竜巻飛来物速度評価法の課題とその解決策

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カテゴリ: 第11回
1.はじめに
原子力発電所に対する竜巻の影響を評価するには,ま ず,過去の竜巻記録や竜巻風速の年超過確率等によって 設計竜巻(最大風速)を設定し,次に,この設計竜巻に よって発生する風圧荷重や気圧差荷重の影響を評価する とともに,竜巻によって空中に巻き上げられる物体(飛 来物)が原子力発電所の防護対象施設・設備等に衝突し た場合の影響を評価することが必要となる。この衝突影 響評価には,飛来物の衝突速度の設定が必要となるが, これまでの設定方法では,竜巻の風速場をモデル化し, その風速場の中の高さ40m の位置から物体を放出して飛 来経路・飛来速度を計算する方法が用いられてきた。こ の初期高さ40m は,既往文献[1]の記載等から原子炉建屋 の屋上高さに由来するものと考えられるが,地上にある 物体に対しても初期高さを40m とすべき科学的根拠は不 明確であるため,より合理的な評価方法が必要となる。そこで,著者らは,風速場として Fujita モデル[2]を用 いることにより,地上に置かれた物体の浮上・飛散を模 擬しうる竜巻飛来物評を提案した[3]。本報では,既 往の飛来物評価方法の課題を明らかにし,著者らが提案 した評価法がその解決策として有効であることを示す。
2.竜巻飛来物速度の各基準
2.1 日米ガイド・基準での飛来物速度 竜巻飛来物に関する設計基準・ガイドの事例としては, 米国連邦緊急事態管理庁の公共避難所に関する基準 FEMA P-361[4]や米国エネルギー省施設に対する標準 DOE-STD-1020-2002[5]等がある。FEMA P-361 の中の最も 厳しい基準としては,風速 112m/s(250mph)の地域で 6.8kg(15lb.)の木材が水平速度 44.7m/s(100mph)で衝突する ことを設計基準としている。一方,DOE-STD-1020-2002 では,性能カテゴリー4の施設・機器に対する設計飛来 物速度としては,以下の3 種類を規定している。 12x4インチ角の6.8kgの木材:67m/s (200ft以下の高さ) 2径3インチの34kgのパイプ:34m/s(100ft以下の高さ) 31360kg の自動車:11m/s(地上での横転・横滑り) 米国原子力規制委員会 NRC の評価ガイド[6]では, Rankine 渦でモデル化した風速場の中に高さ 40m の特定 位置から1ケの対象物体を落下させて,飛来物の運動を 計算し,その物体の空中での最大水平速度を設計飛来物 速度としている。その結果として,最大風速103m/sの地 域では,1810kg の自動車で 41m/s, 66.9g の鉄球で 8m/s の設計飛来物速度を例示している。なお,130kgのパイプ は自動車等の空中分解から放出される可能性を考慮して, 連絡先:江口 譲,〒270-1194 我孫子市我孫子1646 電力中央研究所 地球工学研究所 流体科学領域 E-mail: eguchi@criepi.denken.or.jp 意図的に自動車と同じ飛来物速度(41m/s)としている。 一方,2013 年に日本の原子力規制委員会から提示され
2.2 た評価ガイド[7]には,原子力安全基盤機構委託研究(東京 原子力発電所の既往評価手法の課題 工芸大,2011)[8]で得られた飛来物速度が例示されている。 以上のように,日米の各基準・ガイドで示されている この評価では,仮想的な小型竜巻実験装置を対象として 設計飛来物速度には大きな幅があり,また,日米の原子 LES 解析により得られた竜巻状の渦をスケーリングして, 力発電所に対する規制ガイドに例示されている設計飛来 直径30m,最大風速100m/sの竜巻に変換した後,高さ40m 物速度に限っても,かなりの差異が見られる。日米の原 の広範な位置から多数の対象物体を落下させて得られた 子力発電所に対する規制ガイドの評価法では,竜巻の風 最大水平速度を設計飛来物速度と定義している。 速場のモデル化および飛来物の放出位置の設定(初期条 以上の日米のガイド等で例示されている設計飛来物速 件として飛来物をどの位置に設定するか)の2点に相違 度を文献[8]の表2.2.3.7 の式(以下)で定義される飛行定 が見られるが,著者ら[9]は Rankine 渦を風速場として用 数CDA/m の関数としてプロットしたものをFig.1に示す。 いた計算により,1風速場の違いによる影響は顕著では CDA/m=0.33(CD1A1+CD2A2+CD3A3)/m (1) ないこと,2飛来物の放出位置の影響が大きいこと,を ここで,CDiは xi 軸方向から風を受けた場合の抗力係数, 明らかにしている。ただし,両ガイドでは物体の初期高 Aiは投影面積を,mは質量を表す。 さとして40m を採用していることは共通しており,本来, 日本の規制庁ガイドの例示値は,設計竜巻風速が米国 地上にある物体に対しても初期高さを40m とすべき科学 よりも小さいにもかかわらず,米国の各基準値よりも全 的理由は不明であることは共通の課題である。 領域で高く設定されていることが分かる。