オーステナイト系ステンレス鋼の 等二軸応力下における疲労き裂進展挙動に関する検討
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カテゴリ: 第12回
1.はじめに
原子力発電所においては経年劣化による設備の機能喪失を防ぐために保全活動が行われている。機器の保全において疲労の累積を予測し損傷の防止を図ることは原子力発電所の事故防止上きわめて重要な活動である。疲労損傷の度合いをき裂長さに置き換えた「き裂進展予測モデル」を活用すれば検査段階において確認されたき裂の進展予測や機器の余寿命を推測することができることから、現在その導入が検討されている[1][2]。 き裂進展予測モデルの構築・実機への適用のためには、実機で起きている現象を正確に把握しなければならない。原子力発電所の配管系統においては、温度揺らぎ等の影響により繰り返しの熱応力が発生している。この熱応力は等二軸応力であり、一般的な疲労評価に用いられる単軸応力とは異なる。また、等二軸応力下でのき裂進展に関しては、き裂の進展速度が単軸と比べて速いことが過去の研究にて報告されている[3][4]。 疲労設計における評価では、疲労寿命を予測のための応力評価において等二軸応力の影響は考慮されているが、き裂の進展に対しても定量的な評価が求められる。また、先行の研究では等二軸応力下ではき裂の進展の加速により疲労寿命が低下することが明らかとなっている[5]。き裂の進展挙動を把握することに加えて、実機の保守点検においては疲労寿命を把握し余寿命を予測することが重要である。 本研究では、原子力発電所の保全活動にき裂進展モデルを活用するため、単軸・等二軸間でのき裂進展速度の差を定量的に明らかとし、モデルの構築のために必要なパラメータを検討する。また単軸・等二軸間の疲労寿命の差について定量的評価を行う。
2.記号説明
a:き裂深さ(mm) f:形状係数 ⊿ε:ひずみ範囲(%) ⊿Kε:ひずみ拡大係数 da/dN:進展速度(m/cycle) D,m:材料定数 連絡先: 飯田智 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻 E-mail: s-iida@ne.see.eng.osaka-u.ac.jp - 85 -3.等二軸疲労試験 3.1 試験条件 本研究では膜圧式試験機[6]を用いて等二軸疲労試験を行った。膜圧式試験機の試験部の模式図をFig.1 に示す。上下の空気室に圧縮空気を交互に注入・排気することにより試験片中心部に繰り返しの等二軸応力を発生する仕組みとなっている。配管部におけるき裂進展を評価するため、試験片材料として316 ステンレス鋼を用いた。試験片の表面粗さによるき裂の発生を防ぐため、試験片両面にバフ磨きを行った。試験条件をTable 1 に示す。試験片中心部にひずみゲージを取り付け、疲労試験中のひずみ振幅の値を測定した。また、空気室に圧力計を取り付け圧縮空気圧の測定も同時に行った。3000 サイクルごとに疲労試験を中断し、試験片中心部のレプリカを採取することによりき裂の成長観察を行った。Fig.1 Scheme of testing device of pressurized disc fatigue test machine. Table 1 Test condition. Material SUS316 Pressure (MPa) 0.78 Cycle frequency (Hz) 0.5 Fatigue life (cycle) 24603 3.2 等二軸疲労試験結果 本研究では圧力計の測定値を基に疲労寿命を判断した。き裂が深さ方向に成長して試験片を貫通すると加圧している圧縮空気がき裂を通して漏れ、圧力が低下する。この圧力が低下した時点を疲労寿命と定義した。ひずみ範囲の測定結果をFig.2 に示す。2 軸のひずみゲージを用いて試験中のひずみを測定した。図中のプロット点は2 軸の平均値を示している。ひずみゲージが破損したため測定できていない期間は空白となっている。ひずみ範囲は約0.5%であり、ほぼ一定であった。Fig.2 Change of strain range. 3.3 等二軸応力下のき裂成長観察結果 試験片中心部に発生したき裂をレプリカに転写し、き裂長さの測定を行った。測定には計測機能付き光学顕微鏡を用いた。主き裂の成長曲線をFig.3 に示す。過去に実施した等二軸疲労試験[5]では、主き裂のみが大きく成長し他のき裂は成長しなかった。本研究の疲労試験においても同じ傾向が見られた。なお、き裂長さの観察限界値を20μm とし、20μm 以下の値は0 とした。き裂のレプリカ画像の一例をFig.4 に示す。