福井県の特徴を踏まえた高経年化研究計画について
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カテゴリ: 第3回
1.緒言
原子力発電所の高経年化対策の充実を図るため に、原子力学会の高経年化に関するロードマップ1) に沿って、調査研究を、長期運転プラントや研究機 関等が集積化する福井県下で実施した。(図1参照)高経年化対応ロードマップ| 葛餐年化調養?究会 ・先德經葬管理技術適用任評衙 ・高経年化軽水炉データの分析評論 ・保全管理手法等の実機での検証卒業化技術情報データベース の技術情基盤基準化データの分析評価 おかげん劣化材にする研究 V・あげんコンクリート性状技情報ネットワークの基本指針の策定規格基準類の制度 仕絶み)の整高経年化研究課影有限会管理技術盤の整備 ・ソフトを含む保全管理携格率化の推進人材の確保・育成(2件) 保全高度化の 椎造(4件)先進的経年管理技術の確 ・先進的検査・モニタリング技術 ・動的機器の状態監視技術モニタリング技術」1 経年変化特技技術騎発の 推進(16件)予防全・特格・教え技?生?化酵橋技術 ・NISCCに調する機的統究出典:原学会、ロードマップ作成特別専門委料会報告(H17.13)図1 高経年化ロードマップと本研究との関連
2.研究内容及び成果(1) 高経年化安全性向上適用技術調査 1.実機高経年化材料及び構造物の劣化診断本研究は、「ふげん」は約 25 年間運転に供して きた原子力プラントシステム全体を対象として、 保全管理技術の有効性の確認や経年劣化事象の 技術評価をすることにより、高経年化対策技術資 料集2)、3)の充実を図ることを目的とする。本年は、ロードマップにおける位置付けを明確 にし、ふげんでの運転・使用状況から推定される「実用発電所用原子炉施設における高経年化対 策に充実について」の報告書4) に従って、経年劣 化事象を抽出評価することにより、軽水炉の高経 年化対策に有効に活用されることを確認した。結 果は以下の通り。(図2参照) a意義が確認された課題・ 応力腐食割れ、・ ・ケーブルの絶縁低下、・配管減肉 b_可能性があるのでさらに調査を進める課題・熱時効、・疲労 c可能性が小さいので対象にしない課題・中性子照射脆化 また、潜在劣化事象の可能性を考慮したサンプ リング計画にも配慮が必要と考える。S6316NGのSCC(1)1実機高経年化材料及び機造物の劣化診断ふげん実機材で確認できる試験項目 原子力容藤の中性子、 射熱化|応力装割れ| 110500) 「圧力管(2250下部ヘッダー. カランドリア管(Zay-2) カランドリアタンク(SUS |入り歳入の有性ASCC対策の育種1304)伊織「ケーブルの下 放射化ケーブル 高温化ケーブル10カラー18歳の)「(サイクル 入口本ポンプ[下京ング下る 多落第能など民館(エローション/コロ 巻ポンプタービン蒸気・永「・線による新し(確認口、可能性有 口、可能性小日> 図2 ふげん実機材5)で確認できる試験項目 2 先進的検査・モニタリング技術調査本研究は、「高速増殖炉」で用いられている検 査・モニタリング技術(高温非接触探傷、モニタ283リング、遠隔操作等)の軽水炉への適用性検討を 行なうことにより、軽水炉の検査・モニタリング 技術の高度化を実証するとともに新技術適用の ためのスキーム構築に資することを目的として、 軽水炉や他産業技術を調査し、軽水炉の高経年化 対策に資する運転中モニタリング手法の検討を 行なった。その結果、き裂進展モニタリングと減肉モニタ リングについては、具体的に調査した技術を用い て適用性を確認することができた。今後、事象者 が適用する検査モニタリング技術に対して、妥当 性を判断するのに必要なデータを得るための実 証試験が必要と認められれば、技術実証事業を展 開する。3 動的機器の状態監視技術調査 - 動的機器については、高経年化技術評価の実施 は不要とされており、原子力プラントにおいては、 定期点検で、その健全性を確認している。