保全方式決定のための数量化手法の適用検討 -保全上の重要度の定量的検討(その2) -
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カテゴリ: 第2回
1. 緒言
「その1」の検討では、従来からある様々な重要 度分類やクラス区分に加え、新たに“保全上の重要 度”を考え、保全を実施する場合の最小単位となる 「部品」を対象にして、この保全上の重要度を『ク リー法』というシステム評価手法と既存の定性的手 法(定性評価)とにより評価し、比較検討を行った。 本検討(その2)では、上記定性評価の結果と、定 性評価結果を参考にしてクリー法という数理化手法 を用いた場合の評価(検証評価)の内容について論 じる[1],[2]。
2. 検証評価本評価は、検討(その1)で実施した既存の定性 的評価結果を参考にした数理化手法による機器部品 の保全上の重要度の評価(検証評価)であり、シス テム評価手法としては前述の通り、クリー法を用い ている[3]。ポンプ部品を例にした保全上の重要度評 価(検証評価)の検討ステップを図-1 に、評価結果 を表-1 に示す。連絡先:熊野哲嗣、〒652-8585 神戸市兵庫区和田崎町 1-1-1、三菱重工業株式会社、電話: 070-6508-9382、 e-mail: tetsuji_kumano@mhi.co.jp既存の工学的判断に基づく 定性的手法による評価機能の重要度評価クリー法に基づく新規評価 (その1) ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー (その2)既存評価の結果を参考にした檢証評価感度評価 (今回は未実施)まとめ図-1 定量化の検討ステップ179表-1 ポンプ部品の保全上の重要度評価結果(検証評価)検証評価機能部品既存評価評点-1(注)評点-2注)結果腐食送水71軸受摩耗 | 56 | c | 63 | B IA 主軸| 71 | 疲労割れ | 40 | D |50| c |51|c 羽根車5965 | B 羽根車リング 腐食 61 | B | 73 ケーシングリング] 腐食 40 | D 155摩耗 67 | | 66 腐食 5363 ケーシング* B | 60 疲労割れ 15668 ケーシング 腐食 カバー 疲労割れB | 61 | B 取付ボルト | 腐食68 B170 メカニカルシール | 摩耗56産465856685633シール水クーラ | 腐食29 | EI 44ベース腐食| 19 |EE| 22| 基礎ホルト腐食| 44 |D|57|c|51(注) 評点-1: 評価の際、項目間で乗じた場合。評点-2: 評価の際、項目間で加算した場合。3.結言今回の検討(その2)では、機器部品(ポンプ部 品)の重要度を、検討「その1」で検討した定性評 価結果を参考にして、クリー法を用いた場合の評価 (検証評価)を行った。その結果、検討「その1」 での結論と同様に、「評点-2」の加算方式の方が、既存の定性的手法による評価結果による評価(定性評 価)の結果により近い結果となった。以上、検討「その1」と合わせて考えると、一例 (ポンプ)だけによるケーススタディ評価ではある が、クリー法を用いて機器部品の保全上の重要度を 評価する場合には、乗算方式よりも加算方式の方が より手法として妥当であると考えられる。今後、さらにケーススタディを行うことにより、 手法検証をより確かなものとすることができる。謝辞本検討は基本的に、(社)日本機械学会 RC177 軽水 型原子力発電所保全研究分科会で実施した検討成果 を再構成したものであり、関係者の方々に感謝する。参考文献[1] 熊野哲嗣他、“保全方式決定のための数量化手 法の適用検討-保全上の重要度の定量的検討
pp.54-.58. [2] (社)日本機械学会研究協力部会 RC177 “軽水型原子力発電所保全研究分科会(フェーズ 2)““ 研究報告書、2002年3月 31 日発行、添 pp.2-22. 添pp.4-1-4-11. [3] 中村嘉平、浜岡尊、山田新一著、新版システム工学通論、朝倉書店、pp.24 -.25.“ “保全方式決定のための数量化手法の適用検討 -保全上の重要度の定量的検討(その2) -“ “熊野 哲嗣,Tetsuji KUMANO,笠井 雅夫,Masao KASAI,岩見 裕,Hiroshi IWAMI,設楽 親,Chikashi SHITARA