Fig.3 Main Crack propagation. Fig.4 Example of replica image (12000 cycles). Crack 200μm - 86 -4.単軸・等二軸応力下のき裂進展評価 4.1 ひずみ拡大係数による評価 単軸応力下のき裂成長において、ひずみ拡大係数と進展速度は式(1)の相関を有することが知られている[1]。また、応力拡大係数とき裂進展速度の関係には大きなばらつきが見られるのに対し、ひずみ拡大係数を用いることで負荷条件に関係なく一つの直線で近似できるとの知見が得られている[1]ことから本研究ではひずみ拡大係数を用いた。 . .m K D dNda . . . (1) 等二軸応力下におけるひずみ拡大係数を算出し、単軸応力下のき裂の進展速度と比較した。ひずみ拡大係数は式(2)により算出した。 a f K . . . . . . (2) 形状係数 f にはRaju-Newman の式を用いた。計算条件としてき裂は深さ方向に垂直に進展するものとし、対象とするき裂の大きさは試験片に対して十分小さいとした。試験結果(等二軸応力下、ひずみ範囲0.5%)をFig.5 に示す。また、比較のため、き裂成長速度が近い単軸の試験結果(単軸応力下、ひずみ範囲0.8%)[7]も併せて示す。また、過去の研究で実施した等二軸応力下ひずみ範囲0.4%[5]および、単軸応力下ひずみ範囲0.6%[7]の試験で得られたき裂進展速度の比較結果をFig.6 に示す。これら二組のき裂進展速度の比較結果から、等二軸応力下と単軸応力下でのき裂進展速度は、ひずみ振幅が異なるにも関わらずほぼ同等の値を示している。等二軸応力下と単軸応力下のき裂進展速度はひずみ振幅をパラメータとした相関関係を有する可能性があることが推定される。Fig.5 Comparison between equi-biaxial(⊿ε=0.5%) fatigue and uniaxial(⊿ε=0.8%). Fig.6 Comparison between equi-biaxial(⊿ε=0.4%) fatigue and uniaxial(⊿ε=0.6%). 4.2 き裂成長と疲労寿命 単軸と等二軸の繰返し数とき裂長さの関係をFig.7 に示す。また疲労寿命をTable 2 に示す。Fig.7 より単軸と等二軸下のき裂長さは、ひずみ範囲の値が異なるにも関わらず、同じサイクル数に対して近い値を示している。一方で疲労寿命については単軸・等二軸間で異なる値となった。Fig.7 Comparison of crack propagation. - 87 -Table 2 Fatigue life of fatigue test result. 5.考察 5.1 き裂進展速度に関する考察 本研究では、単軸・等二軸応力下で実施した疲労試験で得られたき裂進展速度をひずみ拡大係数で整理すると、ひずみ範囲の値と相関関係を持つ結果が得られた。このことから、ひずみ範囲の値をパラメータとして、単軸応力下の疲労試験結果から等二軸応力下のき裂進展速度を推定できる可能性があることが示唆された。 5.2 疲労寿命に関する考察 等二軸応力下ではき裂進展速度の加速が疲労寿命を低下させる可能性があることから、き裂進展速度の加速について力学的視点から考察する必要がある。き裂を加速させる要因としては、単軸・等二軸間の応力場の違いや発生するき裂の本数の違いが考えられる。一方、疲労寿命については、き裂進展速度の加速以外にも疲労寿命を左右する要因を調べる必要があると考えられるため、単軸・等二軸で試験条件を合わせたデータを採取し、更なる検討を行う必要がある。 6.結論 本研究では膜圧式試験機を用いて等二軸応力下のき裂進展に対する検討を行った。ひずみ拡大係数を用いて整理した等二軸のき裂進展速度を単軸のき裂進展速度と比較することにより、ひずみ振幅との相関関係がある可能性が示された。この相関関係を用いれば、等二軸応力下におけるき裂の進展速度は、ひずみ範囲の値をパラメータとして単軸の進展速度から定量的に算出することが可能となる。また疲労寿命の予測のためには、き裂進展速度の加速要因を力学的に解明し、単軸・等二軸で試験条件をそろえた上での検討が必要であると考えられる。 