軸受の潤滑状態を監視・評価するためのパラメータについて
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カテゴリ: 第10回
1. 緒言
近年、発電設備をはじめとする産業設備の機械保守には、機械の状態を傾向監視する設備診断技術が導入されている。その代表的な手法として、温度法、振動法、潤滑油診断法などが挙げられる。中でも潤滑油診断法は、摩耗劣化に対する検出感度が他方法に比べて高いとされている。[1] 摩耗劣化が進展すると、例えば軸受から発生する摩耗粒子の数が増加したり、摩耗粒子のサイズが増大したりすることが経験的に知られているが、それらの連続的な変化過程はあまり知られていない。[2] [3] そこで、筆者らは改修前のポンプを用いた軸受摩耗劣化の加速試験を行うことにより、摩耗粒子の発生過程を連続的に視覚化することを試みたので報告する。
2. 試験
2.1 試験方法 試験は、Fig.1 に示す北海道電力の朱鞠内揚水所2 号揚水ポンプ(電動機入力0.7MW、揚水量1.38m3/s、全揚程38m、回転数620rpm)を使用した。試験の対象部位は、オイルリングにより潤滑油をかき上げる横軸の油浴給油式滑り軸受で、軸および軸受の材質はSF55 およびWJ2 である。試験前の軸および軸受表面粗さは不明であった。 摩耗劣化の加速方法は、軸受油槽内の潤滑油を濾過により清浄にした後、毎分20ml を排油口から故意に排出することで徐々に油面を低下させ、油膜厚さを減少させる強制油面低下により、軸と軸受とを接触させる方法で摩 耗粒子を発生させた。 Fig.1 Appearance of the test pump
軸受の摩耗劣化を監視する評価パラメータは、油中粒子濃度(油1ml 中の粒子数)のほか、軸受摩擦面近傍温度(以降、「軸受温度」という)、油温、振動加速度のOver all 値である。軸受温度は軸受メタルの圧力負荷点に裏面から貫通しない程度に穴を開け、熱電対を挿入することによって連続測定した。振動加速度は軸受箱上部に圧電型加速度ピックアップを設置して連続計測した。 Fig.2 Schematic illustration of measurement system 試験はFig.2に示す通り、油排出口で外部と接しており、
Shaft Bearing Oil ring Oil tank Vibration sensor Waste oil Level sensor Particle counter Thermocouple Target bearing
系は閉回路ではないが、外部からのコンタミナントの侵入は考え難く、計数計測値の増加は摩耗粒子の発生を示していると考えて良い。 油中粒子濃度は系内で連続的に計測するため、弊社で開発したオンライン自動計数装置を用いた。この装置は遮断光と反射光を併用するもので、複数の反射光を同期させることによって固形物と気泡を峻別できることから脱泡操作を要せず、連続計測には非常に有効である。Fig.3 に当該計測装置の原理概念例を示す。 Fig.3 Measuring method by synchronization of scattering light 2.2 試験結果 試験結果をFig.4 に、試験後の軸受メタルの様子をFig.5 に示す。尚、油中粒子濃度は、計測装置に油が到達するまでの9 分間を計測時間遅れとして補正し、排油による設備油量減少分を考慮し換算した値である。 Fig.4 Chang of each parameter on test duration 抜油開始からある程度油面が低下したFig.4中の矢印当たりから油中粒子濃度の増加速度が徐々に上昇し始め、油面が最低レベル付近で急激に増加した。Fig.5 から分かる通り、試験後の軸受メタルはせり出しと呼ばれる塑性流動の跡があり、摩耗粒子が大量に発生した痕跡を示していることから、油中粒子濃度の増加は摩耗粒子濃度の増加と考えられる。振動加速度と油温は、油中粒子濃度の増加速度が上昇し始めてから約30分後に急激な上昇が見られ、軸受温度は更に10分程度遅れて急激に上昇した。油温の変化時期が比較的早い理由は、排油による油量の減少により蓄熱容量が低下したためと思われる。 以上の結果から、滑り軸受の摩耗劣化の進展過程において油中粒子濃度の変化は、極めて検出感度が高く予防保全に資するパラメータに適していることが確認できた。 Fig.5 Photo of bearing after the test 3. 考察 3.1 簡易モデル 今回の試験のように油膜が薄くなることにより金属接触が起こる場合、主として凝着摩耗が発生する。凝着摩耗は滑り軸受の摩耗劣化を代表する摩耗形態であり、その発生機構はArchard[4]他によって考案されているが、摩耗量すなわち摩耗粒子数は時間に比例すると解釈でき、この理論では試験結果を説明できない。凝着摩耗はストライベック線図を構成する軸受特性数といった物理的因子と関係があると想像できるものの、時間領域の解釈はなされていない。 そこで、物理的因子は考慮せず、環境因子で左右される確率に基づき摩耗進展の簡易モデルを想定し、摩耗粒子の数について検討した。 Fig.6 に示すように、軸受メタルの表面粗さ(突起)を円錐形と定義し、摩耗は極微小深さΔl で発生し、その後はΔl ずつ摩耗が進展すると仮定する。 