消費者の理解活動グループから専門家に期待すること

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カテゴリ: 第2回
1. あすかエネルギーフォーラムとは2001 年にエネルギー問題に関心のある消費生活アド バイザーで設立した「あすかエネルギーフォーラム」は、 消費者の視点でエネルギー問題を考え、行動することを モットーに活動を開始し、2003 年に東京都からNPO法人 として認可された。会員数は 72 名。消費者同士でエネル ギー問題を語り合う「エネルギートークサロン」を柏崎、 青森、浜岡など全国各地で 13 回開催し、参加者は延べ 約 800 人である。その他、勉強会や見学会なども開催し ている。エネルギー問題、特に原子力の問題は、一般の消費 者にとっては、気軽に情報を得たり、疑問に応えてくれる ような場が少なく、国や電力会社の説明会・講演会など も敷居が高い。また、講演を聴くだけでは、なかなか理解、 納得することが難しい。そこで、私たちは、普通の消費者 が気軽に参加して、エネルギー問題を暮らしの言葉で語 り合い、互いに気づきあう「場」として「エネルギートーク サロン」を全国で展開している。また、これを通じて、各地 に私たちと同じように主体的に理解活動を進めるグルー プを作り、消費者のエネルギーネットワークを広げたいと 思っている。2. 専門家の情報が分かりにくい理由 エネルギートークサロンで、必ず出る意見は電力会社 や国、専門家は「もっと分かりやすく話してほしい」という ことである。そもそも、消費者が知りたい情報ではなく、 知らせたい情報が多い上に、ほとんどが専門的技術内 容である。しかも、学術的に「正しい」言葉を使い、正確 に話そうとするので、さらに理解し難くなる。特に専門家 の話は、大学の授業のような内容が多く、聴衆のレベル や反応を見ながら話していただきたいものである。3. 最も分かり難いのは「保全」に関して私自身も、原子力安全・保安院の委員会に出席させて いただくようになったが、特に「保全」に関しては専門的 で理解するのは困難である。例えば、高経年化対策につ いても、「寿命が 30 年といっていたものが、いくら機器に は余裕が見てあるといいながら、倍の 60 年になるのはど うして?」「定期検査で部品を変えていても、高経年化は 起きるの?」「最近トラブルの報道が多いのは、高経年 化のせいなの?」など、専門用語以前のところで分から ないことばかりであった。とにかく、現在、国は品質保証 活動の側面からも対策に取り組もうとしているのだという ことは理解できたが、様々なトラブルが高経年化による ものなのかどうかについて、もっと分かりやすく公表、説 明してほしいと思った。「原子力発電施設の技術基準の性能規定化」となると、 さらに難しくなり、「技術評価と性能規定とはどこが違う のか」、「だいたい、最新の知見を利用できるのに、なぜ 今まで民間規格を活用しなかったのか」などなど判らな いことばかりだ。しかし、委員になった以上はなんとか取 り付かねばと必死に取り組んでいる。また、このような国 や学会の取り組みついて、あすかエネルギーフォーラム の活動で広く知らせたいと思っている。4. 専門家への期待原子力発電は、様々な事故やトラブルで信頼を失い、 それを回復するには、消費者自身が勉強し、判断する知 識が必要となってきた。基礎知識のない消費者に理解さ せるのは難しいとは思うが、分からないなりになんとか取 り付こうという熱意を理解し、ぜひとも、専門家側からも 歩み寄り、分かりやすい言葉でご指導、アドバイスをいた だきたい。187“ “消費者の理解活動グループから専門家に期待すること“ “秋庭 悦子
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