PIRT による材料劣化潜在事象のプロアクテイブ評価
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カテゴリ: 第10回
1.緒 言
プラントの高経年化進行に伴い工学的に予見し難い部位で新たに発現する可能性のある経年劣化事象及び事象の複合作用として発現する可能性のある経年劣化事象(以下「潜在事象」という)について科学的合理性をもってプロアクティブ(先見的)に予見しておくことは極めて重要である。 より基礎的、学術的なアプローチにより劣化メカニズムを深く掘り下げることにより潜在事象の予測が可能になると考える。具体的には、①過去の事象の根本原因究明に基づく帰納的アプローチ、並びに②科学的劣化メカニズム解明に基づく演繹的アプローチをそれぞれの側面から③体系的elicitation(潜在事象・メカニズムの思考的顕在化へ)を通じて深耕することにより抽出できるものと考える。 筆者らは原子力安全・保安院「高経年化技術評価高度化事業」の一環として平成19 年より毎年プロアクティブ材料経年劣化専門家会議を開催して潜在事象の評価を進めてきた。その結果、今までに多様な潜在事象が提起されてきた。[1] - [3] 本稿では今までに提示された潜在事象に対してPIRT 手法(Phenomenon Identification and Ranking Table)[4]を適用して点数付けを行い、経年劣化事象としての重要度を評価した結果を報告する。
2. 今までに提起された材料劣化事象とPIRT
手法に基づく点数付け結果 プロアクテイブ専門家会議において議論・提起されてきた潜在事象の中には件数は少ないが新たな劣化事象そのもの、すでに例えば日本原子力学会PLM 標準に記載されている劣化事象においてまだその影響が検討されていない要因など、また研究課題そのものが混在している。 表1 は、今までに提起された経年劣化事象の中から潜在事象となり得ると考えられる経年劣化事象をまとめたものである。基本劣化メカニズムとして、1.熱時効、2. 疲労、3.照射劣化、4.クリープ、5.腐食及び水素損傷、6. 照射誘起応力腐食割れ、7.応力腐食割れ、及び8.破壊に分類した。表1 に記載された経年劣化事象についPIRT 手法による点数付けを行い、これらの経年劣化事象の潜在性を評価した。 PIRT手法のプロセスでは重要性を決定するための点数付け基準に基づいて事象の点数付けを行う。点数及びそれを決定する根拠に関する情報によってUSNRC は安全関連研究の優先順位決定を行ったり、意志決定の支援に用いたりする。PIRT 手法における点数付けの基準は以下に基づいた。 ・感受性レベル(SUSCEPTIBILITY Factor) 0 = 問題になるとは考えられない 1 = 異常運転条件下におけるデータあるいは潜在的発現
から概念的に問題と考える 2 = 強く問題である、あるいは知られている問題と考えられる 3 = 問題に対する証拠がある、あるいは多くのプラントで事例があるレベル ・知識レベル(KNOWLEDGE Factor) 1 = 理解不足、少ないあるいは低い信頼度のデータがある 2 = データあるいは同系における推定から定量的あるいは半定量的に傾向を知ることが出来る合理的根拠がある 3 = 全ての傾向に対して広範囲で一致したデータがある ・自信レベル(CONFIDENCE Level ). 感受性の判断における個人的自信の程度 1 = 自信がないかその現象に対して少ししか知らない 2 = そこそこの自信はある 3 = 高い自信がある USNRCでは感受性レベルと知識レベルの関係を6つの領域に分けている。例えば、感受性レベルが0-2、知識レベルが1-2 の領域にプロットされた劣化事象は、“起き得るが起きた場合はそれを管理する知識が限定されている”と評価される。一方、感受性レベルが0-1、知識レベルが2-3 の領域にプロットされた劣化事象は“劣化管理可能”な劣化事象と評価される。 従って、専門家により以上の基準に基づいて点数付けされた表1 に示した経年劣化事象の感受性レベル及び知識レベルがどの位置にプロットされるかによりその経年劣化事象の潜在性をある程度評価できるものと考える。 なお、USNRC では劣化事象の生起度は、発電プラントにおける事故・トラブルの生起度を想定しており知識レベルが高まれば管理可能となり事故・トラブルは回避できるので生起度が低下することを想定している。 以下にPIRT 手法による点数付け結果について示す。29 名の専門家から点数付けの回答が得られた。 図1 は、各経年劣化事象に対する感受性レベル及び知識レベルの平均点数をプロットしたものである。感受性レベルと知識レベルには正の相関が示された。これは感受性レベルが高いと評価された劣化事象は研究が進められており、その知識レベルも結果として高いと評価されたと考えられる。 一方、今回の点数付け結果における多くの生起性評点は劣化事象の生起性を示しており、プラントにおける事故・トラブルの生起性を示しているものではないのではないかとの議論があった。すなわち事故・トラブルの生起は回避できるだけの知識レベルにある状態も含まれていると考えられた。この場合には感受性レベルは低く評価されるはずであると考えられた。ことから新たに管理レベルの点数付けを追加することにした。 管理レベルの点数付けの基準は以下とした。 0:劣化事象が顕在化しないための管理方法が確立している 1:劣化事象が顕在化する可能性はあるが、機能喪失に至らないための管理方法が確立している 2:管理方法はあるが、有効性に改善の余地がある 3:管理方法が確立していない 感受性レベル、知識レベル及び自信レベルは前述の点数付けの条件と同じとした。 