超音波の可視化技術を用いたフェーズドアレイUT条件の評価
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カテゴリ: 第5回
1. はじめに
フェーズドアレイ法を用いた超音波探傷試験(UT)で は、探傷結果を画像化して表示することに加え、試験 対象部位に送信する超音波ビームの方向を任意に設定 することや、ビームの集束の有無や集束の深さを任意 に設定することが可能という特長があり、き裂深さサ イジング用途[1]だけでなく、欠陥検出にも活用が期待 されている。フェーズドアレイ法を適用する上で探傷 結果の信頼性確保という観点から、設定どおりに超音 波ビームが送信されていることの検証や設定上の制限 を把握することが重要である。さらに欠陥検出へ適用 する場合は、従来 UT 法との同等性の確認や従来 UT 法 による探傷結果との整合性等の検討が不可欠である。フェーズドアレイ法における設定条件の制限という 観点で、著者らは以前アレイ探触子の振動子(素子)ピ ッチ、中心周波数、周波数帯域及び超音波ビームの振 り角を変え、パルス状の超音波を金属内に送信したと きの音場をシミュレーション解析で評価した。その結 果、金属内の音場であっても従来理論(水中の連続波 の解析解)による解析解と大きな差異が無く、従来の 知見を有効に活用できることを示した[2]。 1. 本研究では、実験的な超音波の可視化技術を用いて アレイ探触子から発生する音場を直接観察し、メイン ローブやグレーティングローブの発生の状況を評価し た。特に、現行の規格に準拠してフェーズドアレイ法 を欠陥検出へ適用することを見据え、横波斜角のフェ ーズドアレイ法の設定で音場を評価した。そして従来 UT 用の固定角の斜角探触子から発生する音場と比較し、フェーズドアレイ法による音場との違いの有無を評価 した。
2. 測定方法及び条件
- 音場の観察には、光弾性超音波可視化装置[3]を用い た。この装置では画像の輝度(明るさ)が超音波の音圧 すなわち最大せん断応力に対応している[4]。試験片は光弾性超音波可視化法を適用するため、透 明体かつ光弾性効果があり音速が鋼材に近い、耐熱ガ ラスとした。試験片は、板厚 50mm、奥行き 20mm、長さ 300mm の板で、板厚の 1/4 と 3/4 深さ位置にゅ3. 2mm の 貫通横穴を設けたものと、裏面に深さ 15mm の貫通ノッ チを設けた2種類を使用した。 - アレイ探傷器及び従来 UT 用の探傷器は市販品 (MC64:栄進化学製、USIP12:クラウトクレーマ製)を用 い、表1に示す市販の探触子から発生する超音波の音 場を観察した。アレイ探触子はクサビを介して超音波 を送信したが、3 種類の送信条件は遅延設定のみを変 え、クサビは全ての条件で同じものを使用した。 - なお、2次クリーピング波法[5]用の探触子から発生 する超音波ビームは、縦波が 70 度から 90 度程度の範 囲に発生しているが、このとき横波も約 30 度から 35 度程度に発生している。ここでのフェーズドアレイ法 では代表的な条件として横波斜角 33 度の設定とした。 また、アレイ探触子の仕様の表記方法の国内規格が無 いため素子幅 x素子長さ-総素子数、同時駆動素子数の 順に記載し、カッコ内には、屈折角以外は従来 UT 用の 探触子と同様な内容を記載した。24表1 超音波ビームの送信条件及び探触子の仕様 送信条件 アレイ探触子従来 UT 用探触子備考 横波斜角 45 度法 | * | アレイ探触子 1:5K 0.5x4-16ch 16ch*1 | 2210x10A45※1従来 UT 用探触 クサビの角度 30.7度子と比較するた 横波斜角 60 度法 | (5K 8x4 相当、横波斜角用のクサビ) / | 4Z8x9A60 (MWB60-4※2) め、アレイ探触 アレイ探触子 2:3K 0.5x20-32ch 20ch※1子の送信条件の 2次クリーピング波法クサビの角度 16.6度 | 2M10LA70 (WSY70-2*2) | 設定には鋼材の (横波斜角 33 度) | (3K 10×20 相当、縦波斜角用のクサビ) | 4M10LA70 (WSY70-4※2) | 音速を用いた。