状態遷移モデルを用いて誤診断を考慮した CBM と TBM のベストミックスの検討

公開日:
カテゴリ: 第3回
1. はじめに
米国の原子力発電所では、1980年代より状態監視保 全 (CBM : Condition-Based Maintenance)の導入に より、保全の合理化や設備利用率の向上が実現されて きた。近年、日本の原子力発電所においても、従来の 時間基準保全 (TBM: Time-Baced Maintenance)か らCBMへ移行しようとしている。状態監視保全(CBM)は、診断装置により対象機器 の状態を監視し、機器の状態が所定の基準にまで劣化 した場合に保全を行うことである[1]。ここでの「所定 の基準」として「要求された機能を損なわないある程 度の劣化」や「要求された機能を損なう劣化(故障)」 など様々の判断基準が考えられる。以下の議論で機器 の劣化状態が「所定の基準」を超えた場合を「異常」、 超えない場合を「正常」と呼ぶ。 - ところが、診断装置には、ノイズや長期使用による センサ感度の低下などに起因する誤診断の可能性があ ると考えられる。誤診断は、「安全側誤診断」と「危険 側誤診断」の2つのタイプに分類することができる。 「安全側誤診断」は、機器が正常であるにもかかわら ず、診断装置が「異常」と診断する場合で、「危険側誤 診断」は、機器が「異常」であるが、診断装置が「正 常」と診断する場合である。安全側誤診断は不必要な保全を招き、保全コストの増加につながる。一方、危 険側誤診断では、機器が「異常」であるにもかかわら ず、そのまま放置され、機器によっては重大な事故ま で発展するおそれがある。したがって、CBM導入の効 果を評価するために、診断装置の誤診断を考慮する必 要がある。 - また、診断装置の誤診断について、ノイズのような 原因で一時的に誤診断が起こる場合がある。ノイズが 消滅すると、自然に正常な状態に戻る。一方、診断装 置の長期使用によるセンサ感度の低下や保守・校正不 備などにより、ある時点から誤診断が発生する場合に は、その後誤診断を起こしつづける場合も考えられる。 本研究では、後者の誤診断のみを考えることとする。 1. 本研究では、診断装置の誤診断を考慮し、CBM の導 入によって安全性が向上するかどうかを定量的に評価 する。評価基準として機器が異常であるにも関わらず、 発見されず、そのまま放置される平均時間(以下、放 置期待時間と呼ぶ) を考察することにより、CBM導入 の効果を明らかにする。また、安全性と経済性をとも に考慮した CBM と TBM のベストミックスについて も検討する。
2. モデル化 ・ ここで、TBM と CBM を併用した場合を考え、機器 に対して常時診断が行われることとする。また、機器 と診断装置からなる1つのシステム(以下、システム
66と CBM 置が「正常」と正しく診断する。この状態で、TBM の と呼ぶ) を考察の対象とする。このとき、TBM と CBM 置が「正常」と正しく診断する。この状態で、 をともに考慮するときのシステムの振る舞いはつぎの実施時期に到達すると保全が行われて状態 S ようになる。状態 S, は機器が「異常」と正しく診断された TBM の実施時期に到達した際に TBM が行われる。 直ちに緊急保全が行われて状態 S に戻る。状 一方、TBM の実施時期到達前に、対象機器が「異常」 器が「正常」であるが、診断装置が「異常」 と呼わ) とろ祭の刃象とする。このとさ、TBIMI と CBIMA 直「止吊」と止しく秘例する。、IBMの をともに考慮するときのシステムの振る舞いはつぎの実施時期に到達すると保全が行われて状態 S に戻る。 ようになる。状態 S は機器が「異常」と正しく診断された場合で、 TBM の実施時期に到達した際に TBM が行われる。 直ちに緊急保全が行われて状態 S に戻る。 状態 S2 は機 一方、TBM の実施時期到達前に、対象機器が「異常」 器が「正常」であるが、診断装置が「異常」と誤診断 と診断された場合には緊急保全が行われる。この場合、 した場合で、同様に緊急保全が行われて状態 Sに戻る。 機器の状態には、「正常」、「異常」の2つの状態(A1、 状態 S, では、機器が「異常」であるが、診断装置が「正 A2)がある。また、診断装置には、機器を「正常と診常」と誤診断するので「異常」はそのまま放置される。 断する」、「異常と診断する」の2つの状態 (B1、B2) がある。