インバリアント分析技術とビックデータを活用したプラント監視装置の開発

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カテゴリ: 第14回
1.はじめに
近年,ビッグデータを活用した機器等の故障診断技術について注目されるようになり,技術雑誌等で広く紹介されるようになった。 原子力発電所は多くの機器で構成されており,機器の故障内容によってはプラント停止に至るケースもあり, 故障を予兆の段階で早期に発見し,適切に対応することが求められる。 こうしたニーズに対応するため,従来から発電所に設置している運転監視用計算機に蓄えられているビッグデータを活用した「機器故障予兆監視システム」を平成23年から日本電気株式会社(以下,NECという)と共同開発し,平成26年7月に島根2号機に,平成27年3月には島根3号機にシステムを導入し,今日まで試験運用を行っている。 今回は,島根2号機に導入したシステムの開発~今日に至るまでの試験状況等について以下紹介する。
2.システム開発の経緯
(1)開発の目的
原子力発電所の安全性向上と稼働率向上は原子力事業 者にとって最重要課題であるが,これらを達成するため には以下の課題を解決する必要があった。 1プラントの異常を早期に発見する手段や,状態を的確 に捉え客観的に評価する手段がなく,特に長期停止後の 期停止後の立上げ時の信頼性確保は課題が多い。 再稼働時の信頼性確保は課題が多い。 2経験豊富な運転員や保修員が減りつつあり,いつまで も人に多くを依存し続ける訳にはいかないため,人に頼 らずリアルタイムで異常の予兆を捉えられるようにした い。3稼働状況は警報システムや運転員のパトロール等によ り監視しているが,現行の運用では,僅かな異常の兆候 を検知することは困難である。 以上の諸課題を解決するアイテムの一つとして,従来 からNECが開発していたビッグデータ処理技術を生か し,本システムを共同開発することとした。 (2)開発の歩み 西暦 内容 2009 NEC が※SIAT技術開発,IT向け製品化済 2011 SIAT 技術を活用した原子力発電所での故 障予兆監視システムをNECと共同開発着手 2012 島根原子力発電所の過去運用データ(運転 監視用計算機の保存データ)分析 2013 検知のスピードを焦点にモックアップ試 験等実施 2014 実用化のためのソフト開発~ 2号機システム導入 2015 3号機システム導入 2017 試験運用中 連絡先:藤岡 隆、〒730-8701広島県広島市中区小町4-33、 ※SIAT:System Invariant Analysis Technology 中国電力株式会社 E-mail:278570@pnet.energia.co.jp 電源事業本部(炉心技術グループ) インバリアント=不変性 - 39 - 3.故障予兆検知の仕組み 故障予兆を検知するためには,監視対象とする機 器や系統全体に設置したセンサ(温度,圧力,振動, 電流等)からの情報を元にセンサ間の結びつきの強 さを計算する。 計算は簡単な一次式で表わされる[例:y= f(x)]。例えばセンサAの値が1からnに変化し た場合,センサBは必ずそれにつられて一定量変化 する場合はセンサAB間に一定量の関係性があると 判断する。一方,センサAの値が1からnに変化し ても,センサCの値が不変であった場合はセンサA C間には関係性が存在しないと判断する。 (1)監視対象機器等に存在するセンサ群を,監視対象 としてシステムに登録しておく。(手動で任意のセン サ選択も可能) (2)次に,過去の正常時の機器稼働データを使って, 正常運転時のセンサ間の関係性の強さの範囲を学習 させる。(これを教師モデルとする) (3)学習させた教師モデルをリアルタイム(任意の間 隔でよい)で使用し,各センサ間の関係性の強さが 教師モデルの関係性の強さの範囲か否かを判定し, 一定時間外れた状態が続く場合は,システムからメ ッセージを発する。 図-1 予兆監視の仕組み 4.システム構成 島根原子力発電所2号機のシステム構成を図-2に示 す。 