しかし ながら、運転中に動的機器の状態を監視し、劣化 の予測を行えば、動的機器のより高い信頼性を確 保することができる。そこで、高経年プラントの信頼性向上に資する ため、動的機器の状態監視手法や劣化予測手法に ついての調査を行い、動的機器の状態監視技術の 有用性を検討した。 - 動的機器として、ポンプ、弁、スナッバを対象 に調査を実施した。その結果、ポンプ、弁につい てはこれまでに検証試験が実施されているまた は実用化されている有用な手法がある。スナッバ については、これまでに技術開発が行われた事例 は無かった。今後は動的機器の状態監視技術につ いては、保全技術として、さらなる評価技術の開 発及び体系化が必要である。(2) ニッケル基合金溶接部の SCC 亀裂進展に関する 機構論的研究本研究の目的は材料間で異なる PWSCC き裂進展 挙動、特に母材と溶接部の差異を機構論的に明ら かにし、NiSCC 研究で求められたき裂進展速度デ ータの妥当性を、科学的、合理的に担保すること を目的としているが、本年度はその第一段階とし て 600 合金系材料の材料因子の詳細分析を行い、PWSCC き裂進展挙動に影響を与える材料因子を抽 出・整理した。なお本年度分析を行った材料は以 下の600 合金系材料7種類である。1 蓋用管台 MA600 新材、 2 蓋用管台 MA600 旧材、 3 炉内計装筒 MA600 新材、 4 炉内計装筒 MA600 旧材、 5 空気抜管 TT600、 6 132 合金、1 82 合金 調査の結果から、現状で母材と溶接材での差異 が大きく、き裂進展挙動と相関性があると考えら れる材料因子は、ナノインデンテーション硬さ、 ランダム粒界比率、粒界炭化物種の3因子が上げ られる。なおこれらの因子とき裂進展速度の相関 性の定量的評価については今後さらに検討する 必要があり、特に粒界炭化物種の差異については、 他の材料特性との関係を検討することによって 間接的に定量的評価を試みる等の検討が必要である。まとめ(母材と溶接金属の違い)-132合金]2合金10番用費台MA600▲用管台MA600 01E-08日1ヶ付内計数等MA600新材 ■内計等MA6001B0.000000001き裂進展速度の速い溶接金 属はランダム粒界比率が高 い。間16-10 ... -き裂進展速度da/dat(m/s) き裂進展速度da/dt(m/s)31E-11 - 100.20. 40.608 ランダム粒界比率き裂進展速度と粒界近傍の 硬さの間には相関が示唆さ れる。年1E-0015-10--ドライン母材と溶接金属では炭化物 の種類が異なる。150400450 '500 11,550粒界からの距離2mまでの ナノインデンテーション硬さ平均値(-)図3 Ni基合金 SCC の研究のまとめ (3) 品質保証等のソフト面を含む保全管理に係る技 術基盤の整備に関する研究 本研究については、先ず国内の原子力発電所の 内、特に多種多様な炉型[軽水炉(PWR,BWR)、高速 増殖炉、新型転換炉]が位置している若狭地域で 発生した事故・トラブル情報や良好活動事例等の 情報を総合的に収集することから始め、その中か ら保全管理に係る情報を選別し、適当な整理項目 を選定の上、データベースとして整理した。 次に、これら収集した各種情報を人間と組織の284ソフト面の視点から整理し、保全管理の仕組への 効果的なフィードバックのあり方を調査した。 更に、これら収集した各種情報をヒューマンフ ァクタの視点から整理し、保全管理の品質を高め るための課題を整理した。因子分析結果経験に基づく微妙な判断や行為に軽い!あるのみ保全管理に 慢性的抑るみ があり、教育 線,その他フィードバックはまった。