ホットセル負圧制御用空気圧縮機の更新による運転保守管理の改善

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カテゴリ: 第17回
ホットセル負圧制御用空気圧縮機の更新による運転保守管理の改善 日本原子力研究開発機構 磯﨑涼佑 RyosukeISOZAKI Member 日本原子力研究開発機構 坂本直樹 NaokiSAKAMOTO Non-member 核燃料物質使用施設のホットセル負圧制御用として使用している空気圧縮機について、高経年化により機能低下の兆候が見られたので更新した。更新機種は、運転情報を電子データに記録できるものを選定し、 これらデータを活用した運転保守管理の改善を図った。 キーワード(核燃料物質使用施設、高経年化、空気圧縮機、運転保守管理) 1.緒言 照射燃料集合体試験施設(以下、「FMF」という。) は、放射性物質を取り扱うためのホットセル等を有し、 その内部は換気設備により常時負圧に維持管理している。換気設備の運転制御には、空気圧縮機(以下、「圧縮機」という。)の圧縮空気が用いられている。 これまで日常巡視では、圧縮機本体に表示される数値 を1 日に2 回記録し、異常のないことを確認していたが、換気設備の運転制御に必要な給排気弁及び計装機器 の圧縮空気による運転状態を把握することが困難であっ た。更新機種は、運転情報を電子データに記録できるも のを選定し、グラフ化することで換気設備の異常の兆候 も把握できるように運転保守管理の改善を図った。 2.圧縮機の更新について FMF では圧縮機を2 基設置しており、1 基を運転状態、残りの1 基をバックアップ状態として、常時、換気設備に圧縮空気を供給できるよう備えている。高経年化 した当該圧縮機では、吐出圧力を設定値まで到達させる 時間が増大する等の不具合が発生したことから、換気設 備の運転制御への影響を考慮して、更新を行った。更新 は、照射後試験への影響を最小限に抑えるため、換気設 備の運転を継続した状態で行う必要がある。そのことか ら、仮設圧縮機を設置し、1 基ずつ更新を実施することにより、バックアップ状態を維持させた。 3.運転保守管理の改善 連絡先:磯﨑涼佑 (国)日本原子力研究開発機構 大洗研究所燃料材料開発部 集合体試験課 〒311-1393 茨城県東茨城郡大洗町成田町4002 番地 E-mail:isozaki.ryosuke @jaea.go.jp 日常巡視では、圧縮機本体に表示される吐出圧力、吐 出温度等の数値を巡視の都度、記録していた。換気設備の運転制御に必要な給排気弁等の圧縮空気による運転状態を把握することが困難であったため、更新機種選定に おいては、連続した運転情報を電子データとして保存で きる機種とした。さらに、そのデータを基にグラフ化し て可視化するよう改善した。更新機種の運転情報の電子データからグラフ化した吐出圧力の推移を図1 に示す。図1において吐出圧力の推移を正常なものと不具合の発生したものとで比較すると、不具合の発生した圧縮機で は吐出圧力設定値までのロード時間が長いことがわか る。さらにアンロードの時間が短くなる等の換気設備の不具合の兆候を把握することが可能である。また、警報発報及び故障発生履歴の日時と項目についても同様にデ ータを保存できるため、故障発生時の詳細な原因調査にも活用できる。 図1 吐出圧力の推移 4.結言 運転情報を電子データで記録できる圧縮機を選定したことにより、把握の困難であった換気設備の異常の兆候を把握することが可能となった。今後も継続して運転保守管理の改善を図りながら施設の安定運転に努めたい。
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