中越沖地震を踏まえた地盤変位に対する設備の設計及び事後保全に関わる対策について
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カテゴリ: 第13回
1.新潟県中越沖地震の概要
平成19 年7 月19 日午前10 時13 分頃、新潟県中越沖において、大きな地震が発生し、新潟県と長野県で最大震度 6 強を観測したほか、北陸地方を中心に東北地方から近畿・中国地方にかけて広い範囲で地震動が観測された。気象庁発表(平成19 年7月地震・火山月報(防災編)) によれば、マグニチュードは6.8、震源の深さは17km であり、震央距離16km、震源距離約23kmに位置していた柏崎刈羽原子力発電所は地震発生により大きな地震動を受けた。 図1 新潟県中越沖地震の震央と柏崎刈羽原子力発電所の位置
2.柏崎刈羽原子力発電所の概要 柏崎刈羽原子力発電所は、新潟県柏崎市と刈羽郡刈 羽村に跨る約420 万m2 の敷地に立地する東京電力の 原子力発電所である。1 号機から7 号機までの合計出力 は8,212,000 kW で、世界最大の原子力発電所である。発 電された電気は50 万V の送電線により群馬県の西群馬 開閉所を経由し主に首都圏に送電されている。 運転開始は1号機が1985 年(柏崎市)で、2 号機(柏崎 市)、5 号機(刈羽村)が1990 年、3、4 号機(柏崎市) が1993、1994 年、6、7 号機(刈羽村)が1996、1997 年 の順である(1 号機から5 号機までは、沸騰水型原子炉 (BWR; Boiling Water Reactor)であり、6, 7 号機は、運 転性および経済性に改良を加えた改良型沸騰水型軽水炉 (ABWR: Advanced Boiling Water Reactor)である)。 図2 柏崎刈羽原子力発電所敷地配置図 連絡先:古谷 賢、〒945-8601 新潟県柏崎市青山 16 番 地46、0257-3-6114、 E-mail: masaru.furuya@tepco.co.jp - 315 - 3.各号機の状態と地震の観測結果 地震発生時、1 号機、5 号機及び6号機は定期検査中の ため停止中。2 号機は起動操作中。3 号機、4 号機及び 7 号機は定格運転中であった(地震により原子炉自動停止)。 表1 地震時及び地震後のプラントの状況 柏崎刈羽原子力発電所の地震計の配置図を図3に示す。各 号機の原子炉基板上の加速度時刻歴波形を図4に示す。 全号機で顕著なパルス派が発生しており、特に荒浜川で時 刻歴波形の後半に大振幅のパルスがみられる。一方、大湊 側では時刻歴波形後半に荒浜川のような大振幅のパルス は確認されていない 原子炉建屋基礎基板上で観測された最大加速度及び設計 時の最大加速度応答を表2、3に示す。原子炉建屋基礎 基板上での最大加速度の中で最大のものは 1 号機東西方 向で680galである。なお、加速度波形については記録の 主要動を含む50秒間を標記している。 図3 発電所構内地震計の配置図 ※:スロッシング起因による。 - 316 - 図4 各号機の原子炉基板上の加速度時刻歴波形 表2 観測された加速度値 表3 設計時の加速度応答値 (単位:ガル) (単位:ガル) 4.地震による損傷事例 地震後の設備点検においては、表4に示す設備の損傷 等が確認された。 表4 地震による設備の損傷状況 耐震重要度S クラス機器に損傷は確認されなかった。 耐震重要度Bクラス機器については一部機器に地震の加 速度による軽微な損傷に加えて屋外設備に軽微な損傷 が確認された。耐震重要度C クラスの機器については、 建屋間を接続する又は建屋外で変位が生じた地盤に設 置された機器で以下のような破損等が確認された。 ・ 1 号機原子炉複合建屋の外壁近傍(土中)での消火系 配管の損傷により漏洩した水が、地下1 階のケーブ ル貫通部から流入し、地下5 階で約2,000m3 の水溜ま りが確認された(図5)。 ・ 1~5号機:主排気筒に接続されているダクトでズレ が発生した(図6)。 ・3号機所内変圧器の一次側接続母線部の変位に伴う短 絡で火花が生じ、これにより火災が発生した(図7)。 上記損傷が確認された機器の共通点は、設置されてい る地盤で変位が生じたことであった。 図5 K-1 消火系配管の損傷状況 図7 K-3所内変圧器での一次側母線短絡による火災 5.中越沖地震を踏まえた設計上の工夫 地震による設備への影響については、その破損モード に基づき、表5に示す二通りに分類できる。 各建物や構築物は、地震による放射性物質の放出を防 止するため、原子力発電所耐震設計技術指針(表6)に 基づき耐震設計上の観点から重要度の分類がなされ、耐 震重要度分類に応じた設計荷重に対して適切な支持性 能を有する地盤に設置されている(原子炉建屋、タービ - 317 - 図6 K-1主排気ダクトのずれ 表5 地震による設備への影響の分類 地震の特性 設備への影響 地盤性状を変化 地盤変位を発生。 地震加速度を発生 慣性力(動的荷重)を発生。 中越沖地震では、観測された地震加速度が設計時の応 答加速度を超えたものの、上記慣性力に対して安全機能 の健全性が確保された。よって、本検討では、安全機能 に対する影響が低い(耐震重要度の低い)機器や事後保 全設備の地盤変位の対応について考察する。 ン建屋は岩盤支持(直接基礎)に、変圧器基礎は岩盤支 持(杭基礎)が設定されている)。 図8 耐震重要度分類に応じた建物・構築物の支持形式 そして、耐震重要度の高い屋内機器は、それらが設置 されている建屋(原子炉建屋、タービン建屋)の基礎が 岩着されているため、地震による地盤変位が生じる可能 性は極めて低いことから、地盤変位に特化した対応は不 要と言える。 表6 旧原子力発電所耐震設計技術指針(抜粋) 1Sクラスの施設 i)「原子炉冷却材圧力バウンダリ」(軽水炉についての 安全設計に関する審査指針において記載されている 定義に同じ。)を構成する機器・配管系 ii)使用済燃料を貯蔵するための施設 iii)原子炉の緊急停止のために急激に負の反応度を付加 するための施設、及び原子炉の停止状態を維持するた めの施設 iv)原子炉停止後、炉心から崩壊熱を除去するための施設 v)原子炉冷却材圧力バウンダリ破損事故後、炉心から崩 壊熱を除去するための施設 vi)原子炉冷却材圧力バウンダリ破損事故の際に、圧力障 壁となり放射性物質の放散を直接防ぐための施設 vii)放射性物質の放出を伴うような事故の際に、その外部 放散を抑制するための施設で上記vi)以外の施設 2Bクラスの施設 i)原子炉冷却材圧力バウンダリに直接接続されていて、 一次冷却材を内蔵しているか又は内蔵しうる施設 ii)放射性廃棄物を内蔵している施設。ただし、内蔵量が 少ないか又は貯蔵方式により、その破損による公衆に 与える放射線の影響が周辺監視区域外における年間 の線量限度に比べ十分小さいものは除く。 iii)放射性廃棄物以外の放射性物質に関連した施設で、そ の破損により、公衆及び従事者に過大な放射線被ばく を与える可能性のある施設 iv)使用済燃料を冷却するための施設 v)放射性物質の放出を伴うような場合に、その外部放散 それに対して、屋外に設置している耐震重要度の低い 設備については、地盤の変位による機器の異常な変位発 生の可能性が高いと考えられる。これらの設備について は,安全機能に対する影響は低いため,地震時は自身の 損傷を許容する事後保全設備として管理することが可 能である。しかしながら,耐震重要度が高い機器への波 及的影響等を防止する観点から、設置状況に応じて変位 防止対策又は変位緩和対策が、設備保全上、最適な防護 戦略と言える。 変位防止対策としては、変圧器ダクトや主排気筒ダク トのように基礎部の一体化が設備保全事上有効である (変圧器ダクトに関する例を図9に示す)。 図9 基礎部の一体化イメージ(変圧器ダクトに関する対策例) - 318 - を抑制するための施説で、Sクラスに属さない施設 3Cクラスの施設 上記Sクラス、Bクラスに属さない施設 変位影響緩和対策としては、屋外消火系配管のように 地中埋設を地上化するとともに固定箇所数の最小化や 配管長手方向の自由度を確保するような固定法の採用 (図 10)、タンク配管のフレキシブルジョイント方式の ように地盤変位を吸収する機器の接続方式の採用(図 11)、設置場所の不等沈下に対して電路確保の耐性が高 い合成樹脂製多孔管による屋外ケーブルの敷設(図12) といった機器の特性に応じた対策が保全上有効である。 