PD 資格試験開始から 8 年の実施状況
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カテゴリ: 第11回
1.はじめに
電力中央研究所 材料科学研究所 PD センターは、日 本非破壊検査協会規格 NDIS 0603 の附属書に従い、 2006 年 3 月より軽水型原子力発電所のオーステナイト 系ステンレス鋼配管溶接部におけるき裂高さ(深さ) 測定の PD 資格試験を実施している。これまでに 2013 年 1 月までの PD 資格試験結果を報告[1-7]した。今回 は 2014年 1 月までの PD 資格試験結果に加え、これま での PD 資格試験結果における受験者の傾向について 報告する。
2.PD 資格試験の実施状況
2.1 PD 資格試験の実績および結果 2013 年度は 3 回の PD 資格試験を実施し、延べ 6 名 が受験した。これより 2006 年 3 月の試験開始以降の累 Table.1 これまでの受験者と合格者の試験結果 試 受験者 合格者 受験者の RMSE* 年度 験 回 新規 再認証 新規 再認証 新規 再認証 数 再試験 再試験 再試験 再試験 再試験 再試験 2005 2 8 ― ― ― 3 ― ― ― 3.49 ― ― ― 2006 10 21 14 ― ― 7 7 ― ― 5.19 2.94 ― ― 2007 6 7 6 ― ― 1 4 ― ― 4.81 2.51 ― ― 2008 5 2 5 ― ― 1 4 ― ― 3.15 2.04 ― ― 2009 3 5 1 ― ― 3 1 ― ― 3.29 ― ― ― 2010 3 2 3 2 ― 1 3 2 ― 2.52 1.51 1.92 ― 2011 5 2 ― 7 ― 2 ― 5 ― 2.51 ― 3.27 ― 2012 3 1 1 1 1 0 0 0 0 ― ― ― ― 2013 3 1 ― 3 2 1 ― 3 1 ― ― 1.92 2.40 計 40 49 30 95 連絡先:(一財)電力中央研究所 材料科学研究所 PDセンター 〒240-0196 神奈川県横須賀市長坂 2 丁目 6-1 http://criepi.denken.or.jp/jp/pd/index.html - 310 - 13 3 19 19 49 10 1 4.40 2.59 3.06 3.34 3.71
* 全データでの統計値(1 名以下の場合は示さず) るため、今後も継続的に 計受験者数は 95 名となった。また、再試験や再認証試 PD 資格合格者の標準偏差お 験による重複を除く実際の受験者数は 49 名となった。 よび誤差平均を注視する必要があると考えられる。 2013 年度の PD 資格試験にて合格基準に達したのは 5 名で、再認証も含めた合格基準に達した者は延べ 49 名 2.2 PD 資格試験結果と探傷手法 である。2006 年 3 月の PD 資格試験開始から 8 年間に PD 資格試験受験者の多くは、固定角 UT 法とフェー おける各々の受験種別のSCCき裂深さ測定値の平均二 ズドアレイ法(PA 法)を組み合わせた改良 UT 法を主 乗誤差(Root Mean Square Error:RMSE)を Table.1 に に使うことは既に報告した[7]。 示す。RMSE は下記の(1)式で表されるもので、PD 資 Fig.2 は、合格者・不合格者それぞれの SCC き裂深 格試験の合否判定に用いられている。 さ測定値(試験解答)を最終判定した探傷手法の統計 RMSE = ?σ ???? (?? ? ? ??)? ???...(1) 値を纏めたものである。この中で「PA 法」はフェーズ ドアレイ法を用いた手法を、「固定角 UT 法」は PA 法 を使用しない端部エコー法を、「その他」は垂直探傷法 mi : SCC き裂深さ測定値 やタンデム法などをそれぞれ示す。Fig.2 中の深さ計測 ti:SCC き裂深さの真とする値 n:試験体数 数は、回答数である。また Fig.3 は、全受験者の最終的 に採用した探傷手法毎に、概ね正解と思われる誤差(解 答値-真とする値)±3.2mm の測定値を出した割合を 2.5 示したものである。Fig.2 より合格者は PA 法を多用し 2ている一方で、不合格者も PA 法を多用しているが固 定角 UT 法を使う比率も高いことがわかる。