機器の状態と診断装置の状態の組合せによっ3. CBM の有効性評価 て、システムは表1に示すように4つの状態 (S、S1、 S2、S3)に分類される。各状態の遷移を図1に示す。 ここで、TBM の実施周期(以下、TBM 周期と呼ぶ) 表1 機器の状態と診断装置の状態との組合せ をTとする。機器の「異常」発生と診断装置の誤診断 BiB2は統計的に独立であり、緊急保全または TBM の実施 診断装置が機器を診断装置が機器を によりシステムは新品同様な状態に戻ると仮定する。「正常」と診断する」「異常」と診断する このとき、システムは各 TBM 周期 T の間で同様な状 Ai S:正しい診断。 S2 : 安全側誤診断 態を繰り返すので、以下は [0, T) の間で議論を行う。 - 機器が 「機器が「正常」であ | 機器が「正常」であ 図1に示すように、システムは時刻 F0 で状態 S から「正常」|り、診断装置が機器 |るが、診断装置が機 運用開始し、時刻t (0≦t≦T)まで経過したとき、状 である 「を「正常」と診断す|器を異常と診断す 態Si (i=1、2、3) への遷移の期待回数 Wi(t)について、次式が成立つ[2]。 S3:危険側誤診断 | Su:正しい診断w, (1) = S(1) + SS (1x){w, (x) + w, (x)}a_(1) 機器が 機器が「異常」であ|機器が「異常」であ 「異常」 るが、診断装置が機|り、診断装置が機器w, (i)) = Sw(x)da である 器を「正常」と診断」を「異常」と診断す するここで、f(t) (i=1、2、3)は時刻 tで始めて状態 Si に遷移する確率の密度関数である。また、wi(t)=dw(t)/dt (i=1、2、3)。 状態 S3は機器の「異常」 一方、TBM の実施時期到達前に、対象機器が「異常」 と診断された場合には緊急保全が行われる。この場合、 機器の状態には、「正常」、「異常」の2つの状態(A1、 A2)がある。また、診断装置には、機器を「正常と診 断する」、「異常と診断する」の2つの状態 (B1、B2) がある。機器の状態と診断装置の状態の組合せによっ て、システムは表1に示すように4つの状態(S、S1、 S2、S3)に分類される。各状態の遷移を図1に示す。 表1 機器の状態と診断装置の状態との組合せ BiB2 診断装置が機器を診断装置が機器を 「正常」と診断する」「異常」と診断するS:正しい診断 | S2 :安全側誤診断 機器が 「機器が「正常」であ | 機器が「正常」であ 「正常」|り、診断装置が機器るが、診断装置が機 である 」を「正常」と診断す|器を異常と診断すA2-2るBuA1A2 | S3 :危険側誤診断 | SI:正しい診断 機器が 機器が「異常」であ | 機器が「異常」であ 「異常」るが、診断装置が機|り、診断装置が機器 である」 「器を「正常」と診断」を「異常」と診断すする機器が |機器が「正常」であ | 機器が「正常」であ 「正常」|り、診断装置が機器るが、診断装置が機」 である 「を「正常」と診断す|器を異常と診断す図1に示すように、システムは時刻 0 で状態 S から 運用開始し、時刻t (0≦t≦T)まで経過したとき、状 態 Si (i=1、2、3) への遷移の期待回数 W(t)について、 次式が成立つ[2]。 _w, () = S. (0) + SS (t - x){w, (x) + w, (x)}d (1)A2S3:危険側誤診断 | S1:正しい診断 機器が 機器が「異常」であ | 機器が「異常」であ 「異常」|るが、診断装置が機|り、診断装置が機器 である 器を「正常」と診断」を「異常」と診断すするくるTBM 正確診断危険側誤診断正確診断」w (0) = Sw(x)dx ここで、f(t) (i=1、2、3)は時刻 tで始めて状態 Si に遷移する確率の密度関数である。また、 wi(t)=dwi(t)/dt (i=1、2、3)。 状態 S3は機器の「異常」 がそのまま放置される状態であり、S3 に遷移した後、 その状態に留まるので、W(t)は機器の「異常」が放置 される確率(以下、異常放置確率と呼ぶ)となる。ここで、CBM がない場合に、時刻t において機器が 「異常」となる確率を F(t) と し、F(t)は指数分布 (F)=1-e-1、2 は一定)に従うこととする。