Fig.6 Generation model of adhesive wear particle LD PD2 PD3 PD1 Flow cell Bubble Oil Synchronizes Oil temp. Bearing temp. Vibration Particle count. Oil level. Surface projection of the bearing metal Δ l radius:r1 radius:rkさらに、単位時間に摩耗する確率をp、同一突起で摩耗が生じる確率をq とすると、微小時間をΔt としてt+Δt 時間後の摩耗量Wt+Δtは式(1)で示される。ここでv は最初に摩耗するΔl 分の摩耗体積(単位円錐)である。 Wt t =Wt + p .q vΔt + p qvt Δt +Δ (1 ) 3 3 2 (1) 式(1)でΔt→0とすればWt は式(2)で示されることから、摩耗量の増加推移は時間の3 次多項式で表すことができるという可能性が考えられる。 Wt =αt + βt 3 +γ (2) ここで、α = p (1 .q )v , β = p 3qv , γ =任意定数 実際にはp、q ともに一定ではなく絶えず変動していると考えられ、且つ摩耗粒子数と摩耗量が必ずしもリニアな関係にあるとは言えないが、摩耗粒子数の推移は時間の3 次多項式で表されるという仮説を基に試験結果を整理してみた。 3.2 フィッティング Fig.4 中の矢印で示した時点から試験終了までの期間(混合潤滑から境界潤滑と想定される期間)における油中粒子数の増加比率推移を時間の3 次多項式でフィッティングした結果をFig.7 に示す。 Fig.7 Fitting curve of increase ratio of the particle count in oil この結果から、軸受の摩耗劣化の進展プロセスは、油中粒子数をパラメータとすることによってある程度予測することができる可能性が見出せた。尚、油中粒子数の増加比率は評価期間の開始点の油中粒子数を基準に、終点の油中粒子数に対する比率で定義し、時間は評価期間を1 として無次元化した。 次に、特定の粒子径(25μm~50μm)を抽出し、その増加比率を観察した。その結果、Fig.8 に示す通りフィッティング曲線の変曲点付近で増加比率の変化(増加)が見られた。摩耗劣化が進展すると発生する摩耗粒子は大型化し、その数も増加することが経験的に知られていることから、変曲点は潤滑状態の変化を示唆していると捉えることができる。つまり、変曲点付近で潤滑状態が混合潤滑から境界潤滑に変化したなどが想定される。これについては、今後、摩擦係数あるいは比摩耗量といった評価パラメータによる裏付けが必要と思われる。 Fig.8 Relation between 25-50μm particle and fitting curve 4. 結論 今回、実機揚水ポンプの滑り軸受から発生する摩耗粒子の数をリアルタイムに計数することによって、軸受潤滑状態の変化と油中摩耗粒子数の変化を比較した結果、油中粒子数は潤滑状態を監視・評価するパラメータとして有用であることを確認した。 5. 謝辞 本試験の実施に際して揚水ポンプの使用許可を含め、ご指導、ご支援を頂きました北海道電力株式会社水力部発電グループの関係者の皆様に深く感謝致します。 参考文献 [1] 川畑雅彦、“状態監視パラメータの複合化の検討と転がり軸受の加速劣化試験”、第2 回検査・評価・保全に関する連携講演会予稿集、東京、2010、pp.153-156. [2] 川畑雅彦、“潤滑診断技術の発電設備への応用”、配管技術、Vol.52、No1、2010、pp.62-67. [3] 赤垣友治、 加藤康司、 川畑雅彦、“フェログラフィーおよび発光オイル分析法によるジャーナル軸受の異常診断に関する研究”、トライボロジスト、第39 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 00.20.40.60.81Increase ratio of the particle count in oil [-] Time [-] Fitting curve (R2=0.98) -0.6-0.4-0.200.20.40.60.810 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Time [-] Increase ratio of the particle count [-] -0.500.511.522.53Increase ratio of the particle count in 25-50μm [-] Fitting curve Inflection point 巻、第11 号、1994、pp.979-986. [4] J. F. Archard, ”Contact and Rubbing of Flat Surfaces”, J. Appl. Phys., 1953, vol.24, 8, August, pp.981-988. (平成25 年7 月○○日) “ “軸受の潤滑状態を監視・評価するためのパラメータについて “ “川畑 雅彦,Masahiko KAWABATA,吉田 直樹,Naoki YOSHIDA“ “軸受の潤滑状態を監視・評価するためのパラメータについて “ “川畑 雅彦,Masahiko KAWABATA,吉田 直樹,Naoki YOSHIDA
