安全保護系計器のドリフト評価指針(JEAG4621-2007)の制定

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カテゴリ: 解説記事
安全保護系計器のドリフト評価指針(JEAG4621-2007)の制定 三嶋 隆樹,Takaki MISHIMA,今井 和夫,Kazuo IMAI,田中 勤,Tsutomu TANAKA

1.はじめに
原子力発電所の安全保護系計器の設定値は、原子炉施設の安全機能を損なわずに事象が原子炉施設の安全解析の想定範囲内に収束するよう、安全解析使用値を超えることなく確実に動作信号を発信させるために、設計上の計測系を構成する計器の不確かさを考慮して設定されている。
また、計器には長期間使用するとドリフトを生じる特性を有しているものがあり、このドリフトが計器における不確かさの要因の一つにもなっている。
「ドリフト」とは、一定の環境条件の下で、測定量以外の影響によって生じる計器特性の緩やかで継続的な「ずれ」を意味し、本指針では、ある校正点における、ある使用時間経過前後の基準入力に対する出力の変化量と定義している。
原子力発電所を所有する事業者が保守管理における継続的な改善活動の過程において、安全保護系計器の校正間隔を変更しようとする場合には、変更された校正間隔で生じるドリフトを予測し、計器の不確かさへの影響を評価し、変更後の校正間隔の妥当性を示す必要がある。
国内において、原子力発電所の設備保全を最適化する活動の一環として、計器の校正間隔を現状から変更する場合の要求事項が、日本機械学会の「保全の最適化検討WG」(H17.12~H18.9)で審議され、この中で、既存のデータを用いて事業者がこれまで独自に実施してきたドリフト評価の手法について、「全体として整合のとれた標準的手法を整備する必要がある」との提言がなされた。
この提言を受け、日本電気協会 計測制御検討会で
は、先行する海外の指針を含めて、計器ドリフトに関する規格類を比較・整理し、これを元に現状の国内民間手法の整備(記載範囲・記載程度など)についての望ましい姿を検討した。
 具体的には、評価手法としての妥当性を容易に示すことができるとの観点から、実プラントにおける適用実績を重視し、既に米国で90年代前半に整備されていた米国電力研究所(EPRI)発行の統計的手法によるドリフト評価のガイドラインの最新版(TR103335-R1)(1)を参考とした。また、米国電力事業者がTechnical Specification (技術仕様書)で要求されているサーベランス間隔の延長を米国原子力規制委員会(NRC)に申請する際、このガイドラインを用いて実施した詳細な評価手順(2) (3)についても参照し、「安全保護系計器のドリフト評価指針(JEAG4621-2007)」として本指針を制定するに至った。
本解説では、JEAG4621-2007における制定のポイントについて紹介する。
2.JEAG4621-2007制定のポイント
本指針は、原子力発電所の安全保護系計器の校正間隔を変更する際に、変更された校正間隔で生じるドリフトを統計的手法によって推定する方法を示し、その際に考慮すべき事項について定めている。
また、内容の理解を深めるため、本指針に沿った具体的な評価例及び統計解析の基本概念を記した付録を付した構成としている。
2.1 校正間隔変更後のドリフト評価
本指針の制定に際しては次の二点が考慮されている。
一点目は、ドリフトの様相についてであり、これに関してはEPRIの資料を参照した。
EPRIの資料は、原子力発電所の数多くの計器点検データをもとにドリフトの様相を分類し(繰り返し性・ヒステリシス・直線性・ゼロスパンシフト・フォワードスパンシフト・リバーススパンシフト、非線形様相等)、更にAs Found-As Left分析においてそれらがどのように観察されるのかといった考察を踏まえた上で、その後の手法の議論を進めている。(図1参照)なお、EPRIの資料には、ドリフト事象の90%以上が上記の様相に分類されることが記載されている。
また、EPRIの資料で示されているドリフトの様相、ドリフトを校正前データと前回校正後データとの差で表現する基本的な考え方は、これまでの国内事業者の間でも一般的に認識されているものであり、十分受け入れられる内容と判断した。
