BMI 管台 J溶接部における検査技術の開発
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カテゴリ: 第3回
原子力プラントの高経年化により、原子炉容 器の健全性を維持する事が重要な問題となっている。 そんな中、インコネル 600 合金の CRDM (Control Rod Drive Mechanism: 制御棒駆動装置)管台および BMI (Bottom Mounted Instrumentation: 炉内計装筒)管台での 漏洩事象が国内外で報告されてきている。CRDM 管台は原子炉容器の上蓋にあるため、上蓋を耐腐食性の高いインコネル 690 合金に交換することで 対応可能であるが、BMI 管台は原子炉容器の下部にあ るため、交換や補修を行うのが難しい。そのため、PWR プラントではBMI管台の保全技術の開発は重要な課題 となっている。そこで我々は BMI 管台のインコネル 600 合金部であ るJ溶接部を検査する手法の開発に取り組んだ。本論 文では図1に示す VT (Visual Testing: 目視検査)、ECT
(Eddy Current Testing:渦電流検査)、AdF-UT 法 (Adaptive Focusing-UT: アダプティブ UT)と SAFT-UT 法(Synthetic Aperture Focusing Technique-UT:開口合成 処理)を含む UT(Ultrasonic Testing: 超音波検査)とい った新たな BMI 管台検査技術について紹介する。
SAFT-UT口IHID AdF-UTECTFig. 1 BMI of PWR and inspecting techniques2. VTと ECT による J 溶接部表面検査 ・ それぞれの検査技術の欠陥検出性と実機適用性を検 証するために EDM スリット、凝固割れ、人工 SCC (Stress Corrosion Cracks:応力腐食割れ)を付与した試験 片および BMI 管台モックアップを製作した。VT は高解像度防水カメラと照明機構を装備してお り、BMI 管台の周りを回転させて J溶接部を撮影し、 検査を行う。カメラの位置はJ溶接部の表面形状を撮 影するように自動的に制御され、溶接部の表面にカメ ラの焦点が合うように自動的に補正される。また、カ メラで撮影された映像はデジタルビデオテープに保存 される。200(a) 1 mil width wire (b) 0.2mm width EDM slitFig. 2 Captured image of VTTable 1 Specifications of EDM slits Defect position Depth 180°0.5 mmLength5.0mm13500.2mm5.0mm90°5.0mm0.8 mm 0.8 mm4505.0mm00.5mm5.0mm0.2mm5.0mm315° 270° 2250.5mm5.0mm0.8 mm5.0mm日本の標準規格である MVT-1 では 1mil 幅(1/1000 イ ンチ=25 ミクロン)のワイヤを明瞭に確認する事が要求 されている。1mil 幅のワイヤおよび 0.2mm 幅の EDM スリットを撮影した画像を図2に示す。本装置はどち らの場合においても明瞭に確認する事が可能であり、J 溶接部表面の欠陥を撮影する事ができる。ECTは2つの ECT プローブとJ溶接部の表面形状に ECT プローブが倣うような機構を持った自動スキャン 機構を備える。ECT プローブは直径 3mm のクロスコ イルで特殊な機構により、プローブとJ溶接部表面が 接触するような構造となっている。ECT スキャン装置 を図3に示す。ECT プローブの探傷範囲は管台側から J溶接部を探傷するチューブ探傷と容器側からJ溶接部 を探傷するボトム探傷の2つに分けられ、両探傷範囲Fig. 3 ECT scanning tool with two ECT probesIEDM SlitSUS304J-weld Alloy600Alloy600が重なるようにしてある。1つのプローブがチューブ 探傷を行い、もう1つのプローブがボトム探傷を行う。EDM スリットを付与した BMI 管台モックアップの ボトム探傷用 ECT プローブによるJ溶接部探傷結果を 図4に示す。EDM スリットの詳細は表1に示す。本装 置は 0.5mm 深さの EDM スリットを明瞭に検出する事 ができた。また、チューブ探傷はボトム探傷に比べて 表面の形状が容易なため、より浅い欠陥を検出する事 が可能である。凝固割れおよびSCCを付与した試験体は現在探傷中 であり、破壊試験後に報告する予定である。201ださ........““今““をテー門ますネイキッ 「ククリ! おれの方!!!!