また、 診断装置の安全側誤診断率 2s(診断装置は、ある時刻 tまで正しく診断できるが、引き続く単位期間内に安全 側誤診断を起こす確率)、危険側誤診断率 2D(診断装 置は、ある時刻 t まで正しく診断できるが、引き続く 単位期間内に危険側誤診断を起こす確率)も時間によ らず一定とする。このとき、時刻 tで始めて状態 Si(i=1、 2、3)に遷移する確率の密度関数 f(t)はそれぞれ次式 (3)~(5)で与えられる。緊急保全。緊急保全図1 状態遷移モデル 図1の状態 S では、機器が「正常」状態で、診断装-67 -TBM 正確診断危険側誤診断- SE正確診断緊急保全緊急保全- 67 - 置が「正常」と正しく診断する。この状態で、TBM の 実施時期に到達すると保全が行われて状態 S に戻る。 状態 S は機器が「異常」と正しく診断された場合で、 直ちに緊急保全が行われて状態 S に戻る。 状態 S2は機 器が「正常」であるが、診断装置が「異常」と誤診断 した場合で、同様に緊急保全が行われて状態Sに戻る。 状態 S, では、機器が「異常」であるが、診断装置が「正 常」と誤診断するので「異常」はそのまま放置される。ここで、TBM の実施周期(以下、TBM 周期と呼ぶ) をTとする。機器の「異常」発生と診断装置の誤診断 は統計的に独立であり、緊急保全または TBM の実施 によりシステムは新品同様な状態に戻ると仮定する。 このとき、システムは各 TBM 周期 T の間で同様な状 wi(t)=dw(t)/dt (i=1、2、3)。 状態 S3は機器の「異常」 がそのまま放置される状態であり、S3に遷移した後、 その状態に留まるので、Ws(t)は機器の「異常」が放置 される確率(以下、異常放置確率と呼ぶ)となる。ここで、CBM がない場合に、時刻t において機器が 「異常」となる確率を F(t)とし、F(t)は指数分布 (F)-1-e-1 、2 は一定)に従うこととする。また、 診断装置の安全側誤診断率 2s (診断装置は、ある時刻 tまで正しく診断できるが、引き続く単位期間内に安全 側誤診断を起こす確率)、危険側誤診断率 2D(診断装 置は、ある時刻 tまで正しく診断できるが、引き続く 単位期間内に危険側誤診断を起こす確率)も時間によ らず一定とする。このとき、時刻 tで始めて状態 Si(i=1、 2、3)に遷移する確率の密度関数 f(t)はそれぞれ次式 (3)~(5) で与えられる。S(0) = nexfs() = age 160) - 14 (-) (5)f(t) = 2eXf, () = nex 10) = 771(e-2ez)DE-5ただし、 2 = A + Ag + AD である。 また、Wi(t)について、式(3)~(5) と式 (1) ~ (2)より次の解が得られる。wx0 = 4 (6-cm) ()W() = = (-en) ( [ar (-e ““- - 0-er), a +2のときW(t)=3[1-(1 + at)e-',20 =2のとき(8) 式 (8) に おい て 、 2D- → ∞ の と き 、 W,() = 1-e-1““ = F()、CBM がない場合の異常放置確式 (8) に おい て 、 2D- → ∞ の と き 、 W,() = 1-e-““ = F()、CBM がない場合の異常放置確率となる。TBM 周期をTとし、CBM がある場合、[0, T]の間 の機器の「異常」が放置される放置期待時間を DT、と すると、DT, = [W,(t)dt-A - 15 (100-9が得られる。 -- 放置期待時間が小さいほど、機器の「異常」が故障 まで発展する可能性が小さくなるので、プラントの安 全性が高くなると考えられる。ここで、放置期待時間 を用いて CBM の導入によって安全性が向上できるこ とを示す。 - CBM がない場合、機器の「異常」が起こると、その まま放置されるので、[O, T)の間の放置期待時間 DT2 は次式で表される。DT = S. F() d = T-14-e ““““) (10)FOdt%3DT- ところが、式(8)より、W,((0<1-e-11 = F(が成立つことを容易に確認できるので、式(9) 、(10)より DT」≦DT2が成立つ。つまり、CBM導入後の放置期待 時間は CBM 導入前より小さくなる。したがって、CBM の導入によって安全性が向上することがわかる。 - 次に、数値計算例を用いて危険側誤診断率 2p が CBM の効果に与える影響、CBM の導入によって安全 性がどれほど向上できるか、CBMの導入によってTBM 周期はどれほど延長できるか、または TBM が必要で あるかどうかについて考察する。