(1)新検査制度の概要とその運用状況

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カテゴリ: 第6回
1. 緒言
原子力安全・保安院は、2009年1月に保全プログラ ムを基礎とした新しい検査制度を施行した。同制度で は、保全計画の届出と国による確認、設備の劣化状況 に関するデータの収集と点検への反映、新しい技術を 用いた状態監視に基づく保全方式等を導入した。これ まで各電力会社から約 30 のプラントに係る保全計画 が提出され、国の確認を経て順次定期検査が行われて いる。本稿では新検査制度の実施状況について述べる。
2.保全の充実に向けた保守管理体制の構築
保全プログラムに基づく保全の充実を図るため、原 子炉等規制法に基づく保安規定に新たに規定又は充実 することとし、2008年 12月 12 日に、すべての原子力 発電を行う事業者の保安規定を認可した。具体的には、 保全プログラムを実行する際における構築物、系統及 び機器の保全重要度の設定、保全活動管理指標の設定 及び監視、保全方式に応じた点検計画(方法、頻度、 実施時期等)、科学的なデータに基づく評価の実施、保 守管理の有効性評価などを規定し、いわゆる保守管理 に関する PDCA サイクルを構築している。(図1参照)また、高経年化対策を強化するため、従来から実施 している高経年化技術評価の結果に基づき、10年間に 実施すべき保守管理の方針(長期保守管理方針)を新 たに策定し、同方針に従った保全を実施することを規 定している。連絡先:山本哲也、〒100-8986 東京都千代田区霞ヶ関 1-3-1、原子力安全・保安院原子力発電検査課、電話: 03-3501-9547, e-mail:yamamoto-tetsuya@meti.go.jp* 原子炉の毎サイクルごとの運転期間は、原子炉を停 止して行う点検・検査の間隔や燃料交換等から定まる 原子炉の運転期間などから設定されるため、国がその 妥当性を確認した上で認可するよう保安規定の記載事 項としている。これまで申請されたものでは、すべて 運転期間は 13 ヶ月となっており、今後、保全の有効性 評価などを踏まえて運転期間の変更の検討・認可申請 がなされるものと考えている。Fig.1 保全プログラムに基づく保守管理体制httpreperforeient200M全の充実に向けた保守管理プロセス寺行か行営の実施方法が分対象の事で点検・ハ行高雄・藤様等り:業物11時オープンしたなー ※つもでは ありカートを中国語基要求する場合に割けな 「 国語の成を書き原子炉の運転期間と取替炉心の安全性評価の関係するのです。劇的なとのかかる 間の抜) 1の家の家3.保全計画の策定及び国の確認状況 - 前述の保全プログラムにおいて、事業者は原子力発 電所の個別機器の点検や補修等に関する保全計画をプ ラント毎にかつ運転サイクル毎に国に届け出て確認を 受けることになる。保全計画は、設備の重要度や過去 の運転経験、機器の劣化状況等から、個別機器毎に保 全の方式・点検内容・頻度を設定して点検計画を定め るものであり、振動診断などの運転中の機器の状態監 視計画などについても記載される。本年1月に関西電力美浜発電所2号機を最初として これまで、29のプラントの保全計画が国に届出され、 国の確認を経て順次定期検査が実施されている。特に、 建設中のプラントや地震等による長期停止をしている プラントについては、特別な保全計画も策定されて提 出されている。(表1参照)Tablet 保全計画の届出実績(2009/07/08 現在)プラント名届出日確認状況関西電力美浜発2号機2009/01/09東京電力福島第一2号機2009/01/27中国電力島根1号機2009/02/06北海道電力泊2号機2009/02/06九州電力玄海4号機2009/02/17関西電力高浜3号機2009/12/27| ????????東京電力福島第二4号機2009/03/13中部電力浜岡3号機2009/03/19北海道電力泊3号機2009/04/08中国電力島根3号機2009/04/08電源開発大間1号機2009/04/08東京電力柏崎刈羽1号機2009/04/08確認中東京電力柏崎刈羽2号機確認中2009/4/8 2009/4/8東京電力柏崎刈羽3号機東京電力柏崎刈羽4号機2009/04/08確認中東京電力柏崎刈羽5号機2009/04/08確認中東京電力柏崎刈羽6号機2009/04/08東京電力柏崎刈羽7号機2009/04/08北陸電力志賀1号機2009/04/08北陸電力志賀2号機2009/04/15関西電力美浜1号機2009/05/20確認中関西電力大飯1号機2009/05/20確認中九州電力玄海3号機2009/06/03確認中東京電力福島第一5号機2009/06/04確認中日本原子力発電東海第二2009/06/09確認中東北電力東通1号機2009/06/16確認中九州電力玄海2号機2009/06/17確認中関西電力高浜1号機2009/06/26確認中東京電力福島第一4号機2009/07/03確認中 注:O;保全計画の国による確認が終了したもの。△;当初届出の保全計画について国の確認の結果、保全計画の変 更があり、追加で確認中又は変更が予定されているもの。既に国による確認が終了した東京電力福島第一2 号機の保全計画の例で見ると、保全活動管理指標とし て、計画外自動スクラム回数を 7000 臨界時間あたり1 回未満とするなど約180 の管理指標が設定されている。 また、点計画では機器の重要度や運転経験を踏まえ、 例えばポンプの構成品(主軸・羽車等)の点検を 78 月 (6 定検)ごとに実施するなど約 1100 機器の保全方 式・点検内容・頻度が記載されている。また、点検周 期の偶数化や点検実績等を踏まえた点検周期の見直 し、保全方式の変更も行われている。状態監視技術の 導入については、ポンプや電動機等の回転機器に対す る振動診断(約 130 機器)や赤外線サーモグラフィー (約 150 機器)が適用される。 原子力安全・保安院及び原子力安全基盤機構(JNES) による確認・評価は、約 60 項目に亘るチェックシー トに従い、計画内容を系統的に確認し、必要に応じ立 入検査(浜岡3号の例)を行うなどして、事業者の自 立的改善を促す観点から、過去の点検結果等を踏まえ た安全向上に向けた継続的な改善がなされているか に着目して実施している。また、確認状況や結果につ いては、関係する審議会(保守管理検討会)に報告す るとともに、確認結果を原子力安全・保安院のホーム ページに掲載している。4.結言新検査制度は本年1月から開始され、各事業者にお いては保守管理体制の充実を図り、保全計画に基づく 保全活動が順次開始されている。保全活動の充実は事 業者の主体的な取組の下で継続的な改善がなされてい くことが重要であり、その結果として原子力の安全性 の向上やパフォーマンスの向上を促していくよう、規 制当局としても取り組んでいくこととしている。“ “新検査制度の概要とその運用状況“ “山本 哲也,Tetsuya YAMAMOTO
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