自己修復型人工物のための分散情報処理

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カテゴリ: 第1回
1.緒言
宇宙空間における人工物、例えば人工衛星 はそのメンテナンスが非常に困難を極める。こ のような状況においては人工物のロバスト性 が人工物の効用を大きく左右する重要な要素 となってくる。しかし原理的に故障を伴わない人工物は実 現が不可能であるので、故障の発生を前提とし た上で故障に耐性のある人工物という概念が 提唱されるようになった。人工物が故障に耐性 をもつためにはシステム内に自己修復機能を もつことが望ましく、定性推論の手法を用いて 実現されてきた。これまでに行われている研究 について、本研究では、この定性推論の情報処 理部に対して、専用集積回路を用い、比較的低 機能の演算器を物理モデルに即して多数配置 し、分散情報処理を適用することを試みる。
2.1 自己修復機能 本自己修復機能を実現するには、人工物の故 障を検知しなければならない。情報処理回路は、 人工物の挙動をモデル化し、人工物の各部分か ら得られた情報とそのモデルの間の関係を判 |PS4-4]Specific Integrated Circuit 12.2 定性推論定性推論とは現象の定性的な側面に注目し て推論を行っていくものである[1]。例えば空 気に関して、PV = nRT という式と現在の温 度と圧力から、体積を厳密に求める方法を定量 的推論とすると、定性推論では「Tが増えれば Vも増える」「T↑→V↑」とより抽象化して 推論を行う。自己修復機能に必要なのは故障部 分を推定することであり、特定の部分に関する 厳密な情報ではない、よって定性推論が有効に 用いられてきた。 12.4 回路の構想 一般的な(ノイマン型の)計算機は処理装置及 び主記憶装置から成り立つ。一方、定性推論型 の演算を行うための装置について考えてみる と、ここの演算それ自体は大まかなものでよく、 それほど高い性能は求められない。すなわち定 性推論演算においては演算の種類がある程度 限定されるので、現在の標準的なCPUの能力 を生かしきれているとは言い難い。また定性推 論演算においては扱う情報のサイズも定量的 演算に比べてかなり小さくなるので現在の標 準的なメモリでもオーバースペックである。しかし、人工物が複雑になればなるほど物理モデ ルは複雑化し、その演算の量は極めて多くなり、 既存のCPUでは計算が追いつかなくなり、物 理モデルの縮小化を目指したモジュール化な どが行われている。以上をまとめると、従来の 計算機は定性推論型の演算には最適ではない といえる。本研究では自己修復型人工物に適し た、新しい分散型情報処理チップを実現するこ とを目指して研究をすすめている。これは、定 性推論のための演算に必要十分な程度の、比較 的低機能で回路サイズの小さい定性演算機を 多数用意し、独立に動作させることができるよ うにするもので、物理モデルに応じて、それら の定性演算機間の結線を行い、ネットワークを 組み上げる、高速かつ大量の情報処理を実現す るものである。 本研究で作成を目指す情報処理回路は、自己修 復型人工物の活躍すべき極限環境下における 動作を考慮し、情報処理回路それ自体の故障に 対処することを考えた、以下のようなものであ る(Fig.1)。 まず回路の外延に並べられた比較回路が、外部 から入力される定量的な情報を、「多い」「少な い」「正」「負」「ゼロ」等のより単純で抽象度 の高い定性的な情報に変換する。 回路の中央部には定性推論のための簡単な演 算をするセルが数多く並べられている。各セル は、個々がそれぞれ決められた簡単な演算を行 う専用回路である。挙動のモデルから導かれる 値と、外部から入力される定性値の間に矛盾が ないか推論を行う。 セル間でもネットワークが形成されており、セ ル同士で演算結果に矛盾が生じた場合には多 数決が行われたり、互いの信頼度が変化する機 能も実装される。 本回路の利点は、リアルタイムでの並列情報処 理が可能である点である。また回路上のあるセ ルが故障したとしても、故障を含むユニット以 外には影響が生じない。 Table.1 に比較回路および定性演算用の回路例 ☆ ASIC(Application Specific Integrated Circuit)用のハードウェア記述言語である Verilog-HDL で記述したものを示す。このよう なモジュールを組み合わせることにより大規模な演算処理が可能になると考えられる。3.回路の試作上記の回路を実現するための第一歩として、4 9個のフォトトランジスタ(以後センサ)を並 べ、各センサが隣接するセンサの信頼性を評価 し、信頼性が低くなったから断線するモジュー ルを FPGA で作成した。開発環境は Quartus II、設計言語は Verilog-HDLである。 各センサは1ビットの物理情報しか持たない ため、物理情報を定性値に変換する必要はない。 隣接するセンサから得られる情報は同じはず なので隣接するセンサから得られる値を比較 し、信頼性を決定する。 - 上記のことをふまえ以下の回路を作成した。 ・ 各センサは16点の信頼度を持っている。 ・ 上下左右の4つセンサと1クロックごとに 値を比べて値が異なるなら互いの信頼度を 1つ下げ、同じなら1つ元にもどす。 センサの信頼度が4点以下になると、まわりと断線する。 この回路を用い、フォトトランジスタ全体に光 を当てながら、一部のセンサを壊した場合の影 響を確かめた。結果は以下の通りであった。ほ ぼシミュレーション通りの結果となった。 ・ 故障したセンサはセンサ群から断絶された。 ・ 故障したセンサに正常なセンサが囲まれてしまうと正常なセンサが断線された。 また上と同じ回路を ASIC にするため設計ファ イルの製作を行っている(Fig.2)。論理合成には DesignCompiler、配置配線には Apollo、レイ アウトデータの出力には Milkyway を利用した。4.結言自己修復型人工物のための分散情報処理を実現 する、定性演算器の仕様を考案した。また基本的 なモジュールをハードウェア設計言語 VerilogHDLで記述したものをFPGAやASICに した。今後はより複雑な物理モデルに対応した情 報処理回路を設計し、その評価を行う予定である。