参考文献 [1] 釜谷昌幸、川久保政洋、 “き裂成長予測による低サイクル疲労の損傷評価(成長予測評価モデルの構築とその適用例)”、日本機械学会論文集(A 編)78 巻795 号、2012 [2] 釜谷昌幸、中村隆夫、“き裂成長予測に基づく疲労評価法の検討”、日本保全学会第10 回学術講演会、大阪、2013、pp239-244 [3] A. Varvani‐Farahani, T.H. Topper, 2003, “Closure ‐free biaxial fatigue crack growth rate and life prediction under various biaxiality ratios in SAE 1045 steel”, Fatigue & Fracture of Engineering Materials & Structures 22(8):697 .710. [4] S. Bradai, C. Gourdin and C. Gardin, “Study of Crack Propagation Under Fatigue Equibiaxial Loading”, proceedings of ASME 2014 Pressure Vessels and Piping Conference, PVP2014-28417. [5] 飯田智、阿部茂樹、中村隆夫、釜谷昌幸、“膜圧式疲労試験による等二軸応力下での微小疲労き裂進展評価”、日本保全学会第11 回学術講演会、青森、2014、pp487-492. [6] Masayuki Kamaya, Takashi Tsuji ,“Evaluation of equi-biaxial fatigue of stainless steel by the pressurized disc fatigue test”, International Journal of Fatigue Volume 61, 2014, pp 107.115. [7] S.Abe, T.Nakamura, 2014, “STATISTICAL MODEL OF MICRO CRACK GROWTH FOR THE EVALUATION OF ACCUMULATED FATIGUE IN NPPS”, proceedings of ASME 2013 Pressure Vessels and Piping Conference, PVP2014-28603 Fatigue life cycle Equi-biaxial (⊿ε=0.5%) 24603 Uniaxial (⊿ε=0.8%) 17000 Equi-biaxial (⊿ε=0.4%) 75000“ “オーステナイト系ステンレス鋼の 等二軸応力下における疲労き裂進展挙動に関する検討 “ “飯田 智,Satoshi IIDA,北田 孝典,Takanori KITADA,中村 隆夫,Takao NAKAMURA,釜谷 昌幸,Masayuki KAMAYA
原子力発電所においては経年劣化による設備の機能喪失を防ぐために保全活動が行われている。機器の保全において疲労の累積を予測し損傷の防止を図ることは原子力発電所の事故防止上きわめて重要な活動である。疲労損傷の度合いをき裂長さに置き換えた「き裂進展予測モデル」を活用すれば検査段階において確認されたき裂の進展予測や機器の余寿命を推測することができることから、現在その導入が検討されている[1][2]。 き裂進展予測モデルの構築・実機への適用のためには、実機で起きている現象を正確に把握しなければならない。原子力発電所の配管系統においては、温度揺らぎ等の影響により繰り返しの熱応力が発生している。この熱応力は等二軸応力であり、一般的な疲労評価に用いられる単軸応力とは異なる。また、等二軸応力下でのき裂進展に関しては、き裂の進展速度が単軸と比べて速いことが過去の研究にて報告されている[3][4]。 疲労設計における評価では、疲労寿命を予測のための応力評価において等二軸応力の影響は考慮されているが、き裂の進展に対しても定量的な評価が求められる。また、先行の研究では等二軸応力下ではき裂の進展の加速により疲労寿命が低下することが明らかとなっている[5]。き裂の進展挙動を把握することに加えて、実機の保守点検においては疲労寿命を把握し余寿命を予測することが重要である。 本研究では、原子力発電所の保全活動にき裂進展モデルを活用するため、単軸・等二軸間でのき裂進展速度の差を定量的に明らかとし、モデルの構築のために必要なパラメータを検討する。また単軸・等二軸間の疲労寿命の差について定量的評価を行う。
2.記号説明
