8.16 宮城地震における女川原子力発電所1号機の設備診断調査状況について
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カテゴリ: 第3回
1. 緒言
女川原子力発電所は、平成 17 年8月16日に発生し た宮城県沖の地震により、1号機、2号機および3号機 が自動停止した。 ・ 当社はこれまで、国からの指示および関係自治体か らの要請を踏まえた耐震安全性の詳細評価を行ってき ており、これまで2号機および3号機が発電再開している。残る1号機については、運転開始から約 22 年を 経過していることから設備の経年化の影響についても 合わせて評価を行ってきている。 - 本報告は、地震発生からこれまでの当社の耐震安全 性評価に関わる実施状況 (主に1号機の設備診断調査) について紹介するものである。
2. 地震の状況および国からの指示等
宮城県沖の地震は、平成 17 年8月16日午前 11 時 46分頃に発生した。この地震の概要を表1に示す。 - これに伴い女川原子力発電所1号機、2号機および3 号機は、「地震加速度大」信号により自動停止したが、 保安規定に基づき各設備の巡視点検および設備の安全 機能確認を実施した結果、安全上問題となる被害は無 かった。一方、岩盤上で観測された今回の地震データ から上部地盤の影響を取り除いたデータを解析したと連絡先:秋葉真司、〒980-8550 仙台市青葉区本町一丁目 7-1、東北電力(株)原子力部、電話:022-799-6143、 e-mail:w000241 @tohoku-epco.co.jpころ、一部の周期において基準地震動 S2 を超えている 部分が見られた。これらの状況を受け、国より“今回の地震による各 号機の安全上重要な設備の耐震安全性の詳細評価”と ともに、“今回の地震で周期によっては、基準地震動を 超えることになった要因の分析・評価”を行うよう指 示を受けたほか、関係自治体より“将来予測される「宮 城県沖地震」について十分な検証を行い、耐震安全性 を確保すること”および“1 号機の耐震安全性につい て、詳細評価にあたっては、経年化の影響についても 十分配慮して評価を行うこと”との要請を受けた。当社はこれらの状況を踏まえて、各号機の詳細評価 を実施した。表 1 今回の地震の概要 | 発生日時 「平成 17年8月16日 11 時 46分頃 | 震央地名宮城県沖 地震諸元規模:マグニチュード7.2 (気象庁暫定値)「震央位置:北緯 38 度 9.0 分東経 142 度 16.7分| 震源深さ:42km 発電所との距離 震央距離 73km震源距離84km 各地の震度 震度6弱(宮城県川崎町)震度5強 (宮城県石巻市、仙台市等) 震度5弱(宮城県女川町)3.2号機および3号機の評価1 2 号機に関する評価結果については、平成 17 年 11 月 25 日に国および関係自治体に対し以下の内容で報 告を行った。その後平成 17 年 12 月に国および関係自 治体の了解を得て、翌月には発電再開している。今回の地震による 2 号機の安全上重要な設備の耐震安全性が維持されていることを確認した。 2 周期によっては基準地震動の応答スペクトルを超えることとなった要因について分析・評価を 行ったところ、今回の地震では、短周期成分の 卓越が顕著である傾向が認められ、これは宮城 県沖近海のプレート境界に発生する地震の地域 的な特性によるものと考えられるとの結論を得 た。 この結果を踏まえ、近い将来高い確率で発生が 予想される想定宮城県沖地震に対する地震動※1 と、さらに、限界的なプレート境界地震および 最大規模のスラブ内地震を踏まえた地震動(安 全確認地震動) ※2 を策定し、これらの地震動に よる2号機の安全上重要な設備(建屋および機 器)の耐震安全性の評価を実施した。 今回の地震および想定宮城県沖地震の地震動な らびに安全確認地震動に対する2号機の安全上 重要な設備の評価を行った結果、耐震安全性が 十分確保されることを確認した。※1:近い将来高い確率で発生が予想されている宮城県沖地震(地震調査研究推進本部が策定:M7.6 相当)をもとに今回解析で判明した宮城県沖近海プレート境界地震の特徴を加え策定した。 ※2:以下の地震を考慮した地震動を策定した。 * o 宮城県沖に発生する限界的なプレート境界地震(M8.2相当) 0 発電所下方のスラブ内地震(M7.2)また3号機についても2号機同様に、今回の地震お よび想定宮城県沖地震の地震動ならびに安全確認地震 動に対する3号機の安全上重要な設備の耐震安全性が 十分確保されることを確認し、平成 18年1月 20 日に 国および関係自治体に対し報告を行った。その後3月 には国および関係自治体の了解を得て発電再開してい る。 4.4.1号機の評価」 4.1 耐震安全性評価 11号機についても、2 号機および3号機と同様の評価 を実施し、今回の地震および想定宮城県沖地震の地震 動ならびに安全確認地震動に対する 1 号機の安全上重 要な設備の耐震安全性が十分確保されることを確認し た。その結果を 4. 2 で述べる経年化影響評価と合わせ て、平成18年5月 19 日に国および関係自治体に対し 報告を行った。4.2 経年化影響評価 - 女川原子力発電所では、これまでも定期的な点検・ 検査等において、ひびの有無の確認、配管肉厚測定等 を実施しており、適切な保全活動を展開してきたが、 関係自治体からの要請も踏まえ、念のため1号機の安 全上重要な設備について、経年化による影響評価を行」 った。 1 経年化の影響評価としては, 運転開始後約 22 年を経 過したことにより耐震安全上の影響がないかという観 点から追加的に現場で以下のような設備診断調査を実 施するとともに、点検結果等から耐震安全性評価上の 影響が考えられる事象について解析評価を実施した。1 配管の超音波探傷検査(図1)超音波が割れ(欠陥)にあたって反射する性質を 利用して、配管に割れなどがないことを確認した。なお、定期検査時に検査対象外としている代表配 管の溶接部に対し超音波探傷検査を追加して実施し た。図1 配管の超音波探傷検査状況配管の厚さを2 配管等の肉厚測定(図2)超音波の反射する性質を利用して、配管の厚さを * 確認し、健全性を確認した。なお、定期検査時に検査対象外としている配管の- 278 -厚さ測定を追加して実施した。機器の脚、基礎ボルトの変形・腐食・ナットの緩 み、基礎台の耐震上有害なひび割れ等の有無につい て目視およびテストハンマーによる打診点検を実施 し、健全であることを確認した。 7 配管支持構造物の目視・打診点検配管支持構造物の変形、腐食、取り付け部のコン クリートの耐震上有害なひび割れ等の有無について 目視およびテストハンマーによる打診点検を実施し、 健全であることを確認した。図2 配管の肉厚測定状況3 機器脚付根部の厚み測定(図3) 機器脚付根部の厚み測定(図3) 地震による力は脚をとおして機器に伝わることか ら、定期検査時に検査対象外としている機器脚付根 部の厚さ測定を追加して実施し、健全性を確認した。 ■機器脚付根部の厚み測定(図3) ・ 地震による力は脚をとおして機器に伝わることか ら、定期検査時に検査対象外としている機器脚付根 部の厚さ測定を追加して実施し、健全性を確認した。5 5.結言平成17年8月 16 日に発生した宮城県沖の地震によ り、女川原子力発電所1号機、2 号機および 3 号機が図3 機器脚付根部の肉厚測定状況厚さ測定を追加して実施した。機器の脚、基礎ボルトの変形・腐食・ナットの緩 み、基礎台の耐震上有害なひび割れ等の有無につい て目視およびテストハンマーによる打診点検を実施 し、健全であることを確認した。 7 配管支持構造物の目視・打診点検配管支持構造物の変形、腐食、取り付け部のコン クリートの耐震上有害なひび割れ等の有無について 目視およびテストハンマーによる打診点検を実施し、 健全であることを確認した。図2 配管の肉厚測定状況あいち3 機器脚付根部の厚み測定(図 3)5.結言 地震による力は脚をとおして機器に伝わることか ら、定期検査時に検査対象外としている機器脚付根 1 平成17年8月16日に発生した宮城県沖の地震によ 部の厚さ測定を追加して実施し、健全性を確認した。 