塑性率を考慮した静的震度設計を用いた耐震設計 ガイドライン化における課題への取り組み

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カテゴリ: 第14回
1.緒 言
地震動のもとでの塑性率を一定程度以下に抑えることにより地震による機器の損傷ないしは機能喪失を防止する,新たな静的震度設計の手法を提案し,耐震設計手法の多様化による原子力発電所機器の耐震信頼性向上に資する。
2.機器の弾塑性挙動と塑性率 2.1 塑性率の考え方 従来設計の機器の構造設計においては,地震加速度や 相対変位により生ずる応力に着目し,線形解析により許 容状態を満足することを確認している。これに対し,本論 においては,機器の破損限界(安全機能維持の限界)の指 標として塑性率を導入し,塑性率と静的震度を関連付け た設計手法を検討する。 すなわち,実耐力(塑性域のねばり)を考慮した構造設 計手法として,荷重ベースの構造評価(荷重-変形特性に よる評価)を用いて地震入力による変位応答(応答塑性率) を求め,これを評価指標として,予め定めた許容塑性率と 比較することで地震時機能維持を図る。 原子力発電所の機器が地震によって機能喪失する際に は,地震相対変位や低サイクル疲労破壊などの一部の損 傷形態を除き,地震による交番荷重の中で生ずる設備構 造の大きな変形が,機能を担保する各部位の損傷ないし は機能喪失を引き起こすものと考えられる。塑性状態で の損傷を模式的にFig.1 のように表すと,実際には,変形 が塑性域に達しても(δyを超えても)機器は直ぐには損傷 せず,大きな変形(Fig.1のδult)を伴って損傷するものと 想定される。すなわち,地震荷重のような交番性の荷重の もとでは許容変形量δultに達する前に荷重の方向が変化す ることで最大応答変形量(Fig.1のδmax)が制御されれば, 機器の機能は維持されることになる。最大応答変形量δmax を降伏変位δyで除して無次元化した値を塑性率(μ)と呼 ぶ。
Fig.1 Typical static load-deflection curve Fig.2(a)のように,機器の重心位置に地震荷重が作用す 原子力発電所の耐震設計における塑性率の概念は古く ると,支持部および機器本体の変形によって重心位置が から存在する。NewmarN らは塑性変形に伴うエネルギー 移動する。この地震応答変位量が,降伏限界(降伏変 吸収を考慮し,最大変位一定則ならびにポテンシャルエ 位)を超えるとその部分が塑性変形し剛性が低下して変 ネルギー一定則に基づき塑性率を応答加速度の低減係数 位が急激に増大する。本論文においては荷重変位特性を に用いる手法を提言した[4]。この概念は地震応答解析で バイリニアモデル(Fig.2(b))に単純化したモデルを提案 一般的な線形解析に便利である一方,地震動の交番性の する。 中で生ずる塑性率の変化ならびに機器の機能維持限界は 考慮されておらず,従って,この概念を用いた設計では総 1899/12/29じて塑性変形は小さなレベルに抑えられている。 また,高速増殖炉では,容器の耐震座屈設計で変位一定 1899/12/28則による塑性率を用いた応答低減係数が提案されている (3) [5] [6]。 これに対して本論に示す設計手法は,機器の大変形を Fig.2(b)で Qyは降伏荷重,δyは降伏変形,δmaxは最大変 想定した場合の耐震性能の評価には,変位の評価が必 形を表し,一次剛性k1は弾性剛性,二次剛性k2は塑性剛 要であるとの前提のもと,その指標として塑性率を用 性を示している。系の固有周期Tとk1の間には式(1)が成 いることを提案したものである。地震動の交番性(変位 り立つ。ここで,W は質点の質量,g は重力加速度であ 制御性)を考慮して地震動下での時々刻々の塑性率の変 る。また,QyとWの関係式(2)において降伏荷重を与える 化を分析して最大の塑性変形を導出し,機器の機能維持 震度を静的震度Sc と呼ぶ。前項に示した通り,塑性率μ 限界を担保する許容塑性率と比較することにより機器の は式(3)のごとくδyとδmaxの比と定義する。 耐震性能を評価するもので,先行の研究成果に対してよ 現行の原子力発電所の機器に対する静的震度設計にお り大きな塑性率を許容することが期待できる。また,自然 いては,耐震重要度に応じて分類された,Sクラス,B 現象である地震の不確かさを考慮したとき,基準地震動 クラス,Cクラスのそれぞれの機器について,設計用静 を用いた耐震設計を補完して耐震安全性を向上させると 的震度として3.6 Ci,1.8 Ci,1.2 Ciの値が採用される の性格を持つ。 [1]。ここでCiは,標準層せん断力係数C0に地域係数等 を考慮して建築基準法で定められる建屋のAi分布を考 2.2 応答塑性率と塑性率スペクトルの算出 慮して求められる値である。なお,原子力発電所におけ 配管系や建物との連成が必要な大型構造物などを除 るC0には0.2が採用されている。 き,機器は1自由度系のモデルを用いて地震応答解析さ このバイリニアモデルに任意の地震動を入力し時刻歴 れることが多い。1自由度系でモデル化される機器の弾 弾塑性応答解析を実施することで地震力の特性に応じた 塑性地震応答解析では,重心位置での荷重と変形(相対 荷重-変位ヒステリシス応答が出力されるとともに,地 変位量)の関係によって地震応答が決定される。 震継続時間中の最大塑性率が得られる。Fig.3 は 2007 年 新潟県中越沖地震における東京電力柏崎刈羽原子力発電 所1号炉の原子炉建屋基礎版上の地震観測記録(Fig.3 (a)) を静的震度 0.2 のバイリニアモデル(W=100 Ng, 5Hz)に 入力した際に得られる荷重-変位ヒステリシス応答 (Fig.3 (b))である。 (a) Single-degree-of- (b) Dynamic load-deflection characteristic freedom system (Bi-linear model) Fig.2 Elastoplastic response analysis model ? ? ? ? ? ? ? - 82 - Fig.3 (a) Example of seismic ground motion Fig.3 (b) Example of load-deflection hysteresis さらに,静的震度Sc を一定として固有振動数を変化さ せたバイリニアモデルを用いて上記の計算を行って最大 塑性率をプロットすると,塑性率スペクトルが得られる (Fig.4参照)。 ここで,実際に大きな地震動を受けた原子力発電所機 器について,機器の設計上の静的震度Sc と観測記録によ り塑性率スペクトルを導出して,機器の損傷ないしは機 能喪失の有無と比較することにより,機器の機能維持に 影響すると考えられる塑性率レベルを把握できる。