なお,3号機についてもシステム構成は同様であるが, プラント設計における集中化・自動化が図られたため, センサの入力点数が多いことからデータ保存用盤面が1 面多い。 システムは既設の運転監視用計算機と連携し,各種の センサ情報や計算機内のデジタルデータを使用している。 現在は既存のセンサデータ等を流用するに留まってい るが,監視の目的等に応じてセンサの追加等を行えば, より精度の高い監視が可能となる。 図-2 システム構成 - 40 - 5.システム仕様 項目 島根2号機 島根3号機 データ保存期間 39ヶ月 39ヶ月 記憶容量 96TB 192TB 入力データ点数 約3850点 約12000点 データ周期 1~5秒 5秒 同時監視最大モ デル数 20但しセンサ組み合わ せ上限は500000点 6※ 6※ 但しセンサ組み合わ せ上限は500000点 但しセンサ組み合わ せ上限は500000点 盤設置数 2面 システム動作1 データ保存1 3面 システム動作1 データ保存2 操作端末 3台 3台 ※モデル数の増加を検討中 6.システム適用用途 2項においてシステム開発の目的を述べたが,開発を 進めていく過程で他の用途にも使用できることが分かっ た。そのため,次のケースで利用することを想定している。 (1)プラント運転中および停止中における各種系統の リアルタイム監視 プラント運転時および停止中における機器故障予 兆監視画面例を図-3に示す。 監視したい系統や機器毎に最大20までの監視モデ ルを同時監視可能であり,約5秒周期で監視してい る。 図-3 監視画面例 (2)注目する機器の状態監視(状態監視保全) 機器のデータ(振動,温度,圧力,流量他)を定 期的に取得し,傾向監視することにより劣化や機器 故障を予想する。 本システムにより,注目する機器のセンサデータ の相関変化を定期的に評価し,従来から実施してい る手法をサポートする。 (3)定期試験における機器の状態判定 過去の定期試験で検出された関係性との比較によ り,現時点の機器の状態の良否を判定する。 島根2号機で実施している定期試験について評価 した例を図-4~7に示す。 分析1 分析2 分析3 a.分析対象および分析方法 ポンプの手動起動定期試験における健全性確認のた め,図-4のとおりポンプ起動時,定格流量時,ポン プ停止時の3段階に分割して各々の段階で分析する。 分析方法は予め作成した評価モデルを使用し,モデ ルには過去正常に実施した5回分の定期試験時のデー タを教師データとして学習させている。 表示画面は二次元マトリクス(総当たり表と同じで 縦横は同じセンサで表す)で表示され,視覚的に従来 との違いや,どのセンサが従来と異なる動作をしてい るかを捉えることができる。 二次元マトリクス上に,自動抽出されたインバリア ントは<白塗>で表示され,インバリアントが崩れた 場合に<赤塗>で表示される。 評価モデルと今回実施した定期試験との分析結果は 図-5~7のとおり。 - 41 - 図-4 ポンプ起動定期試験の流量特性 b.分析方法 今回開発したコアインバリアント法と呼ぶ手法を用 いて評価する。 ポンプの本体に直接関係するパラメータA-RHRポンプ出口流量 A-RHRポンプ出口圧力 A-RHRポンプ上部ガイド軸受温度 A-RHRポンプ下側スラスト軸受温度 A-RHRポンプ上側スラスト軸受温度 トーラス水温度 1 トーラス水温度 2 トーラス水温度 3 トーラス水温度 4 トーラス水温度 5 トーラス水温度 6 6.9KV母線電圧(2A) 6.9KV母線電圧(2C) 6.9KV母線電圧(2HPCS) 図-5 分析1での評価結果 図-6 分析2での評価結果 A-RHRポンプ出口流量 A-RHRポンプ出口圧力 A-RHRポンプ上部ガイド軸受温度 A-RHRポンプ上側スラスト軸受温度 図-7 分析3での評価結果 c.分析結果 (a)分析1での評価 分析1で赤く表示されているところは,6.9kVの 所内電源電圧であり,これは試験時に別の大型機器 が起動したため,一時的に所内電圧が低下したもの を捉えている。ポンプに係る部分に異常は見られな い。 