図2は、感受性レベルと管理レベルの平均点数を示す。専門家14 名の点数付け結果である。 この結果、感受性レベルが高い経年劣化事象に対して管理レベルは確立している方向にあり、感受性レベルが低くなるほど管理レベルは確立していない方向になっている。感受性レベルが高い経年劣化事象に対して管理レベルは確立している方向にあることは一見矛盾しているように見える。すなわち管理レベルが確立すれば感受性レベルは低くなると考えられるからである。 もともとの「知識の集約に基づく問題(事象)の解決」という概念から言うと感受性レベルは知識レベルあるいは管理レベルの増加に伴い低くなるものである。これは物理化学的な現象によってプラントにとって不都合な事象が発生するという時系列のなかで、現象と事象を明確に定義しなかったことによるものと考えられる。現象の理解によって、その発生を抑制することで事象の生起を抑制できる一方、現象が起きても事象の生起を抑制(管理)できる場合もある。この明示が無いままに単に事象として起き得るかという視点で点数付けを行ったことが結果に表れたものである。また、管理レベルについてもそれぞれの事象に対する具体的な管理方法に関しては明示されていない。今後点数付けの定義の明確化や各事象に対する管理方法の明示などきめ細かな点数付けが必要であろう。 3.劣化事象の潜在性評価 図3 は、感受性レベルと知識レベル及び管理レベルの関係において経年劣化事象の潜在性の見方の例を示したものである。本研究ではPIRT の結果、知識レベルが1-2、管理レベルが2-3 の間にプロットされた劣化事象が潜在的劣化事象の可能性があるものと定義するものとする。3そうすると図3 の点線内にプロットされる劣化事象が現時点で潜在事象の可能性がある劣化事象と評価される。 次のステップとしてPIRT 手法の点数付けに基づいて潜在事象として評価された劣化事象が本当に将来実機において起き得る潜在事象であるかを判断することが重要である。このことが最も難しい評価と思われる。ここでは「6.1 窒素の核変換による生成炭素による照射誘起鋭敏化」及び「8.1 低温き裂進展」を例として過去事象と対比からそれらの潜在性を考えてみる。これらの2 つの劣化事象は感受性レベル、知識レベルともに現時点で低い。かつ実機における事例も起きていない。このような劣化事象に対して現時点でこれらが実機において将来起き得る真の潜在事象であるかを評価することは容易ではない。 ここでは代表的な過去事例についてPIRT 手法により評価されていたらどうであったかを考察することにより上記2 つの劣化事象の潜在性を考えてみる。 図4 は、代表的過去事例としてBWR 再循環系配管における304 鋼溶接継手部及び原子力用316 鋼の場合を示す。304 鋼溶接継手部のIGSCC は初期の段階において潜在事象とは見なされなかった。溶接熱影響による鋭敏化は知られていたが環境が高温純水であることからIGSCC は問題とならないとの先入観があり、PIRT 手法による点数付けが当時行われたとするとその感受性は低くかつ知識レベルも研究が行われなかったことから低い領域にプロットされたはずである。しかし、実機において事象が多発した。すなわち、感受性レベル/知識レベルが低い領域にあったはずの鋭敏化304 鋼のIGSCCは潜在事象であったことになる。実機における事例が多発したことから膨大な研究が行われ、その結果知識レベルも高くなり、管理手法として例えば鋭敏化を取り除いた原子力用316 鋼が開発されて感受性レベルは0 となった。 原子力用316 鋼の開発によって感受性レベルは0 となったと考えられたので原子力用316 鋼のIGSCCも初期の段階において潜在事象とは見なされなかった。しかしながら、原子力用316 鋼や低炭素316 鋼を使用した炉心シュラウドや再循環系配管溶接部においてIGSCC事象が発生した。すなわち、感受性レベル/知識レベルが低い領域にあったはずの原子力用316 鋼のIGSCCは潜在事象であったことになる。これは原子力用316 鋼の開発の段階において鋭敏化の除外のみに焦点が当てられて冷間加工や隙間の影響などの要因に関する検討がなされなかったことによると考えられる。 以上代表的な過去事例の場合を考察したが、今回潜在事象として可能性があると評価された「6.1 窒素の核変換による生成炭素による照射誘起鋭敏化」及び「8.1 低温き裂進展」などの劣化事象の置かれている状況は鋭敏化304 鋼及び原子力用316 鋼の初期における状況と同じであると考えられる。 以上過去事例の教訓から、体系的elicitation による手法により抽出された経年劣化事象の中でPIRT 手法による評価で感受性レベル/知識レベル/管理レベルが低い領域にプロットされた経年劣化事象が実機において将来起き得る潜在事象の可能性があること、そしてそのことを確証するためのそれらの現象の深掘り研究、根源メカニズム研究が必要であるということが言えよう。 4. まとめ プロアクテイブ専門家会議において今までに提示された潜在事象に対してPIRT 手法を適用して点数付けを行い、経年劣化事象としての重要度を評価した。潜在事象の評価には過去事例のフィードバック及び継続的検討が肝要である。 謝辞 本研究は、原子力安全・保安院(現原子力規制庁)平成24 年度高経年化技術評価高度化事業の成果の一部をまとめたものである。プロアクテイブ材料経年劣化研究課題の抽出にあたり議論頂いたプロアクテイブ専門家会議委員各位(附表)に深甚なる謝意を表する。 