ここで、各パラメー タは次の値をとることとする。2 =1.0×10~1月、2s=1.0×105月、2 -1.0×102、5.0×102、1.0×10^1月 このとき、CBM がある場合の放置期待時間 DT」、及 び CBMがない場合の放置期待時間 DT2の TBM 周期T の依存性を図2に示す。図2より、放置期待時間 DT-5 日を許容可能な上限値 (管理基準値) とする場合、CBM がなければ許容される TBM周期の上限 T2-36.9ヶ月と なる。一方、同じ管理基準値 DT-5 日のとき、CBM が ある場合の各危険側誤診断率 2 に対応する許容可能 な TBM 周期の上限値 T, の値、および CBM の導入に よる TBM周期の延長可能時間 AT-T-T2の値を表2に 示す。これらの結果から、以下の知見が得られる。 ・ 図2より、診断装置の危険側誤診断率 2 が CBMの効果に与える影響は大きい。2pが小さいほど、 対応する放置期待時間が小さくなり、CBM の効果 は大きくなる。 式 (8)、(9)より、異常放置確率または放置期待 時間が安全側誤診断率 2s に依存しないことがわ かる。これは、前述では機器の「異常」が偶発で あると仮定したので、TBM が来る前に安全側誤診 断により余計な予防保全を実施することはほとん ど効果がないことを意味している。 放置期待時間により管理基準値を定める場合、表2 に示すように、CBM の導入により TBM 周期を延 長できることがわかる。 診断装置の危険側誤診断率 2pが小さいほど TBM 周期を長くできる。2bは診断装置の診断精度に依 存するので、診断精度が十分に高い場合、TBM が 不要になる可能性がある。CBMがなし 2D→02 :危険側誤診断率5120-1x10012p-1×1021205×100| 20=1×10510 Eestici 10 305070 90 110 130 150 170 TBM周期T (7月)図2 放置期待時間と TBM 周期の関係図2105表2 CBM の導入効果の評価結果 | 2D(10~1月) | T (7月) | 79.1 | 97.2 162.5 AT(ケ月) 42.260.3125.6 (T-T) 2p:危険側誤診断率 T, : CBM がある場合の TBM 周期の上限 AT: CBM導入による TBM 周期の延長可能時間 T2 : TBM がない場合の TBM 周期の上限 Tz=36.9(ヶ月)4. CBM と TBM のベストミックス前述のように、CBM を導入する場合、診断装置の診 断精度が十分に高い場合、TBM は不要となる。しかし、 実際には、診断装置の誤診断は完全には避けられない。 危険側誤診断が起こると、機器が「異常」であるにも かかわらず、そのまま放置され、故障まで発展した場 合、機器によっては重大な事故が起こるおそれがあり、 安全性の低下につながる。放置された「異常」を発見 するために、TBM を実施することが必要となる。一方、 安全側誤診断が起こると、緊急保全のために、正常運 転中の機器が停止され、プラント操業の混乱や不必要 な保全コストを招き、経済性が低下する。そこで、安 全性と経済性のバランスをとるために、最適な TBM 周 期を決定することが必要となる。 ここで、TBM と CBM をともに考慮した場合の期待コスト C(t)の内訳は次の4種類からなると考えられる。 ・1回の TBM にかかる保全コスト C。 ・機器の故障で正しい診断による緊急保全(図1の状態S)にかかる期待保全コスト C(t) ・診断装置の安全側誤診断による緊急保全(図1の状態S2)にかかる期待保全コスト C-(0) ・診断装置の危険側誤診断により「異常」が放置され る場合(図1の状態 S,)に生じる期待損失コスト CG(0)また、図1の状態 S に対応する1回の保全コストを k」、状態 S2に対応する1回の保全コストをkg、状態 S, が発生する場合の損失を kとすると、C、(t) = k,W, (t)、C2() = K,W,()C(1) = k,W, (t) となる。ここで、W、Wat)、Wat)は式(6) ~ (8) で与えられる。期待コス トC(t)は次式のようになる。C(t) = Co + C(t) + C2() + C,()-11TBM 周期をT、単位時間当たりの期待コストを L(T) とすると、 L(T) = C7) Co + C,(T) + C2(T) + C,(T)T _C0 + k,W,(T) + K,W,(T) + K,W,(T)T10Tが得られる。