(※1 検査技術研究所製、※2 クラウトクレーマ製)波 60 度と同じクサビを使用している。図9は2次ク 3. 測定結果リーピング波用の探触子から発生した超音波パルスの 3.1 横波斜角45度法例として 4M10LA70(WSY70-4)の音場の観察結果で アレイ探触子及び従来 UT 用の固定角の斜角探触子 ある。探触子によって超音波の強度は異なるものの から発生した横波斜角 45度の音場を図1から図3に示 各々図(a)では、図中に LO と記した縦波と、同時に発 す。各々アレイ探触子 1、アレイ探触子 2 及び生した横波(図中にSと記す)の波面が観察されており、 2210x10A45 から発生した超音波パルスを光弾性超音波 図(b)では裏面で反射した横波(S と記す)と反射の際に 可視化装置で観察した結果である。周波数や開口寸法 振動の種類が縦波にモード変換した波面(L と記す)が が異なるため、超音波ビームの指向性は比較の対象に 観察できる。裏面で反射した横波は入射角と同じ角度 せず、以下、屈折角の違いやグレーティングローブの で反射するが、モード変換した縦波は90 度(裏面近傍) 発生状況を中心に同等性を評価した。から約 70 度程度の方向に広く伝搬している。この縦波 超音波ビームの伝搬方向(屈折角)はガラスと鋼材のは2次クリーピング波と呼ばれているものである。図 音速の違いのため約 50 度になっているが、ともに同じ (c)はノッチで反射後の波面であり、ノッチで反射した 屈折角であることが確認できる。縦波斜角用のクサビ 縦波(L と記す)及びこの縦波がノッチで反射する際に を装着したアレイ探触子 2 においても、素子ピッチが モード変換した横波(S1 と記す)、そしてノッチで反射 細かいこと及び周波数が低いため、グレーディングロ した縦波が裏面近傍を伝搬する際に横波ヘモード変換 ーブの様な異常な波面は観察されなかった。した波面(S2 と記す)が観察されている。2次クリーピ 3.2 横波斜角60度法ング波法では縦波と横波が複雑な波面を示しているが、 . 次に、遅延設定を横波 60 度に設定したアレイ探触子 アレイ探触子と固定角の2次クリーピング波法用探触波 60 度と同じクサビを使用している。図9は2次ク 3. 測定結果リーピング波用の探触子から発生した超音波パルスの 3.1 横波斜角45度法例として 4M10LA70(WSY70-4)の音場の観察結果で アレイ探触子及び従来 UT 用の固定角の斜角探触子ある。探触子によって超音波の強度は異なるものの から発生した横波斜角45度の音場を図1から図3に示 各々図(a)では、図中に LO と記した縦波と、同時に発 す。各々アレイ探触子 1、アレイ探触子 2 及び生した横波(図中にSと記す)の波面が観察されており、 2210x10A45 から発生した超音波パルスを光弾性超音波図(b)では裏面で反射した横波(S と記す)と反射の際に 可視化装置で観察した結果である。周波数や開口寸法 振動の種類が縦波にモード変換した波面(L と記す)が が異なるため、超音波ビームの指向性は比較の対象に, 観察できる。裏面で反射した横波は入射角と同じ角度 せず、以下、屈折角の違いやグレーティングローブので反射するが、モード変換した縦波は 90 度(裏面近傍) 発生状況を中心に同等性を評価した。から約 70 度程度の方向に広く伝搬している。