参考文献 [1] 庄子哲雄、竹田陽一、国谷治郎:”プロアクテイブ材料経年劣化評価と状態監視技術開発”、日本保全学会、第7 回学術講演会要旨集、pp.475-479(2010.7) [2] 庄子哲雄、竹田陽一、国谷治郎、ピーター フォード、ピーター スコット:”軽水炉原子炉におけるプロアクテイブ材料経年劣化研究課題、保全学、Vol. 10, No. 4, pp. 51-66 (2012.1) [3] Tetsuo SHOJI、Yoichi TAKEDA、Jiro KUNIYA、Peter FORD、Peter SCOTT:”Proactive Material Degradation Research Subjects for Light Water Reactors、E-Journal of Advanced Maintenance、Japan Society of Maintenology、to be published. [4] NUREG/CR-6923, Expert Panel Report on Proactive Materials Degradation Assessment, U.S. Nuclear Regulatory Commission, Washington, DC. (2007). 4[5] P. L. Andresen, Emerging Issues and Funda -mental Processes in Environmental Cracking in Hot Water, Corrosion J'l, Vol.64, No.5, 2008, 439 - 464 [6] Xiaoyuan Lou, Peter L. Andresen and Tiangan Liang,, INVESTIGATION OF RAPID FRACTURE PHENOMENON IN HIGH TEMPERATURE WATER, C2012-0001186, NACE CORROSION 2012 (2012) (平成25 年6 月21 日) 基本劣化メカニズム経年劣化事象材料1.1 δフェライト分解による時効脆化オーステナイト系ステンレス鋳鋼、オーステナイト系溶接金属1.熱時効脆化1.2 長周期オーダリングによる時効脆化~30%Crを含有するニッケル基合金( Alloy 690及び溶接金属) 1.3 長時間時効脆化炭素鋼、低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼1.4 超多量(スーパーアバンダント)空孔と水素の作用による物質拡散加速と組織変化の促進による経年劣化オーステナイトステンレス鋼、ニッケル基合金1.5 照射劣化の重畳による時効脆化の促進オーステナイト系ステンレス鋳鋼、オーステナイト系溶接金属2.疲労2.1 溶存酸素下における疲労強度の低下炭素鋼2.2 溶存水素下における疲労強度の低下オーステナイト系ステンレス鋼3.照射劣化3.1 破壊靭性の低下低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼3.2 水素による照射脆化の促進低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金4.クリープ4.1 照射クリープオーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金5.腐食及び水素損傷5.1 全面腐食炭素鋼、低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金5.2 水素脆化高張力鋼6.1 窒素の核変換による生成炭素による照射誘起鋭敏化6.2 窒素の核変換による生成水素による腐食並びに応力腐食割れ の加速6.3 核変換ヘリウムによる応力腐食割れの加速 7.応力腐食割れ7.1 動的ひずみ時効による応力腐食割れの促進低合金鋼、炭素鋼(6.照射誘起応力腐食割れ以外) 7.2 異材継ぎ手部の応力腐食割れオーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金と低合金鋼継ぎ手部7.3 冷間加工(機械加工含む)による応力腐食割れの促進7.4 温度及び腐食電位の過渡的変化による応力腐食割れの促進7.5 ひずみ履歴による応力腐食割れの促進7.6 水素加速酸化現象に起因する腐食並びに応力腐食割れの加速7.7 ピーニングによる圧縮残留応力の長期信頼性7.8 応力腐食割れ発生における酸化局在化劣化事象7.9 リップルストレスによる応力腐食割れの促進7.10 照射、表面研削及び表面残留応力による応力腐食割れ発生 の促進7.11 熱時効による応力腐食割れ進展の促進オーステナイト系ステンレス鋳鋼とその溶接金属ニッケル基合金炭素鋼7.12 焼き戻し脆性による応力腐食割れ発生の促進低合金鋼7.13 PWR SGにおける鉛応力腐食割れ7.14 PWR SGにおける2次系水素透過による腐食の加速8.破壊8.1 低温き裂進展ニッケル基合金と溶接金属8.2 環境中急速破壊低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金と溶接金属6.照射誘起応力腐食割れオーステナイト系ステンレス鋼ニッケル基合金オーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金とそれらの溶接金属表1 今までに提起された経年劣化事象の中から潜在事象となり得ると考えられる経年劣化事象の一覧 501231 2 3 1.熱時効2.