二点目は、国内の事業者における計器の点検方法とその結果として得られた計器誤差及び点検間隔等の関係である。即ち、各事業者が有する過去の計器点検データを収集し、点検対象、点検方法、識別できている計器情報(計器番号、測定範囲、校正日付、型式など)の種類、点検間隔などを同定した。
 また、ドリフト評価の運用面については、実際に米国ディアブロキャニオン原子力発電所を訪問調査し、校正時における周囲温度に配慮することなど、点検要領書の段階で注意するような内容を含む詳細な情報交換を実施した。計測制御検討会としては、今後も米国電力との情報交換を通じて適宜運用上の課題などがあれば情報入手し、必要に応じ指針改定に活用していく計画である。
本指針で定める標準的な評価手順を図2に示す。
計器の過去のドリフトを統計的に処理し、統計的評価を実施することにより、現状の校正間隔における計器のドリフト分布区間を評価し(ステップ1)、時間依存性を分析・把握した後、それをもとに校正間隔変更に対応したドリフト分布区間を推定する(ステップ2)という2段階のステップを踏む手順としている。
評価プロセスの詳細を以下の各節に示す。
2.1.1 評価対象計器の選定
安全保護系の計器は、プラント運転時の異常な過渡変化を検出するものであり、パラメータの連続的な変動・変化を検出するものと、状態変化をON/OFF状態のみで検出するものとがあり、特に前者のうち安全解析結果に影響を与える可能性のある計器について評価対象とする必要がある。
但し、これらの対象の中でも運転中に定期的な校正を行っている等、系統要求上ドリフトを考慮する必要のない計器や、計器の使用期間においてドリフトは無視できる程度に小さいと判断できる計器があるため、安全保護系を構成する計器に対し、ドリフト評価の必要性について合理的な評価を行った上でドリフト評価の対象とするパラメータ・計器を選定する。
また、ドリフトが無視できる程度に小さいと判断されるとして評価不要とした計器についても、校正間隔を延長する場合は過去の点検実績等を確認し問題のないことを示すよう以下の例示と共に要求している。
【例 ドリフト評価不要とする根拠】
・運転中に定期的な校正を行っており、ドリフトを修正できる。(核計装等が相当)
・事故時に大きく変化するパラメータに対して、その変化の初めを捕えるように設定値を決めたもので、系統要求上ドリフトの影響がない。(事故後のレベルに対し十分な余裕があり、ドリフトが検出能力に影響しないもの、放射線検出器等が相当)
・構造、動作原理からドリフトは発生しない、又は無視できる程度に小さいと判断されるもの。(熱電対・測温抵抗体、振動検出器等が相当)
なお、本指針では、安全保護系を構成する計器について、上記の根拠を踏まえたドリフト評価要否の事例を参考表-1として準備している。
2.1.2 計器の校正データ等の収集
ドリフト評価を行うため、発電所の定期検査などで行われた計器の校正データの記録を収集する。また、この時、計器番号、測定範囲、校正日付、計器型式などの計器情報も同時に収集する。
統計処理を行う場合、標本のデータの個数は少なくとも30以上とすることを指針では要求している。
これは統計的な定理により、標本のデータ数が30以上となった場合、正規分布しているという近似による母集団の推定が行えるとされているためである。
なお、新規型式を採用した場合など標本のデータ数が30に満たない場合は、工場での試験データによる評価など本指針によらない方法による個別の評価を要求しており、現在、電力事業者間でその具体的方法が検討されている。
2.1.3 計器のグループ化
本指針では、検出器あるいは伝送器について、計器型式、測定対象及び測定量が同一の計器の校正データをグループ化することを原則としている。
検出器あるいは伝送器を除く他の計器については、計器型式によってグループ化することを原則とする。
計器のグループ化は、類似の特性を示すと考えられる計器を集合として扱い、集合体(グループ)としての特性を統計的に把握することで、以下の利点が得られることから行われる。
・データをより大きな集合とすることにより、十分性、外れ値の影響の軽減等が得られる。
・その集合に含まれる計器を使用する場合は、その集合の特性値を使って不確かさ計算などを行うことができる。
計器のグループ化では、出来るだけ機能が同等な計
器を一つのグループにまとめ、統計処理を行うことで母集団の性格をより正確に把握することが重要であり、
本指針ではその考え方を解説している。
また、計器型式及び測定量といった工学的な条件が同じで、測定対象が異なる計器をグループ化する場合、 