図10 屋外消火栓配管の地上化 図11 タンク配管のフレキシブルジョイント方式 図12 合成樹脂製多孔管を用いたケーブル敷設 5.まとめ 新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の損 傷事例は、原子炉施設の直下に活断層が存在する等、原 子炉施設の地盤が地表面に変位を発生させる可能性が 認められたとしても、原子炉施設の安全機能に影響を与 えないように変位防止対策又は変位緩和対策を講じる ことによって合理的に原子炉施設の安全を確保するこ とが可能であることを示唆している。 状況調査チーム、“土木構築物”、日本技術士会、 2008 [3] 新潟県中越沖地震後の設備健全性に係る点検・評価 に関する報告書(案)(機器レベルの点検・評価報 告)、東京電力(株)、2009 [4] “新潟県中越沖地震の影響について”、日本技術士 - 319 - 参考文献 [1] 社団法人日本技術士会 柏崎刈羽原子力発電所復旧 状況調査チーム、“東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電 所の概要と耐震設計の考え方”、日本技術士会、2008 [2] 社団法人日本技術士会 柏崎刈羽原子力発電所復旧 会、2008 [5] 柏崎刈羽原子力発電所1号機 新潟県中越沖地震後の 設備健全性に係る点検・評価に関する報告書(案) (機器レベルの点検・評価報告)、東京電力株式会 社、2009 [6] “新潟県中越沖地震後の影響について“、東京電力 株式会社、2007 [7] “耐震裕度向上対策の取り組み状況について“、電 気事業連合会、2013“ “中越沖地震を踏まえた地盤変位に対する設備の設計及び事後保全に関わる対策について“ “長澤 和幸,Kazuyuki NAGASAWA,古谷 賢,Masaru FURUYA
平成19 年7 月19 日午前10 時13 分頃、新潟県中越沖において、大きな地震が発生し、新潟県と長野県で最大震度 6 強を観測したほか、北陸地方を中心に東北地方から近畿・中国地方にかけて広い範囲で地震動が観測された。気象庁発表(平成19 年7月地震・火山月報(防災編)) によれば、マグニチュードは6.8、震源の深さは17km であり、震央距離16km、震源距離約23kmに位置していた柏崎刈羽原子力発電所は地震発生により大きな地震動を受けた。 図1 新潟県中越沖地震の震央と柏崎刈羽原子力発電所の位置
2.柏崎刈羽原子力発電所の概要 柏崎刈羽原子力発電所は、新潟県柏崎市と刈羽郡刈 羽村に跨る約420 万m2 の敷地に立地する東京電力の 原子力発電所である。1 号機から7 号機までの合計出力 は8,212,000 kW で、世界最大の原子力発電所である。発 電された電気は50 万V の送電線により群馬県の西群馬 開閉所を経由し主に首都圏に送電されている。 運転開始は1号機が1985 年(柏崎市)で、2 号機(柏崎 市)、5 号機(刈羽村)が1990 年、3、4 号機(柏崎市) が1993、1994 年、6、7 号機(刈羽村)が1996、1997 年 の順である(1 号機から5 号機までは、沸騰水型原子炉 (BWR; Boiling Water Reactor)であり、6, 7 号機は、運 転性および経済性に改良を加えた改良型沸騰水型軽水炉 (ABWR: Advanced Boiling Water Reactor)である)。 図2 柏崎刈羽原子力発電所敷地配置図 連絡先:古谷 賢、〒945-8601 新潟県柏崎市青山 16 番 地46、0257-3-6114、 E-mail: masaru.furuya@tepco.co.jp - 315 - 3.各号機の状態と地震の観測結果 地震発生時、1 号機、5 号機及び6号機は定期検査中の ため停止中。