疲労3.照射脆化4.クリープ5.腐食及び水素損傷6.照射誘起応力腐食割れ7.応力腐食割れ8.破壊感受性レベル知識レベル1.11.21.43.22.12.23.14.15.25.16.1 6.2 7.17.27.37.4 7.5 7.67.77.87.97.17.117.127.137.148.18.2回答者29名のスコア平均値01230 1 2 3 1.熱時効2.疲労3.照射脆化4.クリープ5.腐食及び水素損傷6.照射誘起応力腐食割れ7.応力腐食割れ8.破壊なし← 感受性レベル→大確立している← 管理レベル→確立していない回答者14名の平均スコア1.101231 2 3 Susceptibility Knowledge 3.21.37.67.117.87.97.127.17.17.47.118.101230 1 2 3 Susceptibility Manageability Established Not established 1.26.2 6.3 1.4 8.2 6.1 図1 各経年劣化事象に対する感受性レベル及び知識レベルの平均点数のプロット 図2 各経年劣化事象に対する感受性レベルと管理レベルの平均点数のプロット 図3 感受性レベルと知識レベル及び管理レベルの関係において経年劣化事象の潜在性の見方の例 6Mikiro Ito Toshiba Takashi Hirano IHI Koji Arioka Institute of Nuclear Safety System Koji Fukuya Institute of Nuclear Safety System Masayuki Takizawa Mitsubishi Research institute Tatsuo Kondo Tohoku University-Retired Tetsuo Shoji Tohoku University Yoichi Takeda Tohoku University Jun Kameda Tohoku University Yutaka Watanabe Tohoku University Makoto Takahashi Tohoku University Jiro Kuniya Tohoku University Observer Shoichi Ono Tokyo Electric Power Company Masahide Suzuki Japan Atomic Energy Agency Nishith Kumar Das Japan Atomic Energy Agency Koji Fujimoto Mitsubishi Heavy Industries Toshio Yonezawa Tohoku University Olivier Lavigne Tohoku University Shirish Bali Tohoku University Shuang Xia Tohoku University Peter Ford GE-Retired Peter Andresen GE En-Hou Han IMR Peter Scott AREVA-Retired Karen Gott SSM-Retired Hannu Hanninen Aalto University Tiangan Lian EPRI Stephen Bruemmer PNNL Chazeau Laurent INSA-Lyon Tim Burstein Univerisity of Cambridge Damien Feron CEA Zhanpeng Lu Shanghai University Ren Ai SNPI Tsung-Kuang Yeh National Tsing-Hua University Masanori Kanno Japan Nuclear Enegy Safety Organization Yoshimichi Ohki Waseda University Hirozo Mihashi Tohoku Institute of Technology Toshiaki Horiuchi Hokkaido Institute of Technology Hideo Tanaka Kansai Electric Power Company Hiroyoshi Murakami Japan Atomic Power Company Taku Arai Central Research Institute of Electric Power Industry Kunio Onizawa Japan Atomic Energy Agency Takaaki Kobayashi Mitsubishi Heavy Industries Haruo Fujimori Hitachi-GE Nuclear Energy Masato Koshiishi Nippon Nuclear Fuel Development 実機における実機領域知識領域工学的領域基礎科学領域実機劣化事象冷間加工、隙間影響等鋭敏化影響根本メカニズム潜在事象図4 代表的過去事例である鋭敏化304 鋼及び原子力用316 鋼のIGSCC 場合のPIRT 評価推察例 附表 平成24 年度プロアクテイブ専門家会議参加者一覧
“ “PIRT による材料劣化潜在事象のプロアクテイブ評価 “ “庄子 哲雄,Tetsuo SHOJI,国谷 治郎,Jiro KUNIYA,竹田 陽一,Yoichi TAKEDA“ “PIRT による材料劣化潜在事象のプロアクテイブ評価 “ “庄子 哲雄,Tetsuo SHOJI,国谷 治郎,Jiro KUNIYA,竹田 陽一,Yoichi TAKEDA