この縦波 細かいこ ーブの様 3.2 横活 1. 次に、 1及び2、し し ン ア子搬細かいこと及び周波数が低いため、グレーディングロし ーブの様な異常な波面は観察されなかった。 3.2 横波斜角60度法次に、遅延設定を横波 60 度に設定したアレイ探触子 1及び2、そして固定角の横波斜角60度探触子から発 生した超音波パルスの観察結果を各々図4から図6に 示す。図4及び図5は図1及び図2と各々同一のクサ ビを使用し 60 度の横波を送信していることが確認で きる。前述の横波斜角45度の結果と同様に、超音波の 屈折角はガラスと鋼材の音速の違いのため約 70 度に なっているが、ともに同じ屈折角であり、アレイ探触 子から発生した音場と固定角の探触子から発生した音 場は、ほぼ同等であった。 3.3 2次クリーピング波法図7及び図8は、各々アレイ探触子 1及び2から2 次クリーピング波法の条件で発生させた超音波パルス出 の観察結果である。ともに各々前述の横波 45 度及び横 待条ンせた搬状況や発生する波面の様子は、ほぼ同等であった。4. まとめ」さき従来 UT 法で欠陥検出等に用いられている代表的な 条件である横波斜角45度、60度法及び2次クリーピ ング波法の条件で、フェーズドアレイ法により発生さ せた音場を実験的に観察した結果、従来用いられてき た固定角の斜角探触子から発生する音場と同等である ことを確認した。今後、フェーズドアレイ法を欠陥検 出へ適用するための検討がさらに加速されることを期 - 25 -アレイ探触子アレイ探触子横波 45 度 斜角探触子クサビクサビ横波の 波面横波の 波面横波の 波面(a)送信後の波面、(a)送信後の波面(a)送信後の波面重り横穴横穴横穴(b)横穴で反射直前の波面(b)横穴で反射直前の波面(6)横穴で反射直前の波面いてない(c)横穴で反射後の波面 (c)横穴で反射後の波面(c)横穴で反射後の波面 図1 横波斜角 45 度の設定でアレイ探図2 横波斜角 45 度の設定でアレイ探図3 横波 45 度斜角探触子(2Z10x10触子1から発生した超音波パルス 触子2から発生した超音波パルス A45)から発生した超音波パルス の光弾性可視化結果 の光弾性可視化結果の光弾性可視化結果アレイ探触子のアレイ探触子横波 60 度 斜角探触子クサビクサビ横穴横穴横波の横穴第1期横波の 波面横波の波面波面図4 横波斜角 60 度の設定でアレイ探図5 横波斜角 60 度の設定でアレイ探図6 横波 60度斜角探触子(4Z8x9A60)触子1から発生した超音波パルス 触子2から発生した超音波パルス から発生した超音波パルスの光 の光弾性可視化結果 の光弾性可視化結果?性可視化結果1900/01/25アレイ探触子アレイ探触子 クサビ2 次クリーピング 波法用探触子クサビLOノッチノッチを(a)送信後の波面(a)送信後の波面(a)送信後の波面重り画像処理により超音 波パルスを強調表示S(6)横波が裏面で反射した時の波面(6)横波が裏面で反射した時の波面(6)横波が裏面で反射した時の波面画像処理により超音波パルスを強調表示S1S1S2S2S2 (c)縦波(2 次クリーピング波)がノッチで (c)縦波(2 次クリーピング波)がノッチで (c)縦波(2 次クリーピング波)がノッチで 反射した直後の波面 反射した直後の波面反射した直後の波面 図7 横波斜角 33 度(2 次クリーピング図8 横波斜角 33 度(2 次クリーピング図9 2次クリーピング波法用探触子波法)の設定でアレイ探触子1か , 波法)の設定でアレイ探触子2か (4M10LA70; WSY70-4)から発生し ら発生した超音波パルスの光弾ら発生した超音波パルスの光弾た超音波パルスの光弾性可視化- 27 -