また,米国の 基準間でもばらつきがかなり大きいことも分かる。 3.提唱する課題解決策 Dunlap and Wiedner[1]によると,自動車の飛来速度に関し 3.1 観測に基づく風速場モデル ては“Based on observed incidents, a 50 mph horizontal 地上にある物体に対して浮上・飛散現象を評価するに velocity and a 25-ft injection height are believed to be は,地面付近を含めて風速場を模擬する必要がある。そ conservative parameters.(観測事例に基づくと,衝突高さ こで,Fujita[2]が米国原子力規制委員会 NRC や Argonne 7.6m,水平速度 22.4m/s が保守的な値)”と述べており, 国立研究所の要望により竜巻観測に基づき考案した風速 これらの実態に即した評価手法が必要と考えられる。 場工学モデル DBT-77(以下,Fujita モデル)を速度場と して採用することとした[3]。 このモデルではFig.2に示すように竜巻を半径方向に3 80つの領域(内部コア・外部コア・最外領域)に分割する とともに,地面付近の強い流れが存在する境界層は流入 層を設けている。各風速成分は代数式として,与えられ るが,内部コアの半径 Rνは外部コアの半径 Rmに比例し, 以下で与えられるものとしている。 R ν ν= R m (2) ここで,ν は1 以下の正の値であり,[m]単位のRmに関 する以下の経験式が提案されている。 ν = 0.9 - 0.7exp( - 0.005 R m) (3) また,流入層の高さHiも外部コア領域の半径Rmに比例 するものとして以下で与えられる。 H i Rη= m (4) ここで,ηは 1 以下の正値であり,Fujita[2]は以下の経 験式を提案している。 η = 0.55(1 - ν 2 ) (5) 以下では,Fujitaモデルの具体的な風速分布の関数型を 示す。なお,本報では,竜巻中心からの半径 R を外部コ アの半径 Rmで無次元化したものを r,地面からの高さ Z - 404 - FEMA DOE-STD-1020-2002 U.S.NRC Japan NRA P-361 Guide Guide 1.76 (Tokyo Polytech U. Report) 70] s/m[y ticolevl atnoziroHTimber plank 605040Pipe* Auto Timber plank 303-in. pipe2010Auto rolling and tumbling on the groundSteel sphere 0.001 0Flight 0.01 parameter CDA/m [m2/kg] 0.1Fig.1 The most restrictive criteria for horizontal missile velocity described in guides and standards (* Pipe velocity is intentionally equalized with auto velocity in the NRC guide 1.76, considering in-air disintegration.) を流入層の高さHiで無次元化したものをz と定義する。 r=R/Rm, z=Z/Hi (6) 周方向風速Vθは以下のようにモデル化している。 V θ = F R ( rF ) Z ( zV ) m (7) ここではVmは竜巻の最大周方向風速である(Fujitaモデ ル竜巻の最大水平風速と一致する)。また,FR(r)および FZ(z)は以下で定義される関数である。 R ( ) 1/ F r r ( 1) r ( 1) = ? ? ? r r < ? (8a) F z ( z ) = ? ? ? exp( - z k k ( 0 z - 1)) ( z < 1) ( z ? 1) (8b) 定数k0,kの値はk0=1/6, k=0.03が推奨されている。 半径方向風速Vr(外向きが正)は,周方向風速Vθに比 例するとして,以下のように表される。 V r= Vθ tan α (9) ここで,外部コアでの流出角度αについてはFujitaの論 文[2]では,関数型が与えられていないので,著者らが連 続式を用いて以下のように導出した[3]。 tan α = ?│ │ ? ││ ? 0 tan α 01 ν 2 1 2 2 tan α 0ν r ( r ? ν ) - ? │ ? - ? │ ? ( ν < r < 1) ( r ? 1) -10tanα0はFujitaの論文[2]で以下の関数型で与えられる。 tan α 0 = ? ? ? B {1 - A (1 - z 1.5 ) ( z < 1) (11) - exp( - k ( z - 1))} ( z ? 1) ここで,係数Aの値としては,0.75が推奨されている。 また,係数 Bは,外部コア半径(渦の接線風速Vθおよび 水平風速が最大となる半径)での質量収支より,以下の 関係で与えられる。 