保全最適化の考え方

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カテゴリ: 第1回
1.緒言
保全の結果に基づいて行う能動的是正型保全 があり、特定機器の保全の最適化を考える際は これらの種類のうちどの型を選択するかの決 定をするため、全てを総称して予防保全 (Preventive Maintenance)という。. 緒言 米国の発電業界では 1980年代半ばから保全 の最適化が開始され今日に至っている。その間、 JRC の Maintenance Rule による保全の有効 .. 緒言米国の発電業界では 1980年代半ばから保全 の最適化が開始され今日に至っている。その間、 NRC の Maintenance Rule による保全の有効 生評価要求や、規制緩和に伴う保全コスト削減 要求などの環境の下で信頼性の向上と経済性 の実現に保全の最適化が有効に機能してきた と言える。本稿ではこの一端を紹介する。
2. 保全の最適化の考え方
2.1 最適化の基本的な考え方機器の信頼性を維持向上させつつ、保全コス トの経済性を実現するための基本的な考え方 は、適正な保全作業を、適正な機器に、且つ適 正な時期に行うという 3 点にある。適正な保 全作業とは機器の劣化事象を明確にし、それを 検知ないしは予防できる保全作業を実施する ことであり、適正な機器とは系統の機能に対す る機器の重要度を明確にし、重要度に応じた保 全作業を行うことにある。また、適正な時期と は劣化促進要因の理解し、故障に至る以前に保 全作業を行うことにある。 2.2 保全の種類と予防保全保全には故障対応型の事後保全、定期的に行 う時間計画保全(予防保全ということもある)、 機器の状態に対応して行う状態監視・予知保全、| OS3-3 |2.3 保全最適化のプロセス保全最適化の実現のためには、最適化された 保全計画の作成、状態監視・予知保全の技術と 仕組みの確立と実施、保全作業管理の仕組みの 確立と実施、結果のフィードバックによる継続 的改善という PDCA のサイクルを廻し続ける 必要がある。これらのプロセスを実現するため にはコンピュータによる保全管理システムの 構築が欠かせないものとなる。 2.4 EPRI PM BasisEPRI(米国電力研究所)では 1980 年代信 頼性に基づく保全を原子力発電所に導入する にあたり、実際に使用し易い保全のベース作成 を求められ、Preventive Maintenance Basis を構築した[1]。このベースは Fig.1に示すPM テンプレートと呼ばれる表を中心としたもの で現在では約 70種類の機器を対象としたソフ トウェアとしてまとめられ、広く利用されてい る。PM テンプレートは対象の機器を、重要度、 使用条件、環境条件で 8 グレードに層別し、 区分毎に推奨する保全作業(状態監視作業、 ・891 | 2 | 3 | 4 | 5 Critical Yes X X*No Duty Cycle High XLowService Condition Severe X X PM TaskMild x xXIX Condition Monitoring Calibration of Accessories See PM Rationale & Comment 11 27 | 28 | 2Y 2Y NR NR NR NR | Packing Inspection/Adjustme See PM Rationale & Comment 2 2Y | 2Y | 2Y | 2Y | NR] NR] NR | NR] | Visual External Inspection_See PM Rationale & Comment 3 2Y | 2Y | 2Y | 2Y | NRINRI NRI NRI2|x| [xx7-xx_ || 8||x||x|Time Directed Air Supply Filter Replacemen See PM Rationale & Comment 7 4Y4Y4Y4Y NR NR NR NR Actuator Assembly Overhaul See PM Rationale & Comment 85Y 16Y5Y 16YINRINRINRINRIFailure Finding Stroke Test(Timed Stroke, -. See PM Rationale & Comment 1 AR AR AR AR NR NR NR NR *The template does not apply to Run-To-Failure components; non critical means not critical but important enough to require some PM tasks.NR: Not Recommended, AR: As RequiredFig. 1 EPRI PM Template (Example): AO Valve定期的作業、故障発見作業に区分) とその実施 間隔を示している。また、同時にグレード付け の基準、推奨する保全作業の内容と行う理由、 故障部位、故障メカニズム、劣化促進要因と有 効な保全作業項目、故障発生時期等の技術的根 拠や保全の有効度の評価ツールも提供してい る。 PM Basis の作成は電力、メーカーの技術 者で構成されるエキスパートパネルを多数設 置し、そのメンバーの経験と検討によって作成 され、現在でも年間 6-10 件の改訂、追加がな されており、活きたデータベースとして価値の あるものとなっている。このテンプレートに示される基準はごく一 一般的なものであり、保全計画を作成するに当っては機器の機能、過去の不具合事例などプラン トの実態を検討すると共に、現実的に適用可能 な状態監視作業を選定する必要がある。2.5 状態監視・予知保全状態監視とは機器の健康状態をモニターし、故障の予兆事象を検出することであり、その結 果に基づいて故障を予知し、その発生前に保全 を行う必要がある。その判断のためには診断デ ータ、性能データ、保全の履歴、運転員ログ、 設計情報など多くの情報を統合する必要があ り、診断情報を保全作業として実施する過程の 組織的活動の全てが予知保全である。また、予 測した結果の良否を分析、フィードバックする ことが重要となる。3.結言本稿では保全最適化の考え方のベースを紹介 した。保全最適化は組織全体の体質改善、意識改 革を伴うものであり、当初は相当な人的、資金的 資源の投入が必要になる。また、組織全体を巻き こんだ活動にもなる。このため、その実現にはト ップマネジメントの強い意思と、リーダーシップ が不可欠であることを付言したい。参考文献 [1] ““Preventive Maintenance Basis ProjectOverview Report Update” EPRI TR-106857, Nov. 1998.・90“ “保全最適化の考え方 “ “高間 信吉,Shinkichi TAKAMA“ “保全最適化の考え方 “ “高間 信吉,Shinkichi TAKAMA
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