オーステナイトステンレス鋼の中性子照射による磁気特性変化に関する研究

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カテゴリ: 第12回
1.緒言
東京電力福島第一原子力発電所における重大事故の発生以降、原子炉設備の安全性の確保は以前にも増して重要視されている。新規制基準の下、様々な安全対策が進められているが、今後の原子炉設備の健全性及び安全性の確保、安定的な運転のため、構造材料の原子炉内での中性子照射に伴う材料劣化を予兆段階で検知し、照射誘起応力腐食割れなどの損傷発生を未然に回避可能とするための技術開発が望まれる。 従来導入されている原子炉構造材料の劣化診断技術は、構造材料に発生した微細き裂などの損傷を検知する診断法である。一方、これまでに著者らが行った研究において、オーステナイトステンレス鋼の約0.12dpa から約5dpaまでの中性子照射材の交流磁化法や渦電流法による磁気測定試験によって得られた磁気データが照射量に依存して上昇し、高温水中での低歪み速度引張(SSRT)試験で得られる粒界破面率、つまり照射誘起応力腐食割れ(IASCC)感受性を示すデータとの間に相関関係が見られることが示されている。Fig.1に高純度オーステナイトステンレス合金の中性子照射材のIASCC感受性(粒界破面率)と、同じ試験片のつかみ部における交流磁化法測定によって得られた第三高調波強度の相関関係の一例を示す[1]。この様な相関関係の適用により、IASCC感受性等の材料劣化の程度を微細き裂などの損傷発生以前に非破壊的に検知する技術の開発が可能であると考えられる[1-7]。
Fig.1 Correlation between IASCC susceptibility and 3rd harmonics voltage on neutron irradiated high purity stainless steels [1].
著者らは上記の予兆診断技術開発のため、原子炉実機の複雑形状部材の磁気測定等に適応するためのセンサーの小型化による空間分解能の向上、炉内環境に適応するためのセンサーの耐放射線性、耐高温性の向上、システムの遠隔操作化、測定精度向上のためのデータ処理方法の高度化等を進めてきた[1-7]。 その他の課題としては、SUS304等の材料において照射前の状態で構造材料中にフェライト相等の磁性相が存在した場合の照射後の磁気測定精度への影響の検討が必要であると考えられる。照射前から存在する磁性相からの磁気信号の影響が大きい場合、照射に基づく磁気信号の変化が十分な精度で捉えられない可能性があると考えられる。 また、もう一つの課題としてオーステナイトステンレス鋼のIASCC感受性と磁気データの相関の原因解明が挙げられる。著者らはこれまでにIASCC感受性と磁気データの相関が見られた高純度モデルオーステナイトステンレス合金の中性子照射材の微細組織観察を行い、強磁性体であるパーマロイ(FeNi3)の結晶粒内での生成を確認している[4]。そのためオーステナイトステンレス鋼の中性子照射による磁気発現の原因は照射誘起の磁性相生成である可能性が考えられる。 IASCC感受性と磁気データの相関の原因を検討する上では結晶粒内だけではなく、き裂の進展する結晶粒界における磁性相生成の可能性について検討する必要があると考えられる。そのため著者らはこれまでの研究においてオーステナイトステンレス鋼の照射誘起偏析による結晶粒界でのCr欠乏、Ni富化をバルクの組成で模擬し、Cr濃度約10wt.%、Ni濃度約30wt.%とした合金に対して鋭敏化熱処理を行い、結晶粒界でのCr濃度をさらに低下させた試料を用いて、渦電流法測定や磁気力顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡による微細組織観察等を行った[1,4]。その結果、結晶粒界にパーマロイ(FeNi3)が生成し、結晶粒界近傍における局所的な磁区構造の変化が発生し、それによって材料のマクロな磁気特性の変化が起きることを示した[1]。しかしこれらは模擬材料を用いての検討であるため、中性子照射材の結晶粒界での磁性相生成について微細組織観察を行い確認する必要があると考えられる。 