+保全上の ヒューマン ラーに対して 配慮不足であ り、そのような 欠陥を保全管 理で補いきれもしもおれんこれを補うキメ 細かさに欠け ている入する時CD機構的に仕事をする傾向が強く、作 | 業遂行上の小さな落し穴を自分(自分 [選で選ける能力に欠ける図4 因子分析結果と課題整理 (4) 原子力発電所コンクリート性状に関する研究 * コンクリートの高経年化評価において、劣化状 況を評価する検査技術と劣化状況の変動を把握 するモニタリング技術は、最も重要で基本的な技 術である。これら技術の一般建築への適用性はある程度 把握されているが、原子力発電所への有効性や適 用範囲については、非常に大きな部材サイズや温 度・放射線等の特有の環境条件のため、必ずしも 確認されているとはいえない。本研究は、「ふげん発電所」を用いて、コンク リートの経年劣化に関するデータを取得し、各種 検査技術・モニタリング技術の適用性検討を行う ことにより、コンクリート健全性評価のための検 査技術・モニタリング技術について、原子力発電 所への適用性を実証することを目的として、調査 を進めた。研究の結果は以下の通り。 1 軽水炉やふげんのプラント情報 ・ ふげん発電所の建設時のコンクリート強 度等の基本的な物性を入手した。これによ り、今後の高経年化調査から得られる結果 と初期値の比較が可能となった。 ・ また、高経年化した軽水炉のコンクリート 強度や JPDR における放射線を受けたコンク リート強度の特性データを入手した。2 材料劣化に係る事象事例の調査・コンクリートの一般的な劣化事象及び原子力特有の劣化事象を整理した。 3 検査・モニタリング技術に係る調査・コンクリートの検査・モニタリング技術の 概略調査を実施した。 4 高経年化研究計画(案)の立案「ふげん」コンクリートの物性調査 |sweresertensemi ss1コアサンプリング箇所の選定 ● コアサンプリング箇所は、コンクリートの状況を十分に調査し、舞子力特 有の条件を有する部位から意点的に選定する。生体へい体競外壁) ・端分共羅麟餐環母 ・中性化 ・アル骨応 ・水分量分布| ・後分(新館)床スラブ ・検席「タービン分布 ( 新 ) ・後継袋分 (大道)・放射線影響を影 ・分類(大通)/ re・・ ・・・・・・( 外発) 検索分布(火 ) ・水分取水構造物 塩分【大 ・水分源平カ特有の条件を含む部位 (放射線、熱、大 部材) 一般論と調様の条件を有す る部位(塩分塩、中性化等) 53図5 コンクリートコアサンプリング箇所 3. 結言- 本研究は、5年計画の初年度であり、主に、研 究テーマの掘り起こしと研究計画の策定を行っ た。大学、電気事業者、研究所、原子力安全・保 安院、福井県、原子力安全基盤機構などから構成 された「福井県における高経年化調査研究会」(主 査:柴田俊夫)において、研究テーマの絞込み、 研究の意義、効果的な成果の反映について議論・ 検討され、研究の方向付けがなされた。「謝辞本研究は、独立行政法人原子力安全基盤機構よ り、独立行政法人 日本原子力研究開発機構が受 託して実施されたものである。研究課題(2) 「ニ ッケル基合金溶接部の SCC亀裂進展に関する機構 論的研究」と(3)「品質保証等のソフト面を含 む保全管理に係る技術基盤の整備に関する研究」 にいては、原子力安全システム研究所にて実施さ れたものである。285参考文献 1) 原子力安全・保安院、“実用発電用原子炉施設における高経年化対策の充実について”、平成 17年8月31日 2) (独)原子力安全基盤機構、“平成 16年度 原子力安全研究ロードマップ整備に関する報告書”平成17年6月 3) 原子力安全・保安院、“実用発電用原子炉施設における高経年化対策実施ガイドライン” 平成 17年度 4) 原子力安全・保安院、“実用発電用原子炉施設における高経年化対策標準審査要領”平成 17年度 5) 核燃料サイクル開発機構 敦賀本部 新型転換炉ふげん発電所、“新型転換炉原型炉「ふ げん」開発実績と技術成果”- 286 -
