?超音波探傷試験における簡便な傷サイジング手法の提案

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カテゴリ: 第2回
1.緒言
沸騰水型軽水炉プラントの再循環系配管におけ る溶接部には、応力腐食割れ(Stress Corrosion Crack, SCC)が発生した事例が報告されている[1]. 一方,既設火力発電設備の老朽化は進む傾向にあり, 欧米では,経年火力発電プラントの高温蒸気配管に おいて,熱影響部におけるクリープボイドの発生・ 連結によるき裂の発生に起因した噴破事故を経験し、 ている[2,3]. 上記の厚肉配管溶接部に対する非破壊 検査には、超音波探傷試験が実施されており,近年, 高精度な傷高さ測定および傷の早期発見が要求され るようになり,現在,フェーズドアレイ法やTOFD (Time of Flight Diffraction)法などの適用研究が 進められている[4,5]. -- 再循環系配管に用いられているオーステナイト 系ステンレス鋼の溶接金属は,炭素鋼やクロム合金 鋼の溶接金属と異なり,非均質・弾性異方性を有する ため,超音波の直進性や減衰などで検討すべき課題 が多い[6-9J. このため,簡便で傷高さの測定精度が 高いTOFD法を適用することができず, フェーズド アレイ探触子を用いた端部エコー法が有望視されて いる.しかしながら、溶接金属からのエコーと区別し て微弱な端部エコーを識別しなければならない傷高 さ測定は, 難易度が高く,検査員の技量に負うところ が大きい[10]. 1. 本研究では,TOFD法の適用が困難な厚肉のステ アレイ探触子を用いた端部エコー法が有望視されて いる.しかしながら,溶接金属からのエコーと区別し て微弱な端部エコーを識別しなければならない傷高 さ測定は,難易度が高く,検査員の技量に負うところ が大きい[10]. 本研究では,TOFD法の適用が困難な厚肉のステ
Height : hh = (W. -W,)cos eCrack! Fig.1 General crack tip diffraction method- 21 -ンレス鋼溶接部の探傷を想定して,従来の端部エ コー法より簡便な傷高さ測定法を提案し,厚さ 40mmのステンレス鋼製の溶接試験体に導入した スリットの高さ測定を行い,提案手法の妥当性を 確認することを目的とする.確認することを目的とする.- 2.端部エコーを用いた傷高さ測定法 し 2.1 従来の端部エコーを用いた手法 2.1 従来の端部エコーを用いた手法 - 端部エコー法は, これまで, 一般的によく用いら れてきた手法である.この手法の代表例として, 斜 角探触子を用いた場合をFig.1に示す.ここでは超 音波ビームの中心軸が傷の上端部やコーナーと一 致したときに,それぞれに対応するエコーの高さPosition 2 Position 1eam transducerHeight:h_h = (We -W)cos0CrackSusecProbe wedgeRefracted waveSlit12usecFig.2 Behavior of ultrasonic wave propagationh = T ? W, sin cos-2ただし,Tは試験体の厚さ,Wは表面波のビーム路 程である。Fig.1の例に戻り,コーナーエコーが受信され始 めた位置から探触子を移動量ずつスリットに近づ けていった場合の受信波形に対するシミュレー ション結果をFig.4に示す.探触子をスリットに近 づけると,まずコーナーエコーが最大になり,さら に近づけると端部エコーが大きくなる.端部エコー およびコーナーエコーが最大となるときのエコー 立ち上がり時間をtおよびt とすると,ビーム路程が最大となる.これらのエコーは端部エコーおよ びコーナーエコーと呼ばれる. 以下,上端部を単に 端部と記す.端部エコーおよびコーナーエコーが 得られた時のビーム路程 IV および IV を求め,幾何 学的な関係から次式により傷高さhを求めること ができる。 h = (W. -W)coso(1) ただし,は屈折角である.横波45°斜角探触子に より入射された超音波ビームの中心軸上に傷端部 がある場合 (Fig.1のPosition 1)の超音波の波面を 超音波伝搬有限要素シミュレーションにより予測 した一例[4]をFig.2に示す.この図から横波がス リットに達した後,スリット端部から縦波および 横波回折波が円弧状に広がり,探触子に戻る回折 波が端部エコーとして受信される.