サブテラヘルツ波イメージングによる絶縁被覆ケーブルの非破壊検査応用 Application for non-destructive inspection of metal cable covered with insulator by using sub-terahertz wave imaging
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カテゴリ: 第13回
1.緒言
1.1テラヘルツ波 テラヘルツ波とは、周波数約0.1?10THz、波長にして約 30μm?3mmの電磁波であり、これは現在広く普及している携帯端末使用周波数(?1GHz)の1000倍高い周波数領域 にあたる。 このテラヘルツ領域の電磁波は、他の周波数領域に比べて発生・検出が困難であり、未使用電磁波領域とも呼ばれていたのだが、1983年に須藤、西澤によりGaPラマン発振器を用いて出力3W で 12.1THzの電磁波の発生が報告され[1]、その後、様々なテラヘルツ光源が開発されている。我々の研究グループにおいては GaP や GaSe 結晶 を利用した差周波発生による周波数可変光源が報告されている[2],[3]。しかし、これらのテラヘルツ発生装置は小型とは言えず、現場での実用的な運用のためには、より小型の光源が要求される。そこで、我々は半導体デバイス光源であるTUNNETTダイオードに着目しており、イメージングによる建材の欠陥検査への応用について研究 が報告されている[4]。また、同様な半導体デバイス光源 であるGUNN[5]、IMPATT[6]ダイオードの応用についても期待される一方で、近年では有用な光源として量子カスケードレーザー[7]の応用についての研究も進んでいる。また我々が進めている半導体中の浅い準位の光学遷移によるテラヘルツ波光源も、小型光源として非常に有望である[8]。テラヘルツ波の量子エネルギーは1THzで約4.1×10-3eV、絶対温度では約 48K に相当し、6THz ほどで室温(300K) 程度の熱エネルギーに相当する。これはX線のエネルギ ーと比較すると10万分の1程度と比較的低いため、細胞や体液成分をイオン化する恐れが無く、人体に安全である。また、テラヘルツ周波数領域はラジオ波と赤外・可視光の中間に位置するため、テラヘルツ波はその両方の特徴、すなわち、ラジオ波のような紙や高分子樹脂とい
ため安全で、無極性物質でできた被覆材を透過し、かつ、 った非極性物質に対する高い透過性とともに、赤外・可 視光のように金属に対する高い反射率を有し、また、光 電線内部の素線表面状態に応じた反射波が得られるため、 学系の構成により光路の制御が可能であるという特徴を 非破壊で電線内部の状態を得られる非常に有効な検査方 有することが知られている。また、赤外・可視光振動周 法となると考えられる。 波数は分子内の分子振動周波数帯に対応する一方で、テ 本研究では、不透明ポリエチレン絶縁被覆銅電線試料と ラヘルツ波の振動周波数は分子間の低周波共振周波数帯 外ケーブルを検査対象として、光源には発振周波数 に対応することも特徴であり、そのため、多くの物質に 0.14THz の IMPATT ダイオードを、検出器にはショット 対して指紋スペクトルを有し、分子の検出や同定のほか、 キーバリアダイオードをそれぞれ用いて、テラヘルツ反 水和などの分子結合状態を知ることも可能である。この 射イメージング測定を行い、絶縁被覆銅電線の非破壊検 ような特徴から、テラヘルツ波は医学、通信、セキュリ 査、特に内部素線の断線状態検査への応用可能性につい ティなど幅広い分野での応用が研究されているが、本研 て調査する。 究では、中でも非破壊検査応用に着目する。非破壊検査 実用例としてはテラヘルツ波のスペースシャトルセラミ ックスタイル接着状態のテラヘルツイメージングによる 2.実験 非破壊検査応用が報告されている[9]。 2.1 測定試料 測定対象となる外ケーブルの光学写真を図1に示す。外 1.2 絶縁被覆ケーブル ケーブルは高濃度ポリエチレン被覆と亜鉛めっき PC 鋼 安定した電力供給ネットワークは日常生活から工業に 線により構成されていて、部分的に被覆が無く内部素線 至るまで欠くことのできないものであり、その重要性が が露出している。また、絶縁被覆銅電線試料の光学写真 高まるにつれ、電線の劣化が重大な問題となる。電力用 を図 2 に示す。絶縁被覆には紫外線による劣化低減のた 電線として主に使用されているものとしてはポリエチレ め 1%以下のカーボンが含まれた黒色ポリエチレンが使 ン絶縁被覆銅電線が挙げられるのだが、このポリエチレ 用されている[10]。また、被覆に覆われた電線内部は複数 ンは黒色不透明であり、目視により内部を検査すること の銅素線からなる撚り線構造をしており、測定の際の反 はできない。