“ “福井県の特徴を踏まえた高経年化研究計画について“ “榊原 安英,磯村 和則,山下 卓哉,渡士 克己,土井 基尾,大草 享一,田川 明広,平原 謙司
原子力発電所の高経年化対策の充実を図るため に、原子力学会の高経年化に関するロードマップ1) に沿って、調査研究を、長期運転プラントや研究機 関等が集積化する福井県下で実施した。(図1参照)高経年化対応ロードマップ| 葛餐年化調養?究会 ・先德經葬管理技術適用任評衙 ・高経年化軽水炉データの分析評論 ・保全管理手法等の実機での検証卒業化技術情報データベース の技術情基盤基準化データの分析評価 おかげん劣化材にする研究 V・あげんコンクリート性状技情報ネットワークの基本指針の策定規格基準類の制度 仕絶み)の整高経年化研究課影有限会管理技術盤の整備 ・ソフトを含む保全管理携格率化の推進人材の確保・育成(2件) 保全高度化の 椎造(4件)先進的経年管理技術の確 ・先進的検査・モニタリング技術 ・動的機器の状態監視技術モニタリング技術」1 経年変化特技技術騎発の 推進(16件)予防全・特格・教え技?生?化酵橋技術 ・NISCCに調する機的統究出典:原学会、ロードマップ作成特別専門委料会報告(H17.13)図1 高経年化ロードマップと本研究との関連
2.研究内容及び成果(1) 高経年化安全性向上適用技術調査 1.実機高経年化材料及び構造物の劣化診断本研究は、「ふげん」は約 25 年間運転に供して きた原子力プラントシステム全体を対象として、 保全管理技術の有効性の確認や経年劣化事象の 技術評価をすることにより、高経年化対策技術資 料集2)、3)の充実を図ることを目的とする。本年は、ロードマップにおける位置付けを明確 にし、ふげんでの運転・使用状況から推定される「実用発電所用原子炉施設における高経年化対 策に充実について」の報告書4) に従って、経年劣 化事象を抽出評価することにより、軽水炉の高経 年化対策に有効に活用されることを確認した。結 果は以下の通り。(図2参照) a意義が確認された課題・ 応力腐食割れ、・ ・ケーブルの絶縁低下、・配管減肉 b_可能性があるのでさらに調査を進める課題・熱時効、・疲労 c可能性が小さいので対象にしない課題・中性子照射脆化 また、潜在劣化事象の可能性を考慮したサンプ リング計画にも配慮が必要と考える。S6316NGのSCC(1)1実機高経年化材料及び機造物の劣化診断ふげん実機材で確認できる試験項目 原子力容藤の中性子、 射熱化|応力装割れ| 110500) 「圧力管(2250下部ヘッダー. カランドリア管(Zay-2) カランドリアタンク(SUS |入り歳入の有性ASCC対策の育種1304)伊織「ケーブルの下 放射化ケーブル 高温化ケーブル10カラー18歳の)「(サイクル 入口本ポンプ[下京ング下る 多落第能など民館(エローション/コロ 巻ポンプタービン蒸気・永「・線による新し(確認口、可能性有 口、可能性小日> 図2 ふげん実機材5)で確認できる試験項目 2 先進的検査・モニタリング技術調査本研究は、「高速増殖炉」で用いられている検 査・モニタリング技術(高温非接触探傷、モニタ283リング、遠隔操作等)の軽水炉への適用性検討を 行なうことにより、軽水炉の検査・モニタリング 技術の高度化を実証するとともに新技術適用の ためのスキーム構築に資することを目的として、 軽水炉や他産業技術を調査し、軽水炉の高経年化 対策に資する運転中モニタリング手法の検討を 行なった。その結果、き裂進展モニタリングと減肉モニタ リングについては、具体的に調査した技術を用い て適用性を確認することができた。今後、事象者 が適用する検査モニタリング技術に対して、妥当 性を判断するのに必要なデータを得るための実 証試験が必要と認められれば、技術実証事業を展 開する。3 動的機器の状態監視技術調査 - 動的機器については、高経年化技術評価の実施 は不要とされており、原子力プラントにおいては、 定期点検で、その健全性を確認している。