また Fig.3 1.51400 標準偏差 誤差平均 350不合格者 合格者 3000.52005-2006 2007-2008 2009-2010 2011-2013 試験実施年度 Fig.1 PD 資格試験合格者の標準偏差および誤差平均 の推移 PA法 固定角UT法 その他 Fig.1 は、PD 資格試験合格者の標準偏差および誤差 Fig.2 SCC 深さ測定値を最終判定した探傷手法の統計値 平均について試験開始時からの変化を纏めたものであ る。試験開始から 2010 年度頃までは誤差平均が増加し、 標準偏差が小さくなっている。これは試験回数が増え るにつれて受験者の測定精度が向上している一方で、 合否基準の一つである「測定した SCC 深さが真とする 深さに対して、4.4mm を超えて下回る結果が1つも無 い」を警戒して合格者であっても過大評価する傾向が ある可能性を示唆している。 一方 2011~2013 年度では誤差平均が小さくなる一 方で、標準偏差が大きくなっており、測定精度が低下 0% しているように見られる。このように PD 資格試験合 格者であっても標準偏差および誤差平均が変動してい Fig.3 各探傷手法別の誤差の比率(全受験者) - 311 - 250200 0 150100500 100% 0.80.60.40.2±3.2mm超 ±3.2mm以内 PA法 固定角UT法 その他 より、PA 法を用いた場合において大きな誤差を出す可 能性が低い一方で、固定角 UT 法では大きな誤差を出 す可能性が若干高くなり、その他の手法では大きな誤 差を出す可能性はさらに高くなることがわかる。この ように、PA 法をうまく活用することで大きな誤差を出 すことを減らし、固定角 UT 法等の結果を補助的に使 うことが合格率の向上につながると考えられる。 2.3 PD 資格試験受験者個々の動向 Fig.4 は、各年代別の PD 資格試験受験者、合格者お よび合格率を纏めた結果である。受験者および合格者 いずれも 30~40 歳代が多いものの、合格率は各年代間 の差は殆どないことがわかる。 Fig.5 は、PD 資格試験受験者の試験回数の動向と合 格率を纏めたものである。PD 資格取得プロセスは試験 種別により以下の 4 種類に分類することができる。 1 新規試験で合格 2 新規試験で不合格になり、資格取得を断念 3 新規試験で不合格になったが、再試験で合格 4 新規試験・再試験ともに不合格 Fig.5 より 2 回目の試験(再試験)の合格率は 1 回目の 試験(新規試験)のそれより高くなっていることがわ かる。 50 受験者数 100Fig.6 は、1~4の 2 回目までの試験における誤差平 40 合格者数 合格率 80 均、標準偏差および RMSE を纏めたものである。3に 該当する受験者の再試験の成績は、新規試験の成績よ 30 60 り著しく改善されており、1に該当する受験者と同程 度の成績になっている。これは3に該当する受験者は、 20 40 新規試験で不合格になった後に不合格の原因がある程 度特定でき、訓練などで修正することにより、再試験 10 20 で合格したものと推定される。 一方4に該当する受験者の新規試験の結果と再試験 0 0 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 のそれを比較すると、誤差平均は改善されているが標 準偏差と RMSE は殆ど変化していない。このことは、 Fig.4 各年代別の受験者数、合格者数及び合格率 測定値のばらつきが大きいことを示すものであり、4 に該当する受験者が新規試験で不合格になった後に不 (a) (b) Fig.5 PD 資格試験受験者の受験回数の動向 と合格率の変化 Fig.6 各探傷手法別の誤差の比率(全受験者) - 312 - ことからPA法の活用がPD資格試験の合格のための 合格の原因を特定できず、再試験でも不合格になった ものと推定される。 ポイントであると考えられる。 また、2に該当する受験者は新規試験の成績がかな 3) 2 回目までの受験における誤差平均、標準偏差お り悪い。2に該当する受験者は新規試験での不合格の よび RMSE の傾向から、新規試験で不合格になっ 原因が自身でもわからず、再試験の対応を断念したも た受験者が再試験に合格するには、不合格になった のと推定される。 