2 号機は起動操作中。3 号機、4 号機及び 7 号機は定格運転中であった(地震により原子炉自動停止)。 表1 地震時及び地震後のプラントの状況 柏崎刈羽原子力発電所の地震計の配置図を図3に示す。各 号機の原子炉基板上の加速度時刻歴波形を図4に示す。 全号機で顕著なパルス派が発生しており、特に荒浜川で時 刻歴波形の後半に大振幅のパルスがみられる。一方、大湊 側では時刻歴波形後半に荒浜川のような大振幅のパルス は確認されていない 原子炉建屋基礎基板上で観測された最大加速度及び設計 時の最大加速度応答を表2、3に示す。原子炉建屋基礎 基板上での最大加速度の中で最大のものは 1 号機東西方 向で680galである。なお、加速度波形については記録の 主要動を含む50秒間を標記している。 図3 発電所構内地震計の配置図 ※:スロッシング起因による。 - 316 - 図4 各号機の原子炉基板上の加速度時刻歴波形 表2 観測された加速度値 表3 設計時の加速度応答値 (単位:ガル) (単位:ガル) 4.地震による損傷事例 地震後の設備点検においては、表4に示す設備の損傷 等が確認された。 表4 地震による設備の損傷状況 耐震重要度S クラス機器に損傷は確認されなかった。 耐震重要度Bクラス機器については一部機器に地震の加 速度による軽微な損傷に加えて屋外設備に軽微な損傷 が確認された。耐震重要度C クラスの機器については、 建屋間を接続する又は建屋外で変位が生じた地盤に設 置された機器で以下のような破損等が確認された。 ・ 1 号機原子炉複合建屋の外壁近傍(土中)での消火系 配管の損傷により漏洩した水が、地下1 階のケーブ ル貫通部から流入し、地下5 階で約2,000m3 の水溜ま りが確認された(図5)。 ・ 1~5号機:主排気筒に接続されているダクトでズレ が発生した(図6)。 ・3号機所内変圧器の一次側接続母線部の変位に伴う短 絡で火花が生じ、これにより火災が発生した(図7)。 上記損傷が確認された機器の共通点は、設置されてい る地盤で変位が生じたことであった。 図5 K-1 消火系配管の損傷状況 図7 K-3所内変圧器での一次側母線短絡による火災 5.中越沖地震を踏まえた設計上の工夫 地震による設備への影響については、その破損モード に基づき、表5に示す二通りに分類できる。 各建物や構築物は、地震による放射性物質の放出を防 止するため、原子力発電所耐震設計技術指針(表6)に 基づき耐震設計上の観点から重要度の分類がなされ、耐 震重要度分類に応じた設計荷重に対して適切な支持性 能を有する地盤に設置されている(原子炉建屋、タービ - 317 - 図6 K-1主排気ダクトのずれ 表5 地震による設備への影響の分類 地震の特性 設備への影響 地盤性状を変化 地盤変位を発生。 地震加速度を発生 慣性力(動的荷重)を発生。 中越沖地震では、観測された地震加速度が設計時の応 答加速度を超えたものの、上記慣性力に対して安全機能 の健全性が確保された。よって、本検討では、安全機能 に対する影響が低い(耐震重要度の低い)機器や事後保 全設備の地盤変位の対応について考察する。 ン建屋は岩盤支持(直接基礎)に、変圧器基礎は岩盤支 持(杭基礎)が設定されている)。 図8 耐震重要度分類に応じた建物・構築物の支持形式 そして、耐震重要度の高い屋内機器は、それらが設置 されている建屋(原子炉建屋、タービン建屋)の基礎が 岩着されているため、地震による地盤変位が生じる可能 性は極めて低いことから、地盤変位に特化した対応は不 要と言える。 表6 旧原子力発電所耐震設計技術指針(抜粋) 1Sクラスの施設 i)「原子炉冷却材圧力バウンダリ」(軽水炉についての 安全設計に関する審査指針において記載されている 定義に同じ。)