また, Fig.3に示 すように傷先端から見て逆向きに伝搬する回折波 を受信するように探触子を配置し、傷の高さを測 定するのがTOFD法である. TOFD法では,試験体 の厚さとビーム路程から,次式により傷高さhを求 めることができる. より入射された超音波ビームの中心軸上に傷端部 がある場合 (Fig.1のPosition 1) の超音波の波面を 超音波伝搬有限要素シミュレーションにより予測 した一例[4]を Fig.2に示す.この図から横波がス リットに達した後,スリット端部から縦波および 横波回折波が円弧状に広がり,探触子に戻る回折 波が端部エコーとして受信される.また, Fig.3に示 すように傷先端から見て逆向きに伝搬する回折波 を受信するように探触子を配置し,傷の高さを測 定するのがTOFD法である. TOFD法では,試験体W =S , i=1,c-3となる.ただし,Cは音速であり,上記の例では横Probe position: IMax. amplitude of tip echo -1, corner echo -2MR==T-- W, sin cos““.COS- CrackFig.3 Time of Flight Diffraction methodFig. 4 Predicted tip and corner echoes from slit- 22 -15usec1. Diffracted longitudinal wave 2. Diffracted shear wave18usecけていった場合の受信波形に対するシミュレー ション結果をFig.4に示す.探触子をスリットに近 づけると,まずコーナーエコーが最大になり,さら に近づけると端部エコーが大きくなる.端部エコー およびコーナーエコーが最大となるときのエコーMax. amplitude of Probe position: x tip echo -1, corner echo -2さココ|z=51==41ター21[%D0TimeTransmitter: angle beam transducer Receiver: direct contact transducerW2Longitudinal or shear waveLongitudinal waveCrack!Fig.5 Proposed crack tip diffraction method波音速となる. * 一般に端部エコーは、コーナーエコーよりかな り小さい. ステンレス鋼溶接部のSCCを探傷する 場合,回折波は基材での結晶粒界散乱により減衰 し,溶接部の溶け込み境界での反射に起因するエ コーと端部エコーは同程度の強度になる場合があ る.また, 分岐したSCCの複数の先端や屈曲部から 端部エコーが得られる.このような状況で, SCCの 真の先端からの端部エコーを見出し,それに応じ たしから精度よくビーム路程 Wを求めるためには, 相当の経験と技量が検査員に要求される[10].2.2 提案手法 ・スリット先端からの縦波および横波回折波は Fig.2から従来の端部エコー法やTOFD法で利用す るもの以外にも,スリットの上方に強いエネル ギーを有して伝搬していることが判る.この成分 に着目し,傷直上に垂直探触子を配置することに より,最も短いビーム路程で回折波を受信できる こととなる.このため,回折波の拡散減衰や材料の 金属組織による散乱減衰が少なく,傷先端から直 接伝搬する縦波回折波と,傷面に沿って伝搬する 縦波表面波による強いエコーを受信できることが 期待できる. Fig.5に示すように傷直上に縦波垂直 探触子を配置することで直接受信される縦波回折 波L,と傷面に沿って伝搬する縦波表面波L,,のそれ ぞれのビーム路程 IV, および IV. の差の半分が傷高 さとなる. よって,L,およびLの伝搬時間1,および れからによらず次式により傷高さんを求めること ができる。__ h = (-W.) = Sy(-1)()ただし,C,は縦波音速である. 縦波を用いる理由 は,横波より速く探触子に到達することのほか,同 じ周波数では横波より波長が長いため、金属組織 による影響を受けにくいためである. 上述の端部 エコー法では,探触子を移動させて傷の端部と コーナーを見つけ,ビーム路程と屈折角の幾何学 的な関係から傷高さを求める.これに対して,本稿 で提案する手法では,斜角探触子を傷からの端部 エコーが強くなる位置に配置し,傷上方に配置し た垂直探触子で得られる2つの端部エコーの伝搬 時間のみから傷高さを算出することができる.