig.1 Conceptual structure of nuclear safety - 98 -
2.プラントの安全機能と検査の関係
2.1 系統単位の安全機能評価の必要性 原子力発電所は機械、電気、制御及び土木建築の4種 類の機器から成り、その数は膨大である。これらの機器 を管理する場合、個々の機器を個別に管理することは勿 論可能であるが、通常、原子力発電所の各種の機能は系 統単位で発揮されるように設計されているので、系統に 属する機器全体を視野に入れて当該系統全体で信頼性が 高くなるように管理することが重要である(Fig.3)。 Fig.3 Relationship between nuclear safety and each plant system 2.2 プラントの安全機能を担保する保全活動 ある系統の安全機能は、当該系統に属する機器が健全 な状態に維持されて初めて発揮されるので、個々の機器 の状態を検査・モニタリングしその結果を評価した上で、 必要な是正措置を講じる必要がある。その一方、系統の 安全機能は地震や溢水、火災などの外的事象で損なわれ る場合もあるので、両者を視野に入れた総合的な評価・管 理が必要である。すなわち、系統単位の安全機能評価を 行うに当たり、通常のプラント運転状態を想定した劣化 の評価・検討と不幸にして過酷事象に至ってしまった後 の状態を想定した検討の2つの視点が必要であり、この ような観点から検討した結果を平時及び有事の保全に反 映することが重要である。 以上より、保全活動は「原子力安全」を確保するため に行う活動の一部であり、機械系の「安全機能」を正常 に、あるいは一定以上の信頼性をもって機能させるため の活動であるということができる。検査・モニタリングは この保全活動の一部として位置付けられる(Fig.4)。 3.原子力安全確保のための検査・モニタリン Fig.4 Design safety function and maintenance of plant system securing the ここで問題となるのは、この両技術を使用して機器の 健全性を確認する方法が安全性に係わることであるので、 その結果が信頼できる必要があることである。また、そ の一方で労力や時間を過度に要することなく容易である ことが望まれる。すなわち、如何に両者を両立させるこ とができるかが問題である。このような要求にこたえる 方法として従来から下記に示す方法が考案されている。 ? まず始めに、対象全体を概略調査し、劣化感受性の比較 的高い個所を抽出する。 ? 次に、抽出された箇所を詳細調査し、当該部の現状及び 将来を正確に把握する。 この考え方を本問題に適用すると、下記のようになる (Fig.5)。 ? 第1段階として、概略評価技術(あるいは広域評価技術) を用いて系統全体を概略評価し、詳細を把握すべき劣化 感受性の比較的高い個所を抽出するとともに、概略検 査・モニタリング技術(あるいは広域検査・モニタリン グ技術)を用いて系統全体を概略検査し、異常のないこ グの在り方 3.1 2段階スクリーニングによる経年劣化管理 機器の将来における健全性を評価・確認するには、検 査・モニタリング技術と劣化評価技術を活用する必要が ある。すなわち、機器の健全性は、検査・モニタリングを 実施するだけでは判定できない。機器の状態を把握する ために検査・モニタリングを実施した上で、その結果を劣 化評価技術に入力してその後の状態を評価することによ って初めて機能が維持されるか否か判定できる。このよ - 99 - うに、機器の健全性を評価・判定するには、検査・モニタ リング技術と劣化評価技術の両方が必要であり、いずれ を欠いても評価・判定できない[2]。 Fig.5 Two step method for the reliable and reasonable evaluation of component integrity このような手法を取れば、実機で全ての箇所を網羅的に 詳細検査する必要はない。信頼性が高く、効率的な方法 ということができる。ただし、これはあくまでも原則的 な方法を示したものである。劣化事象や対象箇所によっ て合理的な範囲で一部を省略あるいは代替手法で代替す ることは可能である。 3.2 システム安全の観点から見た検査・モニタリン グの在り方 前項で述べた経年劣化管理を念頭に、検査・モニタリ ングの在り方について検討する。 経年劣化管理は検査・モニタリング技術を用いて検査 し現状の劣化状態を把握するとともに、その結果である 劣化状態がその後の運転でどのように進展するか、劣化 評価技術を用いて予測評価し、少なくとも次回検査まで の健全性を証明することによって行われる。 検査・モニタリングを実施するには、事前にどの機器 を「対象機器」とするか、どのような「検査方法」を適 用するか、「検査時期」をいつとするかなどを決める必要 がある。言い換えると、検査計画は検査対象、検査方法、 検査時期の3つの要素を特定することで決定することが できる。この検査計画を決定する具体的方法としては Table 1に示す決定論的方法と確率論的方法が考えられる。 確率論的方法を用いる場合は、下記のような手順で検 討することが考えられる(Fig.6)。 