同様に社会基盤インフラの重要な建造物で 射面に相当する内部素線最外層は12本の素線により構成 あるコンクリート鋼橋の 1 つエクストラドーズド橋の建 されている。 設に用いられている外ケーブル(以下外ケーブルと呼ぶ) 内部素線断線状態調査のための断線試料は、電線試料か はポリエチレン樹脂で被覆されているため腐食に対して ら被覆を剥ぎ取り、内部の銅素線をカットすることによ 極めて安全性が高く、点検を要しないものと考えられて り人工的に断線を再現し、再び被覆で覆うことにより作 いるが、長寿命化の観点からケーブルの健全度診断技術 製した。断線部分の作製は以下の手順により行った。ま の必要性が叫ばれている。従来の現場でのケーブル内部 ず、内部の12本の最外素線から任意に1本を選び、切り 検査方法としては被覆を剥ぎ取って直接素線内部を検査 離す。その後、切り離された素線を再び元の位置に間隙 する破壊検査法が挙げられるのだが、この場合、検査後 をあけて戻すことにより、間隙の大きさ相当の擬似的な に剥ぎ取った被覆材を修復する必要がある。この作業は 断線を作製する。ここで、あける間隙の大きさを変化さ 手間がかかる上、内部への水分の侵入により内部素線の せることで、一つの試料を用いて、様々な大きさの断線 劣化を早めてしまう危険性があるため、被覆を剥ぎ取る を再現可能である。断線の大きさを約 0mm および 3mm 必要のない非破壊的な検査方法が求められている。ここ としたときの断線試料の断線部分の光学写真を図 2 に示 で、非破壊検査法の一つとしてX 線透過検査法が挙げら す。本研究では断線の大きさが約0mm、1mm、1.5mm、 れるのだが、この方法では放射線被曝による人体への危 2mm、2.5mm、そして3mmとなるように断線試料の間隙 険性がある。そこで、不透明絶縁被覆電線の非破壊検査 の大きさを変化させて、6種類の断線状態を作製し、それ 方法として、テラヘルツ波を用いた方法が期待される。 ぞれの場合についてテラヘルツ反射イメージング測定を 先に述べたようにテラヘルツ波は比較的低エネルギーの 行った。 - 396 - 図1 外ケーブル試料 図2 ポリエチレン絶縁被覆銅電線試料 図3 作製した断線試料の被覆下断線部分(左:断線約0mm、 右:断線3mm) 2.2 反射イメージング測定 外ケーブル試料測定装置におけるテラヘルツ反射イメ ージング測定装置の概略図を図4、ポリエチレン絶縁被覆 銅電線試料に対する測定装置の概略図を図 5 に示す。光 源としては発振周波数0.14THz のIMPATT ダイオードを 用いた。この周波数はテラヘルツ帯の中では比較的低周 波数であるため、より絶縁被覆の透過性に優れると考え られ、実際に使用した絶縁被覆に対する透過測定の結果、 被覆透過率は 1THz 以上では約 50%以下である一方、 0.14THzではおよそ60%であった。本測定装置において、 発生したテラヘルツ波はテフロンレンズにより平行光と された後、テフロンレンズや放物面鏡により反射面とな る試料に集光される。試料から反射・散乱されたテラヘ ルツ波は再び放物面鏡やテフロンレンズにより集光され ショットキーバリアダイオードで検出される。このよう に反射強度測定を、試料を移動させながら行うことによ り試料の内部素線表面に対応するイメージング像を作製 する。外ケーブル試料のスキャニングは垂直方向で、被 覆電線試料は専用の治具により、一定間隔での試料の回 転および長手方向の移動を自動的に繰り返すことにより 行われ、その間隔はそれぞれ 3.6degree、0.1mm とした。 測定は平均回数 4 回で、全て室温、大気雰囲気中で行わ れた。また、測定の標準偏差は1.6×10-3、SN 比は63dB で あった。 図4 外ケーブル反射イメージング装置外略図 3.結果及び考察 3.1 外ケーブル試料 イメージング結果を図6に示す。図より被覆が無く内部 素線が露出している領域で反射が大きくなっているが被 覆のある領域でも反射強度のピークが見られる。これは 内部素線を表している。また、内部素線は撚り線構造を しているため、光学系の焦点を試料の上端、中央部、下 端に変更して測定した結果、最表面にある素線に相当す るピークが確認された。この結果より、テラヘルツ波反 射イメージングにより今まで検査方法が無かった外ケー ブルの可視化が可能であるといえる。 図6 外ケーブルテラヘルツ反射イメージング測定結果 - 397 - 図5 被覆銅電線反射イメージング装置外略図 3.1 絶縁被覆銅電線試料 断線のない、ある長手方向位置におけるテラヘルツ波反 射強度の回転角度による典型的な変化を図 7(a)に示す。 なお、反射強度は最大値で規格化されている。図より、 12 個の反射強度ピークが等間隔にみられるが、これらは 電線内部の12本の最外素線部分での反射に相当する。素 線形状は素線最外表面中央部がほぼ平坦である変形した 円形であるため、反射面が素線中央部に近いほど反射強 度は高くなる一方、素線中央部から遠ざかり、素線と素 線の間の位置で反射する際に反射強度は低くなる。