B = ( k 0 + 1)( 3 k 0+ 2.5) kA (12) 上昇風速Vzについては,以下のように与えている[2]。 0(a) ν V = (b) - 405 - ?│ ?│ ? V 0 w 0 ( r ? ) ( ν < r < 1) ( r ? 1) (13) z m ただし, 0== ? ││ ? │ │ ? 7 8 6 3 2 2 w 3 η28 1 - ν A (16 z - 7 z ) η B exp( - ( - k (1 - ν ) - - - ( z < 1) ? k z 1)){2 exp( k ( z 1))} ( z 1) (14) 以上で得られた竜巻風速場に移動速度を加えた場合の 流線の一例をFig.3(a), (b)に示す。 Fig.3 Sreamlines of translating Fujita’s DBT-77 wind field (a) passing near ground, (b) passing through cube surface Fig.2 Conceptual view of Fujita’s DBT-77 tornado model 3.2 地上飛来物の浮上モデル 地上にある物体には地面の存在により流れが非対称に なる(地面効果)ため,物体が対称形であっても揚力 FL が作用する。この場合,物体飛行の空中での運動方程式 は以下のようになる。 F L = ρ C L a 2 m V w - V M x , y 2 1899/12/15ここで,ρは空気密度,CLは飛来物の揚力係数,aは地 上での物体の見附面積(投影面積),m は飛来物の質量, Vwは風速場,VMは飛来物の速度ベクトルを表し,下添え 字x,yは水平成分を意味する。 CLa は風洞実験や数値シミュレーションで定められる が,すべての対象物体の CLa を評価するには膨大な労力 と時間を要するので,本モデルでは CLa/m を保守的に CDA/m(飛行定数)で代用することとした。主な物体での, CLaとCDAの比較をTable 1に示す。この表からCDA/m(飛 行定数)を用いることにより,浮上現象を保守的に評価 できることが分かる。以上より,地上に静止している物 体の浮上条件は保守的に以下の式で表される。 12 ρ V w 2 C D A > mg (16) ここで,Vw は物体中心での風速,g は重力加速度を表 す。 Table 1 Comparison of CLa and CDA, part of flight parameter object Cylinder φ:d 従って,高さdの物体中心に当たる風速Vwは,竜巻の 移動速度Vtrを加えた以下で近似できる。 V w = 1.22 V m ? │ ? 1.1[1 - {0.9 - 0.7exp( d - 0.005 R m )}] 2 R m ? │ ? 0.162+ V tr -19式(19)を不等式(18)に代入すると以下が得られる。 C m D A > ρ ? │ │ ? 1.22 V m ? │ ? 1.1[1 {0.9 2 g 0.7exp( 0.005 )} 2 ] d 0.162 2 - - - R m R m ? │ ? + V tr ? │ │ ? (20) 一方,国内の竜巻の移動速度 Vtr,静止竜巻の最大水平 風速Vm,移動竜巻の最大風速VDには以下の関係がある。 Vtr=0.15VD (21a) VD=Vm+Vtr (式(21a)よりVm=0.85VD) (21b) これらを不等式(20)に代入すると以下が得られる。 2 2 1.037 1.1[1 {0.9 0.7exp( 0.005 )}] 2 0.162 2 0.15 - C m D A > ρ V g D ? │ │ ? ? │ ? d - - - R m R m ? │ ? + ? │ │ ? (22) 特に,国内での評価では竜巻の半径Rmは30mに設定さ れるので,この値と空気密度ρ=1.226[kg/m3],重力加速度 g=9.80665[m/s2]を代入すると以下のように簡略化できる。 C m D A> V D 16.0 2 (0.597 d 0.162 + 0.15) 2 (23) ただし,高さdの物体中心に当たる風速Vwは,最大風 速VDを超えることはないので,以下も条件として加える Car (1974 Car Car 必要がある。 Dodge Dart) (sedan) (minivan) D 2 16.0 reference [10] [10] [11] [11] D 2 D 2 CLa 2.8d2 48.7 ft.2 9.5m2 * 9.7m2 * CDA 7.1d2 129 ft.2 12.0m2 14.4m2 *calculated from upset wind speed where at least one tire comes off the ground. Actual value of CLawould be less than that indicated. 3.3 地上飛来物の浮上判定法 不等式(16)およびFujitaモデル式(3)-(5)を用いて,高さd の物体の浮上判別式(条件)を導出することとする。中 心位置(Z=d/2)の高さの無次元量z0は以下で表される。 