(a) Depth 0.2mm (No.6)(b) Depth 0.8mm (No.3)125TABETSTRETUTUBE islalansatani.alental.wwww(c) Depth 0.8mm (No.8)Fig. 4(d) Depth 0.5mm (No. 5) ECT C-scan data in the bottom region3. AdF-UT による J 溶接部表面近傍の探傷VT または ECT で欠陥を検出すると、欠陥の深さサ イジングを行う必要がある。通常、サイジングは UT により行うが BMI 管台J溶接部は複雑な表面形状をし ており UT プローブの倣い性が悪いため、通常の UT 手法やフェーズドアレイ UT を適用する事は難しい。 そこで新たなフェーズドアレイ UT 手法としてアダプ ティブ UT 法(AdF-UT 法)を開発した。 * AdF-UT 法の原理を図5に示す。AdF-UT 法ではフェ ーズドアレイプローブを用いて探傷を行う。始めにリ ニアスキャンにより表面の形状を計測する。そして表 面形状計測結果を基にしてフェーズドアレイの各素子 が適切に集束するように遅延時間を計算し、設定しな おして再度探傷を行う。このように 2 回探傷を行って 集束性を向上させる手法である。AdF-UT 法は効果的な欠陥検出性とサイジング能力 を示す。横穴が挿入された平板に対して AdF-UT 法を 適用した場合と適用していない場合の探傷結果を図6 に示す。AdF-UT 法を適用する事により横穴の超音波 集束性と解像度が向上していることが確認された。ま た、J溶接部に 3.6mm 深さの EDM スリットが付与さProbemanJamanmimeJ-weldPhased array UTUAdaptive phased array UTFig. 5 Schema of AdF-UT202Plate position: parallelAdF: Not appliedPlate position: slant AdF: Not appliedPlate position: slant AdF: Not appliedのをLow amplitude Low resolutionHigh amplitude High resolutionFig. 6Results of AdF-UT for slant plate with SDHsEvaluation depth2.8mmEvaluation depth4.0mmSweenstanastimessomententaneseeeeeeeesaminActual depth is 3.6 mm \AdF accurately detects tip echo than without AdF.Without AdFWith AdFFig. 7 Effectiveness of the AdF-UTTable 2 Mockup test resultsDetectability Defect Position DepthSizing of tip echoNo.Error110Butter | 2.0mmgood1.5mm 0.5mm90°Butter | 2.0mmgood3.0mm | 1.0mm90°Weld3.0mmfair2.3mm 0.7mm180°Butter | 2.0mmpoor180°Weld5.0 mmfair3.9mm | 1.1mm60°3.0 mmgood2.4 mm0.6mmれた BMI 管台モックアップの探傷結果を図7に示す。 AdF-UT 法を適用する事により効果的な欠陥深さのサ イジングが行えた。また、モックアップの探傷結果の まとめを表2に示す。付与位置によって検出できない 欠陥があるが全体的に高いサイジング能力を示している。&Synthesis ,TransducesPipeFocal point #x, y, z) Principle of SAFT-UTFig. 84. SAFT-UT によるJ溶接部内部の探傷BMI 管台内表面からの ECT や TOFD-UT (Time of Flight Diffraction-UT)は BMI管台を探傷するのに使われ ているがこれらの手法は管台内壁を探傷する手法でJ 溶接部を探傷することはできない。また、BMI 管台の 内径は9.5mm から 15.2mm と小さく、通常のフォーカ ス型 UT プローブやフェーズドアレイ UT プローブは 管内に挿入する事ができない。そこで我々はフェーズドアレイ UT と同等の超音波 集束性を持ち、BMI 管台内に挿入できる小さいサイズ203Fig. 9 Probe for SAFT-UT38.1BMI pipe SUS 600J-groove weld SUS 600201320J-groove weld45degree※5Fig. 10 BMI Mockup with SDHsSAFTC30Top 10) Channel 1: Default Focal Law Mann deおは?nFBH02mmFBH20-110,115,0.1290, 125>15-1043mmFBH-40' -60 -40 -ddo o oh| 21.48mX(a) Raw data(b) Processed image| SAFT-UT dataブで探傷することができる SAFT-UT を開発SAFT-Uのプローブで探傷することができる SAFT-UT を開発 した。