原子 力発電所における機器は多種多様であるため,広範囲の 機器について分析を行うことで,統計的な見地から,機器 の機能維持を担保する塑性率レベルの導出が可能と考え られる。 Fig.4 Example of ductility factor response spectrum 10000-10000 10 20 30 40 50 時 間 (秒) EW EW成分 component max = 680 Gal 3.静的震度設計手法の高度化 本論では,許容塑性率を満足するよう静的震度を定め て機器の設計を行う静的震度設計手法の構築を提案する。 Time (seconds) 3.1手法の概要 許容塑性率を用いた静的震度設計の手順を Fig.5 に示 す。Fig.5 は静的震度設計に用いる設計用静的震度の導出 プロセスを示している。 設計者は,まず,本手法を適用できる機器を選定する必 要がある。第3.3項に示す通り機器の機種ならびに損傷モ ードによっては本手法が適用できない可能性があるため, 対象とする機器を選定する。 次に入力となる地震動を選定する。想定される地震動 としては当該発電所における第 4 章に示す基準地震動を 用いた手法が適切であると考えられる。 入力となる地震動を用いて塑性率スペクトルを導出す るにあたり,静的震度Scを定め,バイリニアモデルを用 いた時刻歴弾塑性解析を実施する。これにより求められ た塑性率スペクトルが全固有周期帯において許容塑性率 を下回るまで,静的震度Scを大きくしながら解析を繰り 返し,許容塑性率を満足する静的震度Sc を見出す。さら に,これに保守性を考慮して設計用静的震度を定め,各機 器の静的震度設計に用いる。 許容塑性率を用いた静的震度設計の適用性については 第3.3項に,許容塑性率の設定については第3.4項に記述 する。 - 83 - Fig.5 Procedure of setting of design basis static seismic coefficient 3.2 性能目標 基準地震動を用いた動的設計が概ね弾性設計によって いるのに対して,本論が提案する静的震度設計では,基準 地震動の不確実性を考慮し,基準地震動を上回る地震動 を対象として,機器の損傷ないし機能喪失を防止するこ とを性能目標とする。また,設計手法における機器の応答 についても,これまでの応力-ひずみ特性による評価に 対して,荷重-変形特性による評価を取り入れることで, 地震交番荷重のもとでの機器の弾塑性応答を,より現実 的に考慮できる体系を提案する。 3.3.ガイドラインの策定 原子力発電所の自主的安全性向上を目指した機器全般 の実効的な耐震性掌握のため,本手法のガイドライン化 について検討した。 3.3.1 許容塑性率を用いた静的震度設計の適用性 前章に示した応答塑性率および塑性率スペクトルの算 出には,1自由度系モデルを用いた。多くの機器の設計に おいては 1 自由度系モデルが用いられるが,原子力発電 所の機器の機種は多様である。 そこで,本項では原子力発電所に採用される機器の機 種ごとに,許容塑性率を用いた静的震度設計の適用性に ついて検討を行う。 (1) 基本的考え方 parts, short circuit of electrical equipment, relay chattering, etc. 触),電気機器の短絡,リレーのチャタリング等などの電 気的な機能喪失の態様に対しては,本手法による表現は 困難である。しかしながら,これらの損傷モードであって も,例えばポンプの軸受の損傷のように,機器全体の荷重 -変位特性と損傷評価パラメータ(軸受の場合は軸受面 圧等)との関連を明らかにすることができれば,当該部位 の機能維持を許容塑性率で代表できる可能性がある。 (3) 適用可能なモデル 1 1自由度系モデル 多くの床置き機器および動的機器は 1 自由度系モデル で代表される。これらの機器は,機器架台の変形や基礎ボ ルトの破断等を最弱部位および損傷モードとして設計を 行う機器であり,本論で提案する許容塑性率を用いた静 的震度設計が適用できる。対象機器は,容器,熱交換器, 横型ポンプ,縦型ポンプ(短尺・高剛性),ファン(高剛 性),ディーゼル発電機,電動機,空調ユニット等である。 なお,これらのうち,動的機器については,別途,動的 機能維持評価が求められている。 2 多質点系モデル 多質点系モデルで設計される機器については,基本的 には本論とは別の手法の検討が必要と考えるが,機器の 機能喪失を生じる脆弱部位(最弱部位)が把握され,かつ, 当該部位の機能喪失に影響を与える振動モードが特定で きる場合には,この振動モードに着目して,機器全体の荷 重-変位特性を表現する等価な 1 自由度系モデルを定義 することで,本論の手法を用いた静的震度設計を行うこ とが可能と考えられる。 日本電気協会「原子力発電所耐震設計技術規程 (JEAC4601-2008)」[7]では,機器の耐震設計手法につい て詳述されている。また,2007 年新潟県中越沖地震を受 けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所では,予め機器の地 震応答特性に基づく脆弱部位を把握した上で,地震後の 点検が実施された[8]。これらの知見を踏まえ,Table1に, 機器の耐震設計に一般的に用いられる解析モデルの代表 例と,それらの脆弱部位および損傷モードを機種ごとに まとめた。 (2) 適用可能な損傷モード 許容塑性率を用いた静的震度設計は,地震動のもとで の塑性変形に起因する機器の構成部品の損傷または機能 喪失を防止するのに有効な手法である。従って,ポンプの 軸受の機能喪失,配管のラチェット疲労による機能喪失, *1: A component, whose damage modes are not associated with the ductility factor, should be non-target component. Examples of these damage modes are wearing of bearings, ratcheting fatigue, contact of internal 機器の内部部品の接触による機能影響(タービン翼の接 - 84 - 長尺の立形ポンプ等がこれに相当すると考えられるが, 地震応答の増加により,着目した最弱部位以外の部位が 機能喪失を生じないよう,機器全体の機能維持について 分析しておく必要がある。 