を構成する機器・配管系 ii)使用済燃料を貯蔵するための施設 iii)原子炉の緊急停止のために急激に負の反応度を付加 するための施設、及び原子炉の停止状態を維持するた めの施設 iv)原子炉停止後、炉心から崩壊熱を除去するための施設 v)原子炉冷却材圧力バウンダリ破損事故後、炉心から崩 壊熱を除去するための施設 vi)原子炉冷却材圧力バウンダリ破損事故の際に、圧力障 壁となり放射性物質の放散を直接防ぐための施設 vii)放射性物質の放出を伴うような事故の際に、その外部 放散を抑制するための施設で上記vi)以外の施設 2Bクラスの施設 i)原子炉冷却材圧力バウンダリに直接接続されていて、 一次冷却材を内蔵しているか又は内蔵しうる施設 ii)放射性廃棄物を内蔵している施設。ただし、内蔵量が 少ないか又は貯蔵方式により、その破損による公衆に 与える放射線の影響が周辺監視区域外における年間 の線量限度に比べ十分小さいものは除く。 iii)放射性廃棄物以外の放射性物質に関連した施設で、そ の破損により、公衆及び従事者に過大な放射線被ばく を与える可能性のある施設 iv)使用済燃料を冷却するための施設 v)放射性物質の放出を伴うような場合に、その外部放散 それに対して、屋外に設置している耐震重要度の低い 設備については、地盤の変位による機器の異常な変位発 生の可能性が高いと考えられる。これらの設備について は,安全機能に対する影響は低いため,地震時は自身の 損傷を許容する事後保全設備として管理することが可 能である。しかしながら,耐震重要度が高い機器への波 及的影響等を防止する観点から、設置状況に応じて変位 防止対策又は変位緩和対策が、設備保全上、最適な防護 戦略と言える。 変位防止対策としては、変圧器ダクトや主排気筒ダク トのように基礎部の一体化が設備保全事上有効である (変圧器ダクトに関する例を図9に示す)。 図9 基礎部の一体化イメージ(変圧器ダクトに関する対策例) - 318 - を抑制するための施説で、Sクラスに属さない施設 3Cクラスの施設 上記Sクラス、Bクラスに属さない施設 変位影響緩和対策としては、屋外消火系配管のように 地中埋設を地上化するとともに固定箇所数の最小化や 配管長手方向の自由度を確保するような固定法の採用 (図 10)、タンク配管のフレキシブルジョイント方式の ように地盤変位を吸収する機器の接続方式の採用(図 11)、設置場所の不等沈下に対して電路確保の耐性が高 い合成樹脂製多孔管による屋外ケーブルの敷設(図12) といった機器の特性に応じた対策が保全上有効である。 図10 屋外消火栓配管の地上化 図11 タンク配管のフレキシブルジョイント方式 図12 合成樹脂製多孔管を用いたケーブル敷設 5.まとめ 新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の損 傷事例は、原子炉施設の直下に活断層が存在する等、原 子炉施設の地盤が地表面に変位を発生させる可能性が 認められたとしても、原子炉施設の安全機能に影響を与 えないように変位防止対策又は変位緩和対策を講じる ことによって合理的に原子炉施設の安全を確保するこ とが可能であることを示唆している。 状況調査チーム、“土木構築物”、日本技術士会、 2008 [3] 新潟県中越沖地震後の設備健全性に係る点検・評価 に関する報告書(案)(機器レベルの点検・評価報 告)、東京電力(株)、2009 [4] “新潟県中越沖地震の影響について”、日本技術士 - 319 - 参考文献 [1] 社団法人日本技術士会 柏崎刈羽原子力発電所復旧 状況調査チーム、“東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電 所の概要と耐震設計の考え方”、日本技術士会、2008 [2] 社団法人日本技術士会 柏崎刈羽原子力発電所復旧 会、2008 [5] 柏崎刈羽原子力発電所1号機 新潟県中越沖地震後の 設備健全性に係る点検・評価に関する報告書(案) (機器レベルの点検・評価報告)、東京電力株式会 社、2009 [6] “新潟県中越沖地震後の影響について“、東京電力 株式会社、2007 [7] “耐震裕度向上対策の取り組み状況について“、電 気事業連合会、2013“ “中越沖地震を踏まえた地盤変位に対する設備の設計及び事後保全に関わる対策について“ “長澤 和幸,Kazuyuki NAGASAWA,古谷 賢,Masaru FURUYA