しかし ながら、運転中に動的機器の状態を監視し、劣化 の予測を行えば、動的機器のより高い信頼性を確 保することができる。そこで、高経年プラントの信頼性向上に資する ため、動的機器の状態監視手法や劣化予測手法に ついての調査を行い、動的機器の状態監視技術の 有用性を検討した。 - 動的機器として、ポンプ、弁、スナッバを対象 に調査を実施した。その結果、ポンプ、弁につい てはこれまでに検証試験が実施されているまた は実用化されている有用な手法がある。スナッバ については、これまでに技術開発が行われた事例 は無かった。今後は動的機器の状態監視技術につ いては、保全技術として、さらなる評価技術の開 発及び体系化が必要である。(2) ニッケル基合金溶接部の SCC 亀裂進展に関する 機構論的研究本研究の目的は材料間で異なる PWSCC き裂進展 挙動、特に母材と溶接部の差異を機構論的に明ら かにし、NiSCC 研究で求められたき裂進展速度デ ータの妥当性を、科学的、合理的に担保すること を目的としているが、本年度はその第一段階とし て 600 合金系材料の材料因子の詳細分析を行い、PWSCC き裂進展挙動に影響を与える材料因子を抽 出・整理した。なお本年度分析を行った材料は以 下の600 合金系材料7種類である。1 蓋用管台 MA600 新材、 2 蓋用管台 MA600 旧材、 3 炉内計装筒 MA600 新材、 4 炉内計装筒 MA600 旧材、 5 空気抜管 TT600、 6 132 合金、1 82 合金 調査の結果から、現状で母材と溶接材での差異 が大きく、き裂進展挙動と相関性があると考えら れる材料因子は、ナノインデンテーション硬さ、 ランダム粒界比率、粒界炭化物種の3因子が上げ られる。なおこれらの因子とき裂進展速度の相関 性の定量的評価については今後さらに検討する 必要があり、特に粒界炭化物種の差異については、 他の材料特性との関係を検討することによって 間接的に定量的評価を試みる等の検討が必要である。まとめ(母材と溶接金属の違い)-132合金]2合金10番用費台MA600▲用管台MA600 01E-08日1ヶ付内計数等MA600新材 ■内計等MA6001B0.000000001き裂進展速度の速い溶接金 属はランダム粒界比率が高 い。間16-10 ... -き裂進展速度da/dat(m/s) き裂進展速度da/dt(m/s)31E-11 - 100.20. 40.608 ランダム粒界比率き裂進展速度と粒界近傍の 硬さの間には相関が示唆さ れる。年1E-0015-10--ドライン母材と溶接金属では炭化物 の種類が異なる。150400450 '500 11,550粒界からの距離2mまでの ナノインデンテーション硬さ平均値(-)図3 Ni基合金 SCC の研究のまとめ (3) 品質保証等のソフト面を含む保全管理に係る技 術基盤の整備に関する研究 本研究については、先ず国内の原子力発電所の 内、特に多種多様な炉型[軽水炉(PWR,BWR)、高速 増殖炉、新型転換炉]が位置している若狭地域で 発生した事故・トラブル情報や良好活動事例等の 情報を総合的に収集することから始め、その中か ら保全管理に係る情報を選別し、適当な整理項目 を選定の上、データベースとして整理した。 次に、これら収集した各種情報を人間と組織の284ソフト面の視点から整理し、保全管理の仕組への 効果的なフィードバックのあり方を調査した。 更に、これら収集した各種情報をヒューマンフ ァクタの視点から整理し、保全管理の品質を高め るための課題を整理した。因子分析結果経験に基づく微妙な判断や行為に軽い!あるのみ保全管理に 慢性的抑るみ があり、教育 線,その他フィードバックはまった。