1 プラント全体の確保すべき安全水準(安全目標)を設 とを実機で確認する。 ? 第 2段階として、詳細評価技術(あるいは局所評価技術) を用いて上記で抽出された詳細を把握すべき比較的感 受性の高い個所を詳細評価し、現状及び将来を正確に予 測するとともに、局所検査・モニタリング技術(あるい は広域検査・モニタリング技術)を用いて当該部を詳細 検査し、異常のないことを実機で確認する。 定し、その安全目標を満足するのに必要な安全機能を 有する各系統の信頼度、そしてその各系統の信頼度を 満足するのに必要な当該系統を構成する各機器の信 頼度を明確にする。 2 上記の各系統あるいは各機器の必要信頼度を確保で きるかどうかは、検査性能(あるいは検査の不確定性) と劣化評価の不確定性(予測誤差)を考慮した劣化の Table 1 How to determine the three elements of inspection plan Fig.6 Required inspection ability securing a certain level of system reliability 原子力発電所を構成している系統は、前述のように、 機械、電気、制御、土木建築の4種類の機器から成り、 静的機器と動的機器から成っている。上記の検査不確定 性と劣化評価不確定性はこれらの機器の全てに対し想定 - 100 - 進展予測評価結果に依る。この検討評価によって系統 の信頼性を確保するために必要な検査性能が求めら れ、その必要検査性能に対して実際に適用する検査方 法の性能が上回れば機器の信頼性、ひいては系統の信 頼性が確保されることになる。ここでいう検査性能と は、検査の不確定性(サイジング精度、POD)のこと である。 される。したがって、原子力発電所の信頼性、安全性を 議論する場合は、それらの不確定性を考慮した総合的な 検討評価が必要であると言える。この検討評価を具体化 するために検討用フォーマットを作成した。その一例と して原子炉系について検討した例をTable 2に示す。 Table 2 Inspection accuracy and reliability needed for ensuring a certain level of system reliability この表は原子炉系を構成する主要機器をすべて縦軸 に列挙し、その 1 つ 1 つに対して健全性を確保するため に必要な検査精度と検査信頼性(POD)に対し、実機に 適用する検査技術の性能である検査精度と検査信頼性が どの程度かを横軸に記載して両者を対比できるようにし たものである。この表の欄を全て埋めれば、実機に適用 する検査技術の技術的妥当性をチェックできるとともに、 系統全体として必要な信頼性を確保できるか否か判定す ることができる。信頼性が確保できない場合は何が問題 か、それを解決するためにはどのような課題あるいは調 査・研究項目があるか、明確にするフォーマットとなって いる。 4.結言 本検討では原子力安全と検査モニタリングの関係につ いて検討がなされ、下記が明確にされた。 (1) 原子力安全は原子力プラントシステムの安全機能と それを運用する組織の管理が相俟って確保される。 (2) 原子力プラントシステムは、その安全機能が系統単位 で発揮されるため系統単位で管理されるべきである。 (3) 将来における系統の健全性は、検査・モニタリングと 経年劣化評価を組合せて評価しなければ判断できな 参考文献 [1] 青木孝行、高木敏行、“保全科学の観点から見た原子 力発電所の保全と事故対応の類似性に関する検討”、 日本保全学会 第 10 回学術講演会 予稿集(2013 年 7 月)、pp.349-354. [2] 青木孝行、高木敏行、“原子力発電所における検査計 画の基本的立案方法に関する考察”、日本保全学会誌
謝辞 本研究は原子力規制委員会 原子力規制庁からの受託事 業である「高経年化技術評価高度化事業」の一環として 日本保全学会「システム安全検査研究会」の場で議論し た内容をまとめたものである。関係各位のご協力に謝意 い。 (4) 検査・モニタリングは、人間系によるプラント管理の 中の1つの活動として位置づけられる。 (5) 広域評価と局所評価の二段階でシステムの健全性を 評価する方法は信頼が高く、かつ合理的であると考え られる。 を表する。 - 101 -“ “原子力安全と検査の関係に関する検討 “ “青木 孝行,Takayuki AOKI,高木 敏行,Toshiyuki TAKAGI
原子力発電所の安全性は、機械、電気、制御及び土木 建築の各設備から成る機械系と、それを運用する人間系 の2つの系に支えられていると考えられる(Fig.1)。機械 系は多重性/多様性、独立性などのシステムに冗長性を持 たせる安全設計上の配慮やフェイルセーフ、フールプル ーフ、インターロック等のヒューマンエラー対策などがなされており、設計上の機能が発揮されれば、一定以上 の信頼性あるいは安全性を確保できるようになっている。これに対し、人間系は、通常時(平時)においては機械 系を設計条件内で計画的に、しかも安全安定に運用(運 転、保全等)し、電気を生産するが、機械系の故障等の 内部事象や地震・津波等の外部事象により、異常が生じたり事故状態になったりした時(有事)は安全を確保する ため、機械系を停止、収束させる等の、いわゆる事故対 応を行う。言い換えると、原子力安全は機械系の安全機 能と人間系の対応が相俟って確保されると言える。なお、ここで述べたプラントの通常時(平時)における保全と 事故時(有事)における事故対応の間にはFig.2に示す ような対応関係があり、少なからぬ類似性があり、事故 は有事の保全とも言えることが報告されている[1]。