・データの類似性を確認することを目的に、「念のため」統計的検定を行うこと
・検定にあたっては、平均と分散を考慮して検定を行い、その際にはグループ化しようとするグループの数を考慮した適切な検定方法を採用すること
を要求している。
 具体的な検定方法については、本指針の付録2において、平均に対する一般的な方法としてt検定が、分散または標準偏差に対する一般的な方法としてF検定が例示されている。
また、EPRIの資料でも、異なるグループを合わせて評価する場合に計器タイプ毎に考慮すべき工学的な条件が主要な議論となっており、統計的検定については同資料の付録Bの中で言及されている。
米国事業者の中にはt検定のみの手順としているところもあるが、本指針においては、「検定を行うこと」を要求事項として本文に記載し、代表的な統計的検定手法として、t検定に加えて、「ばらつき」も考慮したF検定を解説に例示することで、本指針がより説明性のあるものとなるよう配慮している。
なお、本指針は安全保護系計器を対象としており、プラントメーカ毎でほぼ画一的な計器構成となっていることから、現実的には「型式・測定量が同じで測定対象が異なる」計器をグループ化する機会は比較的少ないものと考えられる。
2.1.4 ドリフト基本統計量の計算
ドリフト計算では、測定スパンで除算可能なものについては、測定スパンに対する割合でドリフトを計算する。これにより、単位の異なるデータを同等の集合とすることも可能となる。
校正を実施する計器には、比較器のように測定量と設定点の比較を行い、2値の信号(オン、オフなど)を出力するものと、伝送器のようにある範囲の入力信号を所定の連続した出力信号に変換するものがある。
比較器などは校正点が1点であるが、複数回の校正を行った場合には、その平均を求め代表のデータとすることができる。
伝送器などは、0%、25%、50%、75%、100%などの複数の校正点で入出力特性の確認が行われる。また、校正は入力信号の上昇時及び下降時で、それぞれ入出力特性を確認する場合もある。
本指針では、伝送器のドリフト評価用計算シートの例を参考表-2として準備すると共に、複数の校正点があるものに対しては、校正点ごと(入力信号上昇時と下降時は別の校正点と考える)にドリフトを計算し、校正点ごとの履歴を1つの校正点グループとすること及び基本統計量及びドリフト分布区間を校正点グループごとに計算し、ドリフト分布区間の最大値をその計器グループのドリフト分布区間とすることを解説している。
2.1.5 異常値の検討
各校正点グループのドリフトデータのうち、他のデータと著しく飛び離れた異常値がある場合、そのデータが統計結果を歪めることを防止する目的で、統計処理に使用することの正当性について検討する必要がある。工学的判断により、明確な異常値と判断でき除外することが妥当とされる場合を除き、以下の手続きをとることを本指針では要求している。
① 異常値の検定を行う。あるデータ集合から異常値を検出する棄却検定を行い、異常値を除外する。
② 異常値の除外後、基本統計量の再計算を行う。
但し、本指針が扱っている「ドリフト」は、統計的分布で必ずしも表現できない、即ち安定した穏やかな原因による変動のみならず、異常事象による変動の存在が否定できない。そのため、異常値の原因が当該データ固有の異常と特定されない場合には、そのグループの計器に共通する異常傾向を排除してしまう可能性もあることから、除外にあたってはその根拠を示すことが重要であることを留意して欲しい。
2.1.6 ドリフト分布区間の評価
本指針では、ドリフトの総合評価として、NRCからも認められ、米国では10年以上の実績がある「95%/95%の信頼限界(構築された限界は、選択されたサーベランス間隔の母集団の95%を含んでいることに95%の確率を有している)」を採用している。
サーベランス間隔(=校正間隔)の延長を想定したドリフト評価の知見がほとんどない我が国においては、独自の手法を採用するよりも、十分な使用実績のある米国の手法を踏襲することが最も説明性のある手法であると判断したことがその理由である。
 また、「校正点のうちドリフト分布区間が最大となる点を代表としていることにより、実際の安全保護系計器におけるセットポイントのズレはそれ以下であること」及び「最終計算結果については切り上げて使用する」などの措置により、評価結果に対する一定の保守性を与えている。