CBM と TBM のベストミックスは、単位時間当たり の期待コスト L(T)を最小にする最適な TBM 周期 T(以 下、T*と記する)を決定することであり、次のように 表される。min L(T) = min Co + KW (T) + k2Wz(T) + K,W,(T)TOT>0(13) 次に、診断装置の誤診断率 2p 、2sは最適な TBM 周期にどのような影響を与えるかについて数値例を用 いて考察する。ここで、各パラメータは次の値をとる こととする。* 2 =1.0×10~1月、C。 =1000、K = 100.0、k, = 10.0 、==100.0、k, = 10.0、k, = 5.0×10このとき、2 、2sを 1.0 × 102~2.0 × 105 (1月)の 間で変化させるときに、それぞれに対応する単位時間69当たりの期待コスト L(T)の TBM 周期の依存性を図3、 図4に示す。図3より、 L(T)を最小にする最適な TBM 周期 T* が存在し、危険側誤診断率 2pの変化は T*に与える影 響が大きいことがわかる。各 2 に対応する T*および T*に対応する期待コスト L(T*)の値を表3に示す。表3 より、2pが小さいほど、T*は大きくなる。したがっ て、診断精度の向上により最適な TBM 周期を延長で きることがわかる。 ・ 一方、図4より、安全側誤診断率 25の変化はT*に ほとんど影響を与えない。これは、前述では、機器が 「異常」となる確率 F(t)は指数分布に従うこと(異常 の発生が偶発である)と仮定したので、安全側誤診断 により余計な予防保全を行っても異常放置確率 W3( が変わらないためである。表3 2Dに対応するT*の計算結果 | 2 (10~1月) | 10 | 8 | 6 | 4 | 2 | T* (月)64.6 172.1 83.0 | 101.4 | 142.8 |L(T*) (1月) | 3.13 | 2.80 | 2.43 | 1.99 | 1.41 |安全側誤診断率23-1 × 105==1×105危険側誤診断率 20=8×10' || 20-6×105単位時間当たりの期待コストL(T)120-4×10N2D-2 × 105160100 120 1 40TBM HOT (9) 図3 2Dに対応する L(T)とTとの関係5.結言* 本研究は、診断装置の誤診断を考慮し、状態遷移モ デルを用いて、放置期待時間を安全性の評価基準とした場合の CBM の有効性を定量的に評価した。また、 安全性と経済性を同時に考慮した CBM と TBM のベ ストミックスについても検討した。これにより、以下 の知見を得た。 1) CBMがある場合の放置期待時間は CBM がない場合より小さくなり、CBM の導入によって安全性が向上することができる。 2) 診断装置の危険側誤診断率 2 が CBM 導入の効果 ・ に大きく影響する。2pが小さいほど、CBM導入の効果が大きくなることがわかった。 3) 診断装置の危険側誤診断率が十分に小さい(診断精 度が十分に高い)場合、TBM が不要になる可能性がある。 4) 機器の「異常」が偶発である場合、TBM の実施時 ・- 期到達前に安全側誤診断により余計な予防保全を実施することはほとんど効果がないことがわかった。5) 診断精度の向上により最適な TBM 周期を延長でき ・ ることがわかった。安全側誤診断率2p=5×10'単位時間当たりの期待コスト L(T)危険側誤死んだ率2551×10~2×1010020401080 100 11120140TBM 周期 T (7月)図4 asに対応する L(T)と T との関係参考文献[1] 小野寺勝重、“保全性設計技術”、日科技連、1995 [2] 凌元錦、鈴木和彦、幸田武久、“自己診断機能を持つ安全保護系の数理モデル”、計測自動制御学会論 文集、Vol.41、No.3、pp.259-267、2005-70“ “状態遷移モデルを用いて誤診断を考慮した CBM と TBM のベストミックスの検討“ “凌 元錦,Yuanjin LING,高瀬 健太郎,Kentaro TAKASE,真木 紘一,Koichi MAKI
著者検索
ボリューム検索
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)