A-RHRポンプ出口流量 A-RHRポンプ出口圧力 A-RHRポンプ上部ガイド軸受温度 A-RHRポンプ下側スラスト軸受温度 A-RHRポンプ上側スラスト軸受温度 トーラス水温度 1 トーラス水温度 2 トーラス水温度 3 トーラス水温度 4 トーラス水温度 5 トーラス水温度 6 6.9KV母線電圧(2A) 6.9KV母線電圧(2C) 6.9KV母線電圧(2HPCS) A-RHRポンプ下側スラスト軸受温度 トーラス水温度 1 トーラス水温度 2 トーラス水温度 3 トーラス水温度 4 トーラス水温度 5 トーラス水温度 6 6.9KV母線電圧(2A) 6.9KV母線電圧(2C) 6.9KV母線電圧(2HPCS) (b)分析2での評価 分析2で赤く表示されているところは,トーラス 水温度であり,これは試験時のポンプの戻り水ライ ンがいつもと違うライン構成としていたものを捉え ている。ポンプに係る部分に異常は見られない。 (c)分析3での評価 分析3で赤く表示されているところは,ポンプ軸 受温度とトーラス水温度の関係であるが,分析2と 同様に系統の違いを捉えている。ポンプに係る部分 に異常は見られない。 (d)総合評価 分析1~3の結果についてはポンプに異常を示す 表示がないことから,正常と判定した。なお,当日 の運転員による機器点検やパラメータ等に異常はな く,この事からも判定は妥当と考える。 (4)プラント起動工程および停止工程におけるプラン ト健全性確認 a.起動工程確認 起動には1原子炉起動~圧力上昇,2復水器真空上 昇,3タービン起動,4発電機並入,出力上昇等(大 別すると8工程)のイベントがあり,イベントごとに 機器の健全性を確認している。 本システムを活用し,各イベント終了時点で,モデ ルとの比較,評価を行うことで,これまでと異なる視 点で健全性を確認する。(6.(3)で紹介したコアイ ンバリアント法による) 図-8 プラント起動工程監視画面 - 42 - (5)機器点検前後およびリプレースした機器健全性評 起動工程の評価は各イベント(例えば原子炉圧力上昇 完了時)用に作成した監視モデル※を使用し,原子炉圧 価 力上昇が完了した時点で健全性を評価する。 機器の分解点検,またはリプレースした後の試運 評価した例を図-9に示す。 転時に評価する。評価は,当該機器の前回点検後の ※:原子炉圧力上昇完了時用監視モデル 試験データとの比較,点検前データとの比較により 1原子炉起動に関係するセンサを任意抽出し,監視モ 行う。 デルとして登録しておく。 (6)トラブル事象後の分析機能活用 2過去6定検分の原子炉起動時(正常に実施されたも 万一,トラブル等により原子炉が緊急停止した場 の)のデータを使用し,監視モデルに各センサ間の 合の原因究明・対策に活用する。 関係性の強さを学習させておく。 (7)シミュレータ機能 3原子炉圧力上昇完了後,学習させた監視モデルと各 a.機器故障の予兆事象をパターン化し,事故の予測と センサ間の関係性の強さが正常範囲内か否かを比較 事故の防止のための教育に活用する。 する。 b.計器・センサのパラメータを変動させ,予兆の発生 4比較した結果は2次元マトリクスにより表示する。 から故障までの変動を模擬する。 7.開発時の検証 今回,NECとの共同開発に当たっては,以下に示す 検証を行いながら開発を進めた。 (1)実際のプラントデータを用いた解析 2001 年以降,島根原子力発電所であった不具合事 例を約30項目抽出し,検知可能か否かの検証を行っ た。 検証にあたっては,システムの起動,定格熱出力 運転中,定検中等監視したい全てのケースで検証し た。 検証の結果,事象の検出は概ね良好であり,検知 異常があると一直線 になることが多い 時間も事象発生の約数時間前から,運転員と同程度 内に収まった。(但し,一部検知不可事象もあった) これらは既存のセンサのみで実施した結果であり, 図-9 島根2号機16回定検原子炉圧力上昇の健全性 目的に応じてセンサを追加すれば,検知精度,時間 評価結果 とも向上するのは言うまでもない。 検証結果の一例を以下に示す。 