本研究においては上記技術開発に関連した基礎的検討として、照射量及び照射速度の異なるSUS304オーステナイトステンレス鋼中性子照射材の小型試験片の磁気測定を行うと共に、これまでの研究で磁気データと材料劣化の相関性が見られた照射材試料の結晶粒界近 傍での微細組織観察を実施し、磁性相生成について検討した結果について報告する。 2.実験方法 2.1 材料 Table 1 に本研究で用いた材料の化学組成を示す[1-13]。いずれも合金作成後に固溶化熱処理を施している。 オーステナイトステンレス鋼中のフェライト相の量については、材料の化学組成からクロム当量、ニッケル当量を計算し、JIS 規格に基づきシェフラー相図上にプロットすることにより予測することができる[14]。これまでの著者らの研究において磁気測定を行った高純度オーステナイトステンレス合金及びSUS316L 等のフェライト量はいずれも約0~5%程度となるのに対し、本研究で用いたSUS304 のフェライト量は10~20%と予測される。またこの材料の金相観察及びX 線回折試験を行い、フェライト相の生成を確認した。この材料を原子力機構の材料試験炉(JMTR)で中性子照射した試料を使用した。照射条件をTable2 にまとめる。照射量約0.85dpa までの照射に関しては、照射速度約1.0x1018n/m2/s で照射した試料(ID:A44) と約1.2x1017n/m2/s で照射した試料(ID:A26)を使用した[15]。 HP304/S はこれまでの研究で照射材の磁気測定を行い、IASCC 感受性とった高純度モデルオーステナイトステンレス合金のうちの一つである[1-7]。本研究ではこの材料を原子力機構の研究用原子炉3 号機(JRR-3) において約513K で約1dpa まで中性子照射した試料をTable 1 Chemical compositions (wt.%) ID C Si Mn P S Cr Ni N Fe SUS304 0.05 0.65 1.2 0.024 0.004 18.58 8.93 0.02 Bal. HP304/S 0.002 0.03 1.41 0.001 0.0318 18.32 12.47 0.0012 Bal. - 106 - 用いた。著者らはこれまでこの試料について電界放射型透過型電子顕微鏡(FE-TEM)による微細組織観察及び結晶構造解析を行い、強磁性体であるパーマロイ(FeNi3)の生成を確認している[3]。しかしこれまでの観察は結晶粒内での観察であり結晶粒界での磁性相生成については検討されていない。そのため本研究ではこの試料の結晶粒界についてFE-TEM による微細組織観察及び結晶構造解析を行い磁性相生成について検討することとした。 Table 2 Irradiation conditions for the type304 specimens 2.2 試験片加工 磁気測定に用いたSUS304 照射材はホットセル内で5mm x 8mm x 5mm 程度のブロック状に加工し、直径30mm、高さ30mm の円筒形の樹脂埋め管の底面に試料の5mm x 8mm の面が露出する様に樹脂を流し込んで埋め込んだ上で研磨を行い、最終的には粒度0.1 .のバフ研磨により鏡面にまで研磨した。この樹脂埋め管の寸法は、著者らがこれまでの研究で開発した磁気測定装置の試料ステージに適合した寸法となっている[7]。 FE-TEM 観察に用いたHP304/S 照射材はホットセル内で5mm x 8mm で1mm 厚の板状に加工した上で表面研磨を行い、最終的に粒度0.1 .のバフ研磨により鏡面にまで研磨した。その後、集束イオンビーム(FIB)加工装置JIB-4501 において二次電子像の観察により結晶粒界を含む領域を選択して、FE-TEM 観察用の薄膜試料の作製を行った。 2.3 試験条件 交流磁化法及び渦電流法による磁気測定はいずれも直径1.2mmφのパーマロイ・コアを芯として、導線を巻きつけて製作したI 型コイルセンサーを用いて行った。I 型コイルセンサーのセンサープローブの概念図をFig.2 に示す。励磁コイルはφ0.18mm の導線を120 回巻き付けて作製し、検出コイルはφ0.08mm の導線を300 回巻き付けて作製した。測定条件はいずれも励磁周波数10kHz、アンプ感度6dB、検出電圧±9V で、リフトオフ0mm、つまり試験片表面にセンサープローブを密着させた状態で測定を行った。また極力試験片縁辺の磁気データへの影響を小さくするため、試験片の底面の中心部で測定を行った。交流磁化法測定においては、第3 高調波強度の評価を行った。