プラントの高経年化進行に伴い工学的に予見し難い部位で新たに発現する可能性のある経年劣化事象及び事象の複合作用として発現する可能性のある経年劣化事象(以下「潜在事象」という)について科学的合理性をもってプロアクティブ(先見的)に予見しておくことは極めて重要である。 より基礎的、学術的なアプローチにより劣化メカニズムを深く掘り下げることにより潜在事象の予測が可能になると考える。具体的には、①過去の事象の根本原因究明に基づく帰納的アプローチ、並びに②科学的劣化メカニズム解明に基づく演繹的アプローチをそれぞれの側面から③体系的elicitation(潜在事象・メカニズムの思考的顕在化へ)を通じて深耕することにより抽出できるものと考える。 筆者らは原子力安全・保安院「高経年化技術評価高度化事業」の一環として平成19 年より毎年プロアクティブ材料経年劣化専門家会議を開催して潜在事象の評価を進めてきた。その結果、今までに多様な潜在事象が提起されてきた。[1] - [3] 本稿では今までに提示された潜在事象に対してPIRT 手法(Phenomenon Identification and Ranking Table)[4]を適用して点数付けを行い、経年劣化事象としての重要度を評価した結果を報告する。
2. 今までに提起された材料劣化事象とPIRT
手法に基づく点数付け結果 プロアクテイブ専門家会議において議論・提起されてきた潜在事象の中には件数は少ないが新たな劣化事象そのもの、すでに例えば日本原子力学会PLM 標準に記載されている劣化事象においてまだその影響が検討されていない要因など、また研究課題そのものが混在している。 表1 は、今までに提起された経年劣化事象の中から潜在事象となり得ると考えられる経年劣化事象をまとめたものである。基本劣化メカニズムとして、1.熱時効、2. 疲労、3.照射劣化、4.クリープ、5.腐食及び水素損傷、6. 照射誘起応力腐食割れ、7.応力腐食割れ、及び8.破壊に分類した。表1 に記載された経年劣化事象についPIRT 手法による点数付けを行い、これらの経年劣化事象の潜在性を評価した。 PIRT手法のプロセスでは重要性を決定するための点数付け基準に基づいて事象の点数付けを行う。点数及びそれを決定する根拠に関する情報によってUSNRC は安全関連研究の優先順位決定を行ったり、意志決定の支援に用いたりする。PIRT 手法における点数付けの基準は以下に基づいた。 ・感受性レベル(SUSCEPTIBILITY Factor) 0 = 問題になるとは考えられない 1 = 異常運転条件下におけるデータあるいは潜在的発現
から概念的に問題と考える 2 = 強く問題である、あるいは知られている問題と考えられる 3 = 問題に対する証拠がある、あるいは多くのプラントで事例があるレベル ・知識レベル(KNOWLEDGE Factor) 1 = 理解不足、少ないあるいは低い信頼度のデータがある 2 = データあるいは同系における推定から定量的あるいは半定量的に傾向を知ることが出来る合理的根拠がある 3 = 全ての傾向に対して広範囲で一致したデータがある ・自信レベル(CONFIDENCE Level ). 感受性の判断における個人的自信の程度 1 = 自信がないかその現象に対して少ししか知らない 2 = そこそこの自信はある 3 = 高い自信がある USNRCでは感受性レベルと知識レベルの関係を6つの領域に分けている。例えば、感受性レベルが0-2、知識レベルが1-2 の領域にプロットされた劣化事象は、“起き得るが起きた場合はそれを管理する知識が限定されている”と評価される。一方、感受性レベルが0-1、知識レベルが2-3 の領域にプロットされた劣化事象は“劣化管理可能”な劣化事象と評価される。 従って、専門家により以上の基準に基づいて点数付けされた表1 に示した経年劣化事象の感受性レベル及び知識レベルがどの位置にプロットされるかによりその経年劣化事象の潜在性をある程度評価できるものと考える。 なお、USNRC では劣化事象の生起度は、発電プラントにおける事故・トラブルの生起度を想定しており知識レベルが高まれば管理可能となり事故・トラブルは回避できるので生起度が低下することを想定している。 以下にPIRT 手法による点数付け結果について示す。29 名の専門家から点数付けの回答が得られた。 図1 は、各経年劣化事象に対する感受性レベル及び知識レベルの平均点数をプロットしたものである。感受性レベルと知識レベルには正の相関が示された。これは感受性レベルが高いと評価された劣化事象は研究が進められており、その知識レベルも結果として高いと評価されたと考えられる。 一方、今回の点数付け結果における多くの生起性評点は劣化事象の生起性を示しており、プラントにおける事故・トラブルの生起性を示しているものではないのではないかとの議論があった。すなわち事故・トラブルの生起は回避できるだけの知識レベルにある状態も含まれていると考えられた。この場合には感受性レベルは低く評価されるはずであると考えられた。ことから新たに管理レベルの点数付けを追加することにした。 管理レベルの点数付けの基準は以下とした。 0:劣化事象が顕在化しないための管理方法が確立している 1:劣化事象が顕在化する可能性はあるが、機能喪失に至らないための管理方法が確立している 2:管理方法はあるが、有効性に改善の余地がある 3:管理方法が確立していない 感受性レベル、知識レベル及び自信レベルは前述の点数付けの条件と同じとした。 