図-9では赤い表示が所どころ見られるが,散発的で a.島根2号機主蒸気圧力検出器(以下,MSPSとい あり,正常の範囲内である。異常があった場合は,異常 う)からの漏えい事象 に関係するセンサの列が一直線上に表示される。 [不具合概要] 原子炉からタービンに蒸気を送る主蒸気配管4本の b.停止工程確認 うち1本にMSPS3台が設置されており,通常は3 プラント停止は1定格出力~発電機解列~原子炉停止 台の検出圧力の平均値でタービン主塞止弁前の圧力が までで,過去の停止データを正常モデルとし,イベント 一定になるよう圧力制御をしている。 終了時点でモデルとの比較・評価を行う。(起動時と同様 このうち,1台の検出器に蒸気漏えいがあり,2006 に,コアインバリアント法を使用する) 年10 月13 日11 時30 分頃に運転員が発見し,不具合 なお,プラント停止時の評価も重要であり,異常があ 除去操作(検出器をバルブ隔離)を行い収束した。 った場合は,定期検査の中で異常個所の修理を行う。 - 43 - 図-10 島根2号機MSPS蒸気漏えいによる原子炉 圧力の変化 (a)システムによる検証 上記事象をシステムで捉えられるかを,通常使用 する監視モデルを使って検証した。 [検証結果] 検証の結果,実際の運転員による発見より 7 時間 以上早く検知され,事象が拡大する前に処置可能で あることが確認された。 このときの圧力低下率は0.1%程度であり,しきい 値監視手法ではこの時点での検出は困難であった。 検証結果を図-11 に示す。 なお,注意したいことはこのグラフは原子炉圧力 の挙動ではなく,関係性のあるセンサ間の強さがあ る閾値を超えた総数を表しており,モデルの中のセ ンサには3台のMSPS圧力は含まれておらず,圧 力の平均値のみが含まれている。 図-11 監視モデルによる検証結果 運転員の事象把握時刻 事象を運転員が把握した時刻は平成18 年 10月13日11時30分頃と考えられる。関連 するパラメータ(原子炉圧力)は6時頃よ り値の変動が現れていたが、対象パラメー タを監視するしきい値を超えるほどの変動 ではなかったと考えられる。 現実の運用に近い環境で本システムを評価するため, モックアップ試験設備(横型ポンプ,ポンプ用電動機 等)の試験ループ内の各部にセンサを取り付け,各種 模擬故障(キャビテーション,軸受傷)における系統 のデータを取得し,解析・評価を実施。 (2)島根原子力発電所訓練施設による試験(モックア 島根原子力発電所の訓練用施設にある横型ポンプ の循環ラインを使用し,様々な故障予兆を模擬的に 発生させ,検知性能を検証した。 図-12 訓練施設による検証 (3)電力中央研究所設備による試験 本システム開発の検証結果の信憑性,データ解析 の信頼性向上のため,電力中央研究所の設備を用い た検証試験を実施した。発電所の訓練施設との違い は,系統内の流体温度を最大 200°Cまで変化させる ことが出来るため,試験では 50°Cから 200°Cの温度 範囲内での故障検知に差が生じるのかも含めて検証 した。 検証では,良好な試験結果が得られたとともに, 図-13に示すようなポンプ電流・流量・温度の関係 が明らかになった。 図-13 ポンプの定式化模式図 - 44 - ップ試験) 8.システム画面例 今回開発・設置したシステムの主な画面例を,前述し たMSPSからの漏えい事象を例として説明する。 (1)プラント全体の監視画面 a.プラント全体を全般的に監視する画面とし,画面内 の点がセンサを表す。 b.センサの点をクリックするとセンサ情報や過去のト レンドを表示することが出来る。 c.センサ同士は線で結ばれ,黒い場合はセンサ間の相 関性に異常なし。相関性に異常が見られた場合は,赤 く表示される。 d.原子炉やタービン廻り等センサが多く設置されてい るところは機器の拡大画面も表示される。 図-14 プラント全体監視画面例 (2)アノマリスコアグラフ表示 機器の故障予兆を検知した場合,監視モデル中の 関係性が崩れたセンサの総和(アノマリスコアと呼 ぶ)をグラフで表示させる。 