炉内検査用水中ビークルの位置検知技術

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カテゴリ: 第5回
1. 緒言
原子力発電所の炉内検査では、目視検査(以下、VT) の後、必要に応じて超音波検査や渦電流検査を実施す る。VT では、水中カメラや遠隔操作ビークル(以下、 ROV) が用いられる[1]。このうち、ROVは対象領域で 任意方向に移動可能であるため、1回の投入で広範囲 を検査でき、検査時間の短縮が図れる。ROV を用いた 検査では、移動中の位置を把握する必要があるが、従 来は ROV 搭載カメラや外部の水中カメラの映像から 判断していた。しかし、特に検査ニーズの高い炉底部 では、同一形状の構造物が複数存在するため、カメラ の映像のみで、位置を把握することが困難であった[2]。今回、炉底部においても利用可能な位置検知技術の 開発を目的とし、ROVに搭載したセンサのみで位置を 検知する方式を新たに考案した。以下、方式の概要と 性能評価試験の結果について報告する。
2. 水中 ROV を用いた炉内検査の概要Fig.1に、水中 ROVを用いた炉内検査の概要を示す。 検査時には、炉内は水で満たされており、オペレー ションフロアまたは作業台車上に制御装置を設置し、 ケーブルを介して接続した ROV を投入する。その後、 検査員がカメラ映像を見ながら ROV の位置を確認し、 検査対象箇所まで移動させ、VT を行う。連絡先:小林亮介、〒319-1221 茨城県日立市大みか町 7-2-1 (株)日立製作所 電力・電機開発研究所、電話: 0294-52-9214, e-mail:ryosuke.kobayashi.xc@hitachi.com
Overview of core internal inspection using ROV.Fig. 13.位置検知技術の開発 3.1 方式の検討 - 適用対象である炉底部は、多くの構造物が存在する ため、広い空間で一般的に用いられている GPS方式や、 検査領域を取り囲むように複数の超音波センサやカメ ラを設置する外界センサ方式の適用が困難である。こ れに対し我々は、内界センサのみで位置を検知する方 式を開発している [3]。今回、構造物の形状データを515Sensor unitCalculation unitOutput・PPressure sensorCalculation of the water depthVertical position--------3-D CAD data2 Calculation of the cross-section shape@Map matchingHorizontal positionLaser rangefinder3 Calculation of the inner surface shapemmmmmmmmmmFig. 2 Configuration of the position detection method.The cross-section shape (Calculated by Fig.2-2)bm2The coordinate originooo_ ooool ooooo foooMap matching(Fig.2-4)Noo:00 % 0 0:00 oo ODO oooo.The inner surface geometry (Calculated by Fig. 2-3)10oodThe cutting planeCalculated horizontal position3-D CAD dataThe measure pointFig. 3 The calculation example of the position detection.活用することで、より精度良く位置を検知する方式を 新たに考案した。3.2 処理の詳細 - Fig. 2 に考案した位置検知方式の構成、Fig. 3 に処理 イメージを示す。まず、圧力センサで検出した水圧を 基に、垂直位置を算出する(図中1)。次に、炉内 3次元CADデータから2次元断面形状の切り出しを行 う(図中2)。この際、垂直位置の情報に基づき、切断 面を定義する。一方、内表面形状は、レーザレンジ ファインダで計測した構造物までの距離情報を用いて 算出する(図中3)。最後に、マップマッチング処理(図中1)において、処理2と処理3において得 られた形状データを用いて、形状が一致する箇所を同 定し、水平位置を算出する。 - 以上、本節で述べた処理により、ROV の位置を算出 することが可能になる。4. 位置検知性能の評価試験試験では、適用対象である炉底部検査時の性能を 評価するため、炉底部モックアップを製作、設置した。 そして、センサユニットを Fig. 4 に示す計測点の各々に 設置し、位置を計測して検出誤差を評価した。516Fig. 4 に、試験結果を示す。図中の点線は、各計測点 における最大検出誤差を示している。結果から、検出 誤差は、48mm 以内であることが分かった。Shroud? Measure pointc Error 12007CRD housingY-axis [mm]0OOOOO50010001500 X-axis [mm] The result of the fundamental experiment.Fig. 45.結言本稿では、原子炉内検査用水中 ROVに用いる位置検 知技術として、LRF で計測した周囲構造物の内表面形 状と、3次元 CADデータから切り出した断面形状とを 比較して、ROV位置を検知する方式を考案した。性能 評価試験の結果、48mm 以内の誤差で位置を検知でき ることを確認した。参考文献 [1] 鈴木正憲、“原子力発電プラント水中検査用 ROVの開発”、日本ロボット学会誌、Vol. 22, No. 6, 2004,pp. 7-11. [2] 岡田聡他、“原子炉狭隘部検査用遊泳型 ROV の開発““、第23回日本ロボット学会学術講演会、2005. [3] 小林亮介 他、“狭隘部検査用水中ビークルシステムの開発-第2報:停留制御機能の構築一”、 第25回日本ロボット学会学術講演会、2007.517“ “炉内検査用水中ビークルの位置検知技術“ “小林 亮介,Ryosuke KOBAYASHI,岡田 聡,Satoshi OKADA,藤間 正博,Masahiro TOOMA
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