図2は、感受性レベルと管理レベルの平均点数を示す。専門家14 名の点数付け結果である。 この結果、感受性レベルが高い経年劣化事象に対して管理レベルは確立している方向にあり、感受性レベルが低くなるほど管理レベルは確立していない方向になっている。感受性レベルが高い経年劣化事象に対して管理レベルは確立している方向にあることは一見矛盾しているように見える。すなわち管理レベルが確立すれば感受性レベルは低くなると考えられるからである。 もともとの「知識の集約に基づく問題(事象)の解決」という概念から言うと感受性レベルは知識レベルあるいは管理レベルの増加に伴い低くなるものである。これは物理化学的な現象によってプラントにとって不都合な事象が発生するという時系列のなかで、現象と事象を明確に定義しなかったことによるものと考えられる。現象の理解によって、その発生を抑制することで事象の生起を抑制できる一方、現象が起きても事象の生起を抑制(管理)できる場合もある。この明示が無いままに単に事象として起き得るかという視点で点数付けを行ったことが結果に表れたものである。また、管理レベルについてもそれぞれの事象に対する具体的な管理方法に関しては明示されていない。今後点数付けの定義の明確化や各事象に対する管理方法の明示などきめ細かな点数付けが必要であろう。 3.劣化事象の潜在性評価 図3 は、感受性レベルと知識レベル及び管理レベルの関係において経年劣化事象の潜在性の見方の例を示したものである。本研究ではPIRT の結果、知識レベルが1-2、管理レベルが2-3 の間にプロットされた劣化事象が潜在的劣化事象の可能性があるものと定義するものとする。3そうすると図3 の点線内にプロットされる劣化事象が現時点で潜在事象の可能性がある劣化事象と評価される。 次のステップとしてPIRT 手法の点数付けに基づいて潜在事象として評価された劣化事象が本当に将来実機において起き得る潜在事象であるかを判断することが重要である。このことが最も難しい評価と思われる。ここでは「6.1 窒素の核変換による生成炭素による照射誘起鋭敏化」及び「8.1 低温き裂進展」を例として過去事象と対比からそれらの潜在性を考えてみる。これらの2 つの劣化事象は感受性レベル、知識レベルともに現時点で低い。かつ実機における事例も起きていない。このような劣化事象に対して現時点でこれらが実機において将来起き得る真の潜在事象であるかを評価することは容易ではない。 ここでは代表的な過去事例についてPIRT 手法により評価されていたらどうであったかを考察することにより上記2 つの劣化事象の潜在性を考えてみる。 図4 は、代表的過去事例としてBWR 再循環系配管における304 鋼溶接継手部及び原子力用316 鋼の場合を示す。304 鋼溶接継手部のIGSCC は初期の段階において潜在事象とは見なされなかった。溶接熱影響による鋭敏化は知られていたが環境が高温純水であることからIGSCC は問題とならないとの先入観があり、PIRT 手法による点数付けが当時行われたとするとその感受性は低くかつ知識レベルも研究が行われなかったことから低い領域にプロットされたはずである。しかし、実機において事象が多発した。すなわち、感受性レベル/知識レベルが低い領域にあったはずの鋭敏化304 鋼のIGSCCは潜在事象であったことになる。実機における事例が多発したことから膨大な研究が行われ、その結果知識レベルも高くなり、管理手法として例えば鋭敏化を取り除いた原子力用316 鋼が開発されて感受性レベルは0 となった。 原子力用316 鋼の開発によって感受性レベルは0 となったと考えられたので原子力用316 鋼のIGSCCも初期の段階において潜在事象とは見なされなかった。しかしながら、原子力用316 鋼や低炭素316 鋼を使用した炉心シュラウドや再循環系配管溶接部においてIGSCC事象が発生した。すなわち、感受性レベル/知識レベルが低い領域にあったはずの原子力用316 鋼のIGSCCは潜在事象であったことになる。これは原子力用316 鋼の開発の段階において鋭敏化の除外のみに焦点が当てられて冷間加工や隙間の影響などの要因に関する検討がなされなかったことによると考えられる。 以上代表的な過去事例の場合を考察したが、今回潜在事象として可能性があると評価された「6.1 窒素の核変換による生成炭素による照射誘起鋭敏化」及び「8.1 低温き裂進展」などの劣化事象の置かれている状況は鋭敏化304 鋼及び原子力用316 鋼の初期における状況と同じであると考えられる。 以上過去事例の教訓から、体系的elicitation による手法により抽出された経年劣化事象の中でPIRT 手法による評価で感受性レベル/知識レベル/管理レベルが低い領域にプロットされた経年劣化事象が実機において将来起き得る潜在事象の可能性があること、そしてそのことを確証するためのそれらの現象の深掘り研究、根源メカニズム研究が必要であるということが言えよう。 4. まとめ プロアクテイブ専門家会議において今までに提示された潜在事象に対してPIRT 手法を適用して点数付けを行い、経年劣化事象としての重要度を評価した。潜在事象の評価には過去事例のフィードバック及び継続的検討が肝要である。 謝辞 本研究は、原子力安全・保安院(現原子力規制庁)平成24 年度高経年化技術評価高度化事業の成果の一部をまとめたものである。プロアクテイブ材料経年劣化研究課題の抽出にあたり議論頂いたプロアクテイブ専門家会議委員各位(附表)に深甚なる謝意を表する。 