Fig.2 Similarity between maintenance in normal time and response in emergency Fig.1 Conceptual structure of nuclear safety - 98 -
2.プラントの安全機能と検査の関係
2.1 系統単位の安全機能評価の必要性 原子力発電所は機械、電気、制御及び土木建築の4種 類の機器から成り、その数は膨大である。これらの機器 を管理する場合、個々の機器を個別に管理することは勿 論可能であるが、通常、原子力発電所の各種の機能は系 統単位で発揮されるように設計されているので、系統に 属する機器全体を視野に入れて当該系統全体で信頼性が 高くなるように管理することが重要である(Fig.3)。 Fig.3 Relationship between nuclear safety and each plant system 2.2 プラントの安全機能を担保する保全活動 ある系統の安全機能は、当該系統に属する機器が健全 な状態に維持されて初めて発揮されるので、個々の機器 の状態を検査・モニタリングしその結果を評価した上で、 必要な是正措置を講じる必要がある。その一方、系統の 安全機能は地震や溢水、火災などの外的事象で損なわれ る場合もあるので、両者を視野に入れた総合的な評価・管 理が必要である。すなわち、系統単位の安全機能評価を 行うに当たり、通常のプラント運転状態を想定した劣化 の評価・検討と不幸にして過酷事象に至ってしまった後 の状態を想定した検討の2つの視点が必要であり、この ような観点から検討した結果を平時及び有事の保全に反 映することが重要である。 以上より、保全活動は「原子力安全」を確保するため に行う活動の一部であり、機械系の「安全機能」を正常 に、あるいは一定以上の信頼性をもって機能させるため の活動であるということができる。検査・モニタリングは この保全活動の一部として位置付けられる(Fig.4)。 3.原子力安全確保のための検査・モニタリン Fig.4 Design safety function and maintenance of plant system securing the ここで問題となるのは、この両技術を使用して機器の 健全性を確認する方法が安全性に係わることであるので、 その結果が信頼できる必要があることである。また、そ の一方で労力や時間を過度に要することなく容易である ことが望まれる。すなわち、如何に両者を両立させるこ とができるかが問題である。このような要求にこたえる 方法として従来から下記に示す方法が考案されている。 ? まず始めに、対象全体を概略調査し、劣化感受性の比較 的高い個所を抽出する。 ? 次に、抽出された箇所を詳細調査し、当該部の現状及び 将来を正確に把握する。 この考え方を本問題に適用すると、下記のようになる (Fig.5)。 ? 第1段階として、概略評価技術(あるいは広域評価技術) を用いて系統全体を概略評価し、詳細を把握すべき劣化 感受性の比較的高い個所を抽出するとともに、概略検 査・モニタリング技術(あるいは広域検査・モニタリン グ技術)を用いて系統全体を概略検査し、異常のないこ グの在り方 3.1 2段階スクリーニングによる経年劣化管理 機器の将来における健全性を評価・確認するには、検 査・モニタリング技術と劣化評価技術を活用する必要が ある。すなわち、機器の健全性は、検査・モニタリングを 実施するだけでは判定できない。機器の状態を把握する ために検査・モニタリングを実施した上で、その結果を劣 化評価技術に入力してその後の状態を評価することによ って初めて機能が維持されるか否か判定できる。このよ - 99 - うに、機器の健全性を評価・判定するには、検査・モニタ リング技術と劣化評価技術の両方が必要であり、いずれ を欠いても評価・判定できない[2]。 Fig.5 Two step method for the reliable and reasonable evaluation of component integrity このような手法を取れば、実機で全ての箇所を網羅的に 詳細検査する必要はない。信頼性が高く、効率的な方法 ということができる。ただし、これはあくまでも原則的 な方法を示したものである。劣化事象や対象箇所によっ て合理的な範囲で一部を省略あるいは代替手法で代替す ることは可能である。 3.2 システム安全の観点から見た検査・モニタリン グの在り方 前項で述べた経年劣化管理を念頭に、検査・モニタリ ングの在り方について検討する。 