原子力発電所における間欠運転機器の振動傾向管理の実施方法について
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カテゴリ: 第5回
1. はじめに
原子力発電所では、回転機器の振動法による設備診 断技術の導入に積極的に取り組んでいる。しかし、原 子力発電所の主要な回転機械は、間欠運転機器である 場合が多い。振動法は、回転時の振動を検出するもの であり、常時回転していない機器に対し、どのような 振動傾向管理を実現するかが課題であった。今回、日本原子力発電(株)と旭化成エンジニアリ ング(株)では、共同で、間欠機器の傾向管理システ ムを開発し、傾向管理を実現したので,その概要と実 際の事例を紹介する。
2. システム開発の背景 原子力発電所では、平成 20 年度から新検査制度が 導入される。新しい制度には以下の3つの大きな変更 点がある。 1 今まですべての原子力発電所で同一だった検 査を改め、それぞれの原子力発電所の運転期間 とその状況を考慮し、プラント毎にきめ細かい 検査を実施していくこと。 2 これまで約1年ごとに原子力発電所を停止して 行う「定期事業者検査」に集中している検査を 見直すと同時に、運転中の検査を充実強化して いくこと。
3 ヒューマンエラーや組織要因による事故やトラブルを防止するための根本的な原因分析に積極的に取り組んでいくこと ・ 特に、「運転中の検査の充実強化」に関しては、事 業者が自主的に行ってきた「状態監視保全(CBM : Condition Based Maintenance)」の活動を制度化するこ とが柱になっている。「状態監視保全」とは、原子炉 が停止している検査期間中だけでなく、日常的に運転 中のさまざまなデータを収集・分析し、安全保全活動 を進めていくことである。欧米の原子力発電所では、 すでにこの考え方を導入し、高い成果をあげている事 が報告されている。 * 状態監視保全のコア技術である設備診断技術は、日 本国内においては、鉄鋼、石油化学などの装置産業を 中心に主として 1970年代より導入されている。その 中でも回転機械の振動診断技術は多くの実績があり、 現在は、ISO 機械状態監視・診断技術者資格者の認定 制度等にもより、拡大・定着している。 原子力発電所においても、振動診断による回転機械の 傾向管理を実施しており、成果をあげている。振動診 断は、回転機械が稼動していることが前提であり、サ ンプポンプに代表される廃棄物処理系の機器は、槽に 溜まった水をレベルスイッチによる自動起動により 運転を開始する間欠運転機器であり、運転時間が短く 運転する時間もわからないことから、状態監視が困難 であった。これらの機器が、回転機械の約5分の1を 占めるため、その対応が課題となっていた。3633. 間欠運転機器の傾向管理システム 3.1 システムの概要 - 間欠運転機器は、前述の様に常時運転していないた め、定期的な振動測定などの状態監視ができない。ま た、通常の振動診断の様に異常兆候を検出した場合に 別途精密診断していたのでは、精密測定のチャンスが なくなるため、以下の機能を基本機能として搭載する こととした。 * . 起動時のモータの磁場の変化を捉え、起動時に自動測定を実施し、振動レベルを記録する機能。 - 精密診断に必要となる基本的な周波数解析(FFT)を実施し、データを自動保存する。 ・ システムの構成は、現場にてデータ収集を実施する データ収集装置(MD-1028)と事務所にて事前に測定 条件を設定し、収集したデータの管理を実施する管理 ソフトウエアで構成されている。システムの概要を図 1に示す。 - なお、データ収集装置(MD-1028)は、振動加速度セ ンサ 4ch 分のデータ収集が同時に可能となっており、 磁気センサにより得られる運転の ON-OFF 信号によ り自動的に計測開始-停止を判断し、データ収集を行 う。また、管理ソフトウエアは、現場用のデータ収集 装置の測定条件設定を実施するコントロールソフト ウエア (PCH1009)とデータ管理及び、解析ソフトウ エアのMD-310 for Win の2つのソフトウエアで構成 される。 * システムの概要を Fig.1 に示す。く、現場の暗号Ule mountsMD-1028 (管理ソフトウエア」PCH1009MD-1028MD-310 for WinFig. 1 Intermittent operating machine monitoring system3.2 システムの特徴間欠機器傾向管理システムの特徴を以下に示す。 (1) データ収集装置の特徴データ収集装置は、主に以下の3つの特徴を有す。 また、データ収集装置の基本仕様を Table.1 に示す。 ○間歇機器の起動に合わせた自動計測機能: - 外部トリガーとの組合せにより、間歇機器の起動に 合わせて振動を自動的に計測することが可能。2豊富な解析機能 1豊富な解析機能を搭載しており、異常兆候を検出し た場合の精密診断も可能。 ・FFT(1Hz ~20kHz)解析機能 ・エンベロープ解析機能 3持ち運びに便利なケース一体型測定器本体は、アタッシュケース型の専用ケースと 一体型となっており、かつ、振動計測に必要なケーブ ル類、センサ等の器材が収納可能となっており、現場 への運搬が楽にできる。Fig.2 MD-1028 externalsBBTable.1 MD-1028 Basic Specification | センサ加速度センサ 4点加速度 RMS(g) : 1k~20kHz 振動?速度 RMS(mm/s):10~1kHz運転開始1分後測定開始 120分 振動トレンド加速度値、速度値速度FFT(10~1kHz) 周波数解析 | 加速度FFT( ~20 kHz)加速度ENV( ~1kHz) FFT データ |運転開始後1分後測定 |電源 | AC100V (2) 管理ソフトウエアの特徴管理ソフトウエアは、以下の2つの特徴を有す。 