廃止措置研究・人材育成等強化プログラムにおける人材育成活動
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カテゴリ: 第13回
1.はじめに
東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置に必要な技術の開発には中長期な視点からの基盤的な研究を継続的に推進していくことが必要不可欠と考えられる。 さらにこの廃止措置事業やその遂行に必要な技術の開発を担う人材の育成を長期にわたって継続して行っていくことは極めて重要であると考えられる。このような状況を踏まえ、文部科学省英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業の委託事業である本プログラム「廃止措置工学高度人材育成と基盤研究の深化」では福島第一原子力発電所の廃止措置に必要不可欠な人材を育成し、廃止措置上重要な基盤的研究を推進することを目的としている。 本プログラムでは、福島第一原子力発電所の廃止措置に必要不可欠な廃止措置の最新技術と原子核工学の専門知識を有し、デブリ材料工学、デブリ化学及びシ ビアアクシデント後の遠隔操作技術を、体験を通して深く理解した人材を継続的に育成するために、東京工業大学に廃止措置工学を専門とするカリキュラムを設置し、同時に、これまでに培われてきた東京工業大学 先導原子力研究所および連携機関研究者の知見に立脚し、廃止措置上重要な課題である難分析核種の分析、 汚染材木等の除染法の開発、汚染土壌・焼却灰処理技術、Cs・Sr同時回収固化技術、シビアアクシデント後の遠隔計測技術、デブリ取出し時の再臨界防止技術及びメルトダウン炉心の臨界事故解析とその対策技術に 関する基盤的研究を推進し、廃止措置に反映することで福島第一原子力発電所の事故収束に貢献することを目標としている。本プログラムの全体概要を図に示す。 ここでは、人材育成活動を中心に本プログラムの実施状況を報告する。 2.廃止措置工学人材育成活動 本廃止措置プログラムでは、以下に示す様々な人材 育成活動を行っている。 1デブリ材料工学に関する人材育成(放射化材料を 用いた材料実験)、2デブリ化学に関する人材育成(核 燃料物質を用いた化学実験)、3シビアアクシデント後 の遠隔計測技術に関する人材育成(計測技術とロボッ ト技術を組み合わせた機械系実験) これらの実験科目は、大学院授業科目として新規に立 ち上げた。材料・化学系の実験は東京工業大学のホッ ト実験施設にて実際の照射材料や核燃料物質を用いる ことで、その材料や実験操作OOの特殊性を意識させるよ う行われた。機械系の実験では、福島第一発電所のよ うな事故現場を想定し、その状況でのロボット制御や 計測方法の在り方を検討させた。 4廃止措置の最新技術と基礎に関する人材育成(原 子炉廃止措置工学特別講義及び原子炉廃止措置工学) これらの授業科目を新規に立ち上げ、原子炉廃止措置 技術の基礎、特に通常炉と事故炉の違いを理解できる よう教育を行った。授業では実際の廃止措置活動の現 場の雰囲気を伝えられるよう、廃止措置に関わる企業 から講師を招聘した。 5キャリアパス形成活動 原子炉廃止措置インターンシップとして授業科目を新 規に立ち上げ、実際に廃止措置活動を行っている企業 に学生を派遣した。また、廃止措置活動を行っている 企業にて廃止措置作業現場を視察するセミナーを開催 し、学生の福島第一原発の廃止措置活動への関心を高 めることを目指した。 その他、より学生を引き付ける取組として、文科省 委託事業「英知を結集した原子力科学技術・人材育成 推進事業」採択7機関が主催した第一回次世代イニシ アチブ廃炉技術カンファレンス(NDEC-1)の企画・運営 に参画し、廃止措置に関わる研究を進めている学生に その研究成果を発表させ、また他機関や他大学におい て廃止措置作業を進めている産業界の方や学生と交流 を図らせた。 図 本プログラム「廃止措置工学高度人材育成と基盤研究の深化」の全体概要 - 432 -“ “廃止措置研究・人材育成等強化プログラムにおける人材育成活動“ “山崎 宰春,Saishun YAMAZAKI,小原 徹,Toru OBARA,矢野 豊彦,Toyohiko YANO,竹下 健二,Kenji TAKESHITA,加藤 之貴,Yukitaka KATO,赤塚 洋,Hiroshi AKATSUKA,木倉 宏成,Hiroshige KIKURA,塚原 剛彦,Takehiko TSUKAHARA,吉田 克己,Katsumi YOSHIDA,遠藤 玄,Gen ENDO,鷹尾 康一朗,Koichiro TAKAO,原田 雅幸,Masayuki HARADA,佐藤 勇,Isamu SATO,岩附 信行,Nobuyuki IWATSUKI,鈴森 康一,Koichi SUZUMORI,浅沼 徳子,Noriko ASANUMA,新井 剛,Tsuyoshi ARAI,川嶋 健嗣,Kenji KAWASHIMA,高木 直行,Naoyuki TAKAKI