その際、一定時間あたり20 回の自動測定を行い、ピーク強度の平均値を取得することを5 回実施した。5 つのデータから最大と最小を省いた3 つのデータの平均値を、その試験片の第3 高調波強度のデータとして評価した。 渦電流法測定においては、非照射材を用いて原点調整を行った上で他の試料の測定を行い、プローブ電圧の振幅値(変化量)を評価した。 HP304/S 照射材のFE-TEM 観察はJEM-2800 を使用し200kV の加速電圧で行った。 Fig.2 Sensor probe for magnetic measurement using Eddy current method and AC magnetization method. 3. 結果及び考察 3.1 照射材の磁気測定結果 Fig.3 にSUS304 の非照射材及び照射材の交流磁化法による第3 高調波強度の測定結果を照射量に対してプロットしたグラフを示す。照射量の上昇に伴い第3 高調波強度が上昇する傾向が見られた。一方、異なる照射速度で0.85dpa まで照射した試料の第3 高調波強度の違いは明らかには見られなかった。 ID Dose(dpa) Dose rate(n/m2/s) Temperature(K) A52 0.79 1.0x1018 553 A26 0.85 1.2x1017 544 A44 0.85 1.0x1018 545 A22 1.78 1.0x1018 553 - 107 - Fig.3 Correlation between irradiation dose (dpa) and 3rd harmonics voltage on type304 stainless steel Fig.4 にSUS304 試料の渦電流法による位相平面上での評価結果を示す。ここでは、非照射材を基準として測定を行った。この位相平面上での各試験片のデータの原点からのベクトル成分を評価して得られたプローブ電圧の振幅値を規格化し、照射量に対してプロットしたグラフをFig.5 に示す。照射量の上昇に伴い、プローブ電圧の振幅値が上昇する傾向が見られた。また照射速度1.2x1017n/m2/s で照射した試料では、照射速度がより速い1.0x1018n/m2/s で照射した試料に比較して、同じ照射量(約0.85dpa)でもプローブ電圧の振幅値が低くなる傾向が見られた。 Fig.4 Probe voltage distribution on phase plane obtained by Eddy current measurement on type304 stainless steel Fig.5 Correlation between irradiation dose (dpa) and probe voltage obtained by Eddy current measurement on type304 stainless steel これらの異なる照射速度で0.85dpa まで照射したSUS304 の試料についてはこれまでの研究で高温水中でのSSRT 試験が行われており、その破面観察結果において粒内型の応力腐食割れ(TGSCC)の発生が見られている[16]。Fig.6 に破断面の断面積に対するTGSCC 破面率とプローブ電圧の振幅値の相関関係を示す。TGSCC 破面率の上昇に伴いプローブ電圧の振幅値が上昇する正の相関関係が見られた。 Fig.6 Correlation between TGSCC fracture rate (%) and probe voltage obtained by Eddy current measurement on type304 stainless steel irradiated up to 0.85dpa in different dose rate - 108 - これらの照射材の磁気発現及びTGSCC との相関について議論するため、過去に行われたFE-TEM 観察結果を参照すると、転位ループの数密度は低照射速度(1.2x1017n/m2/s)の場合に約4.5x1022/m3、高照射速度(1.0x1018n/m2/s)の場合に4.0x1022/m3であり明らかな差が見られなかったが、その平均寸法は低照射速度の場合に約4nm なのに対し高照射速度の場合に7nm となっていた[17]。