参考文献 [1] 庄子哲雄、竹田陽一、国谷治郎:”プロアクテイブ材料経年劣化評価と状態監視技術開発”、日本保全学会、第7 回学術講演会要旨集、pp.475-479(2010.7) [2] 庄子哲雄、竹田陽一、国谷治郎、ピーター フォード、ピーター スコット:”軽水炉原子炉におけるプロアクテイブ材料経年劣化研究課題、保全学、Vol. 10, No. 4, pp. 51-66 (2012.1) [3] Tetsuo SHOJI、Yoichi TAKEDA、Jiro KUNIYA、Peter FORD、Peter SCOTT:”Proactive Material Degradation Research Subjects for Light Water Reactors、E-Journal of Advanced Maintenance、Japan Society of Maintenology、to be published. [4] NUREG/CR-6923, Expert Panel Report on Proactive Materials Degradation Assessment, U.S. Nuclear Regulatory Commission, Washington, DC. (2007). 4[5] P. L. Andresen, Emerging Issues and Funda -mental Processes in Environmental Cracking in Hot Water, Corrosion J'l, Vol.64, No.5, 2008, 439 - 464 [6] Xiaoyuan Lou, Peter L. Andresen and Tiangan Liang,, INVESTIGATION OF RAPID FRACTURE PHENOMENON IN HIGH TEMPERATURE WATER, C2012-0001186, NACE CORROSION 2012 (2012) (平成25 年6 月21 日) 基本劣化メカニズム経年劣化事象材料1.1 δフェライト分解による時効脆化オーステナイト系ステンレス鋳鋼、オーステナイト系溶接金属1.熱時効脆化1.2 長周期オーダリングによる時効脆化~30%Crを含有するニッケル基合金( Alloy 690及び溶接金属) 1.3 長時間時効脆化炭素鋼、低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼1.4 超多量(スーパーアバンダント)空孔と水素の作用による物質拡散加速と組織変化の促進による経年劣化オーステナイトステンレス鋼、ニッケル基合金1.5 照射劣化の重畳による時効脆化の促進オーステナイト系ステンレス鋳鋼、オーステナイト系溶接金属2.疲労2.1 溶存酸素下における疲労強度の低下炭素鋼2.2 溶存水素下における疲労強度の低下オーステナイト系ステンレス鋼3.照射劣化3.1 破壊靭性の低下低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼3.2 水素による照射脆化の促進低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金4.クリープ4.1 照射クリープオーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金5.腐食及び水素損傷5.1 全面腐食炭素鋼、低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金5.2 水素脆化高張力鋼6.1 窒素の核変換による生成炭素による照射誘起鋭敏化6.2 窒素の核変換による生成水素による腐食並びに応力腐食割れ の加速6.3 核変換ヘリウムによる応力腐食割れの加速 7.応力腐食割れ7.1 動的ひずみ時効による応力腐食割れの促進低合金鋼、炭素鋼(6.照射誘起応力腐食割れ以外) 7.2 異材継ぎ手部の応力腐食割れオーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金と低合金鋼継ぎ手部7.3 冷間加工(機械加工含む)による応力腐食割れの促進7.4 温度及び腐食電位の過渡的変化による応力腐食割れの促進7.5 ひずみ履歴による応力腐食割れの促進7.6 水素加速酸化現象に起因する腐食並びに応力腐食割れの加速7.7 ピーニングによる圧縮残留応力の長期信頼性7.8 応力腐食割れ発生における酸化局在化劣化事象7.9 リップルストレスによる応力腐食割れの促進7.10 照射、表面研削及び表面残留応力による応力腐食割れ発生 の促進7.11 熱時効による応力腐食割れ進展の促進オーステナイト系ステンレス鋳鋼とその溶接金属ニッケル基合金炭素鋼7.12 焼き戻し脆性による応力腐食割れ発生の促進低合金鋼7.13 PWR SGにおける鉛応力腐食割れ7.14 PWR SGにおける2次系水素透過による腐食の加速8.破壊8.1 低温き裂進展ニッケル基合金と溶接金属8.2 環境中急速破壊低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金と溶接金属6.照射誘起応力腐食割れオーステナイト系ステンレス鋼ニッケル基合金オーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金とそれらの溶接金属表1 今までに提起された経年劣化事象の中から潜在事象となり得ると考えられる経年劣化事象の一覧 501231 2 3 1.熱時効2.疲労3.照射脆化4.クリープ5.腐食及び水素損傷6.照射誘起応力腐食割れ7.応力腐食割れ8.