り、女川原子力発電所1号機、2号機および 3号機が自動停止した事象を受け、当社はこれまで、国からの 指示および関係自治体からの要請を踏まえた耐震安全 性の詳細評価を行ってきた。その結果、今回の地震および想定宮城県沖地震の地 震動ならびに安全確認地震動に対する各号機の安全上 重要な設備の耐震安全性が十分確保されることを確認したほか、1 号機については、設備の経年化の影響に 図3 機器脚付根部の肉厚測定状況ついても合わせて評価を実施し、特に問題のないことを確認した。 2 建屋コンクリートの強度評価(図4)反発度法(コンクリートの表面をハンマーで打診 し、おもりの跳ね返る強さによってコンクリートの 強度を測定)およびコンクリート試験体による圧縮 強度試験を実施した結果、コンクリートの強度低下 がなく、健全であることを確認した。図4 コンクリート強度測定状況5 基礎ボルトの引張試験 12設計荷重までの引張試験を実施し、強度を有して ・ いることを確認した。 6 基礎ボルト等の目視・打診点検- 279 -5 基礎ボルトの引張試験設計荷重までの引張試験を実施し、強度を有して いることを確認した。 6 基礎ボルト等の目視・打診点検- 279 - 基礎台の耐震上有害なひび割れ等の有無につい し、健全であることを確認した。 配管支持構造物の目視・打診点検 配管支持構造物の変形、腐食、取り付け部のコン」 ・リートの耐震上有害なひび割れ等の有無について 目視およびテストハンマーによる打診点検を実施し り、女川原子力発電所1号機、2号機および 3号機が 自動停止した事象を受け、当社はこれまで、国からの 指示および関係自治体からの要請を踏まえた耐震安全 性の詳細評価を行ってきた。その結果、今回の地震および想定宮城県沖地震の地 震動ならびに安全確認地震動に対する各号機の安全上 重要な設備の耐震安全性が十分確保されることを確認 したほか、1 号機については、設備の経年化の影響に ついても合わせて評価を実施し、特に問題のないこと“ “8.16 宮城地震における女川原子力発電所1号機の設備診断調査状況について“ “平川 知司,Tomoshi HIRAKAWA,秋葉 真司,Shinji AKIBA,鴇田 真孝,Masataka TOKITA
女川原子力発電所は、平成 17 年8月16日に発生し た宮城県沖の地震により、1号機、2号機および3号機 が自動停止した。 ・ 当社はこれまで、国からの指示および関係自治体か らの要請を踏まえた耐震安全性の詳細評価を行ってき ており、これまで2号機および3号機が発電再開している。残る1号機については、運転開始から約 22 年を 経過していることから設備の経年化の影響についても 合わせて評価を行ってきている。 - 本報告は、地震発生からこれまでの当社の耐震安全 性評価に関わる実施状況 (主に1号機の設備診断調査) について紹介するものである。
2. 地震の状況および国からの指示等
宮城県沖の地震は、平成 17 年8月16日午前 11 時 46分頃に発生した。この地震の概要を表1に示す。 - これに伴い女川原子力発電所1号機、2号機および3 号機は、「地震加速度大」信号により自動停止したが、 保安規定に基づき各設備の巡視点検および設備の安全 機能確認を実施した結果、安全上問題となる被害は無 かった。一方、岩盤上で観測された今回の地震データ から上部地盤の影響を取り除いたデータを解析したと連絡先:秋葉真司、〒980-8550 仙台市青葉区本町一丁目 7-1、東北電力(株)原子力部、電話:022-799-6143、 e-mail:w000241 @tohoku-epco.co.jpころ、一部の周期において基準地震動 S2 を超えている 部分が見られた。これらの状況を受け、国より“今回の地震による各 号機の安全上重要な設備の耐震安全性の詳細評価”と ともに、“今回の地震で周期によっては、基準地震動を 超えることになった要因の分析・評価”を行うよう指 示を受けたほか、関係自治体より“将来予測される「宮 城県沖地震」について十分な検証を行い、耐震安全性 を確保すること”および“1 号機の耐震安全性につい て、詳細評価にあたっては、経年化の影響についても 十分配慮して評価を行うこと”との要請を受けた。