ここ で、我々の測定した電線試料のポリエチレン絶縁被覆の 透過率はおよそ 60%であったため、内部素線からの反射 波は電線試料入射前の 36%(=60%×60%)程度に減少する ことが考えられるが、被覆下の内部素線状態を観測する には十二分な強度である。また、ポリエチレン絶縁被覆 の屈折率がおよそ 1.5[11]であることを考えると、ポリエ チレン被覆そのものからの反射波は、垂直入射を考えた ときで入射波の約4%であるが、これは36%程度となる反 射波と比較すると寄与は十分に小さい。 図 7(b)に各断線試料についてのテラヘルツ反射イメージ ング測定結果を示す。全てのイメージング像において、 最外素線を反映した12本の高強度ラインがみられ、また、 それらのラインには一定の角度の傾斜がみられる。これ は内部素線の撚り線構造を反映したものであり、被覆下 の内部素線状態の可視化が確認された。また、断線の大 きさが大きい試料、特に断線の大きさ1.5mm以上のイメ ージング像について、図中に円で示されているように、 高強度ライン中に強度の低い部分が明瞭に存在するが、 この部分は作製した断線部分に相当し、その低強度部分 の大きさは断線が大きい試料ほど大きい。この結果より、 テラヘルツ反射イメージング測定により、被覆下の内部 素線断線状態を可視化することが可能であるといえる。 次に、図 7(b)における断線部分を含む素線にのみ着目す る。各断線試料におけるイメージング像について断線部 分を含む素線に対応する高強度ライン中央部の反射強度 と長手方向位置の関係を図8に示す。ここで反射強度は、 断線の影響がない、長手方向位置 0?1mm 部分の平均強 度で規格化した。断線約0mm の結果について、反射強度 はほぼ一定となるはずであるが、強度の変化がみられる。 これは、断線試料作製の際に空隙を可能な限り無くした ものの、実際にはわずかに空隙が生じているため、その 影響を受けていることが考えられるが、電線試料の湾曲 も強度変化に影響していると考えられる。試料が湾曲し - 398 - 0301900/02/2890120150 180 330 1.0 330 1.0 0.5113003000.5270240270240270240270240210210210(a) (b) 図7 電線試料のテラヘルツ反射イメージング測定結果 (a)非断線部分における反射強度の回転角度依性(反射強 度は最大強度で規格化) (b)各断線試料における反射イメージング像 (円部は断線部分を示す) ていることにより反射面となる素線表面が一様に平坦と はならず、反射強度にも変化が生じたのだと考えられる。 この電線試料の湾曲によると考えられる強度変化は図 4(b)のイメージング像内におけるその他の非断線素線に もみられる。このように、電線試料の湾曲による反射強 度の低下が随所にみられるが、これらの反射強度変化に 比べて、断線の影響による強度変化の方が急峻であるこ とから、イメージング測定により、断線部分の検出は可 能である。 図 8 における断線 1mm の結果について、断線約 0mm の結果と比較すると、最低強度がわずかに低下している が、強度変化の様子はよく類似しているといえる。一方 で、断線1.5mm以上の場合の結果については、断線の影 響による強度の低下がはっきりと示されている。また、 断線の大きさが大きくなるほど、最低強度が低くなると ともに、断線の影響による低強度部分が大きくなってい るのが分かる。以上より、0.14THz でのテラヘルツ反射イ メージング測定において、1.5mm 以上の断線であればは っきりと検出可能であるといえる。なお、断線3mmの結 果において、断線部分における最低強度がゼロとならな いのは、隣接する素線、あるいは断線により露出した、 最外素線の内側に存在する素線からの反射波によるもの と考えられる。 次に、断線1.5mm?3mm の結果について断線の大きさ と、その影響による低強度部分の長さについて、その関 係の両対数グラフを図6に示す。ここで、断線約0mmの 結果を非断線素線の結果、また、断線3mmの結果を完全 断線素線の結果として、それぞれの結果における最低強 度の中間強度(強度 0.38)以下となっている部分を断線の 影響による低強度部分の長さとして定義した。図 6 のプ ロットについて、線形近似直線を合わせて示す。その結 果、両対数グラフの傾きが約 1 であることから、1.5mm 以上の断線については断線の大きさに比例して低強度部 分が大きくなっているのが分かる。これより、断線状態 の定量的な検出が可能であるといえる。 断線検出の空間分解能について、使用した光源の発振周 波数は 0.14THz であり、これは自由空間波長に換算する とおよそ2.1mmである。ここで、誘電体中の波長は比透 磁率を となること が知られている。