define PLUS 3' 6000 'define MINUS 3'b001 'define ZERO 3' b010 'define UNKNOWN 3' b011 'define UNDEF 3'b100actuatoractuatoractuatorsensorsensorsensorsensoractuatordefine PLUS 3' 6000 'define MINUS 3'b001 'define ZERO 3'b010 'define UNKNOWN 3'b011 'define UNDEF 3'b100sensorq_conq_conq_conq_con9_conq_consensorq_consensorFunctionalFunctional X FunctionalcellFunctionalcellq_consensorcellcell//定性値変換モジュール module q_tran(ret, in) parameter WIDTH ; paremeter THRESHOLD ;FunctionalFunctionalsensorsanot to q.con Promotional promotional q.comfuq.com ? Framesin) Promotional Fomeins) ?q.com snor to a.com Funcional Foreign q.com -19_conFunctionalcellq_consensorcellcellsensorq_conFunctionalcellFunctionalcellFunctional X Functional cellcellq_consensorsensoroutput [2:0] ret; input [WIDTH1:0] in ; reg [2:0] q;sensorq_conFunctionalcellFunctionalcellFunctionalcellq_consensorq.com -sensor toq_conq.com [q.conq_conq.compredmet beton nen treeningsensor Distributed processing unitDistributed processing unitactuatorsensorsensorsensorsensoractuatoralways @(in) begin if(in>' THRESHOLD) beginq<= 'PLUS; end else if(in=' THRESHOLD) begin9 <= 'ZERO; endactuatoractuatoractuatorFunctionalqualitave converterq_concellhas qualitave calculation modulesvariable of confidence etc..sensora Conq conq conq_conq conactuatorsensorsensorsensorsensoractuatoractuatoractuatoralways @ (in) begin if(in>' THRESHOLD) beginq <= 'PLUS; end else if(in=' THRESHOLD) beginq <= 'ZERO; end else if(ins' THRESHOLD) beginq <= 'MINUS; end else begin q <= 'UNKNOWN;q_conqualitave converterFunctionalcellFig.1 分散型情報処理回路これとててててててててててててていきます。endend assign ret = 9;HAHA-HAHAHAHHHHHHHHHHピッピendmodule// 定性和モジュール module q_plus(ret, ini, in2); output [2:0] ret; input [2:0] in1,in2; reg [2:0] q;always @ (int or in2) begin casex({in1,in2})) {'UNKNOWN,2' bxx} : q<='UNKNOWN; {2'bxx,' UNKNOWN} : q<=' UNKNOWN; { ZERO,2' bxx} : q<=' ZERO; {2' bx, 'ZERO} : q<='ZERO; {'PLUS,'MINUS} : q<=' UNKNOWN; {'MINUS, ' PLUS} : q<=' UNKNOWN; 【PLUS, 'PLUS} : q<='PLUS; {'MINUS, 'MINUS}: q<='MINUS; default : q<=' UNKNOWN; endcase end ERO} : q<=' ZERO; MINUS} : q<=’UNKNOWN;PLUS} : q<='UNKNOWN; ““LUS} : q<='PLUS; MINUS}: q<='MINUS;:q<='UNKNOWN:Fig.2 ASIC レイアウトデータ* ASIC を設計は東京大学 VDEC を通し、シノプシス株式会社、ケ イデンス株式会社の協力で行われました。==9;参考文献[1] 西田豊明:「定性推論の諸相」, 1993.モジュール記述例-241assign ret = q;endmoduleTable 1Eさてとことこれでとてもいいことができているということになるまき111-1453-1321123.11.32111.10.11.12.1AДНКАччреник-РАНА НАКАНАНАНЛАНАЕ АНАНАчнин АлHARAHHHARAINHHHHUPPETHERELATORYAAENAKA51Chmin.netoon. ANDTOP“ “自己修復型人工物のための分散情報処理 “ “小松 謙介,Kensuke KOMATSU,高橋 浩之,Hiroyuki TAKAHASHI,中沢 正治,Masaharu NAKAZAWA“ “自己修復型人工物のための分散情報処理 “ “小松 謙介,Kensuke KOMATSU,高橋 浩之,Hiroyuki TAKAHASHI,中沢 正治,Masaharu NAKAZAWA
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