a:き裂深さ(mm) f:形状係数 ⊿ε:ひずみ範囲(%) ⊿Kε:ひずみ拡大係数 da/dN:進展速度(m/cycle) D,m:材料定数 連絡先: 飯田智 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻 E-mail: s-iida@ne.see.eng.osaka-u.ac.jp - 85 -3.等二軸疲労試験 3.1 試験条件 本研究では膜圧式試験機[6]を用いて等二軸疲労試験を行った。膜圧式試験機の試験部の模式図をFig.1 に示す。上下の空気室に圧縮空気を交互に注入・排気することにより試験片中心部に繰り返しの等二軸応力を発生する仕組みとなっている。配管部におけるき裂進展を評価するため、試験片材料として316 ステンレス鋼を用いた。試験片の表面粗さによるき裂の発生を防ぐため、試験片両面にバフ磨きを行った。試験条件をTable 1 に示す。試験片中心部にひずみゲージを取り付け、疲労試験中のひずみ振幅の値を測定した。また、空気室に圧力計を取り付け圧縮空気圧の測定も同時に行った。3000 サイクルごとに疲労試験を中断し、試験片中心部のレプリカを採取することによりき裂の成長観察を行った。Fig.1 Scheme of testing device of pressurized disc fatigue test machine. Table 1 Test condition. Material SUS316 Pressure (MPa) 0.78 Cycle frequency (Hz) 0.5 Fatigue life (cycle) 24603 3.2 等二軸疲労試験結果 本研究では圧力計の測定値を基に疲労寿命を判断した。き裂が深さ方向に成長して試験片を貫通すると加圧している圧縮空気がき裂を通して漏れ、圧力が低下する。この圧力が低下した時点を疲労寿命と定義した。ひずみ範囲の測定結果をFig.2 に示す。2 軸のひずみゲージを用いて試験中のひずみを測定した。図中のプロット点は2 軸の平均値を示している。ひずみゲージが破損したため測定できていない期間は空白となっている。ひずみ範囲は約0.5%であり、ほぼ一定であった。Fig.2 Change of strain range. 3.3 等二軸応力下のき裂成長観察結果 試験片中心部に発生したき裂をレプリカに転写し、き裂長さの測定を行った。測定には計測機能付き光学顕微鏡を用いた。主き裂の成長曲線をFig.3 に示す。過去に実施した等二軸疲労試験[5]では、主き裂のみが大きく成長し他のき裂は成長しなかった。本研究の疲労試験においても同じ傾向が見られた。なお、き裂長さの観察限界値を20μm とし、20μm 以下の値は0 とした。き裂のレプリカ画像の一例をFig.4 に示す。Fig.3 Main Crack propagation. Fig.4 Example of replica image (12000 cycles). Crack 200μm - 86 -4.単軸・等二軸応力下のき裂進展評価 4.1 ひずみ拡大係数による評価 単軸応力下のき裂成長において、ひずみ拡大係数と進展速度は式(1)の相関を有することが知られている[1]。また、応力拡大係数とき裂進展速度の関係には大きなばらつきが見られるのに対し、ひずみ拡大係数を用いることで負荷条件に関係なく一つの直線で近似できるとの知見が得られている[1]ことから本研究ではひずみ拡大係数を用いた。 . .m K D dNda . . . (1) 等二軸応力下におけるひずみ拡大係数を算出し、単軸応力下のき裂の進展速度と比較した。ひずみ拡大係数は式(2)により算出した。 a f K . . . . . . (2) 形状係数 f にはRaju-Newman の式を用いた。計算条件としてき裂は深さ方向に垂直に進展するものとし、対象とするき裂の大きさは試験片に対して十分小さいとした。試験結果(等二軸応力下、ひずみ範囲0.5%)をFig.5 に示す。また、比較のため、き裂成長速度が近い単軸の試験結果(単軸応力下、ひずみ範囲0.8%)[7]も併せて示す。また、過去の研究で実施した等二軸応力下ひずみ範囲0.4%[5]および、単軸応力下ひずみ範囲0.6%[7]の試験で得られたき裂進展速度の比較結果をFig.6 に示す。これら二組のき裂進展速度の比較結果から、等二軸応力下と単軸応力下でのき裂進展速度は、ひずみ振幅が異なるにも関わらずほぼ同等の値を示している。等二軸応力下と単軸応力下のき裂進展速度はひずみ振幅をパラメータとした相関関係を有する可能性があることが推定される。Fig.5 Comparison between equi-biaxial(⊿ε=0.5%) fatigue and uniaxial(⊿ε=0.8%). Fig.6 Comparison between equi-biaxial(⊿ε=0.4%) fatigue and uniaxial(⊿ε=0.6%). 4.2 き裂成長と疲労寿命 単軸と等二軸の繰返し数とき裂長さの関係をFig.7 に示す。また疲労寿命をTable 2 に示す。Fig.7 より単軸と等二軸下のき裂長さは、ひずみ範囲の値が異なるにも関わらず、同じサイクル数に対して近い値を示している。一方で疲労寿命については単軸・等二軸間で異なる値となった。