Table 1 Examples of the major models of components for seismic analysis and typical vulnerable parts Type of components Model for seismic design Vulnerable part and the damage mode TanNs One-degree- of-freedom model Anchor bolts (Shear fracture, plastic deformation) を一律に定めるのが合理的と考える。 ここで,許容塑性率については,対象とする機器の機種 ごとあるいは型式ごとに解析に基づきこれを導出するこ とも考えられるが,近年では実際に地震を受けた原子力 発電所における知見が蓄積されているので,統計的見地 から,これらの知見を整理して許容塑性率を定義するこ とが合理的であろう。長澤,奈良林は,2007 年新潟県中 越沖地震を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所,2011 年東北地方太平洋沖地震を受けた同福島第一原子力発電 所の各機器について,それぞれの地震の観測記録に基づ き,塑性率の観点から被害状況を整理した[2] [3]。また, 同時に2007年新潟県中越沖地震を考慮した国立研究開発 法人防災科学研究所E-Defense 試験の結果も分析した[2]。 Horizontal pumps One-degree- of-freedom model Anchor bolts (Shear fracture, plastic deformation) Vertical pumps (short body or strength) One-degree- of-freedom model Anchor bolts (Shear fracture, plastic deformation) Bearings (Wearing) ここで,許容塑性率については,対象とする機器の機種 ごとあるいは型式ごとに解析に基づきこれを導出するこ とも考えられるが,近年では実際に地震を受けた原子力 発電所における知見が蓄積されているので,統計的見地 から,これらの知見を整理して許容塑性率を定義するこ とが合理的であろう。長澤,奈良林は,2007 年新潟県中 越沖地震を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所,2011 年東北地方太平洋沖地震を受けた同福島第一原子力発電 所の各機器について,それぞれの地震の観測記録に基づ き,塑性率の観点から被害状況を整理した[2] [3]。また, 同時に2007年新潟県中越沖地震を考慮した国立研究開発 法人防災科学研究所E-Defense 試験の結果も分析した[2]。 ここで,許容塑性率については,対象とする機器の機種 ごとあるいは型式ごとに解析に基づきこれを導出するこ とも考えられるが,近年では実際に地震を受けた原子力 発電所における知見が蓄積されているので,統計的見地 から,これらの知見を整理して許容塑性率を定義するこ とが合理的であろう。長澤,奈良林は,2007 年新潟県中 越沖地震を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所,2011 年東北地方太平洋沖地震を受けた同福島第一原子力発電 所の各機器について,それぞれの地震の観測記録に基づ き,塑性率の観点から被害状況を整理した[2] [3]。また, 同時に2007年新潟県中越沖地震を考慮した国立研究開発 法人防災科学研究所E-Defense 試験の結果も分析した[2]。 ここで,許容塑性率については,対象とする機器の機種 ごとあるいは型式ごとに解析に基づきこれを導出するこ とも考えられるが,近年では実際に地震を受けた原子力 発電所における知見が蓄積されているので,統計的見地 から,これらの知見を整理して許容塑性率を定義するこ とが合理的であろう。長澤,奈良林は,2007 年新潟県中 越沖地震を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所,2011 年東北地方太平洋沖地震を受けた同福島第一原子力発電 所の各機器について,それぞれの地震の観測記録に基づ き,塑性率の観点から被害状況を整理した[2] [3]。また, 同時に2007年新潟県中越沖地震を考慮した国立研究開発 法人防災科学研究所E-Defense 試験の結果も分析した[2]。 ここでは,上記に対して,2007 年新潟県中越沖地震に おける柏崎刈羽原子力発電所の機器について,さらに分 析範囲を拡げて許容塑性率レベルを検討する(Table2 参 照)。なお,本検討においては塑性率が高かったと想定さ れる低耐震クラスの機器を中心にサンプルを抽出し,塑 性率を評価した。 1 同仕様の機器の比較 ここでは,上記に対して,2007 年新潟県中越沖地震に おける柏崎刈羽原子力発電所の機器について,さらに分 析範囲を拡げて許容塑性率レベルを検討する(Table2 参 照)。なお,本検討においては塑性率が高かったと想定さ れる低耐震クラスの機器を中心にサンプルを抽出し,塑 性率を評価した。 1 同仕様の機器の比較 ここでは,上記に対して,2007 年新潟県中越沖地震に おける柏崎刈羽原子力発電所の機器について,さらに分 析範囲を拡げて許容塑性率レベルを検討する(Table2 参 照)。なお,本検討においては塑性率が高かったと想定さ れる低耐震クラスの機器を中心にサンプルを抽出し,塑 性率を評価した。 1 同仕様の機器の比較 ここでは,上記に対して,2007 年新潟県中越沖地震に おける柏崎刈羽原子力発電所の機器について,さらに分 析範囲を拡げて許容塑性率レベルを検討する(Table2 参 照)。なお,本検討においては塑性率が高かったと想定さ れる低耐震クラスの機器を中心にサンプルを抽出し,塑 性率を評価した。 1 同仕様の機器の比較 Vertical pumps (long body) 2D multi-mass system model Anchor bolts (Shear fracture, plastic deformation) Bearings (Wearing) One-degree- of-freedom model Anchor bolts ここでは,上記に対して,2007 年新潟県中越沖地震に おける柏崎刈羽原子力発電所の機器について,さらに分 析範囲を拡げて許容塑性率レベルを検討する(Table2 参 照)。なお,本検討においては塑性率が高かったと想定さ れる低耐震クラスの機器を中心にサンプルを抽出し,塑 性率を評価した。 1 同仕様の機器の比較 ここでは,上記に対して,2007 年新潟県中越沖地震に おける柏崎刈羽原子力発電所の機器について,さらに分 析範囲を拡げて許容塑性率レベルを検討する(Table2 参 照)。なお,本検討においては塑性率が高かったと想定さ れる低耐震クラスの機器を中心にサンプルを抽出し,塑 性率を評価した。 