塑性変形を考慮した深穴穿孔法による 部材内部残留応力の高精度評価法の開発

公開日:
カテゴリ: 第10回
1.緒言
溶接構造物の内部には,局所的な入熱,接合部材間の線膨張係数の違い,周囲の拘束といった原因で残留応力が存在する.特に,接合界面には部材の降伏応力程度の引張残留応力が生じ,その応力は構造物の破壊強度や疲労強度に影響を及ぼすことが知られている[1].そのため, 構造物の残留応力を評価することは,部材の健全性,信頼性,余寿命評価のために重要である.このような理由から,これまでに多くの残留応力評価手法が提案されているが,近年,装置が簡便である,内部残留応力測定が可能である,様々な形状を有する対象に適用が可能であるといった理由で,DHD(Deep Hole Drilling)法が注目を集めており,その適用事例が増加している[2-4].この方法 は,測定位置に円孔を作製し (Step 1),その周囲をくりぬいて残留応力を解放し (Step 3),解放前後の円孔径を測定する (Step 2, Step 4) というステップにより得られる円孔径変化量を解放ひずみとして,対象内部の残留応力を評価する手法である.しかし,従来の残留応力評価手法は, 評価対象を弾性体と仮定した簡易な理論にもとづいている.そのため,DHD プロセス中に塑性変形が生じた場合には,残留応力評価結果には誤差が含まれることになる. そこで,本研究では,従来と比べて高精度な残留応力評価を可能とすることを目指して,DHD プロセス中に生じる塑性変形の影響を適切に考慮することを可能とする評価手法の提案を行う.また,提案手法および従来手法による残留応力評価を数値解析上で行い,結果を比較する.
2.従来手法およびその問題点
従来のDHD 法では,まず,Fig. 1 に示すような,以下の4 つの手順により,2 種類の貫通円孔径の測定を行う. [Step 1] 測定領域に貫通円孔を作製する. [Step 2] 貫通した円孔の径d を全板厚において,いくつ かの方向θ に対して測定する. [Step 3] 中心部の円孔より一周り大きい領域をくりぬく. [Step 4] 再度,作製した円孔の径d.を測定する. 以上の手順で測定される,ある深さz およびx 方向との成す角θ における貫通円孔径d(z, θ) , d.(z, θ)の差を初期の円孔径d で正規化したものをur(z, θ)とすると,無限有孔平板に対する弾性解法により,ur(z, θ)と各応力の関係は,
“ “塑性変形を考慮した深穴穿孔法による 部材内部残留応力の高精度評価法の開発 “ “望月 正人,Masahito MOCHIZUKI,岡野 成威,Shigetaka OKANO,北野 萌一,Houichi KITANO“ “塑性変形を考慮した深穴穿孔法による 部材内部残留応力の高精度評価法の開発 “ “望月 正人,Masahito MOCHIZUKI,岡野 成威,Shigetaka OKANO,北野 萌一,Houichi KITANO
著者検索
ボリューム検索
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)