「その1」の検討では、従来からある様々な重要 度分類やクラス区分に加え、新たに“保全上の重要 度”を考え、保全を実施する場合の最小単位となる 「部品」を対象にして、この保全上の重要度を『ク リー法』というシステム評価手法と既存の定性的手 法(定性評価)とにより評価し、比較検討を行った。 本検討(その2)では、上記定性評価の結果と、定 性評価結果を参考にしてクリー法という数理化手法 を用いた場合の評価(検証評価)の内容について論 じる[1],[2]。
2. 検証評価本評価は、検討(その1)で実施した既存の定性 的評価結果を参考にした数理化手法による機器部品 の保全上の重要度の評価(検証評価)であり、シス テム評価手法としては前述の通り、クリー法を用い ている[3]。ポンプ部品を例にした保全上の重要度評 価(検証評価)の検討ステップを図-1 に、評価結果 を表-1 に示す。連絡先:熊野哲嗣、〒652-8585 神戸市兵庫区和田崎町 1-1-1、三菱重工業株式会社、電話: 070-6508-9382、 e-mail: tetsuji_kumano@mhi.co.jp既存の工学的判断に基づく 定性的手法による評価機能の重要度評価クリー法に基づく新規評価 (その1) ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー (その2)既存評価の結果を参考にした檢証評価感度評価 (今回は未実施)まとめ図-1 定量化の検討ステップ179表-1 ポンプ部品の保全上の重要度評価結果(検証評価)検証評価機能部品既存評価評点-1(注)評点-2注)結果腐食送水71軸受摩耗 | 56 | c | 63 | B IA 主軸| 71 | 疲労割れ | 40 | D |50| c |51|c 羽根車5965 | B 羽根車リング 腐食 61 | B | 73 ケーシングリング] 腐食 40 | D 155摩耗 67 | | 66 腐食 5363 ケーシング* B | 60 疲労割れ 15668 ケーシング 腐食 カバー 疲労割れB | 61 | B 取付ボルト | 腐食68 B170 メカニカルシール | 摩耗56産465856685633シール水クーラ | 腐食29 | EI 44ベース腐食| 19 |EE| 22| 基礎ホルト腐食| 44 |D|57|c|51(注) 評点-1: 評価の際、項目間で乗じた場合。評点-2: 評価の際、項目間で加算した場合。3.結言今回の検討(その2)では、機器部品(ポンプ部 品)の重要度を、検討「その1」で検討した定性評 価結果を参考にして、クリー法を用いた場合の評価 (検証評価)を行った。その結果、検討「その1」 での結論と同様に、「評点-2」の加算方式の方が、既存の定性的手法による評価結果による評価(定性評 価)の結果により近い結果となった。以上、検討「その1」と合わせて考えると、一例 (ポンプ)だけによるケーススタディ評価ではある が、クリー法を用いて機器部品の保全上の重要度を 評価する場合には、乗算方式よりも加算方式の方が より手法として妥当であると考えられる。今後、さらにケーススタディを行うことにより、 手法検証をより確かなものとすることができる。謝辞本検討は基本的に、(社)日本機械学会 RC177 軽水 型原子力発電所保全研究分科会で実施した検討成果 を再構成したものであり、関係者の方々に感謝する。参考文献[1] 熊野哲嗣他、“保全方式決定のための数量化手 法の適用検討-保全上の重要度の定量的検討
pp.54-.58. [2] (社)日本機械学会研究協力部会 RC177 “軽水型原子力発電所保全研究分科会(フェーズ 2)““ 研究報告書、2002年3月 31 日発行、添 pp.2-22. 添pp.4-1-4-11. [3] 中村嘉平、浜岡尊、山田新一著、新版システム工学通論、朝倉書店、pp.24 -.25.“ “保全方式決定のための数量化手法の適用検討 -保全上の重要度の定量的検討(その2) -“ “熊野 哲嗣,Tetsuji KUMANO,笠井 雅夫,Masao KASAI,岩見 裕,Hiroshi IWAMI,設楽 親,Chikashi SHITARA