使用した電線試料のポリエチレン絶縁 被覆の場合、非磁性であるため、比透磁率は1、また、屈 折率は1.5であることから比誘電率は約2.3であると考え 、比誘電率を として、 ) - 399 - られる。よって、内部素線への入射波の絶縁被覆中波長 は 約66% に短縮され、約1.4mmとなってい る。ここで、本テラヘルツ反射イメージング測定におけ る検出可能な断線の大きさが1.5mm以上であったことを 考えると、本測定による断線検出の分解能は,媒質内波長 程度は十分確保できるとであると考えられる。 1.2Almost 0mm 2mm 1mm 1.5mm 2.5mm 3mm 10.80.60.40.200 2 4 6 8 10 Longitudinal position (mm) 図8 長手方向に対する各断線素線の反射強度変化 (反射強度は長手方向位置 0?1mm 部分の平均強度に より規格化) 図9 断線の大きさと、低強度部分の長さの関係 (近似直線より得られる関係: 4.結論 本研究では外ケーブルと人工的に断線を作製した絶縁 被覆銅電線の試料について、光源に 0.14THz の IMPATT ダイオードを使用してテラヘルツ反射イメージング測定 を行った。その結果、外ケーブルでは焦点の面に位置す る内部素線が、銅電線では被覆内部の12本の最外素線に 相当する高反射強度分布及び、断線部分に相当する低反 射強度部分を反射イメージング像として可視化可能であ ることが確認できた。また、断線検出の分解能は、入射 波のポリエチレン絶縁被覆内波長1.4mm程度にすること が十分可能であり、1.5mm 以上の断線状態については明 確に定量的な検出も可能である。これより被覆内波長以 上の空間分解能を得る可能性も示された。以上の結果よ り、テラヘルツ波を用いた外ケーブルとポリエチレン絶 縁被覆銅電線の内部素線状態の非破壊検査、特に電線で は断線検査への応用可能性が示されたといえる。 謝辞 本研究の一部は、「文部科学省英知を結集した原子力科 学技術・人材育成推進事業」により実施された「廃止措 置のための格納容器・建屋等信頼性維持と廃棄物処理・処 分に関する基盤研究および中核人材育成プログラム」の 成果である。 参考文献 [1] K. Suto and J. Nishizawa, Low-threshold semiconductor vol.19, pp.1251-1254, Raman 1983. laser, IEEE J. Quantum Electron, Saito, [2] T. Frequency-tunable Tanabe, K. Suto, J. Nishizawa, high-power T. terahertz Kimura, and wave K. generation 2003. from GaP, J. Appl. Phys., vol.93, pp.4610-4615, Characteristics [3] T. Tanabe, of K. terahertz-wave Suto, J. Nishizawa generation and from T. Sasaki, GaSe crystals, 2004. J. Phys. D: Appl. Phys., vol.37, pp.155-158, Sub-terahertz & [4] E International, Y. Oyama, imaging Li vol.42, Zhen, of defects pp.28-33, T. Tanabe in 2009. building and blocks, M. Kagaya, NDT [5] M. Bessou, H. Duday, J. Caumes, S. Salort, B. Chassagne, radiation versus A. X-rays Dautant, to et detect al, hidden Advantage organic of materials terahertz in pp.4175-4179, sealed vessels, 2012. Optics Communications, vol.285, nitride [6] M. based Mukherjee avalanche and S. transit-time K. Roy, Wide-Band diode in gap Terahertz III?V regime: Studies on the effects of punch through on high frequency device, 2010. Current characteristics Applied and Physics, series vol.10, resistance pp.646-651, of the [7] S. Badhwar, R. Puddy, P. R. Kidambi, J. Sibik, A. Brewer, Terahertz J.R. Quantum Freeman, Cascade et al, Laser Indirect Using Modulation Gate Tunable of a Graphene, pp.1776-1782, IEEE 2012. Photonics Journal, vol.4, no.5, Shibata, [8] S. Balasekaran, and J. Nishizawa, T. Tanabe, Y. “Observation Oyama, M. Kimura, of room J. temperature from Millimeter, Korea, Ge, Sept.2009. “The and THz 34Terahertz emission th International Waves, based Conference Paradise on photoluminescence Hotel, on Infrared, Busan, [9] D. Zimdars, J.A. Valdmanis, J. S. White, G. Stuk, S. Williamson, APPLICATIONS W. P. Winfree, OF TERAHERTZ et al, TECHNOLOGY IMAGING AND NON-DESTRUCTIVE EXAMINATION: INSPECTION FOAM pp.570-577, INSULATION, 2005. OF SPACE AIP SHUTTLE Conf. SPRAYED Proc., vol.760, ON [10] E. K. Duffy, S. Jovanovitch, and I. J. Marwick, Discharge-Resistant for Wire and Cable, IEEE Characteristics Paper, no.31, of 1965. the Polyethylenes [11] P. K. Cheo, A. J. Cantor, SYSTEM FOR DETECTING FOREIGN PARTICLES OR VOIDS IN ELECTRICAL METHOD, United States CABLE Patent, INSULATION 1980. AND - 400 -“ “サブテラヘルツ波イメージングによる絶縁被覆ケーブルの非破壊検査応用 Application for non-destructive inspection of metal cable covered with insulator by using sub-terahertz wave imaging“ “木村 隆,Takashi KIMURA,佐藤 陽平,Yohei SATO,小山 裕,Yutaka OYAMA,田邉 匡生,Tadao TANABE
1.1テラヘルツ波 テラヘルツ波とは、周波数約0.1?10THz、波長にして約 30μm?3mmの電磁波であり、これは現在広く普及している携帯端末使用周波数(?1GHz)の1000倍高い周波数領域 にあたる。 このテラヘルツ領域の電磁波は、他の周波数領域に比べて発生・検出が困難であり、未使用電磁波領域とも呼ばれていたのだが、1983年に須藤、西澤によりGaPラマン発振器を用いて出力3W で 12.1THzの電磁波の発生が報告され[1]、その後、様々なテラヘルツ光源が開発されている。我々の研究グループにおいては GaP や GaSe 結晶 を利用した差周波発生による周波数可変光源が報告されている[2],[3]。しかし、これらのテラヘルツ発生装置は小型とは言えず、現場での実用的な運用のためには、より小型の光源が要求される。そこで、我々は半導体デバイス光源であるTUNNETTダイオードに着目しており、イメージングによる建材の欠陥検査への応用について研究 が報告されている[4]。また、同様な半導体デバイス光源 であるGUNN[5]、IMPATT[6]ダイオードの応用についても期待される一方で、近年では有用な光源として量子カスケードレーザー[7]の応用についての研究も進んでいる。また我々が進めている半導体中の浅い準位の光学遷移によるテラヘルツ波光源も、小型光源として非常に有望である[8]。テラヘルツ波の量子エネルギーは1THzで約4.1×10-3eV、絶対温度では約 48K に相当し、6THz ほどで室温(300K) 程度の熱エネルギーに相当する。これはX線のエネルギ ーと比較すると10万分の1程度と比較的低いため、細胞や体液成分をイオン化する恐れが無く、人体に安全である。また、テラヘルツ周波数領域はラジオ波と赤外・可視光の中間に位置するため、テラヘルツ波はその両方の特徴、すなわち、ラジオ波のような紙や高分子樹脂とい