95%という数字については、前述の通り米国実績による説明性の観点、校正間隔を変更した場合のドリフト量の保守的な評価の観点から、それ以上(例えば99%)とはしないことに留意していただきたい。
さらに、説明性という観点では、米国NRCの見解として、Regulatory Guide 1.105, Revision 3, Setpoints for Safety-Related Instrumentationの中に「95%/95%信頼限界」に関する以下のような主旨の記載がある。
「ISA-S67.04-1994(原子力安全関連計器の設定点)の4章は、基準ではなく、トリップ設定点とその許容値を決定する不確かさの組み合わせ方法を示している。95%/95%信頼限界は、不確かさに対する許容できる基準である。すなわち、構築された限界は、選択されたサーベランス間隔の母集団の95%を含んでいることに95%の確率がある。」
なお、至近の点検において「95%の信頼度で95%のドリフトのデータ点数が包含されるドリフト分布区間」から外れるドリフトデータを有する計器については、傾向監視を行って「ばらつき」の範囲内であることを確認する必要がある。また、常にドリフト分布区間を外れているなど明らかに他と異なる特性を示している計器については、必要に応じて計器取替やドリフト分布区間の見直しなどの対応を図ることを本指針は要求している。
2.1.7 正規性の検定
統計処理はドリフト分布が正規分布であるとの前提で行なわれているので、正規性の検定を行い、評価の妥当性を確認する必要がある。そのため、本指針では正規性の検定方法を解説に記載している。
正規性の検定において正規分布の仮説が棄却された
場合は、分布が平均値付近に集中している可能性もあるため、ドリフトデータのヒストグラムに平均値及び標準偏差(標本)に基づく正規分布曲線を重ねて描き、正規分布で近似できることを確認する。
 この時、分布範囲の確認のため、ドリフトデータ数の95.45%が標準偏差の2倍以内に入っていることを確認する。入っていない場合は、ドリフトデータ数の95.45%が入るような境界値を求め、修正係数(α)を計算し、これに本指針の参考表-4で与えられる95%/95%信頼区間係数(k)を乗じた以下の式を用いてドリフト分布区間を補正する方法を解説している。

ドリフト分布区間=(平均の絶対値)
+k×α×(標準偏差)
2.1.8 時間依存性の評価
EPRIの資料や国内の点検データからは、殆どの場合、ドリフトは時間依存性を示さないとの結果が示されているが、計器の校正間隔変更を計画する際には、校正間隔変更によりドリフトがどのように変化するか評価する必要がある。
本指針における校正間隔変更後のドリフト分布区間の評価では、ドリフトと校正間隔の時間依存性の有無を以下の(1)(2)の方法で評価することとしている。
(1)本指針の第2.4節(1)及び(2)で計算された校正間隔及びドリフトについて、x軸を校正間隔としたドリフトの散布図を作成し、最小二乗法により回帰直線を求め回帰分析を行う。回帰分析の結果、時間依存性が認められた場合には、当該計器グループのドリフトのバイアス成分(平均)は時間依存性があると見なす。
(2) 本指針の第2.4節(1)及び(2)で計算された校正間隔及びドリフトについて、x軸を校正間隔としたドリフトの絶対値の散布図を作成し、最小二乗法により回帰直線を求め回帰分析を行う。回帰分析の結果、時間依存性が認められた場合には、当該計器グループのドリフトのランダム成分(標準偏差)は時間依存性があると見なす。
また、(1)(2)いずれの場合にも、相関係数が負の場合は、時間依存性なしとしている。
上記(1)(2)のような、ドリフトの生データによる回帰分析では、ランダム成分が運転初期のデータ(何らかの事情により通常の校正間隔より短期間で校正したデータ)により回帰係数が計器の時間依存性の特性を適切に示さず負側となる方向に働く可能性が、EPRIの資料で指摘されている。プラント運転中の校正は希である国内では、この可能性はほとんどないものと考えられるが、その可能性が考えられる場合は、上記判定で時間依存性なしとなったことを確認するため、実施可能な場合はビン解析を行うことを本指針は推奨している。ここで、ビン解析とは、校正間隔に対して等間隔の期間(例:3ヶ月ごと、0~3ヶ月、3~6ヶ月・・・)を設定した際に、これらに含まれるデータからなる一つの集合体をビンと定義し、このビンごとに標準偏差を計算し、校正間隔中心値との関係をプロットして、ランダム成分の傾向を分析することをいう。
