コスト&効果最適化を指向した保全手法

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カテゴリ: 第3回
1.緒言
筆者らは、高信頼性を経済的に実現する保全計画に ついて報告したが、昨今は事故を発生させると、莫大 な損失を蒙るばかりでなく、事業そのものの存続さえ 問われることがある。こうした事故を未然に防止する ために行われる過剰な部品の交換や、時期が来たから という理由で行われる整備、その結果発生するいじり 壊しや不具合の発生、劣化個所や重点保全個所を明確 な根拠を特定できずに実施する保全は、将に費用が嵩 む保全の典型である。これは従来の保全が専門領域毎に分断され、規制も 領域相互に何の連携もなく行われてきたことが原因で、 その結果として体系的に整えられた基準に拠らず過剰 な保全でその場を凌ぎ、重複作業や反対に対応漏れを も生じる状況を生んできたためと思われる。換言すると、これは、保全において総合的な監理と 情報の統合化がなされて来なかったことが原因で、根 本的に解決するには従来バラバラに規制されてきた保 全を最適化という括りで監理していくこと,即ち、保 全をシステムとして取り扱うことが必要になる。設備の持つ特性を現場での保全課題という切り口で 捉える筆者らの唱える最適化保全の手法は、システム 化を進める上でも極めて好都合な仕組みと考える。
2. 設備管理の現状と改善課題 2.1 現状 * 最適化手法は、形を変えたものもあり既に実証もさ れている。しかし体系的に活用されているかというと 必ずしもそうではなく、都合の良い摘み食いになって いると懸念する。現状の設備管理は、様々な科学的な 裏づけを取りながら、なお日常の監視を組み合わせて 行われているが、設備の評価を前提にしたものは余り 見受けられない。また、高い信頼性を有している設備 に於いては過剰に手厚い保全をしているかも知れず、 そのため故障や劣化の有用なデータそのものが少ない という実情もあろう。- 2.2 課題 ・寿命予測を含め、現状の設備の保有する信頼性が、 機器が信頼性を喪失するまでの何処に位置するのか特 定できないので、全ての設備の特性を体系的に把握評 価して保全を計画する必要がある。これが全体最適化 の考えで、先ず設備を管理の出来る最小単位に分解し、 それぞれの特性を調査することから始める。それには42判断基準となる情報の存在が必要であって、これは蓄 積された保全の情報や既知の技術情報、物理情報など が当たる。この利用には、現存する IT ツールや近い将 来実用化するであろうナレッジをベースに保全支援で きる検索システムが有用である、そしてこのための体 制の整備や情報の蓄積が非常に重要である。設備は次の評価基準によって評価される。 ・ プロセス特性: 設備が「機能低下」や「設備損傷」を起こした時に発生する影響度を定量的に評価機能特性:設備の「壊れ易さ」を定量的に評価 ・ 設備特性:設備が故障した影響を許容限度内に抑」えるための「管理の手厚さ」を決める設備管理 これを、保全システムによって設備が保有する現状 の信頼性を確実に維持再現するための「設備管理処方」 として形作っていく。Fig-1 はそのプロセス、Fig-2 は 作成されたデリベラブルの例を示したものである。FeuipmentEulposat PropertyProcess PropertyEraipent function.. Declare Baintenance PolicyBate P Sheet to maintain EquipReliability Plan to improve Equip reliability leprove wintenance without rist (lodify CRFC)Fig. 1Development of Optimized Maintenance ProceduresstatsumonWintere thesistind formatsu)ytotoIMGUYにににCD- Potential Loss evaluation sheet -Total Risk evaluation sheet -Haintenance Prescription of Equipment Matrix to determine CRMC (Concentration Rate of Maintenance Consideration)CICCDFig-2 Deliverables for optimizing maintenance3. システムとその適用 3.1 保全のシステム保全の計画のための評価を得るためには、基本とな る情報の加工が必要である。Fig-3は、情報の加工で の関連システムを示したものである。Maintenance recordMaintenance DB -Deterioration(Material, thermal, design etc) -PatternCause(Corrosion. Erosion etc) Result(Burst. Deformation etc)EvaluationBreakable tendency (Service life at ordinary use)EvaluationBreakable tendency (Comparison/design. ordinary use)Evaluation Operating condition Process, equipment)Data base Equipment Process Property Designing STD Analysis and theoryMaintenance policy(Refer to Deliverables for optimizing maintenanceEvaluationInfluence at accidentStudy for next maintenanceFig. 3Evaluation work diagram from data base13.2 システム運用 -- 規模によらず、前記のシステムの導入は可能である。 更にこのシステムを統括するために、設備管理ツール の利用が設備構成管理、履歴や資産管理、保全の経歴 管理などに必要であるが、地道な情報の整備が備わる ことが重要であってツールの導入がシステムの完成で はない。なお、技術情報、設備情報は保全の根幹をな すものであり、これらベースとなる雛型はいくつか用 意されていて、供することができる。システム運用に 於ける保全情報を Fig-4 に示す。このようにして全体 を運用し、保全のサイクルを廻すことができる。Maintenance Policy -Target -Importance orderManagement Tool -Managing component -Schedule - Cost -HistoryScheduleDataMaintenance Fork - Preparation ---Data capturing -- RepairCommissionningIntegrated knowledgeLessons Learned -Data analyzing - Check of Property -laprovementFig.4 Management system for Optimized Maintenance procedure4.結言総合的な見地から保全の最適化を実現しながら保全 費の低減を期待するのであれば、並行して設備管理情 報監理のIT ツールの活用と、評価基準を導入したシス テムの導入が効果的である。情報を体系的に整備蓄積 し、必要に応じてそれを検索利用していくことが必要 でありオーナ側の強い意思、技術者と専門のコンサル タントの支援が欠かせない。4“ “コスト&効果最適化を指向した保全手法“ “川中 勉,Tsutomu KAWANAKA,玉木 悠二,Yuji TAMAKI
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