このような転位ループ等の微細組織の様相の違いは材料の照射硬化や歪み挙動の変化等機械的性質の変化に影響を及ぼし、その他の条件との複合作用によってIASCC 等の材料劣化挙動を変化させる可能性が検討されている[16,17]。 一方これまでに著者らはSUS316L に冷間加工や室温及び高温での引張試験により転位組織を導入した試料について磁気測定試験を行い、転位組織導入による磁気的性質の変化の可能性について評価を行ったが、転位組織の発達そのものが磁気特性の変化をもたらす可能性は低いと考えられる[5]。 また中性子照射においては、転位ループの発達と並行してキャビティの生成、照射誘起偏析、照射誘起析出等も進展するため、照射材における磁気発現の原因は照射誘起偏析等に基づく磁性相の生成によるものである可能性が考えられる。著者らはこれまでの研究において高純度モデルオーステナイトステンレス合金の照射材のFE-TEM 観察を行い、結晶粒内での強磁性体のパーマロイ(FeNi3)の生成を確認している[4]。そのため、照射材における磁気発現の原因は照射誘起の磁性体の生成であると考えられる。しかし生成した磁性相の様相等の詳細はまだ明らかでないため、磁気的性質の変化とIASCC やTGSCC との相関に関する議論のたFig.7 FE-TEM observation results on HP304/S irradiated up to 1dpa, including grain boundary (GB) region. (a) Bright field image, (b) Diffraction pattern from the grain①(B=[0 0 1]), (c) Diffraction pattern from the grain② (B=[1 2 2]), (d) Diffraction pattern from the region including grain①, ② and GB. (e) An illustration of (d)(・: diffraction spots from grain①, ◆: grain②, ○: precipitates along GB (FeNi3, B=[1 -1 0])), (f) Dark field image obtained from the diffraction spot pointed by the arrow in (d) and (e). - 109 - めには、今後試料のFE-TEM 観察等を詳細に行い、慎重に検討していく必要があると考えられる。 以上の結果から10~20%程度のフェライトを含むSUS304 であっても、約0.79dpa~1.78dpa の範囲の中性子照射による磁気特性の変化を交流磁化法及び渦電流法によって評価可能であることが示された。また、渦電流法によって得られた磁気データはTGSCC の発生と相関関係があることが示された。今後、より低い照射量の試料についても磁気測定を行い、測定精度等も含めてさらに検討していく必要があると考えられる。 3.2 照射材の微細組織観察結果 これまでの著者らの研究において、オーステナイトステンレス鋼が中性子照射された場合に材料の磁気特性の変化が見られ、それと高温水中でのSSRT 試験で得られる粒界破面率、つまりIASCC 感受性の上昇等の材料劣化との相関関係が見られることが示されている[1-7]。そのため本研究では上記の研究で磁気特性とIASCC 感受性の相関が見られた高純度モデルオーステナイトステンレス合金HP304/S の1dpa 照射材の結晶粒界を含む領域におけるFE-TEM 観察を行った。Fig.7 にその結果を示す。(a)は明視野像、(b)は(a)中に①と記した、視野左側の結晶粒からの電子線回折像である。Fig.7 の写真は、いずれもFE-TEM の電子線入射方向に対して、①の結晶粒の(0 0 1)面がほぼ垂直になるように試験片の角度を合わせた状態で撮影している。そのため、(b)には①の結晶粒の母相であるオーステナイト相の(0 0 1)面からの電子線回折図形が写っている。また、(c)には(a)中で②と示した視野右側の結晶粒の、オーステナイト相の(1 2 2)面からの電子線回折図形が写っている。 (d)は結晶粒①②と結晶粒界を含む領域からの電子線回折図形である。結晶粒①②からの電子線回折図形が重なった状態で写っているが、その他の電子線回折図形も重なって写っている。