東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置に必要な技術の開発には中長期な視点からの基盤的な研究を継続的に推進していくことが必要不可欠と考えられる。 さらにこの廃止措置事業やその遂行に必要な技術の開発を担う人材の育成を長期にわたって継続して行っていくことは極めて重要であると考えられる。このような状況を踏まえ、文部科学省英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業の委託事業である本プログラム「廃止措置工学高度人材育成と基盤研究の深化」では福島第一原子力発電所の廃止措置に必要不可欠な人材を育成し、廃止措置上重要な基盤的研究を推進することを目的としている。 本プログラムでは、福島第一原子力発電所の廃止措置に必要不可欠な廃止措置の最新技術と原子核工学の専門知識を有し、デブリ材料工学、デブリ化学及びシ ビアアクシデント後の遠隔操作技術を、体験を通して深く理解した人材を継続的に育成するために、東京工業大学に廃止措置工学を専門とするカリキュラムを設置し、同時に、これまでに培われてきた東京工業大学 先導原子力研究所および連携機関研究者の知見に立脚し、廃止措置上重要な課題である難分析核種の分析、 汚染材木等の除染法の開発、汚染土壌・焼却灰処理技術、Cs・Sr同時回収固化技術、シビアアクシデント後の遠隔計測技術、デブリ取出し時の再臨界防止技術及びメルトダウン炉心の臨界事故解析とその対策技術に 関する基盤的研究を推進し、廃止措置に反映することで福島第一原子力発電所の事故収束に貢献することを目標としている。本プログラムの全体概要を図に示す。 ここでは、人材育成活動を中心に本プログラムの実施状況を報告する。 2.廃止措置工学人材育成活動 本廃止措置プログラムでは、以下に示す様々な人材 育成活動を行っている。 1デブリ材料工学に関する人材育成(放射化材料を 用いた材料実験)、2デブリ化学に関する人材育成(核 燃料物質を用いた化学実験)、3シビアアクシデント後 の遠隔計測技術に関する人材育成(計測技術とロボッ ト技術を組み合わせた機械系実験) これらの実験科目は、大学院授業科目として新規に立 ち上げた。材料・化学系の実験は東京工業大学のホッ ト実験施設にて実際の照射材料や核燃料物質を用いる ことで、その材料や実験操作OOの特殊性を意識させるよ う行われた。機械系の実験では、福島第一発電所のよ うな事故現場を想定し、その状況でのロボット制御や 計測方法の在り方を検討させた。 4廃止措置の最新技術と基礎に関する人材育成(原 子炉廃止措置工学特別講義及び原子炉廃止措置工学) これらの授業科目を新規に立ち上げ、原子炉廃止措置 技術の基礎、特に通常炉と事故炉の違いを理解できる よう教育を行った。授業では実際の廃止措置活動の現 場の雰囲気を伝えられるよう、廃止措置に関わる企業 から講師を招聘した。 5キャリアパス形成活動 原子炉廃止措置インターンシップとして授業科目を新 規に立ち上げ、実際に廃止措置活動を行っている企業 に学生を派遣した。また、廃止措置活動を行っている 企業にて廃止措置作業現場を視察するセミナーを開催 し、学生の福島第一原発の廃止措置活動への関心を高 めることを目指した。 その他、より学生を引き付ける取組として、文科省 委託事業「英知を結集した原子力科学技術・人材育成 推進事業」採択7機関が主催した第一回次世代イニシ アチブ廃炉技術カンファレンス(NDEC-1)の企画・運営 に参画し、廃止措置に関わる研究を進めている学生に その研究成果を発表させ、また他機関や他大学におい て廃止措置作業を進めている産業界の方や学生と交流 を図らせた。 図 本プログラム「廃止措置工学高度人材育成と基盤研究の深化」の全体概要 - 432 -“ “廃止措置研究・人材育成等強化プログラムにおける人材育成活動“ “山崎 宰春,Saishun YAMAZAKI,小原 徹,Toru OBARA,矢野 豊彦,Toyohiko YANO,竹下 健二,Kenji TAKESHITA,加藤 之貴,Yukitaka KATO,赤塚 洋,Hiroshi AKATSUKA,木倉 宏成,Hiroshige KIKURA,塚原 剛彦,Takehiko TSUKAHARA,吉田 克己,Katsumi YOSHIDA,遠藤 玄,Gen ENDO,鷹尾 康一朗,Koichiro TAKAO,原田 雅幸,Masayuki HARADA,佐藤 勇,Isamu SATO,岩附 信行,Nobuyuki IWATSUKI,鈴森 康一,Koichi SUZUMORI,浅沼 徳子,Noriko ASANUMA,新井 剛,Tsuyoshi ARAI,川嶋 健嗣,Kenji KAWASHIMA,高木 直行,Naoyuki TAKAKI