こ の測定と傷高さの算出は,送信用探触子の屈折角 を事前に求めることが不要であり,一般的な超音 波探傷器, 縦波または横波斜角探触子,および縦波Height: 12mmHeight: 3mm1080 90 100 10 120Fig.6 Cross section of welded test specimens with slits23 -Amplitude (mV)1-15-10-5 0_ 5_ Transducer position (mm)10_15Fig. 7 Tip echo intensities over slit垂直探触子を用いることにより簡便に実施するこ とが可能である.探傷領域を挟むように2つの探触 子を対向して同時に配置するTOFD法が適用でき ない空間的制約がある場合においても,本提案法 であれば、片側に送信用斜角探触子を, 傷直上に受 信用垂直探触子を配置することにより傷高さの測 定が可能となる.また,1回目の端部エコーしか受 信されない場合,斜角探傷ではコーナーエコーは 容易に得られるため,送信に用いる探触子で得ら れたコーナーエコーから試験体の厚さを測定す る,もしくは, 受信用垂直探触子を利用して試験体 の厚さを測定し,たから傷先端の位置を求めること によって傷の高さを測定することができる.3.実証実験3.1 試験体および実験方法 - 提案手法を検証するために,低炭素オーステナ イト系ステンレス鋼製の溶接試験体に施工された 傷を模擬したスリットの高さ測定を試みた.試験 体の基材および溶接金属はSUS316Lである.溶接- 2.25MHz 5MHzAmplitude (V)Arthcode-0.4 1118_20_222426Time (micro sec.)Fig.8 Two echoes of diffracted waves from slitは層間温度が規定される原子力仕様に基づき、初層 はTIG溶接で, 2層目以降はCO2溶接で行った. 結晶 粒径は,同じ面積の円形に換算すると, 基材では約 160um, 溶接部では約500umであった. 試験体の厚 さは40mmであり,測定を容易にするために,溶接 一部の余盛と裏波を研削した. スリットはFig.6に示 す溶接金属部とそこから十分に離れた部位にそれ ぞれ放電加工により導入した. スリットの高さは 3, 6,9,12mmである.本試験体の縦波音速を測 定した結果,基材で5,648m/s, 溶接金属で5,383m/ sであった。 * 実験にはパルサレシーバ(PANAMETRICS製 MODEL 5800) およびオシロスコープ (Tektronix 製 TDS5034B) を用いた. 超音波の送信には基材で の減衰を抑制し,傷先端からの強い端部エコーを得 るために,集束型の縦波斜角探触子(屈折角45度, 中心周波数3.5MHz,振動子径20mm)を用いた. 受信には縦波垂直探触子(中心周波数2.25および 5MHz,振動子径25mm)を用いた.接触媒体には グリセリンペーストを使用した.3.2 結果とその考察 (1) 測定条件の検討 - 本提案手法では傷の上方へ伝搬する回折波が重 要である. 上記のシミュレーション結果から,ス リットの上方においても端部エコーが受信できる ことが予測される.そこで, 縦波斜角探触子により 溶接金属から十分離れた位置の高さ3mmのスリッ トの端部に超音波を入射し,スリット直上の近辺で 小さな垂直探触子(中心周波数が2.25MHz, 振動子 径3mm) を移動させ, 端部エコーを受信した. 受信 したスリット端部から直接到達する回折波による 端部エコーの最大値をFig.7に示す.この図の横軸 の原点は探触子がスリット直上に位置した状態で あり,入射点は-37mmである.従来の端部エコー 法では-37mm, TOFD法では+37mm近辺での端 部エコーを利用していることになる.同図からス リット直上近辺では従来の端部エコー法やTOFD 法より強い端部エコーを受信できることが明らか になった. - 次に,受信用の垂直探触子の中心周波数による 影響を検討するため, 溶接金属から十分離れた位置 のスリットを測定した.測定結果の一例として,高 さ3mmのスリットによるL、およびLを異なる中 心周波数の垂直探触子で受信したエコーをFig.8に 示す. 以下の垂直探触子で得られるエコーは,送信 に用いた斜角探触子で最大の端部エコーが得られ る位置におけるエコーである.また, 一般的には超24-3mm6mmConventional . ProposedAmplitude (V)forcessonalMeasured height (mm)こーーーーーTime (micro sec.)