“ “超音波の可視化技術を用いたフェーズドアレイ UT 条件の評価“ “古川 敬,Takashi FURUKAWA,古村 一朗,Ichirou KOMURA
フェーズドアレイ法を用いた超音波探傷試験(UT)で は、探傷結果を画像化して表示することに加え、試験 対象部位に送信する超音波ビームの方向を任意に設定 することや、ビームの集束の有無や集束の深さを任意 に設定することが可能という特長があり、き裂深さサ イジング用途[1]だけでなく、欠陥検出にも活用が期待 されている。フェーズドアレイ法を適用する上で探傷 結果の信頼性確保という観点から、設定どおりに超音 波ビームが送信されていることの検証や設定上の制限 を把握することが重要である。さらに欠陥検出へ適用 する場合は、従来 UT 法との同等性の確認や従来 UT 法 による探傷結果との整合性等の検討が不可欠である。フェーズドアレイ法における設定条件の制限という 観点で、著者らは以前アレイ探触子の振動子(素子)ピ ッチ、中心周波数、周波数帯域及び超音波ビームの振 り角を変え、パルス状の超音波を金属内に送信したと きの音場をシミュレーション解析で評価した。その結 果、金属内の音場であっても従来理論(水中の連続波 の解析解)による解析解と大きな差異が無く、従来の 知見を有効に活用できることを示した[2]。 1. 本研究では、実験的な超音波の可視化技術を用いて アレイ探触子から発生する音場を直接観察し、メイン ローブやグレーティングローブの発生の状況を評価し た。特に、現行の規格に準拠してフェーズドアレイ法 を欠陥検出へ適用することを見据え、横波斜角のフェ ーズドアレイ法の設定で音場を評価した。そして従来 UT 用の固定角の斜角探触子から発生する音場と比較し、フェーズドアレイ法による音場との違いの有無を評価 した。
2. 測定方法及び条件
- 音場の観察には、光弾性超音波可視化装置[3]を用い た。この装置では画像の輝度(明るさ)が超音波の音圧 すなわち最大せん断応力に対応している[4]。試験片は光弾性超音波可視化法を適用するため、透 明体かつ光弾性効果があり音速が鋼材に近い、耐熱ガ ラスとした。試験片は、板厚 50mm、奥行き 20mm、長さ 300mm の板で、板厚の 1/4 と 3/4 深さ位置にゅ3. 2mm の 貫通横穴を設けたものと、裏面に深さ 15mm の貫通ノッ チを設けた2種類を使用した。 - アレイ探傷器及び従来 UT 用の探傷器は市販品 (MC64:栄進化学製、USIP12:クラウトクレーマ製)を用 い、表1に示す市販の探触子から発生する超音波の音 場を観察した。アレイ探触子はクサビを介して超音波 を送信したが、3 種類の送信条件は遅延設定のみを変 え、クサビは全ての条件で同じものを使用した。 - なお、2次クリーピング波法[5]用の探触子から発生 する超音波ビームは、縦波が 70 度から 90 度程度の範 囲に発生しているが、このとき横波も約 30 度から 35 度程度に発生している。ここでのフェーズドアレイ法 では代表的な条件として横波斜角 33 度の設定とした。 また、アレイ探触子の仕様の表記方法の国内規格が無 いため素子幅 x素子長さ-総素子数、同時駆動素子数の 順に記載し、カッコ内には、屈折角以外は従来 UT 用の 探触子と同様な内容を記載した。24表1 超音波ビームの送信条件及び探触子の仕様 送信条件 アレイ探触子従来 UT 用探触子備考 横波斜角 45 度法 | * | アレイ探触子 1:5K 0.5x4-16ch 16ch*1 | 2210x10A45※1従来 UT 用探触 クサビの角度 30.7度子と比較するた 横波斜角 60 度法 | (5K 8x4 相当、横波斜角用のクサビ) / | 4Z8x9A60 (MWB60-4※2) め、アレイ探触 アレイ探触子 2:3K 0.5x20-32ch 20ch※1子の送信条件の 2次クリーピング波法クサビの角度 16.6度 | 2M10LA70 (WSY70-2*2) | 設定には鋼材の (横波斜角 33 度) | (3K 10×20 相当、縦波斜角用のクサビ) | 4M10LA70 (WSY70-4※2) | 音速を用いた。