SAFT-UT の原理を図8に示す。小さな UT プローブ で管内面を機械的にスキャンし、J溶接部中のデータを 取得する。そして、フォーカス点を設定し、それぞれ のデータにおいてフォーカス点までの距離から位相を 計算し、同位相で足し合わせる。それによりフォーカ ス点に超音波を集束させた場合と同等の効果を得る事 ができる。SAFT-UT 用プローブと BMI 管台のモックアップを 図9、図 10 にそれぞれ示す。また、図 10 に示すモッ クアップを探傷した生データと SAFT 処理後の結果を 図 11 に示す。SAFT 処理により直径 2、3、4mm の平 底穴を明瞭に確認する事ができる。また、探傷面(管内 面)から欠陥までの距離を簡単に測定する事ができる。- 204 -5参考文献[1] M. Higashi, T. Kimura, S. Kawanami, Y. Asada, and T.Shichida, “Development of inspection techniques for BMI J-welds,” 5th international conference on NDE in relation to structural integrity for nuclear and pressurized components, 2006. (in press)5.結言原子力プラントの高経年化により検査ニーズの高い BMI 管台J溶接部の検査装置を開発した。結果と評価 を以下にまとめる。 ・ BMI管台J溶接部の表面発生割れを検出するためにVTとECTによる検査技術を開発した。VTは MVT-1 で要求されている水中で 1mil 幅のワイヤを検出す る事が可能である。ECT は 0.5mm 深さの EDM スリットと凝固割れを検出する事が可能である。 ・J溶接部の外表面からの AdF-UT 法は VTやECT に よって検出された欠陥のサイジングを行うために 開発した。AdF-UT 法はJ溶接部の表面形状を認識 する事ができ、各素子の遅延時間の補正によりJ溶 接部内部に超音波ビームを集束させることができ る。 BMI 管台の内表面からの SAFT-UT 法はJ溶接部中 を探傷するために開発した。SAFT-UT 法はフォー カス型 UT と同等の検出性を示し、J溶接部中の直 径 2.0mm の平底穴を検出する事ができた。 MHI は BMI 管台 J 溶接部を探傷するために VT、 ECT、AdF-UT と SAFT-UT を含む新たな検査技術を 開発し、効果的な欠陥検出性を持つことを確認した。 本検査技術を現在、原子力プラントに適用する事を 検討している。- 205 - 参考文献“ “BMI 管台 J溶接部における検査技術の開発“ “木村 是,Tadashi KIMURA,東 正剛,Masayoshi HIGASHI,川浪 精一,Seiichi KAWANAMI,七田 知紀,Tomonori SHICHIDA,浅田 義浩,Yoshihiro ASADA
(Eddy Current Testing:渦電流検査)、AdF-UT 法 (Adaptive Focusing-UT: アダプティブ UT)と SAFT-UT 法(Synthetic Aperture Focusing Technique-UT:開口合成 処理)を含む UT(Ultrasonic Testing: 超音波検査)とい った新たな BMI 管台検査技術について紹介する。
SAFT-UT口IHID AdF-UTECTFig. 1 BMI of PWR and inspecting techniques2. VTと ECT による J 溶接部表面検査 ・ それぞれの検査技術の欠陥検出性と実機適用性を検 証するために EDM スリット、凝固割れ、人工 SCC (Stress Corrosion Cracks:応力腐食割れ)を付与した試験 片および BMI 管台モックアップを製作した。VT は高解像度防水カメラと照明機構を装備してお り、BMI 管台の周りを回転させて J溶接部を撮影し、 検査を行う。カメラの位置はJ溶接部の表面形状を撮 影するように自動的に制御され、溶接部の表面にカメ ラの焦点が合うように自動的に補正される。また、カ メラで撮影された映像はデジタルビデオテープに保存 される。200(a) 1 mil width wire (b) 0.2mm width EDM slitFig. 2 Captured image of VTTable 1 Specifications of EDM slits Defect position Depth 180°0.5 mmLength5.0mm13500.2mm5.0mm90°5.0mm0.8 mm 0.8 mm4505.0mm00.5mm5.0mm0.2mm5.0mm315° 270° 2250.5mm5.0mm0.8 mm5.0mm日本の標準規格である MVT-1 では 1mil 幅(1/1000 イ ンチ=25 ミクロン)のワイヤを明瞭に確認する事が要求 されている。