図-15 アノマリスコアグラフ画面例 (3)系統監視画面表示 プラント全体の監視における系統監視表示例を示 す。 A点を構成するセンサ実測 - 45 - 予測値と実測値の差分グラフ B点を構成するセンサ実測値 と予測値 画面の左には監視している系統名称を表示(中央 制御盤の警報をイメージ)させ,機器の故障予兆を 検知した場合,赤く点滅する。確認ボタンをクリッ クすると,予兆継続中であれば点灯状態となり,通 常状態になると確認ボタンをクリックすることで消 灯する。 画面中央部分には警報発生中のセンサ情報を表示 でき,相関崩れの大きいものからランキング形式で 表示する。 更に表示画面をクリックすることで,詳細なセン サ情報が得られる仕組みとしている。 各センサの実測値と関係するセンサの実測値およ び計算上の予測値を表示,更にその差分を表示させ ることで相関性の崩れ度合を知ることが出来る。 各センサの実測値と関係するセンサの実測値およ び計算上の予測値を表示,更にその差分を表示させ ることで相関性の崩れ度合を知ることが出来る。 図-17 センサ実測値と予測値表示例 図-16 系統監視画面例 (4)センサ実測値と予測値表示 (5)2次元マトリクスによる異常表示 機器故障の予兆を捉えた場合,事象の進展状況を 2次元マトリクスで表示し,確認することが出来る。 a.図-181は正常時の状態。所どころ赤く表示され るが,正常の範囲内。 b.2はセンサ間の関係性が崩れ始めた段階で,警報 発生に3%程度の閾値を設定(運用によって任意変 更可能)しているので,警報は発報しない。 この段階では機器の異常とまでは言えない。 c.3は警報閾値の3%を超えた状態で,何らかの機 器異常が進展していると推測される。 d.4はシステム使用しなかった場合の運転員による 気づきや,何らかのシステム警報が発報する時の状 態。 1 通常状態 2 関係性崩れ始め 3 進展し,警報発生 4運転員異常気づき時 図-18 2次元マトリクスによる異常進展表示例 9.現在までの改良事項 開発当初から現在まで確認できた問題点における改良 事項について,以下のとおり,いくつか紹介する。 (1)システム機能 本システムでは様々な機能を有しており,その一 つ一つが使いやすいものでなくてはならない。その ため,使用する側に立った操作性を実現させている。 例えば,故障予兆を捉えた画面から,リンクして センサのトレンドや情報が表示される,また,セン サの取り付け位置の見える化や詳細位置情報表示等。 (2)データ抽出機能の強化 時系列データの周期取込を見直し,現在の5秒間 隔に加え,30 秒間隔も処理可能とした。(至近に実 施した島根2号機運転監視用計算機リプレースの前 後でデータ処理周期に相違があることによる。) (3)監視モデル機能の強化 現状の監視モデル6画面では故障予兆の監視,分 析を適切に行うことができないため,監視設定でき るモデル数を現在の最大6個から最大20個に拡大し た。 (4)センサ信号のノイズ対策 センサ信号の過渡的変化による誤検知を無くすた め,使用するセンサ情報には移動平均処理やフィル タ機能を持たせている。 (5)季節変動等によるセンサ値正常変動対策 プラントの状態は正常時でも海水温度の変化や定 期補機切替等によりセンサ値が変化する。このため, 正常時の監視モデルを一定間隔で学習し直す必要が あり,モデル更新頻度の最適化や自動更新機能を持 たせている。 10.おわりに - 46 - 島根2号機再稼働に向けて,未実施のシステム検証試 験や運用体制の整備等の課題が残っており,そのための システム開発を今後とも継続させ,より一層の原子力発 電所安全・安定運転に寄与させたい。“ “インバリアント分析技術とビックデータを活用したプラント監視装置の開発“ “林 司,Tsukasa HAYASHI,生田 睦男,Takeo IKUTA,藤岡 隆,Takashi FUJIOKA,山本 敬之,Takayuki YAMAMOTO,高瀬 健太郎,Kentaro TAKASE
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