経年劣化管理は検査・モニタリング技術を用いて検査 し現状の劣化状態を把握するとともに、その結果である 劣化状態がその後の運転でどのように進展するか、劣化 評価技術を用いて予測評価し、少なくとも次回検査まで の健全性を証明することによって行われる。 検査・モニタリングを実施するには、事前にどの機器 を「対象機器」とするか、どのような「検査方法」を適 用するか、「検査時期」をいつとするかなどを決める必要 がある。言い換えると、検査計画は検査対象、検査方法、 検査時期の3つの要素を特定することで決定することが できる。この検査計画を決定する具体的方法としては Table 1に示す決定論的方法と確率論的方法が考えられる。 確率論的方法を用いる場合は、下記のような手順で検 討することが考えられる(Fig.6)。 1 プラント全体の確保すべき安全水準(安全目標)を設 とを実機で確認する。 ? 第 2段階として、詳細評価技術(あるいは局所評価技術) を用いて上記で抽出された詳細を把握すべき比較的感 受性の高い個所を詳細評価し、現状及び将来を正確に予 測するとともに、局所検査・モニタリング技術(あるい は広域検査・モニタリング技術)を用いて当該部を詳細 検査し、異常のないことを実機で確認する。 定し、その安全目標を満足するのに必要な安全機能を 有する各系統の信頼度、そしてその各系統の信頼度を 満足するのに必要な当該系統を構成する各機器の信 頼度を明確にする。 2 上記の各系統あるいは各機器の必要信頼度を確保で きるかどうかは、検査性能(あるいは検査の不確定性) と劣化評価の不確定性(予測誤差)を考慮した劣化の Table 1 How to determine the three elements of inspection plan Fig.6 Required inspection ability securing a certain level of system reliability 原子力発電所を構成している系統は、前述のように、 機械、電気、制御、土木建築の4種類の機器から成り、 静的機器と動的機器から成っている。上記の検査不確定 性と劣化評価不確定性はこれらの機器の全てに対し想定 - 100 - 進展予測評価結果に依る。この検討評価によって系統 の信頼性を確保するために必要な検査性能が求めら れ、その必要検査性能に対して実際に適用する検査方 法の性能が上回れば機器の信頼性、ひいては系統の信 頼性が確保されることになる。ここでいう検査性能と は、検査の不確定性(サイジング精度、POD)のこと である。 される。したがって、原子力発電所の信頼性、安全性を 議論する場合は、それらの不確定性を考慮した総合的な 検討評価が必要であると言える。この検討評価を具体化 するために検討用フォーマットを作成した。その一例と して原子炉系について検討した例をTable 2に示す。 Table 2 Inspection accuracy and reliability needed for ensuring a certain level of system reliability この表は原子炉系を構成する主要機器をすべて縦軸 に列挙し、その 1 つ 1 つに対して健全性を確保するため に必要な検査精度と検査信頼性(POD)に対し、実機に 適用する検査技術の性能である検査精度と検査信頼性が どの程度かを横軸に記載して両者を対比できるようにし たものである。この表の欄を全て埋めれば、実機に適用 する検査技術の技術的妥当性をチェックできるとともに、 系統全体として必要な信頼性を確保できるか否か判定す ることができる。信頼性が確保できない場合は何が問題 か、それを解決するためにはどのような課題あるいは調 査・研究項目があるか、明確にするフォーマットとなって いる。 4.結言 本検討では原子力安全と検査モニタリングの関係につ いて検討がなされ、下記が明確にされた。 (1) 原子力安全は原子力プラントシステムの安全機能と それを運用する組織の管理が相俟って確保される。 (2) 原子力プラントシステムは、その安全機能が系統単位 で発揮されるため系統単位で管理されるべきである。 (3) 将来における系統の健全性は、検査・モニタリングと 経年劣化評価を組合せて評価しなければ判断できな 参考文献 [1] 青木孝行、高木敏行、“保全科学の観点から見た原子 力発電所の保全と事故対応の類似性に関する検討”、 日本保全学会 第 10 回学術講演会 予稿集(2013 年 7 月)、pp.349-354. [2] 青木孝行、高木敏行、“原子力発電所における検査計 画の基本的立案方法に関する考察”、日本保全学会誌
謝辞 本研究は原子力規制委員会 原子力規制庁からの受託事 業である「高経年化技術評価高度化事業」の一環として 日本保全学会「システム安全検査研究会」の場で議論し た内容をまとめたものである。関係各位のご協力に謝意 い。 (4) 検査・モニタリングは、人間系によるプラント管理の 中の1つの活動として位置づけられる。 (5) 広域評価と局所評価の二段階でシステムの健全性を 評価する方法は信頼が高く、かつ合理的であると考え られる。 を表する。 - 101 -“ “原子力安全と検査の関係に関する検討 “ “青木 孝行,Takayuki AOKI,高木 敏行,Toshiyuki TAKAGI