破壊感受性レベル知識レベル1.11.21.43.22.12.23.14.15.25.16.1 6.2 7.17.27.37.4 7.5 7.67.77.87.97.17.117.127.137.148.18.2回答者29名のスコア平均値01230 1 2 3 1.熱時効2.疲労3.照射脆化4.クリープ5.腐食及び水素損傷6.照射誘起応力腐食割れ7.応力腐食割れ8.破壊なし← 感受性レベル→大確立している← 管理レベル→確立していない回答者14名の平均スコア1.101231 2 3 Susceptibility Knowledge 3.21.37.67.117.87.97.127.17.17.47.118.101230 1 2 3 Susceptibility Manageability Established Not established 1.26.2 6.3 1.4 8.2 6.1 図1 各経年劣化事象に対する感受性レベル及び知識レベルの平均点数のプロット 図2 各経年劣化事象に対する感受性レベルと管理レベルの平均点数のプロット 図3 感受性レベルと知識レベル及び管理レベルの関係において経年劣化事象の潜在性の見方の例 6Mikiro Ito Toshiba Takashi Hirano IHI Koji Arioka Institute of Nuclear Safety System Koji Fukuya Institute of Nuclear Safety System Masayuki Takizawa Mitsubishi Research institute Tatsuo Kondo Tohoku University-Retired Tetsuo Shoji Tohoku University Yoichi Takeda Tohoku University Jun Kameda Tohoku University Yutaka Watanabe Tohoku University Makoto Takahashi Tohoku University Jiro Kuniya Tohoku University Observer Shoichi Ono Tokyo Electric Power Company Masahide Suzuki Japan Atomic Energy Agency Nishith Kumar Das Japan Atomic Energy Agency Koji Fujimoto Mitsubishi Heavy Industries Toshio Yonezawa Tohoku University Olivier Lavigne Tohoku University Shirish Bali Tohoku University Shuang Xia Tohoku University Peter Ford GE-Retired Peter Andresen GE En-Hou Han IMR Peter Scott AREVA-Retired Karen Gott SSM-Retired Hannu Hanninen Aalto University Tiangan Lian EPRI Stephen Bruemmer PNNL Chazeau Laurent INSA-Lyon Tim Burstein Univerisity of Cambridge Damien Feron CEA Zhanpeng Lu Shanghai University Ren Ai SNPI Tsung-Kuang Yeh National Tsing-Hua University Masanori Kanno Japan Nuclear Enegy Safety Organization Yoshimichi Ohki Waseda University Hirozo Mihashi Tohoku Institute of Technology Toshiaki Horiuchi Hokkaido Institute of Technology Hideo Tanaka Kansai Electric Power Company Hiroyoshi Murakami Japan Atomic Power Company Taku Arai Central Research Institute of Electric Power Industry Kunio Onizawa Japan Atomic Energy Agency Takaaki Kobayashi Mitsubishi Heavy Industries Haruo Fujimori Hitachi-GE Nuclear Energy Masato Koshiishi Nippon Nuclear Fuel Development 実機における実機領域知識領域工学的領域基礎科学領域実機劣化事象冷間加工、隙間影響等鋭敏化影響根本メカニズム潜在事象図4 代表的過去事例である鋭敏化304 鋼及び原子力用316 鋼のIGSCC 場合のPIRT 評価推察例 附表 平成24 年度プロアクテイブ専門家会議参加者一覧
“ “PIRT による材料劣化潜在事象のプロアクテイブ評価 “ “庄子 哲雄,Tetsuo SHOJI,国谷 治郎,Jiro KUNIYA,竹田 陽一,Yoichi TAKEDA“ “PIRT による材料劣化潜在事象のプロアクテイブ評価 “ “庄子 哲雄,Tetsuo SHOJI,国谷 治郎,Jiro KUNIYA,竹田 陽一,Yoichi TAKEDA