原因を正しく特定することが重要であると思われる。 以上のことから、再試験での合格には新規試験で不 合格になった後に不合格の原因を特定することが重要 であると思われる。 参考文献 3.まとめ [1] 笹原,直本,秀,神戸 “PD 資格試験開始から一年 の実施状況” 第 4 回保全学会予稿集,福井,2007. オーステナイト系ステンレス鋼配管溶接部に発生す [2] 直本,笹原,秀 “PD 資格試験開始から 2 年の実施 るき裂の深さ測定に関するPD資格試験開始から8年が 状況” 第 5 回保全学会予稿集, 水戸, 2008. 経過した。2014 年 1 月までに 40 回の試験を実施し、再認 [3] 秀,笹原,直本,渡辺 “PD 資格試験開始から 4 証者も含めた合格基準に達した者は延べ 49 名となった。 年の実施状況” 第7回保全学会予稿集, 静岡, 2010. これまでの試験結果の解析で得られた結果は以下の通り [4] 渡辺,笹原,東海林,秀 “PD 資格試験開始から 5 である。 年の実施状況” 第 8 回保全学会特別編予稿集, 東 1) PD 資格試験合格者の標準偏差および誤差平均は 京, 2011. 良好な値を示している。しかしながら時期によって [5] 笹原,直本,秀,井上 “SCC 深さ測定の PD 試験 若干の過大評価傾向が見られるなどの特徴もあ 受験者の技量評価” 保全学, Vol.9 No.1, p.44, 2010. る。 [6] 渡辺,東海林,秀 “PD 資格試験開始から 6 年の 2) SCC き裂測定値(試験解答)を最終的に判定する方 実施状況” 第 9 回保全学会予稿集, 東京, 2012. 法として固定角UT 法よりもフェーズドアレイ法(PA法) [7] 渡辺,東海林,秀 “PD 資格試験開始から7年の実 が多く用いられている。固定角UT法よりもPA法の方 施状況” 第10回保全学会予稿集, 大阪, 2013. が大きい誤差を出す割合が小さい傾向にある。この - 313 -“ “PD 資格試験開始から 8 年の実施状況 “ “渡辺 恵司,Keiji WATANABE,東海林 一,Hajime SHOHJI,秀 耕一郎,Koichiro HIDE
電力中央研究所 材料科学研究所 PD センターは、日 本非破壊検査協会規格 NDIS 0603 の附属書に従い、 2006 年 3 月より軽水型原子力発電所のオーステナイト 系ステンレス鋼配管溶接部におけるき裂高さ(深さ) 測定の PD 資格試験を実施している。これまでに 2013 年 1 月までの PD 資格試験結果を報告[1-7]した。今回 は 2014年 1 月までの PD 資格試験結果に加え、これま での PD 資格試験結果における受験者の傾向について 報告する。
2.PD 資格試験の実施状況
2.1 PD 資格試験の実績および結果 2013 年度は 3 回の PD 資格試験を実施し、延べ 6 名 が受験した。これより 2006 年 3 月の試験開始以降の累 Table.1 これまでの受験者と合格者の試験結果 試 受験者 合格者 受験者の RMSE* 年度 験 回 新規 再認証 新規 再認証 新規 再認証 数 再試験 再試験 再試験 再試験 再試験 再試験 2005 2 8 ― ― ― 3 ― ― ― 3.49 ― ― ― 2006 10 21 14 ― ― 7 7 ― ― 5.19 2.94 ― ― 2007 6 7 6 ― ― 1 4 ― ― 4.81 2.51 ― ― 2008 5 2 5 ― ― 1 4 ― ― 3.15 2.04 ― ― 2009 3 5 1 ― ― 3 1 ― ― 3.29 ― ― ― 2010 3 2 3 2 ― 1 3 2 ― 2.52 1.51 1.92 ― 2011 5 2 ― 7 ― 2 ― 5 ― 2.51 ― 3.27 ― 2012 3 1 1 1 1 0 0 0 0 ― ― ― ― 2013 3 1 ― 3 2 1 ― 3 1 ― ― 1.92 2.40 計 40 49 30 95 連絡先:(一財)電力中央研究所 材料科学研究所 PDセンター 〒240-0196 神奈川県横須賀市長坂 2 丁目 6-1 http://criepi.denken.or.jp/jp/pd/index.html - 310 - 13 3 19 19 49 10 1 4.40 2.59 3.06 3.34 3.71
