振動診断計(神童君Neoと4ch型診断装置SA-Pro)の紹介

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カテゴリ: 第5回
1. 緒言
当社では 1976 年から回転機械振動診断技術の導入 を開始し、以降、応力測定等による構造系診断、油分 析による潤滑診断、電気設備の絶縁診断等、設備診断 技術開発を積極的に推進してきた。本稿では、この中 から振動診断ツールであるポータブル振動診断計(神 童君 Neo)と4ch型振動診断装置(SA-Pro)につい て、機能概要と活用事例を紹介する。
2. ポータブル振動診断計(神童君 Neo) 2.1 装置概要 * 振動診断計神童君 Neo は神童君、同 Jr.に続く当社ポ ータブル振動診断計の後継機であり、2006年8月に販 売を開始した。図1に神童君 Neo 本体と測定中の画面 表示例を示す。JFF メカニカル・ロッANA VOL230 Nailymmmmocrat! E01FA.10.2 . ..1, 1お いしさ・DLP23.05 ACR3.00L PLL-H32.16 *INEP314クレコ3特87 101asneyst定中停止図1 神童君 Neo- 神童君 Neo の特長は以下のとおりである。 (1)振動値と良否判定結果をバーグラフで表示する(振 動変位、速度、加速度の3モードを同時表示)。 (2)過去10回分のトレンドグラフを表示でき、現場測 定時にデータの傾向を確認できる。 (3)異常と判定された場合、現場で直ちに異常原因を判 定できる(例:アンバランス、芯ずれ、歯車異常、軸 受きず、潤滑不良等7項目の異常原因を識別)。 (4)更に振動波形データ(速度、加速度)を採取する機 能を有し、上位診断解析ソフトを用いることで詳細の 「精密診断解析が可能。 (5)別途 10 秒間の長時間加速度波形採取機能もあり、低 速回転機械等のデータ収集時に活用可能。 (6)1600 ラインの FFT 処理を実現 (7)見やすい 3.7 型のカラー液晶画面 (8)PC との通信方式として赤外線通信を採用った2.2 神童君 Neo による診断事例ファン設備の軸受振動(1部位)が異常値とな ため、振動診断を実施した事例を示す。|部位図2 ファン組立断面図ファン組立断面図1900/10/27(1)設備仕様 モータ容量:100kW、回転数:2990rpm 4部位軸受:転がり軸受 6212 (グリース給脂) (2)簡易診断結果 4部位の速度値が 2.4mm/s であり、注意値 2.0mm/s をオーバーした。 (3)精密診断結果 ・ 速度波形には高調波を含む回転周期(20ms)の振動が発生している(図3上)。 ・ 速度の振動主成分は 49.9Hz (fr:回転周波数)であり、frの高調波成分も発生している(図3下)。 ・ 加速度 rms値は6.6 m/slで正常値領域ではあるが、回転周期の衝撃振動が若干認められる。 以上の結果、軸受ケーシング(1部位はめ合い面) 摩耗によるガタが生じていると診断した。今後摩耗が 急速に進行する可能性もあることから、早い時期に分 解整備が必要であると判断した。VEL-A1900/01/02VEL-Aスペクトルmm/s 4.049.9Hz1900/01/011.04.1.......2448/09/02AirmyHE 600 1 800 1000 .図3 異常時の速度波形と周波数スペクトル(4)分解点検結果 - 分解点検の結果、精密診断の推定どおり軸受ケーシ ング(1部位はめ合い面)が寸法許容値 110+0.035mm に対して 0.5mm 摩耗していた。摩耗状況写真を図4に 示す。4部位軸受 | はめ合い面段付摩耗図4 軸受ケーシング摩耗状況(5)分解整備後の測定軸受ケーシングおよび軸受交換後の振動測定値は 速度 rms 値が 2.4mm/s から 1.1mm/s(約 1/2)に、加速 度rms 値は6.6 m/s から 1.7 m/s2 (約 1/4)に低下して良好 値となった。分解整備後の速度波形とスペクトルを図 5に示す。VEL-A 1990......19remm/s 4.01VEL-Aスペクトル1900/01/011899/12/31 0:57:361899/12/31 0:57:36 1900/01/090.0-12100mLine.netWolf Tempetty図5 分解整備後の速度波形と周波数スペクトル3.4ch 型診断装置 SA-Pro3.1 装置概要 - 神童君 Neo は 1 ch型の振動診断計であるが、測定・ 解析作業、報告書作成の大幅な効率化・自動化を目的 として4ch型の振動診断装置 SA-Pro を 2005 年に開発 した。