-3mm6mmConventional . ProposedAmplitude (V}Tン LMeasured height (mm)-0.1 -18202 212426 Time (micro sec.)15Fig.9 Sets of echoes from slits with different heights15 10Actual height (mm)Fig. 10 Comparison of actual and 音波探傷試験のエコーは全波されている場合が多measured heights いが, エコーの位相情報も端部エコーを特定するた めに有益である.このため,受信された波形は全波 してきた回折波の検出が困難となることが予想さ せずに表示している. 送信用探触子と異なる周波数 れる. 溶接金属近傍の高さ3mmおよび6mmのス の受信用探触子を用いたにも関わらず, この図からリットによる回折波を5MHzの垂直探触子で受信 L およびLに対応した明瞭なエコーを観察するこしたエコーをFig.9に示す.溶接金属を跨いだ測定 音波探傷試験のエコーは全波されている場合が多 いが, エコーの位相情報も端部エコーを特定するた めに有益である.このため,受信された波形は全波 せずに表示している.送信用探触子と異なる周波数 の受信用探触子を用いたにも関わらず, この図から L,およびLに対応した明瞭なエコーを観察するこ とができた.なお,本試験体中を伝搬する超音波の 中心周波数は2.72MHz程度あり,5MHzはそれより 高く, 2.25MHzはやや低いということになる. この L,およびLに対応した明瞭なエコーを観察するこ したエコーをFig.9に示す. 溶接金属を跨いだ測定 とができた.なお,本試験体中を伝搬する超音波のにより傷高さを測定することは困難な場合があ 中心周波数は2.72MHz程度あり,5MHzはそれよりる.しかしながら,2次クリーピング波を用いるこ 高く, 2.25MHzはやや低いということになる. このとにより, 送信用探触子の位置から見て,傷が溶接 図からLに対するエコーはLよりも周波数が低下金属の手前か奥かは容易に判別ができるため、以下の測定は溶接を跨がずに超音波をスリットに入 しているが,両者の波形の相似性が高いことが判射した.この図からスリットによる回折波が溶接 る.これより,この位相情報は,両者のエコーを他金属を伝搬しているにも関わらず,高い中心周波 のエコーと区別するときに有効である.また, 5MHzの受信用探触子の結果は, 2.25MHzのものと数の探触子を用いてもし、およびL,の明瞭なエコー 比べてLおよびLを分離し易くなっている.一般を観測することができる. また, スリットの高さに に金属の結晶粒界散乱に起因する林状エコーを抑応じて,L,およびL2の伝搬時間差が変化している 図からLに対するエコーはL,よりも周波数が低下 しているが,両者の波形の相似性が高いことが判 る. これより,この位相情報は,両者のエコーを他 のエコーと区別するときに有効である.また, 5MHzの受信用探触子の結果は, 2.25MHzのものと 比べてL, およびLを分離し易くなっている.一般 に金属の結晶粒界散乱に起因する林状エコーを抑 制するため, ステンレス鋼の場合には,低合金や炭 素鋼の場合に比べて、低い中心周波数の探触子が用 いられる.これに対して,本提案手法では,低い中 心周波数の送信用探触子と,高い中心周波数の受信 用探触子を用いることによって,傷の2つの端部エ コーに対する分離性を向上させることが期待でき (2) スリット高さ測定精度 ・ステンレス鋼溶接部を本提案法により探傷する 場合,溶接金属を伝搬した回折波を受信しなければ ならない. 超音波は上記溶接部のような粗大な結晶 粒を有する金属を伝搬する過程で高調波成分が減 衰し,中心周波数が低下する[5]. よって,受信に高 い中心周波数の探触子を用いた場合, 溶接部を伝搬してきた回折波の検出が困難となることが予想さ れる. 溶接金属近傍の高さ3mmおよび6mmのス リットによる回折波を5MHzの垂直探触子で受信 したエコーをFig.9に示す.溶接金属を跨いだ測定 により傷高さを測定することは困難な場合があ る.しかしながら,2次クリーピング波を用いるこ とにより, 送信用探触子の位置から見て,傷が溶接 金属の手前か奥かは容易に判別ができるため、以 下の測定は溶接を跨がずに超音波をスリットに入 射した. この図からスリットによる回折波が溶接 金属を伝搬しているにも関わらず,高い中心周波 数の探触子を用いてもし、およびLの明瞭なエコー を観測することができる.また, スリットの高さに 応じて,L,およびLyの伝搬時間差が変化している ことが判る. 