z 0 = 0.5 d H i = 1.1[1 - {0.9 - 0.7exp( d - 0.005 R m )}] 2 R m -17一方,地面付近の竜巻による水平風速Vhは以下に示す ようなべき乗式で近似できる。 V h / V m = 1.22 z 0.162 (18) == - + = - (27) ここで,kは鉛直上向き単位ベクトルを表す。 - 406 - C m A > ρ V g == V (24) 3.4 飛来物の空中運動モデル 空中での飛来物には方向性がない流体抗力(平均抗力) と重力のみが外力として作用するものとし,3自由度の 並進運動のみを考慮する。ただし,地面付近(物体高さ の 3 倍の範囲)では地面効果による揚力加速度 L を考慮 した。この場合,物体飛行の空中での運動方程式は以下 のようになる。 d V M dt = ρ 2 C m D A V w - V M ( V w - V M ) - ( g - L ) k (25) L = ρ 2 C m D A V w - V M x , y 2 f ( Z / d ) (26) ただし, f ( Z / d ) 3 3 ζ 3 ζ , ζ Z 1 d 2 4.Fujita モデルの検証例と応用例 4.1 佐呂間竜巻でのトラック移動の再現計算 2006 年11月7 日,北海道佐呂間町で竜巻が発生し,工 事事務所の全壊・飛散等により死傷者が発生した。この 工事事務所の敷地内には乗用車・トラック・重機などの 車両があり被災している。このうち,被災前の駐車位置 と被災後の移動位置が判明しているもの(乗用車2台と 4tトラック1台)が,文献[12]に記載されている。乗用車 2台は全壊・飛散した工事事務所や倉庫のすぐ近くに駐 車していたため,これらの移動は瓦礫等の影響を受けて いるものと考えられる。そこで,周囲の影響が比較的小 さいと考えられる4t トラックを対象として,解析コード TONBOS(Fujitaモデル)を用いて再現計算を試みた。 4t トラックの車種は不明であるため,ここでは三菱ふ そうPA-FK71D(長さc=8.1m,幅w=2.24m,高さd=2.5m, 質量m=4000kg)の仕様を採用して,飛行定数を式(1)から CDA/m=0.0056 m2/kg と計算した。ただし,抗力係数と投 影面積は以下のように与えた(側面の投影面積A2は荷台 部分の高さが運転席部分の高さ d よりかなり低いことを 考慮して,cdに0.5を乗じている)。 CD1=CD2=CD3=2.0,A1=wd,A2=0.5cd,A3=cw 竜巻条件としては,文献[12]より移動速度を22 m/s とし, 被害が F3 相当と認定されていることから,最大風速を 92m/s とした。竜巻コア半径は,当該地点での被害範囲が 極めて限定されているので 20 mを仮定した。また,文献 [11]の風洞実験結果を参考にしてトラックの最低浮上風 速として風速 60m/s を設定した。竜巻とトラックとの最 短距離は不明確のため,パラメータサーベイにより 20m または18mとした。その場合の竜巻経路とトラックの移 動経路の計算結果をFig.4に示す。なお,矢印の色はトラ ックの水平速度に対応しており,着地時付近で最大値を とることが分かる。また,両ケースのトラックの最大水 平速度,飛散距離,最大浮上高さをTable 2 に示す。 文献[13]には,実際の被害状況から推察した竜巻の大ま かな移動経路が記載されているが,本計算で得られた竜 巻移動経路と整合する。 Table 2 Computed results of truck flight driven by tornado Case No. distance of truck to tornado truck speed Traveled distance Lift height Case 1 18m 19.9m/s 31.5m 2.0m Case 2 20m 22.8m/s 41.1m 2.7m Fig.4 Tornado path and truck trajectory computed with TONBOS using Fujita’s DBT-77 wind field (Background picture is quoted from reference [12]) (a) Case 1 with 18m distance, (b) Case 2 with 20m distance 4.2 地面を考慮した高所からの物体浮上飛散解析 物体が高所にある場合でも,地面等の支持面の影響を 考慮する方が現実に近い場合がある。そこで, TONBOS(Fujita モデル)の解析において,高所での地面の 影響を以下の仮定で考慮できるようにした。 1高所レベル以下では風速ゼロまたは竜巻の移動速度と - 407 - 同じ風が吹いていると仮定。 2高所レベル以上では全域でFujitaモデルの風速を仮定。 3浮上した物体が落下する場合は高所レベルをすべて通 過し,敷地レベル(高さ0m)まで落下する。 例題として,高所40mの地面に接地するコンテナ(高 さd=2.6m,質量m=2300kg,CDA/m=0.0105m2/kg)を解析 した。