1mil 幅のワイヤおよび 0.2mm 幅の EDM スリットを撮影した画像を図2に示す。本装置はどち らの場合においても明瞭に確認する事が可能であり、J 溶接部表面の欠陥を撮影する事ができる。ECTは2つの ECT プローブとJ溶接部の表面形状に ECT プローブが倣うような機構を持った自動スキャン 機構を備える。ECT プローブは直径 3mm のクロスコ イルで特殊な機構により、プローブとJ溶接部表面が 接触するような構造となっている。ECT スキャン装置 を図3に示す。ECT プローブの探傷範囲は管台側から J溶接部を探傷するチューブ探傷と容器側からJ溶接部 を探傷するボトム探傷の2つに分けられ、両探傷範囲Fig. 3 ECT scanning tool with two ECT probesIEDM SlitSUS304J-weld Alloy600Alloy600が重なるようにしてある。1つのプローブがチューブ 探傷を行い、もう1つのプローブがボトム探傷を行う。EDM スリットを付与した BMI 管台モックアップの ボトム探傷用 ECT プローブによるJ溶接部探傷結果を 図4に示す。EDM スリットの詳細は表1に示す。本装 置は 0.5mm 深さの EDM スリットを明瞭に検出する事 ができた。また、チューブ探傷はボトム探傷に比べて 表面の形状が容易なため、より浅い欠陥を検出する事 が可能である。凝固割れおよびSCCを付与した試験体は現在探傷中 であり、破壊試験後に報告する予定である。201ださ........““今““をテー門ますネイキッ 「ククリ! おれの方!!!!(a) Depth 0.2mm (No.6)(b) Depth 0.8mm (No.3)125TABETSTRETUTUBE islalansatani.alental.wwww(c) Depth 0.8mm (No.8)Fig. 4(d) Depth 0.5mm (No. 5) ECT C-scan data in the bottom region3. AdF-UT による J 溶接部表面近傍の探傷VT または ECT で欠陥を検出すると、欠陥の深さサ イジングを行う必要がある。通常、サイジングは UT により行うが BMI 管台J溶接部は複雑な表面形状をし ており UT プローブの倣い性が悪いため、通常の UT 手法やフェーズドアレイ UT を適用する事は難しい。 そこで新たなフェーズドアレイ UT 手法としてアダプ ティブ UT 法(AdF-UT 法)を開発した。 * AdF-UT 法の原理を図5に示す。AdF-UT 法ではフェ ーズドアレイプローブを用いて探傷を行う。始めにリ ニアスキャンにより表面の形状を計測する。そして表 面形状計測結果を基にしてフェーズドアレイの各素子 が適切に集束するように遅延時間を計算し、設定しな おして再度探傷を行う。このように 2 回探傷を行って 集束性を向上させる手法である。AdF-UT 法は効果的な欠陥検出性とサイジング能力 を示す。横穴が挿入された平板に対して AdF-UT 法を 適用した場合と適用していない場合の探傷結果を図6 に示す。AdF-UT 法を適用する事により横穴の超音波 集束性と解像度が向上していることが確認された。ま た、J溶接部に 3.6mm 深さの EDM スリットが付与さProbemanJamanmimeJ-weldPhased array UTUAdaptive phased array UTFig. 5 Schema of AdF-UT202Plate position: parallelAdF: Not appliedPlate position: slant AdF: Not appliedPlate position: slant AdF: Not appliedのをLow amplitude Low resolutionHigh amplitude High resolutionFig. 6Results of AdF-UT for slant plate with SDHsEvaluation depth2.8mmEvaluation depth4.0mmSweenstanastimessomententaneseeeeeeeesaminActual depth is 3.6 mm \AdF accurately detects tip echo than without AdF.Without AdFWith AdFFig. 7 Effectiveness of the AdF-UTTable 2 Mockup test resultsDetectability Defect Position DepthSizing of tip echoNo.Error110Butter | 2.0mmgood1.5mm 0.5mm90°Butter | 2.0mmgood3.0mm | 1.0mm90°Weld3.0mmfair2.3mm 0.7mm180°Butter | 2.0mmpoor180°Weld5.0 mmfair3.9mm | 1.1mm60°3.0 mmgood2.4 mm0.6mmれた BMI 管台モックアップの探傷結果を図7に示す。 