1 同仕様の機器の比較 柏崎刈羽原子力発電所の機器のうち,設置場所が近接 し,ないしは地盤の地震応答特性が類似し,かつ仕様がほ ぼ同じ機器の間で損傷の有無の相違が確認されている。 柏崎刈羽原子力発電所の機器のうち,設置場所が近接 し,ないしは地盤の地震応答特性が類似し,かつ仕様がほ ぼ同じ機器の間で損傷の有無の相違が確認されている。 Turbine driving pump (Shear fracture, plastic deformation) Motors One-degree- of-freedom model Anchor bolts (Shear fracture, plastic deformation) Chillers One-degree- of-freedom model Anchor bolts (Shear fracture, plastic deformation) Diesel generators One-degree- of-freedom model Anchor bolts (Shear fracture, plastic deformation) Piping system 3D multi-mass system model Support structure (plastic deformation) Piping (Ratchetting fatigue) 3.3.2 許容塑性率の設定 (1) 地震による設備被害の整理 柏崎刈羽原子力発電所の機器のうち,設置場所が近接 し,ないしは地盤の地震応答特性が類似し,かつ仕様がほ ぼ同じ機器の間で損傷の有無の相違が確認されている。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 1,2,3号炉の主変圧器,所内変圧器,励磁電源変圧器 について,仕様は号機間でほぼ同等である。主変圧器の塑 性率は 22~25(損傷は2,3 号炉),所内変圧器の塑性率 は4(損傷は1,3号炉)(ただし,3号炉所内変圧器は地 盤相対変位により発生した火災の影響で地震荷重による 構造への影響は不明),励磁電源変圧器の塑性率は 5(損 傷は1,3号炉)であった。ここで,これら機器の評価に 用いた観測記録が得られた屋外ヤードの地震計が,設置 地盤の変状による影響で実際より小さな加速度記録しか 得られていなかった可能性がある[2]。地震計が健全であ れば,導出される塑性率も相当大きくなった可能性が高 く,上記の塑性率は参考的な数値である。 2.2 項に示した通り,静的震度設計を行う際の適用震度 は発電所ごとに定めることで設計の合理性が得られる。 本手法においても,機種に係らず,Fig.4 に例示した塑性 率スペクトルから許容塑性率を満足する設計用静的震度 - 85 - Table 2 Estimated ductility factors of components under the NCO Earthquake Area 参考値とした ― 2。 Minimum estimated critical Estimated (2) 許容塑性率の設定 shear ductility acceleration factor of (Limit static component Damage or loss of 前項までの検討結果から,1より,損傷を生ずる塑性率 seismic with min. coefficient critical acc. function の閾値が30である機器を確認したこと,2より,塑性率 Sc) (G) が10程度を超えても機器の機能が維持されていることを K-1 0.51 5 *1 Unit 1 Exciter Trans. *3 0.59 4 *1 Unit 1 House Trans. *3 ? ? 考慮すれば,実際の機器の損傷の閾値は20~30程度以上 0.29 25 *1 Unit 1 Main Trans. *2 K-2 0.52 5 *1 Unit 2 Exciter Trans. と考えられる(Table2,青色の機器)。許容塑性率として 0.57 4 *1 Unit 2 House Trans. 0.32 22 *1 Unit 2 Main Trans. ? はこれに保守性を考慮した10程度を設定することが妥当 K-3 0.52 5 *1 Unit 3 Exciter Trans. *3 0.57 4 *1 Unit 3 House Trans. *3 ? ? であると考えられる。参考値とした1,3号炉の所内変圧 0.32 22 *1 Unit 3 Main Trans. K-6 0.49 12 Unit 6 House Trans. *2 ? 器,励磁電源変圧器については,低塑性率で損傷しており K-7 0.42 14 Unit 7 Main Trans. *2 Unit5 上記の許容塑性率の設定とは整合していないが,実際の yard 塑性率は相当程度大きいものと考えられることから検討 の対象外とした(Table2,黄色の機器)。また,その他の 機器の塑性率からは,機器の損傷を与える塑性率を推定 するのは困難である。 なお,本検討は限られたサンプルによる検討であるこ とから,今後は他の原子力発電所や一般産業設備におけ る地震による被害状況を分析し,これらを統計的に整理 することで,許容塑性率に関するさらなる知見の拡充が 期待される。また,塑性率に着目した各種試験の実施や過 去の試験の分析も有効であろう。 3.3.3 入力地震動の設定 Fig.5 に示す通り,許容塑性率に基づき静的震度を決定 する際に,入力地震動の設定が必要である。 基準地震動を用いた地震応答解析による動的な耐震設 計においては,許容基準はおおむね弾性範囲に収まる程 度の保守的なものである。本静的震度設計においては,機 器の損傷ないし機能喪失を防止することを性能目標とし, 機器の相当の変位を許容するので,入力となる地震動に ついても相当に大きいものを想定することが必要である。 これにより,自然現象である地震の不確実性に対する耐 震設計の多様性を向上させることができるものと考える。 ここで,現行の基準[1]では,基準地震動は「敷地ごと に震源を特定して策定する地震動」および「震源を特定せ ず策定する地震動」の二つの観点から策定することとさ れている。本提案における入力地震動についても,これら を基本として入力レベルを検討する。 - 86 - Component 0.26 30 No.3 Filtered Water TanN *2 0.26 30 No.4 Filtered Water TanN *2 ? Service water building 24.82 Approx. 0 *1 Filtered Water Transfer Pump 18.23 Approx. 