近年、発電設備をはじめとする産業設備の機械保守には、機械の状態を傾向監視する設備診断技術が導入されている。その代表的な手法として、温度法、振動法、潤滑油診断法などが挙げられる。中でも潤滑油診断法は、摩耗劣化に対する検出感度が他方法に比べて高いとされている。[1] 摩耗劣化が進展すると、例えば軸受から発生する摩耗粒子の数が増加したり、摩耗粒子のサイズが増大したりすることが経験的に知られているが、それらの連続的な変化過程はあまり知られていない。[2] [3] そこで、筆者らは改修前のポンプを用いた軸受摩耗劣化の加速試験を行うことにより、摩耗粒子の発生過程を連続的に視覚化することを試みたので報告する。
2. 試験
2.1 試験方法 試験は、Fig.1 に示す北海道電力の朱鞠内揚水所2 号揚水ポンプ(電動機入力0.7MW、揚水量1.38m3/s、全揚程38m、回転数620rpm)を使用した。試験の対象部位は、オイルリングにより潤滑油をかき上げる横軸の油浴給油式滑り軸受で、軸および軸受の材質はSF55 およびWJ2 である。試験前の軸および軸受表面粗さは不明であった。 摩耗劣化の加速方法は、軸受油槽内の潤滑油を濾過により清浄にした後、毎分20ml を排油口から故意に排出することで徐々に油面を低下させ、油膜厚さを減少させる強制油面低下により、軸と軸受とを接触させる方法で摩 耗粒子を発生させた。 Fig.1 Appearance of the test pump
軸受の摩耗劣化を監視する評価パラメータは、油中粒子濃度(油1ml 中の粒子数)のほか、軸受摩擦面近傍温度(以降、「軸受温度」という)、油温、振動加速度のOver all 値である。軸受温度は軸受メタルの圧力負荷点に裏面から貫通しない程度に穴を開け、熱電対を挿入することによって連続測定した。振動加速度は軸受箱上部に圧電型加速度ピックアップを設置して連続計測した。 Fig.2 Schematic illustration of measurement system 試験はFig.2に示す通り、油排出口で外部と接しており、
Shaft Bearing Oil ring Oil tank Vibration sensor Waste oil Level sensor Particle counter Thermocouple Target bearing
系は閉回路ではないが、外部からのコンタミナントの侵入は考え難く、計数計測値の増加は摩耗粒子の発生を示していると考えて良い。 油中粒子濃度は系内で連続的に計測するため、弊社で開発したオンライン自動計数装置を用いた。この装置は遮断光と反射光を併用するもので、複数の反射光を同期させることによって固形物と気泡を峻別できることから脱泡操作を要せず、連続計測には非常に有効である。Fig.3 に当該計測装置の原理概念例を示す。 Fig.3 Measuring method by synchronization of scattering light 2.2 試験結果 試験結果をFig.4 に、試験後の軸受メタルの様子をFig.5 に示す。尚、油中粒子濃度は、計測装置に油が到達するまでの9 分間を計測時間遅れとして補正し、排油による設備油量減少分を考慮し換算した値である。 Fig.4 Chang of each parameter on test duration 抜油開始からある程度油面が低下したFig.4中の矢印当たりから油中粒子濃度の増加速度が徐々に上昇し始め、油面が最低レベル付近で急激に増加した。Fig.5 から分かる通り、試験後の軸受メタルはせり出しと呼ばれる塑性流動の跡があり、摩耗粒子が大量に発生した痕跡を示していることから、油中粒子濃度の増加は摩耗粒子濃度の増加と考えられる。振動加速度と油温は、油中粒子濃度の増加速度が上昇し始めてから約30分後に急激な上昇が見られ、軸受温度は更に10分程度遅れて急激に上昇した。油温の変化時期が比較的早い理由は、排油による油量の減少により蓄熱容量が低下したためと思われる。 以上の結果から、滑り軸受の摩耗劣化の進展過程において油中粒子濃度の変化は、極めて検出感度が高く予防保全に資するパラメータに適していることが確認できた。 Fig.5 Photo of bearing after the test 3. 考察 3.1 簡易モデル 今回の試験のように油膜が薄くなることにより金属接触が起こる場合、主として凝着摩耗が発生する。凝着摩耗は滑り軸受の摩耗劣化を代表する摩耗形態であり、その発生機構はArchard[4]他によって考案されているが、摩耗量すなわち摩耗粒子数は時間に比例すると解釈でき、この理論では試験結果を説明できない。凝着摩耗はストライベック線図を構成する軸受特性数といった物理的因子と関係があると想像できるものの、時間領域の解釈はなされていない。 そこで、物理的因子は考慮せず、環境因子で左右される確率に基づき摩耗進展の簡易モデルを想定し、摩耗粒子の数について検討した。 Fig.6 に示すように、軸受メタルの表面粗さ(突起)を円錐形と定義し、摩耗は極微小深さΔl で発生し、その後はΔl ずつ摩耗が進展すると仮定する。 