AdF-UT 法を適用する事により効果的な欠陥深さのサ イジングが行えた。また、モックアップの探傷結果の まとめを表2に示す。付与位置によって検出できない 欠陥があるが全体的に高いサイジング能力を示している。&Synthesis ,TransducesPipeFocal point #x, y, z) Principle of SAFT-UTFig. 84. SAFT-UT によるJ溶接部内部の探傷BMI 管台内表面からの ECT や TOFD-UT (Time of Flight Diffraction-UT)は BMI管台を探傷するのに使われ ているがこれらの手法は管台内壁を探傷する手法でJ 溶接部を探傷することはできない。また、BMI 管台の 内径は9.5mm から 15.2mm と小さく、通常のフォーカ ス型 UT プローブやフェーズドアレイ UT プローブは 管内に挿入する事ができない。そこで我々はフェーズドアレイ UT と同等の超音波 集束性を持ち、BMI 管台内に挿入できる小さいサイズ203Fig. 9 Probe for SAFT-UT38.1BMI pipe SUS 600J-groove weld SUS 600201320J-groove weld45degree※5Fig. 10 BMI Mockup with SDHsSAFTC30Top 10) Channel 1: Default Focal Law Mann deおは?nFBH02mmFBH20-110,115,0.1290, 125>15-1043mmFBH-40' -60 -40 -ddo o oh| 21.48mX(a) Raw data(b) Processed image| SAFT-UT dataブで探傷することができる SAFT-UT を開発SAFT-Uのプローブで探傷することができる SAFT-UT を開発 した。SAFT-UT の原理を図8に示す。小さな UT プローブ で管内面を機械的にスキャンし、J溶接部中のデータを 取得する。そして、フォーカス点を設定し、それぞれ のデータにおいてフォーカス点までの距離から位相を 計算し、同位相で足し合わせる。それによりフォーカ ス点に超音波を集束させた場合と同等の効果を得る事 ができる。SAFT-UT 用プローブと BMI 管台のモックアップを 図9、図 10 にそれぞれ示す。また、図 10 に示すモッ クアップを探傷した生データと SAFT 処理後の結果を 図 11 に示す。SAFT 処理により直径 2、3、4mm の平 底穴を明瞭に確認する事ができる。また、探傷面(管内 面)から欠陥までの距離を簡単に測定する事ができる。- 204 -5参考文献[1] M. Higashi, T. Kimura, S. Kawanami, Y. Asada, and T.Shichida, “Development of inspection techniques for BMI J-welds,” 5th international conference on NDE in relation to structural integrity for nuclear and pressurized components, 2006. (in press)5.結言原子力プラントの高経年化により検査ニーズの高い BMI 管台J溶接部の検査装置を開発した。結果と評価 を以下にまとめる。 ・ BMI管台J溶接部の表面発生割れを検出するためにVTとECTによる検査技術を開発した。VTは MVT-1 で要求されている水中で 1mil 幅のワイヤを検出す る事が可能である。ECT は 0.5mm 深さの EDM スリットと凝固割れを検出する事が可能である。 ・J溶接部の外表面からの AdF-UT 法は VTやECT に よって検出された欠陥のサイジングを行うために 開発した。AdF-UT 法はJ溶接部の表面形状を認識 する事ができ、各素子の遅延時間の補正によりJ溶 接部内部に超音波ビームを集束させることができ る。 BMI 管台の内表面からの SAFT-UT 法はJ溶接部中 を探傷するために開発した。SAFT-UT 法はフォー カス型 UT と同等の検出性を示し、J溶接部中の直 径 2.0mm の平底穴を検出する事ができた。 MHI は BMI 管台 J 溶接部を探傷するために VT、 ECT、AdF-UT と SAFT-UT を含む新たな検査技術を 開発し、効果的な欠陥検出性を持つことを確認した。 本検査技術を現在、原子力プラントに適用する事を 検討している。- 205 - 参考文献“ “BMI 管台 J溶接部における検査技術の開発“ “木村 是,Tadashi KIMURA,東 正剛,Masayoshi HIGASHI,川浪 精一,Seiichi KAWANAMI,七田 知紀,Tomonori SHICHIDA,浅田 義浩,Yoshihiro ASADA