当社はこれらの状況を踏まえて、各号機の詳細評価 を実施した。表 1 今回の地震の概要 | 発生日時 「平成 17年8月16日 11 時 46分頃 | 震央地名宮城県沖 地震諸元規模:マグニチュード7.2 (気象庁暫定値)「震央位置:北緯 38 度 9.0 分東経 142 度 16.7分| 震源深さ:42km 発電所との距離 震央距離 73km震源距離84km 各地の震度 震度6弱(宮城県川崎町)震度5強 (宮城県石巻市、仙台市等) 震度5弱(宮城県女川町)3.2号機および3号機の評価1 2 号機に関する評価結果については、平成 17 年 11 月 25 日に国および関係自治体に対し以下の内容で報 告を行った。その後平成 17 年 12 月に国および関係自 治体の了解を得て、翌月には発電再開している。今回の地震による 2 号機の安全上重要な設備の耐震安全性が維持されていることを確認した。 2 周期によっては基準地震動の応答スペクトルを超えることとなった要因について分析・評価を 行ったところ、今回の地震では、短周期成分の 卓越が顕著である傾向が認められ、これは宮城 県沖近海のプレート境界に発生する地震の地域 的な特性によるものと考えられるとの結論を得 た。 この結果を踏まえ、近い将来高い確率で発生が 予想される想定宮城県沖地震に対する地震動※1 と、さらに、限界的なプレート境界地震および 最大規模のスラブ内地震を踏まえた地震動(安 全確認地震動) ※2 を策定し、これらの地震動に よる2号機の安全上重要な設備(建屋および機 器)の耐震安全性の評価を実施した。 今回の地震および想定宮城県沖地震の地震動な らびに安全確認地震動に対する2号機の安全上 重要な設備の評価を行った結果、耐震安全性が 十分確保されることを確認した。※1:近い将来高い確率で発生が予想されている宮城県沖地震(地震調査研究推進本部が策定:M7.6 相当)をもとに今回解析で判明した宮城県沖近海プレート境界地震の特徴を加え策定した。 ※2:以下の地震を考慮した地震動を策定した。 * o 宮城県沖に発生する限界的なプレート境界地震(M8.2相当) 0 発電所下方のスラブ内地震(M7.2)また3号機についても2号機同様に、今回の地震お よび想定宮城県沖地震の地震動ならびに安全確認地震 動に対する3号機の安全上重要な設備の耐震安全性が 十分確保されることを確認し、平成 18年1月 20 日に 国および関係自治体に対し報告を行った。その後3月 には国および関係自治体の了解を得て発電再開してい る。 4.4.1号機の評価」 4.1 耐震安全性評価 11号機についても、2 号機および3号機と同様の評価 を実施し、今回の地震および想定宮城県沖地震の地震 動ならびに安全確認地震動に対する 1 号機の安全上重 要な設備の耐震安全性が十分確保されることを確認し た。その結果を 4. 2 で述べる経年化影響評価と合わせ て、平成18年5月 19 日に国および関係自治体に対し 報告を行った。4.2 経年化影響評価 - 女川原子力発電所では、これまでも定期的な点検・ 検査等において、ひびの有無の確認、配管肉厚測定等 を実施しており、適切な保全活動を展開してきたが、 関係自治体からの要請も踏まえ、念のため1号機の安 全上重要な設備について、経年化による影響評価を行」 った。 1 経年化の影響評価としては, 運転開始後約 22 年を経 過したことにより耐震安全上の影響がないかという観 点から追加的に現場で以下のような設備診断調査を実 施するとともに、点検結果等から耐震安全性評価上の 影響が考えられる事象について解析評価を実施した。1 配管の超音波探傷検査(図1)超音波が割れ(欠陥)にあたって反射する性質を 利用して、配管に割れなどがないことを確認した。なお、定期検査時に検査対象外としている代表配 管の溶接部に対し超音波探傷検査を追加して実施し た。図1 配管の超音波探傷検査状況配管の厚さを2 配管等の肉厚測定(図2)超音波の反射する性質を利用して、配管の厚さを * 確認し、健全性を確認した。なお、定期検査時に検査対象外としている配管の- 278 -厚さ測定を追加して実施した。