竜巻条件としては,最大周方向風速を84m/s,移動 速度を 16m/s,竜巻半径を 30m とした。高所レベル以下 の風速がゼロと仮定した場合のコンテナの軌跡をFig.5に 示す。高所レベルより低い場所を通ると,飛来物の水平 速度が減速する様子が分かる。 参考文献 [1] Dunlap, J. A. and Wiedner, K., “Nuclear Power Plant Tornado Design Considerations”, Journal of the Power Division (ASCE), Vol. 97, No. 2, pp. 407-417, March 1971. [2] Fujita, T.T., Workbook of Tornadoes and High Winds for Engineering Applications, U. Chicago, 1978. [3] 江口 譲,杉本聡一郎,服部康男,平口博丸,竜巻に よる物体の浮上・飛来解析コードTONBOS の開発, 電力中央研究所 研究報告N14002, 2014. [4] Federal Emergency Management Agency (FEMA), Design and Construction Guidance for Community Safe Rooms, FEMA P-361, 2nd edition, 2008. [5] U.S. Department of Energy, Natural Phenomena Hazards Design and Evaluation Criteria for Department of Energy Facilities, DOE-STD-1020-2002, 2002. [6] U.S. Nuclear Regulatory Commission, Regulatory Guide 1.76: Design-Basis Tornado and Tornado Missiles for Nuclear Power Plants, Revision 1, March 2007. [7] 原子力規制委員会,原子力発電所の竜巻影響評価ガイ ド(原規技発第13061911号),2013年6月19日. [8] 東京工芸大学,平成 21~22 年度原子力安全基盤調査 研究(平成 22 年度) 竜巻によ る原子力施設への影 響に関する調査研究,独立行政法人原子力安全基盤 機構委託研究 成果報告書,2011. Fig.5 Trajectories of the containers initially placed on high [9] 江口 譲,杉本聡一郎,服部康男,平口博丸,電力土 grade level (z=40m) 木技術者のための数値流体解析講座(第3回)竜巻 影響評価関係の数値解析技術,電力土木 No.369, 5.まとめ pp.85-88, 2014. [10] EPRI report NP-2898:Wind field and trajectory models for 日米の各基準・ガイドで示されている竜巻飛来物速度 tornado?propelled objects, 1978. には大きなばらつきがあり,日本の規制ガイド[7]に例示 [11] T. Schmidlin et al., Unsafe at Any (Wind) Speed? Testing されている設計飛来物速度は,日本よりも設計風速が大 the Stability of Motor Vehicles in Severe Winds, きい米国の規制ガイド・基準・標準で提示されている値 pp.1821-1830,vol.83,no.12,Bulletin of the American よりも逆に厳しいことを明らかにした。この主な原因と Meteorological Society,2002. しては,本来,地上にある物体に対しても物体の初期条 [12] 札幌管区気象台:災害時気象調査報告,平成 18 年 件として空中40mに多数配置して計算していることに起 11 月 7 日から 9 日に北海道(佐呂間町他)で発生 因していることを指摘した。この課題を解決するために, した竜巻等の突風災害時自然現象報告書 2006 年第 著者らはFujitaの竜巻工学モデルDBT-77(Fujitaモデル) 1 号,2006. を風速場として用い,これに地上物体の浮上モデルを付 [13] 建築研究所 構造研究グループ 奥田泰雄・喜々津仁 加した数値解析コードTONBOS を開発した[3]。本報では, 密・村上知徳, 2006 年佐呂間町竜巻 被害調査報告, この解析モデルの概要を説明するとともに,佐呂間竜巻 2006 年 11 月 21 日. でのトラック被災事例に適用し,その有用性を示した。 - 408 -
“ “竜巻飛来物速度評価法の課題とその解決策 “ “江口 譲,Yuzuru EGUCHI,杉本 聡一郎,Soichiro SUGIMOTO,服部 康男,Yasuo HATTORI,平口 博丸,Hiromaru HIRAKUCHI
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