(※1 検査技術研究所製、※2 クラウトクレーマ製)波 60 度と同じクサビを使用している。図9は2次ク 3. 測定結果リーピング波用の探触子から発生した超音波パルスの 3.1 横波斜角45度法例として 4M10LA70(WSY70-4)の音場の観察結果で アレイ探触子及び従来 UT 用の固定角の斜角探触子 ある。探触子によって超音波の強度は異なるものの から発生した横波斜角 45度の音場を図1から図3に示 各々図(a)では、図中に LO と記した縦波と、同時に発 す。各々アレイ探触子 1、アレイ探触子 2 及び生した横波(図中にSと記す)の波面が観察されており、 2210x10A45 から発生した超音波パルスを光弾性超音波 図(b)では裏面で反射した横波(S と記す)と反射の際に 可視化装置で観察した結果である。周波数や開口寸法 振動の種類が縦波にモード変換した波面(L と記す)が が異なるため、超音波ビームの指向性は比較の対象に 観察できる。裏面で反射した横波は入射角と同じ角度 せず、以下、屈折角の違いやグレーティングローブの で反射するが、モード変換した縦波は90 度(裏面近傍) 発生状況を中心に同等性を評価した。から約 70 度程度の方向に広く伝搬している。この縦波 超音波ビームの伝搬方向(屈折角)はガラスと鋼材のは2次クリーピング波と呼ばれているものである。図 音速の違いのため約 50 度になっているが、ともに同じ (c)はノッチで反射後の波面であり、ノッチで反射した 屈折角であることが確認できる。縦波斜角用のクサビ 縦波(L と記す)及びこの縦波がノッチで反射する際に を装着したアレイ探触子 2 においても、素子ピッチが モード変換した横波(S1 と記す)、そしてノッチで反射 細かいこと及び周波数が低いため、グレーディングロ した縦波が裏面近傍を伝搬する際に横波ヘモード変換 ーブの様な異常な波面は観察されなかった。した波面(S2 と記す)が観察されている。2次クリーピ 3.2 横波斜角60度法ング波法では縦波と横波が複雑な波面を示しているが、 . 次に、遅延設定を横波 60 度に設定したアレイ探触子 アレイ探触子と固定角の2次クリーピング波法用探触波 60 度と同じクサビを使用している。図9は2次ク 3. 測定結果リーピング波用の探触子から発生した超音波パルスの 3.1 横波斜角45度法例として 4M10LA70(WSY70-4)の音場の観察結果で アレイ探触子及び従来 UT 用の固定角の斜角探触子ある。探触子によって超音波の強度は異なるものの から発生した横波斜角45度の音場を図1から図3に示 各々図(a)では、図中に LO と記した縦波と、同時に発 す。各々アレイ探触子 1、アレイ探触子 2 及び生した横波(図中にSと記す)の波面が観察されており、 2210x10A45 から発生した超音波パルスを光弾性超音波図(b)では裏面で反射した横波(S と記す)と反射の際に 可視化装置で観察した結果である。周波数や開口寸法 振動の種類が縦波にモード変換した波面(L と記す)が が異なるため、超音波ビームの指向性は比較の対象に, 観察できる。裏面で反射した横波は入射角と同じ角度 せず、以下、屈折角の違いやグレーティングローブので反射するが、モード変換した縦波は 90 度(裏面近傍) 発生状況を中心に同等性を評価した。から約 70 度程度の方向に広く伝搬している。この縦波 細かいこ ーブの様 3.2 横活 1. 