ため安全で、無極性物質でできた被覆材を透過し、かつ、 った非極性物質に対する高い透過性とともに、赤外・可 視光のように金属に対する高い反射率を有し、また、光 電線内部の素線表面状態に応じた反射波が得られるため、 学系の構成により光路の制御が可能であるという特徴を 非破壊で電線内部の状態を得られる非常に有効な検査方 有することが知られている。また、赤外・可視光振動周 法となると考えられる。 波数は分子内の分子振動周波数帯に対応する一方で、テ 本研究では、不透明ポリエチレン絶縁被覆銅電線試料と ラヘルツ波の振動周波数は分子間の低周波共振周波数帯 外ケーブルを検査対象として、光源には発振周波数 に対応することも特徴であり、そのため、多くの物質に 0.14THz の IMPATT ダイオードを、検出器にはショット 対して指紋スペクトルを有し、分子の検出や同定のほか、 キーバリアダイオードをそれぞれ用いて、テラヘルツ反 水和などの分子結合状態を知ることも可能である。この 射イメージング測定を行い、絶縁被覆銅電線の非破壊検 ような特徴から、テラヘルツ波は医学、通信、セキュリ 査、特に内部素線の断線状態検査への応用可能性につい ティなど幅広い分野での応用が研究されているが、本研 て調査する。 究では、中でも非破壊検査応用に着目する。非破壊検査 実用例としてはテラヘルツ波のスペースシャトルセラミ ックスタイル接着状態のテラヘルツイメージングによる 2.実験 非破壊検査応用が報告されている[9]。 2.1 測定試料 測定対象となる外ケーブルの光学写真を図1に示す。外 1.2 絶縁被覆ケーブル ケーブルは高濃度ポリエチレン被覆と亜鉛めっき PC 鋼 安定した電力供給ネットワークは日常生活から工業に 線により構成されていて、部分的に被覆が無く内部素線 至るまで欠くことのできないものであり、その重要性が が露出している。また、絶縁被覆銅電線試料の光学写真 高まるにつれ、電線の劣化が重大な問題となる。電力用 を図 2 に示す。絶縁被覆には紫外線による劣化低減のた 電線として主に使用されているものとしてはポリエチレ め 1%以下のカーボンが含まれた黒色ポリエチレンが使 ン絶縁被覆銅電線が挙げられるのだが、このポリエチレ 用されている[10]。また、被覆に覆われた電線内部は複数 ンは黒色不透明であり、目視により内部を検査すること の銅素線からなる撚り線構造をしており、測定の際の反 はできない。同様に社会基盤インフラの重要な建造物で 射面に相当する内部素線最外層は12本の素線により構成 あるコンクリート鋼橋の 1 つエクストラドーズド橋の建 されている。 設に用いられている外ケーブル(以下外ケーブルと呼ぶ) 内部素線断線状態調査のための断線試料は、電線試料か はポリエチレン樹脂で被覆されているため腐食に対して ら被覆を剥ぎ取り、内部の銅素線をカットすることによ 極めて安全性が高く、点検を要しないものと考えられて り人工的に断線を再現し、再び被覆で覆うことにより作 いるが、長寿命化の観点からケーブルの健全度診断技術 製した。断線部分の作製は以下の手順により行った。ま の必要性が叫ばれている。従来の現場でのケーブル内部 ず、内部の12本の最外素線から任意に1本を選び、切り 検査方法としては被覆を剥ぎ取って直接素線内部を検査 離す。その後、切り離された素線を再び元の位置に間隙 する破壊検査法が挙げられるのだが、この場合、検査後 をあけて戻すことにより、間隙の大きさ相当の擬似的な に剥ぎ取った被覆材を修復する必要がある。この作業は 断線を作製する。ここで、あける間隙の大きさを変化さ 手間がかかる上、内部への水分の侵入により内部素線の せることで、一つの試料を用いて、様々な大きさの断線 劣化を早めてしまう危険性があるため、被覆を剥ぎ取る を再現可能である。断線の大きさを約 0mm および 3mm 必要のない非破壊的な検査方法が求められている。ここ としたときの断線試料の断線部分の光学写真を図 2 に示 で、非破壊検査法の一つとしてX 線透過検査法が挙げら す。本研究では断線の大きさが約0mm、1mm、1.5mm、 れるのだが、この方法では放射線被曝による人体への危 2mm、2.5mm、そして3mmとなるように断線試料の間隙 険性がある。そこで、不透明絶縁被覆電線の非破壊検査 の大きさを変化させて、6種類の断線状態を作製し、それ 方法として、テラヘルツ波を用いた方法が期待される。 ぞれの場合についてテラヘルツ反射イメージング測定を 先に述べたようにテラヘルツ波は比較的低エネルギーの 行った。 - 396 - 図1 外ケーブル試料 図2 ポリエチレン絶縁被覆銅電線試料 図3 作製した断線試料の被覆下断線部分(左:断線約0mm、 右:断線3mm) 2.2 反射イメージング測定 外ケーブル試料測定装置におけるテラヘルツ反射イメ ージング測定装置の概略図を図4、ポリエチレン絶縁被覆 銅電線試料に対する測定装置の概略図を図 5 に示す。