機器の脚、基礎ボルトの変形・腐食・ナットの緩 み、基礎台の耐震上有害なひび割れ等の有無につい て目視およびテストハンマーによる打診点検を実施 し、健全であることを確認した。 7 配管支持構造物の目視・打診点検配管支持構造物の変形、腐食、取り付け部のコン クリートの耐震上有害なひび割れ等の有無について 目視およびテストハンマーによる打診点検を実施し、 健全であることを確認した。図2 配管の肉厚測定状況3 機器脚付根部の厚み測定(図3) 機器脚付根部の厚み測定(図3) 地震による力は脚をとおして機器に伝わることか ら、定期検査時に検査対象外としている機器脚付根 部の厚さ測定を追加して実施し、健全性を確認した。 ■機器脚付根部の厚み測定(図3) ・ 地震による力は脚をとおして機器に伝わることか ら、定期検査時に検査対象外としている機器脚付根 部の厚さ測定を追加して実施し、健全性を確認した。5 5.結言平成17年8月 16 日に発生した宮城県沖の地震によ り、女川原子力発電所1号機、2 号機および 3 号機が図3 機器脚付根部の肉厚測定状況厚さ測定を追加して実施した。機器の脚、基礎ボルトの変形・腐食・ナットの緩 み、基礎台の耐震上有害なひび割れ等の有無につい て目視およびテストハンマーによる打診点検を実施 し、健全であることを確認した。 7 配管支持構造物の目視・打診点検配管支持構造物の変形、腐食、取り付け部のコン クリートの耐震上有害なひび割れ等の有無について 目視およびテストハンマーによる打診点検を実施し、 健全であることを確認した。図2 配管の肉厚測定状況あいち3 機器脚付根部の厚み測定(図 3)5.結言 地震による力は脚をとおして機器に伝わることか ら、定期検査時に検査対象外としている機器脚付根 1 平成17年8月16日に発生した宮城県沖の地震によ 部の厚さ測定を追加して実施し、健全性を確認した。 り、女川原子力発電所1号機、2号機および 3号機が自動停止した事象を受け、当社はこれまで、国からの 指示および関係自治体からの要請を踏まえた耐震安全 性の詳細評価を行ってきた。その結果、今回の地震および想定宮城県沖地震の地 震動ならびに安全確認地震動に対する各号機の安全上 重要な設備の耐震安全性が十分確保されることを確認したほか、1 号機については、設備の経年化の影響に 図3 機器脚付根部の肉厚測定状況ついても合わせて評価を実施し、特に問題のないことを確認した。 2 建屋コンクリートの強度評価(図4)反発度法(コンクリートの表面をハンマーで打診 し、おもりの跳ね返る強さによってコンクリートの 強度を測定)およびコンクリート試験体による圧縮 強度試験を実施した結果、コンクリートの強度低下 がなく、健全であることを確認した。図4 コンクリート強度測定状況5 基礎ボルトの引張試験 12設計荷重までの引張試験を実施し、強度を有して ・ いることを確認した。 6 基礎ボルト等の目視・打診点検- 279 -5 基礎ボルトの引張試験設計荷重までの引張試験を実施し、強度を有して いることを確認した。 6 基礎ボルト等の目視・打診点検- 279 - 基礎台の耐震上有害なひび割れ等の有無につい し、健全であることを確認した。 配管支持構造物の目視・打診点検 配管支持構造物の変形、腐食、取り付け部のコン」 ・リートの耐震上有害なひび割れ等の有無について 目視およびテストハンマーによる打診点検を実施し り、女川原子力発電所1号機、2号機および 3号機が 自動停止した事象を受け、当社はこれまで、国からの 指示および関係自治体からの要請を踏まえた耐震安全 性の詳細評価を行ってきた。その結果、今回の地震および想定宮城県沖地震の地 震動ならびに安全確認地震動に対する各号機の安全上 重要な設備の耐震安全性が十分確保されることを確認 したほか、1 号機については、設備の経年化の影響に ついても合わせて評価を実施し、特に問題のないこと“ “8.16 宮城地震における女川原子力発電所1号機の設備診断調査状況について“ “平川 知司,Tomoshi HIRAKAWA,秋葉 真司,Shinji AKIBA,鴇田 真孝,Masataka TOKITA