+保全上の ヒューマン ラーに対して 配慮不足であ り、そのような 欠陥を保全管 理で補いきれもしもおれんこれを補うキメ 細かさに欠け ている入する時CD機構的に仕事をする傾向が強く、作 | 業遂行上の小さな落し穴を自分(自分 [選で選ける能力に欠ける図4 因子分析結果と課題整理 (4) 原子力発電所コンクリート性状に関する研究 * コンクリートの高経年化評価において、劣化状 況を評価する検査技術と劣化状況の変動を把握 するモニタリング技術は、最も重要で基本的な技 術である。これら技術の一般建築への適用性はある程度 把握されているが、原子力発電所への有効性や適 用範囲については、非常に大きな部材サイズや温 度・放射線等の特有の環境条件のため、必ずしも 確認されているとはいえない。本研究は、「ふげん発電所」を用いて、コンク リートの経年劣化に関するデータを取得し、各種 検査技術・モニタリング技術の適用性検討を行う ことにより、コンクリート健全性評価のための検 査技術・モニタリング技術について、原子力発電 所への適用性を実証することを目的として、調査 を進めた。研究の結果は以下の通り。 1 軽水炉やふげんのプラント情報 ・ ふげん発電所の建設時のコンクリート強 度等の基本的な物性を入手した。これによ り、今後の高経年化調査から得られる結果 と初期値の比較が可能となった。 ・ また、高経年化した軽水炉のコンクリート 強度や JPDR における放射線を受けたコンク リート強度の特性データを入手した。2 材料劣化に係る事象事例の調査・コンクリートの一般的な劣化事象及び原子力特有の劣化事象を整理した。 3 検査・モニタリング技術に係る調査・コンクリートの検査・モニタリング技術の 概略調査を実施した。 4 高経年化研究計画(案)の立案「ふげん」コンクリートの物性調査 |sweresertensemi ss1コアサンプリング箇所の選定 ● コアサンプリング箇所は、コンクリートの状況を十分に調査し、舞子力特 有の条件を有する部位から意点的に選定する。生体へい体競外壁) ・端分共羅麟餐環母 ・中性化 ・アル骨応 ・水分量分布| ・後分(新館)床スラブ ・検席「タービン分布 ( 新 ) ・後継袋分 (大道)・放射線影響を影 ・分類(大通)/ re・・ ・・・・・・( 外発) 検索分布(火 ) ・水分取水構造物 塩分【大 ・水分源平カ特有の条件を含む部位 (放射線、熱、大 部材) 一般論と調様の条件を有す る部位(塩分塩、中性化等) 53図5 コンクリートコアサンプリング箇所 3. 結言- 本研究は、5年計画の初年度であり、主に、研 究テーマの掘り起こしと研究計画の策定を行っ た。大学、電気事業者、研究所、原子力安全・保 安院、福井県、原子力安全基盤機構などから構成 された「福井県における高経年化調査研究会」(主 査:柴田俊夫)において、研究テーマの絞込み、 研究の意義、効果的な成果の反映について議論・ 検討され、研究の方向付けがなされた。「謝辞本研究は、独立行政法人原子力安全基盤機構よ り、独立行政法人 日本原子力研究開発機構が受 託して実施されたものである。研究課題(2) 「ニ ッケル基合金溶接部の SCC亀裂進展に関する機構 論的研究」と(3)「品質保証等のソフト面を含 む保全管理に係る技術基盤の整備に関する研究」 にいては、原子力安全システム研究所にて実施さ れたものである。285参考文献 1) 原子力安全・保安院、“実用発電用原子炉施設における高経年化対策の充実について”、平成 17年8月31日 2) (独)原子力安全基盤機構、“平成 16年度 原子力安全研究ロードマップ整備に関する報告書”平成17年6月 3) 原子力安全・保安院、“実用発電用原子炉施設における高経年化対策実施ガイドライン” 平成 17年度 4) 原子力安全・保安院、“実用発電用原子炉施設における高経年化対策標準審査要領”平成 17年度 5) 核燃料サイクル開発機構 敦賀本部 新型転換炉ふげん発電所、“新型転換炉原型炉「ふ げん」開発実績と技術成果”- 286 -
“ “福井県の特徴を踏まえた高経年化研究計画について“ “榊原 安英,磯村 和則,山下 卓哉,渡士 克己,土井 基尾,大草 享一,田川 明広,平原 謙司