* 全データでの統計値(1 名以下の場合は示さず) るため、今後も継続的に 計受験者数は 95 名となった。また、再試験や再認証試 PD 資格合格者の標準偏差お 験による重複を除く実際の受験者数は 49 名となった。 よび誤差平均を注視する必要があると考えられる。 2013 年度の PD 資格試験にて合格基準に達したのは 5 名で、再認証も含めた合格基準に達した者は延べ 49 名 2.2 PD 資格試験結果と探傷手法 である。2006 年 3 月の PD 資格試験開始から 8 年間に PD 資格試験受験者の多くは、固定角 UT 法とフェー おける各々の受験種別のSCCき裂深さ測定値の平均二 ズドアレイ法(PA 法)を組み合わせた改良 UT 法を主 乗誤差(Root Mean Square Error:RMSE)を Table.1 に に使うことは既に報告した[7]。 示す。RMSE は下記の(1)式で表されるもので、PD 資 Fig.2 は、合格者・不合格者それぞれの SCC き裂深 格試験の合否判定に用いられている。 さ測定値(試験解答)を最終判定した探傷手法の統計 RMSE = ?σ ???? (?? ? ? ??)? ???...(1) 値を纏めたものである。この中で「PA 法」はフェーズ ドアレイ法を用いた手法を、「固定角 UT 法」は PA 法 を使用しない端部エコー法を、「その他」は垂直探傷法 mi : SCC き裂深さ測定値 やタンデム法などをそれぞれ示す。Fig.2 中の深さ計測 ti:SCC き裂深さの真とする値 n:試験体数 数は、回答数である。また Fig.3 は、全受験者の最終的 に採用した探傷手法毎に、概ね正解と思われる誤差(解 答値-真とする値)±3.2mm の測定値を出した割合を 2.5 示したものである。Fig.2 より合格者は PA 法を多用し 2ている一方で、不合格者も PA 法を多用しているが固 定角 UT 法を使う比率も高いことがわかる。また Fig.3 1.51400 標準偏差 誤差平均 350不合格者 合格者 3000.52005-2006 2007-2008 2009-2010 2011-2013 試験実施年度 Fig.1 PD 資格試験合格者の標準偏差および誤差平均 の推移 PA法 固定角UT法 その他 Fig.1 は、PD 資格試験合格者の標準偏差および誤差 Fig.2 SCC 深さ測定値を最終判定した探傷手法の統計値 平均について試験開始時からの変化を纏めたものであ る。試験開始から 2010 年度頃までは誤差平均が増加し、 標準偏差が小さくなっている。これは試験回数が増え るにつれて受験者の測定精度が向上している一方で、 合否基準の一つである「測定した SCC 深さが真とする 深さに対して、4.4mm を超えて下回る結果が1つも無 い」を警戒して合格者であっても過大評価する傾向が ある可能性を示唆している。 一方 2011~2013 年度では誤差平均が小さくなる一 方で、標準偏差が大きくなっており、測定精度が低下 0% しているように見られる。このように PD 資格試験合 格者であっても標準偏差および誤差平均が変動してい Fig.3 各探傷手法別の誤差の比率(全受験者) - 311 - 250200 0 150100500 100% 0.80.60.40.2±3.2mm超 ±3.2mm以内 PA法 固定角UT法 その他 より、PA 法を用いた場合において大きな誤差を出す可 能性が低い一方で、固定角 UT 法では大きな誤差を出 す可能性が若干高くなり、その他の手法では大きな誤 差を出す可能性はさらに高くなることがわかる。この ように、PA 法をうまく活用することで大きな誤差を出 すことを減らし、固定角 UT 法等の結果を補助的に使 うことが合格率の向上につながると考えられる。 2.3 PD 資格試験受験者個々の動向 Fig.4 は、各年代別の PD 資格試験受験者、合格者お よび合格率を纏めた結果である。受験者および合格者 いずれも 30~40 歳代が多いものの、合格率は各年代間 の差は殆どないことがわかる。 Fig.5 は、PD 資格試験受験者の試験回数の動向と合 格率を纏めたものである。