光 源としては発振周波数0.14THz のIMPATT ダイオードを 用いた。この周波数はテラヘルツ帯の中では比較的低周 波数であるため、より絶縁被覆の透過性に優れると考え られ、実際に使用した絶縁被覆に対する透過測定の結果、 被覆透過率は 1THz 以上では約 50%以下である一方、 0.14THzではおよそ60%であった。本測定装置において、 発生したテラヘルツ波はテフロンレンズにより平行光と された後、テフロンレンズや放物面鏡により反射面とな る試料に集光される。試料から反射・散乱されたテラヘ ルツ波は再び放物面鏡やテフロンレンズにより集光され ショットキーバリアダイオードで検出される。このよう に反射強度測定を、試料を移動させながら行うことによ り試料の内部素線表面に対応するイメージング像を作製 する。外ケーブル試料のスキャニングは垂直方向で、被 覆電線試料は専用の治具により、一定間隔での試料の回 転および長手方向の移動を自動的に繰り返すことにより 行われ、その間隔はそれぞれ 3.6degree、0.1mm とした。 測定は平均回数 4 回で、全て室温、大気雰囲気中で行わ れた。また、測定の標準偏差は1.6×10-3、SN 比は63dB で あった。 図4 外ケーブル反射イメージング装置外略図 3.結果及び考察 3.1 外ケーブル試料 イメージング結果を図6に示す。図より被覆が無く内部 素線が露出している領域で反射が大きくなっているが被 覆のある領域でも反射強度のピークが見られる。これは 内部素線を表している。また、内部素線は撚り線構造を しているため、光学系の焦点を試料の上端、中央部、下 端に変更して測定した結果、最表面にある素線に相当す るピークが確認された。この結果より、テラヘルツ波反 射イメージングにより今まで検査方法が無かった外ケー ブルの可視化が可能であるといえる。 図6 外ケーブルテラヘルツ反射イメージング測定結果 - 397 - 図5 被覆銅電線反射イメージング装置外略図 3.1 絶縁被覆銅電線試料 断線のない、ある長手方向位置におけるテラヘルツ波反 射強度の回転角度による典型的な変化を図 7(a)に示す。 なお、反射強度は最大値で規格化されている。図より、 12 個の反射強度ピークが等間隔にみられるが、これらは 電線内部の12本の最外素線部分での反射に相当する。素 線形状は素線最外表面中央部がほぼ平坦である変形した 円形であるため、反射面が素線中央部に近いほど反射強 度は高くなる一方、素線中央部から遠ざかり、素線と素 線の間の位置で反射する際に反射強度は低くなる。ここ で、我々の測定した電線試料のポリエチレン絶縁被覆の 透過率はおよそ 60%であったため、内部素線からの反射 波は電線試料入射前の 36%(=60%×60%)程度に減少する ことが考えられるが、被覆下の内部素線状態を観測する には十二分な強度である。また、ポリエチレン絶縁被覆 の屈折率がおよそ 1.5[11]であることを考えると、ポリエ チレン被覆そのものからの反射波は、垂直入射を考えた ときで入射波の約4%であるが、これは36%程度となる反 射波と比較すると寄与は十分に小さい。 図 7(b)に各断線試料についてのテラヘルツ反射イメージ ング測定結果を示す。全てのイメージング像において、 最外素線を反映した12本の高強度ラインがみられ、また、 それらのラインには一定の角度の傾斜がみられる。これ は内部素線の撚り線構造を反映したものであり、被覆下 の内部素線状態の可視化が確認された。また、断線の大 きさが大きい試料、特に断線の大きさ1.5mm以上のイメ ージング像について、図中に円で示されているように、 高強度ライン中に強度の低い部分が明瞭に存在するが、 この部分は作製した断線部分に相当し、その低強度部分 の大きさは断線が大きい試料ほど大きい。この結果より、 テラヘルツ反射イメージング測定により、被覆下の内部 素線断線状態を可視化することが可能であるといえる。 次に、図 7(b)における断線部分を含む素線にのみ着目す る。各断線試料におけるイメージング像について断線部 分を含む素線に対応する高強度ライン中央部の反射強度 と長手方向位置の関係を図8に示す。ここで反射強度は、 断線の影響がない、長手方向位置 0?1mm 部分の平均強 度で規格化した。断線約0mm の結果について、反射強度 はほぼ一定となるはずであるが、強度の変化がみられる。 これは、断線試料作製の際に空隙を可能な限り無くした ものの、実際にはわずかに空隙が生じているため、その 影響を受けていることが考えられるが、電線試料の湾曲 も強度変化に影響していると考えられる。