渦電流探傷における移動探査ロボットの開発

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カテゴリ: 第2回
1.緒言
近年,原子力プラントにおいて予防・保全は重要な する.ここで,使用するロボットは自己位置を走行カ 課題となっている. シュラウド等の構造物において、ウンタから求めることが可能であり,それによって傷 様々な種類の傷が報告されており,戦略的な評価シス 位置を同定できるものとする.そしてロボットは ECT テムの確立が急務となっている.現在,原子力プラン センサの信号を基に傷上をトレースし,形状の再現 トにおける非破壊評価の手法として目視探傷,超音波 を行う. 探傷, ECT(Eddy Current Testing 渦電流探傷)が用いられ ている.目視探傷は基本的な手法であるが,材質の表した移動探査ロボットシステムを構築し,ECT センサの特性を考慮した傷探査のためのアルゴリズムを提案
2. 移動探査ロボット 面の傷しか検出できない.超音波探傷は,特に材質の 裏面の傷の検出に対して有効な手法である. ECT は非 2.1 探査ロボットシステムの構成 接触で,即時性に優れた検査手法であり,材質の表面Fig.1 に本研究で使用したロボットの構成を示す. 移 および, 表層に存在する傷の探査に優位性がみられる 動ロボットには““Khepera““ロボットを使用し, ECT セン そのため,シュラウドの表層欠陥の検査に効果的であサをロボットの前面に配置する. る[1,2].一方,原子力プラントでの検査者による直接的な作Eddy Station MW II 業は人体に多大な影響を及ぼす.そのため、人間に代Analog Connection わって検査を行うロボットの開発が求められている.D Board 近年,プラントの検査や清掃を行うロボットが開発さ れているが,従来のカメラや超音波センサを搭載した ロボットによる検査では,自動的な傷形状の再現は困 難である.ECT Sensor このような背景から,本研究では ECT センサを搭載Linux PCSerial ConnectionMobile RobotFig. 1ECT Robot System連絡先:小島史男、〒657-8.501 神戸市灘区六甲台町 1-1、 神戸大学自然科学研究科情報知能工学専攻、電話: 078-803-6493、e-mail: kojima@cs.kobe-u.ac.jp する.ここで,使用するロボットは日CL直と左11月 ウンタから求めることが可能であり,それによって傷 位置を同定できるものとする.そしてロボットは ECT センサの信号を基に傷上をトレースし、傷形状の再現 を行う.2. 移動探査ロボット 2.1 探査ロボットシステムの構成Fig.1 に本研究で使用したロボットの構成を示す. 移 動ロボットには““Khepera““ロボットを使用し, ECT セン サをロボットの前面に配置する.2. 移動探査ロボット 2.1 探査ロボットシステムの構成Fig.1 に本研究で使用したロボットの構成を示す. 移 動ロボットには““Khepera““ ロボットを使用し, ECT セン サをロボットの前面に配置する.Eddy Station MW IIAnalog Connection 1AD BoardECT SensorLinux PCSerial ConnectionMobile RobotFig. 1ECT Robot Systemロボットはシリアル通信で LinuxPC から命令を受け る. ECTセンサの信号は““Eddy Station MW II““を通して, 処理され,A/D ボードを介して LinuxPCに送られる.2.2 傷探査アルゴリズム本研究で提案する傷探査のアルゴリズムを Fig.2 に 示す.探査ロボットは検査領域上をランダムに移動する. ECT センサの値が予め設定した閾値を越えるとそ この位置に傷があると認識し,傷形状を推定する動作に移行する. ロボットはその場で左右に回転し,新たな 傷の点を探索する. その2点の傷位置を結んで傷の方 向を推定する.そしてロボットが傷上に乗るように移 動し, ジグザグ走行しながら傷をトレースする. セン サ値が閾値を越える点を通る度に左右のモーターに搭 載された走行カウンタからその位置を求め,傷の位置 として記録する.StartCrackRandom Search100Crack?(b) Determination of Crack DirectionDetermination of Crack DirectionCrackMove to CrackCrack Tracing[End)(a) Flow Chart of Crack Detection(c) Crack TracingFig. 2 Crack Detection Algorithm2.2 実験前節までに述べたシステムを用い,実験を行った. 実験環境は(300[mm]×200[mm)のアルミニウムの平板 を使用し,その上をビニールシートと方眼紙で覆い, その上をロボットが探査する.傷はアルミニウム板に 施した幅 1mm の貫通欠陥とした.また,傷に対して垂 直にECTセンサを走査させた際のセンサ値の最大値が 3[v]になるように Eddy Station MW IIでゲインを調節し, 1.8[v]を傷と認識する閾値とした.直線状の傷と曲線状の傷の二種類の傷について実験 を行い,その結果を Fig.3 に示した. 線で示したものが 実際の傷の形状であり,点で示したものが探査ロボッ トによって推定された傷の位置を表している.実験結 果から,本研究で提案した手法を用いることによって, 夏を発見し, 傷形状を再現することができたと言える.Chetkel Crack DetectCrack (Real Crack (DetectionalFUUU UNPortion on y exis5001502500Positive uns (a) Result for Straight Crack201502M)250MHOPersition inx.asis (b) Result for Curved CrackFig. 3Crack Detection Result3.結言原子力発電設備の保守点検を目的とし,ECT センサ を移動ロボットに搭載した傷探査ロボットシステムを 講築した.本システムで使用するアルゴリズムとして ECT センサの特性を考慮した傷探査のアルゴリズムを 是案した.そして, 2 つの異なる傷に対してその形状 を再現する実験を行い,本システムの正当性を示した.辞本論文で行った実験環境の構築に際して、ご協力い ただいた日立製作所電力・電機開発研究所の西水亮, 小池正浩,松井哲也氏に深甚の謝意を表する.参考文献1] Kojima F(2003) Inverse Problems related toElectromagnetic Non-destructive Evaluation, In: Smith R.C and Demetriou M.A(edu) Research Directions in Distributed Parameter Systems, SIAM Frontiers inApplied Mathematics, Vol. FP 27: 219-236, SIAM P] Kojima F, Takagi T, Matsui T(2003) InverseMethodology for Eddy Current Testing using Transmitter-Receiver Coil Probes, Review of Progress in Quantitative Non-destructive Evaluation, Vol. 23A: 643-650, American Institute of Physics 2003“ “渦電流探傷における移動探査ロボットの開発“ “小林 太,Futoshi KOBAYASHI,小島 史男,Fumio KOJIMA,中塚 恆,Hisashi NAKATSUKA
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