PD 資格取得プロセスは試験 種別により以下の 4 種類に分類することができる。 1 新規試験で合格 2 新規試験で不合格になり、資格取得を断念 3 新規試験で不合格になったが、再試験で合格 4 新規試験・再試験ともに不合格 Fig.5 より 2 回目の試験(再試験)の合格率は 1 回目の 試験(新規試験)のそれより高くなっていることがわ かる。 50 受験者数 100Fig.6 は、1~4の 2 回目までの試験における誤差平 40 合格者数 合格率 80 均、標準偏差および RMSE を纏めたものである。3に 該当する受験者の再試験の成績は、新規試験の成績よ 30 60 り著しく改善されており、1に該当する受験者と同程 度の成績になっている。これは3に該当する受験者は、 20 40 新規試験で不合格になった後に不合格の原因がある程 度特定でき、訓練などで修正することにより、再試験 10 20 で合格したものと推定される。 一方4に該当する受験者の新規試験の結果と再試験 0 0 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 のそれを比較すると、誤差平均は改善されているが標 準偏差と RMSE は殆ど変化していない。このことは、 Fig.4 各年代別の受験者数、合格者数及び合格率 測定値のばらつきが大きいことを示すものであり、4 に該当する受験者が新規試験で不合格になった後に不 (a) (b) Fig.5 PD 資格試験受験者の受験回数の動向 と合格率の変化 Fig.6 各探傷手法別の誤差の比率(全受験者) - 312 - ことからPA法の活用がPD資格試験の合格のための 合格の原因を特定できず、再試験でも不合格になった ものと推定される。 ポイントであると考えられる。 また、2に該当する受験者は新規試験の成績がかな 3) 2 回目までの受験における誤差平均、標準偏差お り悪い。2に該当する受験者は新規試験での不合格の よび RMSE の傾向から、新規試験で不合格になっ 原因が自身でもわからず、再試験の対応を断念したも た受験者が再試験に合格するには、不合格になった のと推定される。 原因を正しく特定することが重要であると思われる。 以上のことから、再試験での合格には新規試験で不 合格になった後に不合格の原因を特定することが重要 であると思われる。 参考文献 3.まとめ [1] 笹原,直本,秀,神戸 “PD 資格試験開始から一年 の実施状況” 第 4 回保全学会予稿集,福井,2007. オーステナイト系ステンレス鋼配管溶接部に発生す [2] 直本,笹原,秀 “PD 資格試験開始から 2 年の実施 るき裂の深さ測定に関するPD資格試験開始から8年が 状況” 第 5 回保全学会予稿集, 水戸, 2008. 経過した。2014 年 1 月までに 40 回の試験を実施し、再認 [3] 秀,笹原,直本,渡辺 “PD 資格試験開始から 4 証者も含めた合格基準に達した者は延べ 49 名となった。 年の実施状況” 第7回保全学会予稿集, 静岡, 2010. これまでの試験結果の解析で得られた結果は以下の通り [4] 渡辺,笹原,東海林,秀 “PD 資格試験開始から 5 である。 年の実施状況” 第 8 回保全学会特別編予稿集, 東 1) PD 資格試験合格者の標準偏差および誤差平均は 京, 2011. 良好な値を示している。しかしながら時期によって [5] 笹原,直本,秀,井上 “SCC 深さ測定の PD 試験 若干の過大評価傾向が見られるなどの特徴もあ 受験者の技量評価” 保全学, Vol.9 No.1, p.44, 2010. る。 [6] 渡辺,東海林,秀 “PD 資格試験開始から 6 年の 2) SCC き裂測定値(試験解答)を最終的に判定する方 実施状況” 第 9 回保全学会予稿集, 東京, 2012. 法として固定角UT 法よりもフェーズドアレイ法(PA法) [7] 渡辺,東海林,秀 “PD 資格試験開始から7年の実 が多く用いられている。固定角UT法よりもPA法の方 施状況” 第10回保全学会予稿集, 大阪, 2013. が大きい誤差を出す割合が小さい傾向にある。この - 313 -“ “PD 資格試験開始から 8 年の実施状況 “ “渡辺 恵司,Keiji WATANABE,東海林 一,Hajime SHOHJI,秀 耕一郎,Koichiro HIDE