試料が湾曲し - 398 - 0301900/02/2890120150 180 330 1.0 330 1.0 0.5113003000.5270240270240270240270240210210210(a) (b) 図7 電線試料のテラヘルツ反射イメージング測定結果 (a)非断線部分における反射強度の回転角度依性(反射強 度は最大強度で規格化) (b)各断線試料における反射イメージング像 (円部は断線部分を示す) ていることにより反射面となる素線表面が一様に平坦と はならず、反射強度にも変化が生じたのだと考えられる。 この電線試料の湾曲によると考えられる強度変化は図 4(b)のイメージング像内におけるその他の非断線素線に もみられる。このように、電線試料の湾曲による反射強 度の低下が随所にみられるが、これらの反射強度変化に 比べて、断線の影響による強度変化の方が急峻であるこ とから、イメージング測定により、断線部分の検出は可 能である。 図 8 における断線 1mm の結果について、断線約 0mm の結果と比較すると、最低強度がわずかに低下している が、強度変化の様子はよく類似しているといえる。一方 で、断線1.5mm以上の場合の結果については、断線の影 響による強度の低下がはっきりと示されている。また、 断線の大きさが大きくなるほど、最低強度が低くなると ともに、断線の影響による低強度部分が大きくなってい るのが分かる。以上より、0.14THz でのテラヘルツ反射イ メージング測定において、1.5mm 以上の断線であればは っきりと検出可能であるといえる。なお、断線3mmの結 果において、断線部分における最低強度がゼロとならな いのは、隣接する素線、あるいは断線により露出した、 最外素線の内側に存在する素線からの反射波によるもの と考えられる。 次に、断線1.5mm?3mm の結果について断線の大きさ と、その影響による低強度部分の長さについて、その関 係の両対数グラフを図6に示す。ここで、断線約0mmの 結果を非断線素線の結果、また、断線3mmの結果を完全 断線素線の結果として、それぞれの結果における最低強 度の中間強度(強度 0.38)以下となっている部分を断線の 影響による低強度部分の長さとして定義した。図 6 のプ ロットについて、線形近似直線を合わせて示す。その結 果、両対数グラフの傾きが約 1 であることから、1.5mm 以上の断線については断線の大きさに比例して低強度部 分が大きくなっているのが分かる。これより、断線状態 の定量的な検出が可能であるといえる。 断線検出の空間分解能について、使用した光源の発振周 波数は 0.14THz であり、これは自由空間波長に換算する とおよそ2.1mmである。ここで、誘電体中の波長は比透 磁率を となること が知られている。使用した電線試料のポリエチレン絶縁 被覆の場合、非磁性であるため、比透磁率は1、また、屈 折率は1.5であることから比誘電率は約2.3であると考え 、比誘電率を として、 ) - 399 - られる。よって、内部素線への入射波の絶縁被覆中波長 は 約66% に短縮され、約1.4mmとなってい る。ここで、本テラヘルツ反射イメージング測定におけ る検出可能な断線の大きさが1.5mm以上であったことを 考えると、本測定による断線検出の分解能は,媒質内波長 程度は十分確保できるとであると考えられる。 1.2Almost 0mm 2mm 1mm 1.5mm 2.5mm 3mm 10.80.60.40.200 2 4 6 8 10 Longitudinal position (mm) 図8 長手方向に対する各断線素線の反射強度変化 (反射強度は長手方向位置 0?1mm 部分の平均強度に より規格化) 図9 断線の大きさと、低強度部分の長さの関係 (近似直線より得られる関係: 4.結論 本研究では外ケーブルと人工的に断線を作製した絶縁 被覆銅電線の試料について、光源に 0.14THz の IMPATT ダイオードを使用してテラヘルツ反射イメージング測定 を行った。その結果、外ケーブルでは焦点の面に位置す る内部素線が、銅電線では被覆内部の12本の最外素線に 相当する高反射強度分布及び、断線部分に相当する低反 射強度部分を反射イメージング像として可視化可能であ ることが確認できた。また、断線検出の分解能は、入射 波のポリエチレン絶縁被覆内波長1.4mm程度にすること が十分可能であり、1.5mm 以上の断線状態については明 確に定量的な検出も可能である。これより被覆内波長以 上の空間分解能を得る可能性も示された。以上の結果よ り、テラヘルツ波を用いた外ケーブルとポリエチレン絶 縁被覆銅電線の内部素線状態の非破壊検査、特に電線で は断線検査への応用可能性が示されたといえる。 謝辞 本研究の一部は、「文部科学省英知を結集した原子力科 学技術・人材育成推進事業」により実施された「廃止措 置のための格納容器・建屋等信頼性維持と廃棄物処理・処 分に関する基盤研究および中核人材育成プログラム」の 成果である。 参考文献 [1] K. 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