0 *1 Unit 1 Pure Water Transfer Pump 18.36 Approx. 0 *1 Unit 2 Pure Water Transfer Pump 17.38 Approx. 0 *1 Unit 3 Pure Water Transfer Pump 18.89 Approx. 0 *1 Unit 4 Pure Water Transfer Pump 8.27 0.18 *1 Diesel Drive FP Pump (Engine) 11.82 Approx. 0 *1 Diesel Drive FP Pump (Pump) 12.27 Approx. 0 *1 Motor Drive Fire Protection Pump 22.01 Approx. 0 *1 Pressure control FP Pump 13.00 Approx. 0 *1 FP System Fuel TanN 1.94 1.1 *1 Treated Water TanN 1.69 1.3 *1 Concentrated Water TanN 1.46 1.5 *1 Sulfuric Acid Storage TanN 0.65 7.0 *1 Warm Water TanN 1.23 2.0 *1 Condensation Agent Storage TanN 1.87 1.2 *1 Intermediate TanN Supply water building 12.82 Approx. 0 Filtered Water Transfer Pump 20.04 Approx. 0 Unit 5 Pure Water Transfer 27.48 Approx. 0 Unit 6 Pure Water Transfer Pump 25.42 Approx. 0 Unit 7 Pure Water Transfer Pump 6.81 0.29 Transformer FP Pump 10.94 Approx. 0 Diesel Drive FP Pump 20.86 Approx. 0 Motor Drive FP Pump 59.51 Approx. 0 Pressure control FP Pump 43.44 Approx. 0 FP System Fuel TanN *1: These values are reference values because accelerometer records may not be accurate. *2: The ductility factors of the components in the blue columns are the data on which the allowable ductility factor would be 10. *3: Since the ductility factors of the components in the yellow columns are assumed to be considerably large in practice, they are not used as a basis for setting the allowable ductility factor. 5 号炉ヤードのろ過水タンク(No.3,4 ろ過水タンク) についても仕様が同一であり,かつ,隣接して設置されて いる。No.4 ろ過水タンクの基礎ボルトが破損したのに対 して,No.3ろ過水タンクには破損がなく機能を維持した。 これらのタンクの塑性率は30であった ― 1。 2 機能維持した機器の分析 次に損傷のなかった機器について塑性率を整理する。 比較的大きな塑性率を示した機器は,1号炉主変圧器(塑 性率は25(参考値)),7号炉主変圧器(塑性率は14),お よび 6 号炉所内変圧器(塑性率は 12),No.3 ろ過水タン ク(塑性率は 30)であった。前項と同様,地震計の影響 で正しい観測記録が得られていないと考えられるものは (1) 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 敷地ごとに震源を特定して策定する地震動は,敷地に 大きな影響を与えると予想される地震に不確かさを考慮 して基準地震動を策定することとされる。したがって, 塑性率の算定に用いる入力地震動についても敷地ごとに 固有のものである。 Table 3 Design Basis Earthquake for KK NPS (Ominato Side Area) DBE EarthquaNes for review Maximum acceleration (Gal) NS EW UD Ss-1 Ss-2 F-B 1050 *1 650 848 1209 466 Ss-3 KataNai (in the NagaoNa Heiya Seien Fault System) envelope 600 *1 400 Ss-4 1.5×stress drop 428 826 332 Ss-5 35rinclination 426 664 346 Ss-6 The Heiya NagaoNa Seien Fault System 1.5×stress drop 434 864 361 Ss-7 35rinclination 389 780 349 Ss-8 2004 HoNaNido Rumoi Sicho Nanbu 650 330 *1 Ss-1 and Ss-3 are derived with attenuation model. 柏崎刈羽原子力発電所の基準地震動のうち「敷地ごと に震源を特定して策定する地震動」は,主に2007年新潟 県中越沖地震の震源となった F-B 断層,長岡平野西縁断 層帯およびこれらの連動などを考慮し,それぞれの断層 に対して応力降下量,断層傾斜角等の震源特性パラメー タを科学的知見に基づき保守的に設定して,策定してい る(Table3のSs-1~Ss-7参照)。 本論で考慮する入力地震動については,基準地震動を 相当に上回る規模として,簡便さの観点から基準地震動 の加速度を2倍する手法を採用した。ここでは,Table3に 示した基準地震動のうち,加速度の大きいSs-1 およびSs- 2 の 2 倍波を検討対象とし,これらを Ss-1*および Ss-2* とした(Fig.6参照)。 なお,Ss-1*およびSs-2*は解放基盤表面で定義される波 であり,本来であれば,これらを用いた特定重大事故等対 処施設の建屋動解析の結果を用いて検討を行うべきであ るが,ここでは,便宜的に Ss-1*および Ss-2*をそのまま 用いて検討を行った。従って,本論での解析結果は,建屋 動解析結果を用いて検討するものに比して,極めて保守 的な結果を与えるものと考える。 - 87 - Fig.6-1 Seismic ground motion of Ss-1* Fig.6-2 Seismic ground motion of Ss-2* (2) 震源を特定せず策定する地震動 柏崎刈羽原子力発電所における「震源を特定せず策定 する地震動」の策定にあたっては,震源と活断層を関連付 けることが困難な過去の内陸地殻内地震(近地地震)を検 討対象地震動として選定し,これらの観測記録と敷地周 辺の地盤特性を踏まえ,「敷地ごとに震源を特定して策定 する地震動」を一部の周期帯においてわずかに上回る, 2004年北海道留萌支庁南部地震に基づく地震動をSs-8と して基準地震動に追加している(Table3のSs-8 参照)。 これに対して,特定重大事故等対処施設の耐震設計に あたっては,全国で観測された地表面での地震観測記録 に基づき入力地震動を定めることとする。 選択した地震動は,国立研究開発法人防災科学技術研 究所が公開している強震観測網(K-NET,KiK-net)のデ ータについて下記の条件で検索した地上観測波形で,3方 向合成加速度が大きな上位 60 波形とした(Appendix Table1,Fig.7参照)。 1) 記録開始時刻:1996年以降2016年4月まで 2) 最 大 加 速 度(3方向合成最大加速度): 500から5000 Gal 3) 震 央 距 離:0 Nmから30 Nm これらの地震動は,地表面で観測された地震動であり, 特定重大事故等対処施設の建屋内における基準地震動に よる地震応答に比べて相当に大きな加速度である。 Fig.7 Seismic response spectrum based on observed near field earthquake ground motion 4.ガイドライン化における課題への取り組み 第 3.3 項では,本手法に基づく原子力発電所の機器全 般への適用が可能なガイドライン化の可能性を提案した。 本項では,原子力発電所の主要機器である立形ポンプ(柏 崎刈羽原子力発電所 7 号機 残留熱除去ポンプ(外形を Fig.8,解析モデルをFig.9 に示す。))を対象として,本手 法に基づくガイドライン化における課題について,弾塑 性解析等の既往知見を用いて検討した。 Fig.8 The outline of RHR pump (Kashiwazaki-Kariwa NPS Unit. 7) Representative point Bearing 2 Bearing 1 Fig.9 The elastoplastic analysis model for RHR pump 4.1 許容塑性率を用いた静的震度設計の適用性に おける課題 4.1.1 適用可能な損傷モード なお,機器全体の荷重-変位特性と損傷評価パラメータ の関連については,第4.2項で明らかにする。 4.1.2 適用可能なモデル Column Pipe Shaft - 88 - Motor Casing Bearing 6 Bearing 5 Discharge Casing Bearing 4 Barrel Casing Bearing 3 立形ポンプに対するガイドライン適用にあたって,課 題である機能喪失に至る損傷モードの特定を検討した。 現行の機器の耐震設計手法(JEAC4601-2008)や地震の 被災状況から得られた知見(JANTI 資料「地震後の機器 健全性評価ガイドライン」等)から,立形ポンプの最弱部 位として基礎ボルトと軸受け部が抽出されている。 また,多質点系モデル(弾性)のプッシュオーバー解析 から,電動機負荷側軸受部の応力比(軸受荷重/基本静定 格荷重)が最大(0.076)となることを確認した。 したがって,先の既往知見と弾塑性解析の結果を踏ま え,立形ポンプの損傷モードとして,地震によって電動機 負荷側軸受に生じる相対変位による荷重で軸受部が機能 喪失する損傷モードを適用することによって,本手法の 適用が可能であると判断した。 一般的に多質点系モデルで表現される立形ポンプにつ いて,本手法適用のために,等価な1自由度系モデルのパ ラメータである,1一次剛性,2降伏荷重及び3二次剛性 : Non-linear material したがって,損傷評価パラメータとしては,軸受け荷重 の合理的かつ簡便でより一般化された設定法の構築が課 題である(Fig.9,10)。そこで,これらパラメータの合理的 値とし,機器全体の荷重-変位特性と損傷評価パラメー な設定法について,以下の通り取り整理した。 タとの対応と軸受部荷重が基本性定格荷重に至るときの まず,1一次剛性N1の設定に関し,日本電気協会「原 機器全体の変位を合理的かつ簡便に特定する手法の検討 子力発電所耐震設計技術規程(JEAC4601-2008)」[7]に が課題である。そこで,課題解決に向け,対象とする立形 示される本立形ポンプ上部の固有周期算出式(4)より, ポンプの多質点系モデルとこれと等価な 1 自由度系モデ 上部質量 m1,据付面から上部重心までの距離h1,及 ルの弾塑性解析から許容塑性率の設定手法構築を検討す び材料・断面特性から固有周期T1を求め,(5)式より一 る。 次剛性N1を算出する。なお,その検証として,多質点 多質点系モデルから 1 自由度系モデルへの変換を行う 系モデルを用いた固有値解析により得られた固有周期 に際し,1自由度系モデルが表現する部位は多質点系モデ と立形ポンプ上部の質量から同様に一次剛性 N1 を算 ルにおいて最も変位が大きくなるシャフト最上部(以下, 出した。両者を比較した結果,これらはほぼ同等であ 「代表点」という。)とする。よって,多質点系モデルに ることから先の算出の妥当性を確認した。 おいて,代表点としたシャフト最上部の挙動と最弱部位 -4である軸受の挙動を関連付けることが出来れば,1自由度 系モデルへの変換が可能となる。これを確認するため,多 -5質点系モデルにて材料非線形を考慮した弾塑性解析を実 施し(弾塑性解析結果をFig.11 に示す),許容塑性率の設 次に,2降伏荷重 Qy の設定に関しては,多質点系 定手法について,下記要領(Fig.12 参考)により合理的に モデルにおける弾塑性解析を実施することにより,代 設定可能であることを確認した。 表点の降伏荷重 Qy を算出することが可能である。な 1 全体挙動を表す代表点のP-δ曲線を求める。 お,降伏荷重設定法の一般化を目指し,多質点系モデ 2 最弱部位のP-δ曲線を求める。 ルにより得られた降伏荷重 Qy と最弱部である軸受け 3 最弱部位について,対象機器の機能損失に至る点を を支持する部材の材料特性(許容応力)との相関関係 求める。 を導く取り組みを現在行っている。 4 3から代表点の塑性率(許容塑性率)を求める。 