Fig.7 Comparison of crack propagation. - 87 -Table 2 Fatigue life of fatigue test result. 5.考察 5.1 き裂進展速度に関する考察 本研究では、単軸・等二軸応力下で実施した疲労試験で得られたき裂進展速度をひずみ拡大係数で整理すると、ひずみ範囲の値と相関関係を持つ結果が得られた。このことから、ひずみ範囲の値をパラメータとして、単軸応力下の疲労試験結果から等二軸応力下のき裂進展速度を推定できる可能性があることが示唆された。 5.2 疲労寿命に関する考察 等二軸応力下ではき裂進展速度の加速が疲労寿命を低下させる可能性があることから、き裂進展速度の加速について力学的視点から考察する必要がある。き裂を加速させる要因としては、単軸・等二軸間の応力場の違いや発生するき裂の本数の違いが考えられる。一方、疲労寿命については、き裂進展速度の加速以外にも疲労寿命を左右する要因を調べる必要があると考えられるため、単軸・等二軸で試験条件を合わせたデータを採取し、更なる検討を行う必要がある。 6.結論 本研究では膜圧式試験機を用いて等二軸応力下のき裂進展に対する検討を行った。ひずみ拡大係数を用いて整理した等二軸のき裂進展速度を単軸のき裂進展速度と比較することにより、ひずみ振幅との相関関係がある可能性が示された。この相関関係を用いれば、等二軸応力下におけるき裂の進展速度は、ひずみ範囲の値をパラメータとして単軸の進展速度から定量的に算出することが可能となる。また疲労寿命の予測のためには、き裂進展速度の加速要因を力学的に解明し、単軸・等二軸で試験条件をそろえた上での検討が必要であると考えられる。 参考文献 [1] 釜谷昌幸、川久保政洋、 “き裂成長予測による低サイクル疲労の損傷評価(成長予測評価モデルの構築とその適用例)”、日本機械学会論文集(A 編)78 巻795 号、2012 [2] 釜谷昌幸、中村隆夫、“き裂成長予測に基づく疲労評価法の検討”、日本保全学会第10 回学術講演会、大阪、2013、pp239-244 [3] A. Varvani‐Farahani, T.H. Topper, 2003, “Closure ‐free biaxial fatigue crack growth rate and life prediction under various biaxiality ratios in SAE 1045 steel”, Fatigue & Fracture of Engineering Materials & Structures 22(8):697 .710. [4] S. Bradai, C. Gourdin and C. Gardin, “Study of Crack Propagation Under Fatigue Equibiaxial Loading”, proceedings of ASME 2014 Pressure Vessels and Piping Conference, PVP2014-28417. [5] 飯田智、阿部茂樹、中村隆夫、釜谷昌幸、“膜圧式疲労試験による等二軸応力下での微小疲労き裂進展評価”、日本保全学会第11 回学術講演会、青森、2014、pp487-492. [6] Masayuki Kamaya, Takashi Tsuji ,“Evaluation of equi-biaxial fatigue of stainless steel by the pressurized disc fatigue test”, International Journal of Fatigue Volume 61, 2014, pp 107.115. [7] S.Abe, T.Nakamura, 2014, “STATISTICAL MODEL OF MICRO CRACK GROWTH FOR THE EVALUATION OF ACCUMULATED FATIGUE IN NPPS”, proceedings of ASME 2013 Pressure Vessels and Piping Conference, PVP2014-28603 Fatigue life cycle Equi-biaxial (⊿ε=0.5%) 24603 Uniaxial (⊿ε=0.8%) 17000 Equi-biaxial (⊿ε=0.4%) 75000“ “オーステナイト系ステンレス鋼の 等二軸応力下における疲労き裂進展挙動に関する検討 “ “飯田 智,Satoshi IIDA,北田 孝典,Takanori KITADA,中村 隆夫,Takao NAKAMURA,釜谷 昌幸,Masayuki KAMAYA