以上の結果より,低い中心周波数の送 信用探触子と高い中心周波数の受信用探触子を用 いることの妥当性を確認することができた. * 本提案手法における高さ測定の精度を評価する ため,上記の送信用探触子を用い,従来の端部エ コー法によりスリット高さを測定した.従来の端 部エコー法と本提案手法により溶接金属部のス リットの高さを測定した結果を比較してFig.10に 示す. スリット高さの測定の際に,従来の端部エ コー法では基材の縦波音速を用いた.これに対し て本提案手法では受信する回折波は主に溶接金属 を伝搬することから溶接金属の縦波音速を用い た. 従来の端部エコー法の平均自乗誤差は0.56mm であったのに対し,本提案手法の平均自乗誤差は 0.34mmであった. よって,本提案手法による結果部工 リッ- 25 -は, 従来の端部エコー法と同様にスリットの高さを 高精度に測定できることが明らかになった.本研究では, ステンレス鋼の溶接部を対象とした が,同材料より超音波の減衰が少ない一般的な構造 材料である炭素鋼やクロム合金鋼などにも十分に 適用可能と考える.4.結言本研究では, 超音波探傷試験において新たな傷高 さ測定法を提案し,厚さ40mmのステンレス鋼製の 溶接試験体に導入したスリットの高さ測定を行い, 提案手法の妥当性を確認した. 主な結果は以下の通 りである。(1) 斜角探触子により傷先端へ超音波を入射する ことにより発生し,傷の上方へ伝搬する縦波回 折波と,傷面に沿って伝搬する縦波表面波に着 目した.傷直上に垂直探触子を配置することに よって観測されるこれらの回折波の伝搬時間差 から, 入射した超音波の屈折角によらず,簡便に 傷高さを測定する手法を提案した. (2) 2つの強い端部エコーを得るため, 送信に集束 型縦波探触子を用いることにより,識別するの に十分な強度で傷を模擬したスリットの先端か らの両端部エコーを観測することができた. 一 方,受信に送信用探触子より高い中心周波数の 垂直探触子を用いることにより,両端部エコー の分離性を向上させることができることが明ら かになった. (3) 炭素鋼やクロム系合金鋼に比べて超音波の減 衰が大きいステンレス鋼の溶接部に導入したス リットの高さ測定に提案手法を適用した.その 結果,従来の端部エコー法と同様に高精度で高 さを測定できることから,提案手法の有効性を 確認することができた.高精度な傷高さ測定で十分な精度を確保するこ とが困難な配管エルボなどの複雑な部位や狭隘部 などにおいても, 本手法を活用することによる測定 精度の改善が十分期待できる.「謝辞石川島検査計測株)笹原利彦部長には,ステンレ ス鋼溶接部におけるSCCに対する端部エコー法に よる高さ測定について御指導いただいた. ここに感 謝の意を表す.参考文献[1] 原子力安全・保安院,原子力設備の健全性評価などに関する小委員会資料(2003.3) [2] F.V. Ellis and R. Viswanathan, Proc. ASMEPVP Conference, PVP-Vol.380, Fitness-for Service Evaluations in Petroleum and FossilPower Plants, ASME, pp.59-76 (1998) [3] J.F. Henry, G. Zhou and C.T. Ward,Proceedings of Conference on Advances in Life Assessment and Optimization of FossilPower Plants, (EPRI/DOE), (2002.3) [4] 福高,林,緒方,電力中央研究所報告,Q04016, (2005), (印刷中) [5] 林,福富,緒方,電力中央研究所報告,Q04015, (2005), (印刷中) [6] 岸上守孝,石川島播磨技報, 20巻6号,pp.400405(1980) [7] 米山弘志,溶接技術,10号, pp.65-69(1994) [8] J.A.Ogilvy, Ultrasonics, Vol.24, No.11, - pp.337-347(1986) [9] J.A.Ogilvy, NDT International, Vol.18, No.2,pp.67-77(1985) [10]米山弘志,杉林卓也,山口篤憲,非破壊検26“ “?超音波探傷試験における簡便な傷サイジング手法の提案“ “福冨 広幸,Hiroyuki FUKUTOMI,林 山,Shan LIN,緒方 隆志,Takashi OGATA
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