図2に SA-Pro の外観を示す。シミュダスSAPI最小、最強の4ch シグナルアナライザーSA-PRO Ter. JonderfulOM図6 SA-Pro- 従来の振動診断作業は、現場に各種測定器(振動計、 データレコーダ、モニター等)を設置し、各機器の設 定作業を行った後データを記録する。その後、測定し たデータを再生しながらFFTアナライザ等を用いて 手動で解析作業を行う。解析データは記録計で印刷し、 必要なデータを切抜き・貼付しながら報告書を作成す1900/10/28る。一方、SA-Pro を用いた場合の診断作業は、現場に SA-Pro 1 台を持ち込み、センサを設置するだけで測定 がすぐに行える。また、解析結果をその場で表示する こともできる。測定終了後は事務所へ戻り、保存され ているデータを確認(必要な解析処理はすべて自動) 後、報告書を自動出力する診断装置である。SA-Pro の特長は以下のとおりである。 (1)測定から解析~報告書作成までの一連の作業を1台 で実現する振動診断装置である。 (2)4ch 加速度信号同時サンプリング (モータとポンプの軸受部4点同時測定、V・H・A 3方向の同時測定が可能) (3)診断現場でリサージュ解析、3次元スペクトル解析 などの特殊解析ができる(他に peak Germs 値算出、 周波数分析、相関分析等)。 (4)長時間の波形データ採取が可能(最大 180 秒まで波 形データを収録でき、例として起動から一定回転まで の長時間のデータ採取が可能)。 (5)測定間隔を設定し、定期的な自動収集を行うことが 可能。 (6)診断報告書の自動作成 (簡易診断速報版、精密診断カルテ帳票出力機能等)3.2 SA-Pro による診断事例ポンプの軸受振動 (1部位)が異常値となったため、 振動診断を実施した事例を示す。 (1)設備仕様 モータ容量:11kW、回転数:1320rpm 4部位軸受:転がり軸受 30310(グリース給脂)クリッターCHEN図7ポンプ外観」(2)簡易診断結果の部位の加速度 rms 値が 11.8m/sであり、注意値 10 1m/s をオーバーした。 (3)精密診断結果 ? 加速度波形に軸受の外輪きず周期(7ms)の衝撃振動 - が発生している(図8上)。 ・ エンベロープ処理後の周波数スペクトルでも外輪 きず周波数(145Hz)が明瞭に現れている(図8下)。ACCOまさお7 ms1900/05/09させてとなっておこう、 「 数 [1453431 12006253 469148 11177 1451117 13066113 5811100 1678 12755093 001000145Hz181900/01/03suurinter Monolorweatsurater owles.図8 異常時の加速度波形と周波数スペクトル以上の結果、1部位の転がり軸受の外輪軌道面にき ずが発生していると診断した。注意値ではあるが、重 要設備であることから早い時期に分解整備が必要であ ると判断した。(4) 軸受分解点検結果診断結果のとおり、転がり軸受(30310)外輪軌道面 のきず発生を確認した。- 図9 転がり軸受損傷状況(外輪きず)303 (5)分解整備後の測定 * 軸受交換後の加速度 rms 値は 11.8 m/s から 2.5 m/se(約 1/5)に低下して良好値となった。分解整備後の加 速度波形とスペクトルを図 10 に示す。ACC42120731900/01/151900/05/041901/09/101900/01/111900/01/10012 011????????????????????????????分解整備後の加速度波形と周波数スペクトル 図10 当社の振動診断ツールであるポータブル振動診断計 4.結言* 当社の振動診断ツールであるポータブル振動診断計(神童君 Neo) と 4ch 型振動診断装置(SA-Pro)の概 要と活用事例を紹介した。今後も更に機能向上、信頼性・操作性向上に向けて 積極的な商品開発に取り組んでいく所存である。- 304 -
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