最後に,3二次剛性N2の設定に関しては,塑性率ス 今後,ガイドライン化にあたっては,上記手順を踏まえ, ペクトル算出にあたっての感度が低いことから,一般 多質点系モデルを作成することなく,より簡便に安全側 的に用いられている一次剛性 N1 の 0.05 倍を二次剛性 の評価を可能とする等価な 1 自由度系を作成する標準的 N2として設定することとした。 手法の構築が課題である。 Fig.10 An equivalent one-degree-of-freedom model 4.2 許容塑性率の設定における課題 立形ポンプの軸受けを最弱部位に設定する場合,まず, 軸受けが機能喪失に至る軸受け荷重値を特定する。より 簡便な手法構築のため,当該荷重値として軸受けメーカ Fig.11 The result of elastoplastic analysis ーが推奨する「基本静定格荷重」を採用することが合理的 for RHR pump(P/Py-μ) である。 ? ? ? ? ? ? ? Load 2Qy 3k2 1k1 δy Deflection - 89 - [5] 松浦真一, 中村秀治, 小木曽誠太郎, 大坪英臣:“高速 Load 増殖炉容器の耐震座屈設計法に関する研究(第 5 報, 座屈解析法の適用性評価)”, 日本機械学会論文集(A 2Weakest point 編)61 巻585 号, pp.138-146(1995). Qult Qy 3 × Yield Ultimate Capacity × [6] 萩原豊, 山本広祐, 川本要次, 中川正紀, 秋山宏:“高 速増殖炉容器の耐震座屈設計法に関する研究(第9報, 41Representative point 弾塑性地震応答下における座屈の評価)”, 日本機械 (Response) 学会論文集(A 編)64 巻626 号, pp.163-170(1998). [7] 日本電気協会:“原子力発電所耐震設計技術規程 δult2 δy1 δmax1 δult1 Deflection (JEAC4601-2008)”, (2008). Fig.12 A derivation procedure for allowable ductility factor [8] International Atomic Energy Agency: “ EarthquaNe preparedness and response for nuclear power plants, IAEA Safety Report Series No.66”, (2011). 結 言 本論では許容塑性率を満足する静的震度を定めて,原 (平成29年2月6日) 子力発電所の機器の静的震度設計を行う手法について提 案を行った。 また,本手法のガイドライン化における課題に対する 具体的取り組み状況から,本手法の成立性を科学的に示 した。 今後は,現行の原子力発電所保守管理体制の範囲で,よ り簡便で実効性の高い静的震度設計法の構築に向け,設 備の弾塑性挙動と許容塑性率に対するさらなる知見の拡 充が期待される。 参考文献 [1] 原子力規制委員会:“実用発電用原子炉及びその附属 施設の位置,構造及び設備の基準に関する規則の解釈 (別記2), 原規技発第1407092号”, pp.122-132 (2014). [2] K. Nagasawa, T. Narabayashi: “Seismic response and its analysis for components of KashiwazaNi-Kariwa Nuclear Power Plants in 2007 Niigata-Nen Chuetsu-ONi EarthquaNe”, Mechanical Engineering Journal, Vol.4, No.1, pp.1- 16(2017). [3] 長澤和幸, 奈良林直: “東北地方太平洋沖地震におけ る福島第一原子力発電所の地震応答に関する分析に ついて”, 日本機械学会論文集, Vol.82, No.837, pp.1- 18(2016). [4] U. S. Nuclear Regulatory Committee: “Development of criteria for seismic review of selected nuclear power plants (NUREG/CR-0098)”, (1978). - 90 - Appendix Table1 The 60 waveforms selected from K-NET and KiK-net database Wave K-NET/KiK-net Maximum acceleration (Gal) number Registered ID NS EW UD NS-EW-UD composition - 91 - Estimated Observation point JMA Intensity Epicentral Maximal acceleration (Gal) distance (Nm) NS-EW composition W 01 IWTH250806140843 IchinoseNi-nishi 6.3 3 1143 1433 3866 4022 1434 W 02 AKTH040806140843 Higashi Naruse 6.4 22 1319 2449 1094 2600 2482 W 03 NIG0210410231756 ToNamachi 6.2 21 1716 850 564 1750 1747 W 04 KMMH161604142126 MashiNi 6.4 11 760 925 1399 1580 925 W 05 GIF0071102270219 TaNane 5.8 13 381 1530 247 1539 1538 W 06 NIG0190410231756 Ojiya 6.7 7 1147 1308 820 1501 1500 W 07 IWTH260806140843 IchinoseNi-higashi 6.0 12 888 1056 927 1372 1171 W 08 KMMH161604160125 MashiNi 6.4 2 653 1157 873 1362 1314 W 09 TCGH071302251623 Kuriyama-nishi 6.0 4 1224 835 737 1300 1297 W 10 IWTH020807240026 Tamayama 5.8 24 1019 684 594 1186 1027 W 11 HKD0200412141456 Minatochou 5.9 9 536 1127 368 1177 1176 W 12 TTRH020010061330 Hino 6.6 7 927 753 776 1142 1109 W 13 IWTH270305261824 