複雑形状部での物質伝達係数と形状係数

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カテゴリ: 第10回
1はじめに
流れ加速型腐食(FAC)は様々なエネルギープラントにおいて発生しており,FACの減肉速度を予測するための減肉予測評価コードの開発がすすめられている. 予測コードでは複雑形状であるエルボ管,オリフィス管,T字管などの減肉箇所,減肉速度の評価を行っており,その評価パラメータとして形状係数k/k0を用いている.形状係数とは各配管形状における物質移行係数を同条件下の直管における値で規格化したものであり,過去にKellerらにより提案されている.しかし、この提案された形状係数は,気液混相流の結果であり,精度や実験条件などに不明確な部分が大きく,再度検討する必要があると指摘されている. 本研究ではKellerの提案する形数の中でも非常に高い値を示しているエルボ部分に関して数値計算に基づき検討していく.そこで,エルボ管の場,温度場の解析を行い,エルボの壁面の物質移動係数と,形状係数を算出し,腐食箇所の予測をおこなう.
01899/12/31.計算方法 D 計算はエルボ管を対象とした1900/01/02次元非圧縮流れ場である.数値計算には汎用熱流体解析ソフトであるSTAR-CCM+を用い, RANS方程式の中でも乱流エネルギー6成分を計算でき,速度勾配を全方向に示せるレイノルズ応力モデル(RSM)を用いる.円管の内径をDとし,曲がり部内の円管中心から曲率中心までの距離をRcと定義し,曲率半径をRc/Dとしてその影響を評価した. Fig.1 Pipe elbow 外側ライン Rc 3D 流入条件として,周期境界条件により発達乱流場をレイノルズ(Re)数をRe==15000からRe==180000まで計算し,曲がり部上流3Dの地点から流入した.また下流には5Dの直管部を設置し,出口条件を圧力出口とした. メッシュ条件として,構造格子であるヘキサメッシュを使用する.曲率はRc/D=1,1.5,2とし,格子点数はそれぞれ約1900/07/28万点,約1900/08/17万点,約250万点程度とした.壁面には温度勾配を生成のため,主流温度(300K)より10K高く設定した. 3.エルボ管の形状係数の最大領域 図2にRe==65000,Rc/D=1.5の物質移行係数kのコンター図を示す.縦軸には外側ラインからの角度を示しており,中心の0°線上が外側ラインとなる.左から曲がり上流部,曲がり部,曲がり下流部の順に並べた.曲がり部内側の流れの剥離域でもkは極大値を得ているが,kの最大値箇所xmaxは,Rc/DやRe数に依存せず,外側ライン上にある事がわかった.よって本研究では外側ライン上における議論をおこなう. D/outxD/x Fig.2 Contour of mass transfer inside elbow. 4.形状係数k/k0のRe数依存性 Rc/D=1.5の外側ライン上におけるk/k0を図3に示す.横軸には曲がり部流入口からの距離を外側円弧の長さa1.5で規格化した無次元数であり,縦軸には形状係数を示している.k/k0:00:00はRe数に依存せず,曲がり部流入口にて0.8程度まで小さくなり,曲がり部内では継続的に上昇し続けることが分かる.また曲がり部内ではRe数が低いとk/k0は高くなる傾向がある事がわかる. Fig.3 Shape factor distribution inside below. しかし k/k0の最大値kmax/k0はRe数依存性は小さく,本計算範囲ではk/k0==1.69程度であることがわかった.kが最大となる位置であるxmaxはRe数の影響は小さく,計算範囲においては,xmax==1.1a1899/12/31 12:00:00 程度であることがわかる. 5.形状係数の曲率半径依存性 図4にRe==65000のRc/D=1,1.5, 2の外側ライン上のk/k0の計算結果を示す.横軸は曲がり部入口からの距離をそれぞれの曲がり部外側の円弧の長さで規格化したものである.Rc/Dに関係なく,曲がり部下流域にて最大値をとる.しかし Rc/D=1,1.5, 2のxmaxはそれぞれ約1.22,約1899/12/31 3:50:24 ,約1.11の順となっており,計算範囲内では,Rc/Dが大きいとxmaxの位置は曲がり部出口に近づいていく事が予測できる. またkmax/k0:00:00はRc/D=1では1899/12/31 22:19:12 程度,Rc/D=2では1.61程度であることがわかり.Rc/Dを小さくするとkmax/k0の値は大きくなることが予測できる. Fig.4 Shape factor: curvature dependence. 6.結言 本数値計算の妥当性を過去の実験データと比較し,エルボ管における物質移動係数k及び形状係数k/k0,最大腐食箇所xmaxの予測をおこなった. xmaxはRe数や曲率半径Rc/Dに依存せず,曲がり部下流域の外側ライン上にあることがわかった.またxmaxは実距離を円弧長さanで規格化すると曲率半径Rc/Dが大きくなるにつれて曲がり部出口に近づく.物質移行係数の最大値kmaxは,Re数依存性が小さく1≦Rc/D≦2の範囲ではRc/Dが小さくなるとkmaxが大きくなることがわかった. 参考文献 -1H.G.Heitmann,P.Schub,”Initial experience gained with a high pH value in the seconday system of PWRs” -2Shaw & Hanratty,AIChE J.,23-1(1977),28. (3)University of California Publications inEngineering,Col.2,No.13,(1930),pp.443-1901/04/05“ “複雑形状部での物質伝達係数と形状係数 “ “猪飼 太郎,Taro IKARI,片井 勇旭,Yuki KATAI,恒吉 達矢,Tatsuya TSUNEYOSHI,伊藤 高啓,Takahiro ITO,辻 義之,Yoshiyuki TSUJI“ “複雑形状部での物質伝達係数と形状係数 “ “猪飼 太郎,Taro IKARI,片井 勇旭,Yuki KATAI,恒吉 達矢,Tatsuya TSUNEYOSHI,伊藤 高啓,Takahiro ITO,辻 義之,Yoshiyuki TSUJI
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