(d)の電子線回折図形を模式図にしたものを(e)に示した。・が結晶粒①からの回折斑点、◆が結晶粒②からの回折斑点を示す。○はその他の回折斑点を示しているが、これは結晶粒界を視野に含んだ場合にのみ現れるため、結晶粒界上に生成した析出物からの回折斑点であると考えられる。また、(d)及び(e)中に矢印で示した回折斑点によって得られた暗視野像を(f)に示す。結晶粒界に沿った帯状の析出物が白く光って写っており、○で示した回折斑点が結晶粒界に生成した帯状の析出物からのものであることが分かる。さらに空間群、格子定数等の情報から解析を行った結果、Fig.7(e)に○で示した回折斑点によって構成された電子線回折図形は、強磁性体であるパーマロイ(FeNi3)の(1 -1 0)面からのものと一致しており、結晶粒界に生成した帯状の析出物はパーマロイ(FeNi3)であることが示された[18]。 以上の結果とこれまでの研究から、高純度モデルオーステナイトステンレス合金照射材における磁気発現の原因は結晶粒界及び結晶粒内における照射誘起のパーマロイ(FeNi3)の生成である事が示された[1]。オーステナイトステンレス鋼のIASCC 発生に関与する材料因子としては結晶粒界での照射誘起偏析によるCr 欠乏に基づく耐食性の劣化、結晶粒内での欠陥組織の発達に基づく照射硬化等が挙げられるが、結晶粒界でのパーマロイ(FeNi3)の生成は高いレベルでのCr 欠乏、Ni 富化によるものであると考えられる。そのため、結晶粒界でのパーマロイ(FeNi3)の生成が材料のマクロな磁気特性変化の主要因であると考えた場合、照射材の高温水中でのSSRT 試験で得られた粒界破面率と、磁気的性質との相関の原因は結晶粒界でのパーマロイ(FeNi3)の生成である可能性が考えられる。 結晶粒界でのCr 欠乏と磁気特性変化の関係についてはこれまでの研究におけるNi 基合金の鋭敏化材のB-H ループアナライザを用いた磁気評価試験により、残留磁化がCr 欠乏量に対応し、保磁力がCr 欠乏幅に対応することなどが指摘されている[19]。オーステナイトステンレス鋼の中性子照射の場合は照射誘起偏析により結晶粒界でCr 欠乏の他にNi 富化が発生するが、それにより強磁性体のパーマロイ(FeNi3)の生成が起きることが本研究により示された。鋭敏化熱処理の場合と中性子照射の場合ではこの他にも結晶粒内での照射欠陥組織の発達など様々な違いがあるため単純な比較は出来ないが、今後オーステナイトステンレス鋼の中性子照射材の結晶粒界で生成したパーマロイ(FeNi3)の組成、寸法などの詳細とマクロな磁気的性質の変化の関係を検討していくことが必要であると考えられる。 また本研究では磁気的性質とTGSCC との相関関係も示された。そのため、結晶粒内での照射損傷組織の詳細についても検討を進める必要があると考えられる。これらの研究により材料の磁気特性とIASCC 感受性との相関について明らかにしていくことが今後のIASCC - 110 - 予兆診断手法の開発のために必要であると考えられる。 4.結言 1) 実機軽水炉等への適用性が高いと考えられる、交流磁化法、渦電流法によって、SUS304 オーステナイトステンレス鋼の中性子照射材の磁気測定を行なった。その結果得られた磁気パラメータは、照射量やTGSCC の発生率と正の相関関係を示した。以上から照射前の状態で10~20%程度のフェライトを含むオーステナイトステンレス鋼の場合でも磁気測定によって照射量に依存した材料劣化を検知可能である可能性が示された。 2) 中性子照射した高純度モデルオーステナイトステンレス合金の微細組織解析の結果、結晶粒界に強磁性体である(FeNi3)が生成していることが示された。以上から照射材の高温水中での粒界割れ等の材料劣化と磁気特性の相関関係には結晶粒界における照射誘起のパーマロイ(FeNi3)の生成が関与している可能性が示された。 謝辞 照射材の磁気測定装置の開発にご協力いただいた、日鉄住金テクノロジー株式会社の欅田理氏、金沢大学の田中直登先生に感謝いたします。 参考文献 [1] 根本義之、欅田理、内一哲哉、高屋茂、塚田隆、「ステンレス鋼のIASCC 感受性と磁気特性の相関性に関する研究」、日本保全学会誌「保全学」、Vol.7 No.4(2009) 57-68. 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