次に、 1及び2、し し ン ア子搬細かいこと及び周波数が低いため、グレーディングロし ーブの様な異常な波面は観察されなかった。 3.2 横波斜角60度法次に、遅延設定を横波 60 度に設定したアレイ探触子 1及び2、そして固定角の横波斜角60度探触子から発 生した超音波パルスの観察結果を各々図4から図6に 示す。図4及び図5は図1及び図2と各々同一のクサ ビを使用し 60 度の横波を送信していることが確認で きる。前述の横波斜角45度の結果と同様に、超音波の 屈折角はガラスと鋼材の音速の違いのため約 70 度に なっているが、ともに同じ屈折角であり、アレイ探触 子から発生した音場と固定角の探触子から発生した音 場は、ほぼ同等であった。 3.3 2次クリーピング波法図7及び図8は、各々アレイ探触子 1及び2から2 次クリーピング波法の条件で発生させた超音波パルス出 の観察結果である。ともに各々前述の横波 45 度及び横 待条ンせた搬状況や発生する波面の様子は、ほぼ同等であった。4. まとめ」さき従来 UT 法で欠陥検出等に用いられている代表的な 条件である横波斜角45度、60度法及び2次クリーピ ング波法の条件で、フェーズドアレイ法により発生さ せた音場を実験的に観察した結果、従来用いられてき た固定角の斜角探触子から発生する音場と同等である ことを確認した。今後、フェーズドアレイ法を欠陥検 出へ適用するための検討がさらに加速されることを期 - 25 -アレイ探触子アレイ探触子横波 45 度 斜角探触子クサビクサビ横波の 波面横波の 波面横波の 波面(a)送信後の波面、(a)送信後の波面(a)送信後の波面重り横穴横穴横穴(b)横穴で反射直前の波面(b)横穴で反射直前の波面(6)横穴で反射直前の波面いてない(c)横穴で反射後の波面 (c)横穴で反射後の波面(c)横穴で反射後の波面 図1 横波斜角 45 度の設定でアレイ探図2 横波斜角 45 度の設定でアレイ探図3 横波 45 度斜角探触子(2Z10x10触子1から発生した超音波パルス 触子2から発生した超音波パルス A45)から発生した超音波パルス の光弾性可視化結果 の光弾性可視化結果の光弾性可視化結果アレイ探触子のアレイ探触子横波 60 度 斜角探触子クサビクサビ横穴横穴横波の横穴第1期横波の 波面横波の波面波面図4 横波斜角 60 度の設定でアレイ探図5 横波斜角 60 度の設定でアレイ探図6 横波 60度斜角探触子(4Z8x9A60)触子1から発生した超音波パルス 触子2から発生した超音波パルス から発生した超音波パルスの光 の光弾性可視化結果 の光弾性可視化結果?性可視化結果1900/01/25アレイ探触子アレイ探触子 クサビ2 次クリーピング 波法用探触子クサビLOノッチノッチを(a)送信後の波面(a)送信後の波面(a)送信後の波面重り画像処理により超音 波パルスを強調表示S(6)横波が裏面で反射した時の波面(6)横波が裏面で反射した時の波面(6)横波が裏面で反射した時の波面画像処理により超音波パルスを強調表示S1S1S2S2S2 (c)縦波(2 次クリーピング波)がノッチで (c)縦波(2 次クリーピング波)がノッチで (c)縦波(2 次クリーピング波)がノッチで 反射した直後の波面 反射した直後の波面反射した直後の波面 図7 横波斜角 33 度(2 次クリーピング図8 横波斜角 33 度(2 次クリーピング図9 2次クリーピング波法用探触子波法)の設定でアレイ探触子1か , 波法)の設定でアレイ探触子2か (4M10LA70; WSY70-4)から発生し ら発生した超音波パルスの光弾ら発生した超音波パルスの光弾た超音波パルスの光弾性可視化- 27 -
“ “超音波の可視化技術を用いたフェーズドアレイ UT 条件の評価“ “古川 敬,Takashi FURUKAWA,古村 一朗,Ichirou KOMURA