RiNuzentaNata 5.4 28 888 556 637 1098 910 W 14 IBRH131103191856 TaNahagi 6.0 1 1026 526 733 1084 1037 W 15 WKYH011107051918 HiroNawa 4.9 2 754 1064 386 1084 1083 W 16 SZO0111103152231 Fujinomiya 6.3 15 501 982 501 1076 1013 W 17 IWTH250806142342 IchinoseNi-nishi 4.8 3 345 939 378 1004 944 W 18 NIG0210410231834 ToNamachi 6.1 26 816 811 220 990 969 W 19 KGS0059705131438 Miyanojo 5.9 16 902 901 288 977 977 W 20 MYG0020305261824 Utatsu 5.4 17 593 858 339 949 926 W 21 ISK0060703250942 Togi 5.9 7 717 849 462 945 934 W 22 NIG0280410231756 NagaoNashisho 61 15 870 706 436 921 912 W 23 KGS0029703261731 Izumi 5.2 12 727 542 246 903 902 W 24 ISK0050703250942 Anamizu 6.3 19 473 782 556 903 896 W 25 KMM0081604160125 Uto 6.2 18 882 652 771 882 882 W 26 MYGH030305261824 KaraNuwa 5.0 13 809 651 460 872 819 W 27 MIEH100704151219 Geino 4.9 4 850 374 227 863 862 W 28 SMNH010010061330 HaNata 5.7 8 720 607 631 849 844 W 29 IBR0191104121407 Kita IbaraNi 5.5 19 696 502 329 847 791 W 30 KMM0061604160125 Kumamoto 6.0 2 827 616 534 843 843 W 31 NIGH010410231756 NagaoNa 6.1 15 818 655 375 841 840 W 32 KMM0091604160125 Yabe 5.7 22 777 640 187 831 830 W 33 NIGH010410231803 NagaoNa 5.8 12 742 502 384 827 797 W 34 IBRH131203100225 TaNahagi 5.0 9 691 304 409 826 718 W 35 IWTH250806162314 IchinoseNi-nishi 5.2 2 688 547 670 824 727 W 36 NIG0190410231834 Ojiya 6.0 12 795 637 355 821 818 W 37 NIG0180707161013 KashiwazaNi 6.3 21 667 514 369 813 812 W 38 NIG0231103120359 Tsunan 5.4 6 536 704 316 804 771 W 39 TTR0070010061330 Kofu 5.8 13 725 573 404 803 803 W 40 KMMH031604160125 KiNuchi 6.1 22 787 228 403 801 789 W 41 IWTH250806140920 IchinoseNi-nishi 4.8 22 782 210 461 785 784 W 42 KMM0111604160125 Tomochi 5.6 21 598 602 255 778 778 W 43 MIE0040704151219 Kameyama 5.3 8 716 356 323 771 764 W 44 KGS0029705131438 Izumi 5.3 16 728 443 189 756 753 W 45 NIGH110410231834 Kawanishi 5.6 22 741 534 300 754 754 W 46 IBR0191104111716 Kita IbaraNi 5.8 7 659 624 419 746 706 W 47 TKY0081407281705 ONada 4.8 5 704 269 449 744 724 W 48 IWTH030807240026 Iwaizumi 4.9 8 475 549 575 736 640 W 49 TTR0090010061330 Nichinan 5.4 13 629 595 289 729 721 W 50 TCGH071212171848 Kuriyama-nishi 4.9 2 631 338 520 727 635 W 51 MYG0059608131113 NaruNo 4.8 5 324 708 292 722 720 W 52 NIG0200410231834 Koide 5.6 9 527 524 329 719 718 W 53 KMMH161604142207 MashiNi 5.6 2 465 560 518 710 668 W 54 SZO0020912180845 Itou 5.6 2 313 639 229 703 693 W 55 IBRH131104140735 TaNahagi 5.2 2 536 658 353 684 683 W 56 KMM0051604160125 Otsu 5.7 11 526 482 397 669 575 W 57 KMM0091604142126 Yabe 5.3 17 569 547 94 669 669 W 58 NIG0200410231756 Koide 5.5 11 521 407 312 640 639 W 59 WKYH011107051934 HiroNawa 4.1 3 429 595 262 634 617 W 60 AZO0029703032309 Itou 5.6 6 306 587 231 631 618“ “塑性率を考慮した静的震度設計を用いた耐震設計 ガイドライン化における課題への取り組み “ “長澤 和幸,KazuyuNi NAGASAWA,川口 善之,YoshiyuNi KAWAGUCHI,古谷 賢,Masaru FURUYA,馬渕 倉一,Souichi MABUCHI,玉城 宏晃,HiroaNi TAMASHIRO
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