Fig.6 Generation model of adhesive wear particle LD PD2 PD3 PD1 Flow cell Bubble Oil Synchronizes Oil temp. Bearing temp. Vibration Particle count. Oil level. Surface projection of the bearing metal Δ l radius:r1 radius:rkさらに、単位時間に摩耗する確率をp、同一突起で摩耗が生じる確率をq とすると、微小時間をΔt としてt+Δt 時間後の摩耗量Wt+Δtは式(1)で示される。ここでv は最初に摩耗するΔl 分の摩耗体積(単位円錐)である。 Wt t =Wt + p .q vΔt + p qvt Δt +Δ (1 ) 3 3 2 (1) 式(1)でΔt→0とすればWt は式(2)で示されることから、摩耗量の増加推移は時間の3 次多項式で表すことができるという可能性が考えられる。 Wt =αt + βt 3 +γ (2) ここで、α = p (1 .q )v , β = p 3qv , γ =任意定数 実際にはp、q ともに一定ではなく絶えず変動していると考えられ、且つ摩耗粒子数と摩耗量が必ずしもリニアな関係にあるとは言えないが、摩耗粒子数の推移は時間の3 次多項式で表されるという仮説を基に試験結果を整理してみた。 3.2 フィッティング Fig.4 中の矢印で示した時点から試験終了までの期間(混合潤滑から境界潤滑と想定される期間)における油中粒子数の増加比率推移を時間の3 次多項式でフィッティングした結果をFig.7 に示す。 Fig.7 Fitting curve of increase ratio of the particle count in oil この結果から、軸受の摩耗劣化の進展プロセスは、油中粒子数をパラメータとすることによってある程度予測することができる可能性が見出せた。尚、油中粒子数の増加比率は評価期間の開始点の油中粒子数を基準に、終点の油中粒子数に対する比率で定義し、時間は評価期間を1 として無次元化した。 次に、特定の粒子径(25μm~50μm)を抽出し、その増加比率を観察した。その結果、Fig.8 に示す通りフィッティング曲線の変曲点付近で増加比率の変化(増加)が見られた。摩耗劣化が進展すると発生する摩耗粒子は大型化し、その数も増加することが経験的に知られていることから、変曲点は潤滑状態の変化を示唆していると捉えることができる。つまり、変曲点付近で潤滑状態が混合潤滑から境界潤滑に変化したなどが想定される。これについては、今後、摩擦係数あるいは比摩耗量といった評価パラメータによる裏付けが必要と思われる。 Fig.8 Relation between 25-50μm particle and fitting curve 4. 結論 今回、実機揚水ポンプの滑り軸受から発生する摩耗粒子の数をリアルタイムに計数することによって、軸受潤滑状態の変化と油中摩耗粒子数の変化を比較した結果、油中粒子数は潤滑状態を監視・評価するパラメータとして有用であることを確認した。 5. 謝辞 本試験の実施に際して揚水ポンプの使用許可を含め、ご指導、ご支援を頂きました北海道電力株式会社水力部発電グループの関係者の皆様に深く感謝致します。 参考文献 [1] 川畑雅彦、“状態監視パラメータの複合化の検討と転がり軸受の加速劣化試験”、第2 回検査・評価・保全に関する連携講演会予稿集、東京、2010、pp.153-156. [2] 川畑雅彦、“潤滑診断技術の発電設備への応用”、配管技術、Vol.52、No1、2010、pp.62-67. [3] 赤垣友治、 加藤康司、 川畑雅彦、“フェログラフィーおよび発光オイル分析法によるジャーナル軸受の異常診断に関する研究”、トライボロジスト、第39 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 00.20.40.60.81Increase ratio of the particle count in oil [-] Time [-] Fitting curve (R2=0.98) -0.6-0.4-0.200.20.40.60.810 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Time [-] Increase ratio of the particle count [-] -0.500.511.522.53Increase ratio of the particle count in 25-50μm [-] Fitting curve Inflection point 巻、第11 号、1994、pp.979-986. [4] J. F. Archard, ”Contact and Rubbing of Flat Surfaces”, J. Appl. Phys., 1953, vol.24, 8, August, pp.981-988. (平成25 年7 月○○日) “ “軸受の潤滑状態を監視・評価するためのパラメータについて “ “川畑 雅彦,Masahiko KAWABATA,吉田 直樹,Naoki YOSHIDA“ “軸受の潤滑状態を監視・評価するためのパラメータについて “ “川畑 雅彦,Masahiko KAWABATA,吉田 直樹,Naoki YOSHIDA