なお、本指針の付録-1にドリフト分布区間解析例を示しているが、校正間隔の変動幅を狭くとらえて時間依存性を評価する現行の手法については、時間依存性を過大に評価することも考えられるため、本指針の運用実績を踏まえながら、時間依存性評価のあるべき姿を継続的に検討していく計画である。
2.1.9 校正間隔変更後のドリフト分布区間評価
本節では、各計器グループのドリフトのバイアス成分及びランダム成分に対する時間依存性の評価結果により、校正間隔変更後のドリフト分布区間は、時間依存性がある場合は校正間隔変更前と変更後の時間比を加味して、時間依存性がない場合は前記時間比の平方根の値を加味して求めることを定めている。
本手法は米国D.C.COOK発電所における評価手法を参考としている。
校正間隔変更後のドリフト分布区間の評価においては、校正間隔変更前の校正間隔は電気事業法で規定された原子炉運転期間(13ヶ月)をベースとする。
これは、計器の校正間隔では、原子炉運転期間に運転開始までの待機期間及び運転停止から校正までの待機期間を加えたものとなるため、原子炉運転期間を校正間隔として選択することが保守的な評価となるためである。
2.2 校正間隔変更の妥当性評価
校正間隔を変更した場合のドリフトを考慮し、図3のように安全保護系計器の設定点への影響を評価する。
本指針では、校正間隔変更後の校正時に採取されるドリフトを確認し、評価されたドリフト分布区間を超えるものがない場合には、校正間隔の変更を妥当と評価し、評価されたドリフト分布区間を超えるものがある場合には、実際の計器の設定点を見直すなどの措置を講じ、校正間隔変更の妥当性を示すことを要求している。
図3 安全保護系計器設定値の考え方(現状)
なお、評価されたドリフト分布区間を超えるものが
あった場合の対応として次の内容を解説している。
・ドリフトの原因調査
・設計上の不確かさと比較し、設定値(安全解析使用値)への影響評価
・実際に動作信号を発信させる値近傍の校正点での再評価
・傾向監視(次回校正時に再度確認)
3.おわりに
今回、JEAG4621-2007の制定を行うに当たり、先行する海外の指針を含めて、計器ドリフトに関する規格類を比較・整理し、これを元に現状の国内民間手法の望ましい姿を検討した。具体的には、原子力発電所の安全保護系計器の校正間隔を変更する際に、変更された校正間隔で生じるドリフトを統計的手法によって推定する方法を示し、その際に考慮すべき事項について定めることとした。また内容の理解を深めるため、本指針に沿った具体的な評価例及び統計解析の基本概念を記した付録を付すこととした。
本指針では、計器が有する誤差要因を全て加味して評価を行うと共に、評価の中で時間依存性がないと判断された場合でも、校正間隔の変更に際しては一定の保守性をもたせることを要求している。しかしながら、現状の評価データの多くが限られた校正間隔に集中しているため、安全保護系計器の校正間隔の延長にあたってのドリフト評価は、今後もデータを積み重ねながら計画的に実施することが望まれる。
本指針を、計器のドリフト評価業務に携わる方々の参考にして頂ければ幸いである。
参考文献
(1) EPRI TR-103335-R1 ”Guidelines for Instrument
Calibration Extension/Reduction ? Revision 1 :
Statistical Analysis of Instrument Calibration Data”
(2) ITS-PM-04 REVISION 0 “24 Month Cycle
Surveillance Upgrade Development Guideline
Instrument Drift Analysis Methodology”:D.C.COOK発電所のサーベランス間隔変更に関するT-Spec変更申請書から抜粋
(3) NES-EIC-20.04 Revision 3 “GUIDELINE FOR THE
ANALYSIS AND USE OF AS-FOUND/AS-LEFT
DATA”:CLINTON発電所のサーベランス間隔変更に関するT-Spec変更申請書から抜粋
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