なお、データ管理及び、解析ソフトウエアである「MD-310 for Win」は、旭化成エンジニアリング製 このポータブル振動診断器 MD-310V の管理ソフトと兼用であり、他のポータブル振動診断器による傾向管 理データと同じアプリケーションにて管理可能とな っている。 1豊富なデータ解析機能 *傾向管理、精密診断に必要な様々な解析機能を搭載 しており、トレンドデータ,測定点比較など診断に必 要となるデータを一度に評価可能。 ・トレンド解析表示データ収集装置により記録された速度、加速度の * 振動値を測定日毎の経時変化グラフとして表示す364おります。機器名称ポンプB臣「万両V機器番号(Tag No.) P-200A03/15 1162715モードクラブ速度(mm/)--1 FO/AB-/AC)加Fig.3Trend analysis display・フィールドトレンド解析表示データ収集装置により記録された稼働中の振動 値の変化を表示する。機器名体,圧は理は新定テスト「 間テス機器番号(TagND2004051700 A定日2004/06/25位置T向A位置・方南VAフィールドトレンドグラフー20041575 10:20:26 A10)010000150000グラフコ丸出グラフ参り・グラブ万回モーFETESTHERNERCAFig.4Field trend analysis display・FFT データ解析表示データ収集装置により稼働後に自動解析された 周波数解析(FFT)結果を表示する。機器名作「ポンプB位下向い1865 (Tag No. P-200A42009/01/15向FFTグラフ2009/01/15 10FTモードoootsuloooofoot・3色グラフ10台グラフ03.50050001125001E+19肌数)1日数:クラブ510FFTHA名一度モード Gモード 「エンドローブモード!ビークリストに 圧術院フィールドFig.5 FFT data analysis display2柔軟なデータ出力機能表示したデータは、表出力は CSV ファイル、 ラフ出力は JPEG ファイルとして出力可能。機器番号(Tag No.) 機器名称 測定日 位置 方向 FFTモード:S-P200A環ポンプ日 : 2003/8/15Vエンベロープ定い20003/08/15 11:49:00 V1 エンベロープ106004 200gきれいんまんラムール・webショップバイトストールします!11337.5周波数(H2)限波ピークリスト周波数 58.12Hz -.116.88Hz 1174.38Hz64.38Hz 234.38Hz計測値 0.095 0.073 0.05 0.032Fig.6 EXCEL data output example3.3 システムの操作手順システムの操作手順を以下に示す。 (1) 運用(前準備) * 管理ソフトウエアにて、測定対象となる間欠運転機 器の登録を実施する。 (2) 現場測定 1 センサを対象機器に取付け、データ収集装置へ接続する。あわせて、運転信号検出器とデ ータ収集装置も接続する。Fig.7.1Measurement preparation(Hard setup)Fig. 7.2 Measurement preparation(Hard setup : Details)2 データ収集装置と PC を接続し、PC より機器情報、測定条件などをデータ収集装置へダ ウンロードする。1900/12/30Fig.8 Measurement preparation(Software setup)PC をデータ収集装置から外し、測定スタン バイとなる。 データ収集装置は、対象機器の運転信号をキ ャッチすると1分後に自動的にデータの測 定を開始する。なお、起動後、すぐは一定回 転数に到達せず、振動値が安定しないため、 測定にあたっては、ディレイタイムを設けて いる。(Fig.9) ・ データは 120分間採集され、収集装置にメモリーされる。 . 120 分以前に運転が停止した場合は、その時点でデータ測定を停止し、データを保する。 データ収集完了後、PC をデータ収集装置に 接続し、測定データをアップロードする。 センサ、運転信号検出器、PCなどをデータ 収集装置から外し、撤収します。(3) 傾向管理・解析パソコンのデータ管理・解析ソフトウエア(MD. 310 for win)にデータを登録し、測定データの各種 解析、及び、レポートの作成を実施する。1分120分運転 間欠歌運転機習停止この間1分毎に振動値 1 のみを測定テー タ収集開始データ収集停止振動値トレンド(力加速度、速度)FFT2006/15950000円・速度おかれさえ本にはがき、ンベロープFig.9Measurement order4. システム導入の効果と課題 4.1 システム導入の効果 * 本システム導入により、従来、測定が難しかった 間欠運転機器の運転時の振動計測が可能となり、状 態監視が可能となった。また、同時に精密診断デー タ (FFT データ)の計測も実施するため、振動値 の経時変化による状態監視のみでなく、周波数スペ クトルの比較による診断も可能となった。間欠運転 機器の場合は、基本的に測定の機会が少ないため、 振動値の経時変化のみによる状態監視では判断が 難しい場合があり、スペクトルデータの変化を確認 することは状態監視において、大変に有効である。4.2 システムの課題 * 現システムの課題としては、以下があげられる。 1 電源が AC100V のみであり、電源コンセントを測定の都度、引く必要がある。また、電源が確保できない場合は、測定できない。 2 データ収集装置に防水保護がなされていないため、屋内での測定に限定される。 データ収集装置が、振動計測に必要なケーブル 類、センサ等の器材が収納可能となっているた め、大きく重くなっており、階段等での搬送が難しい。 * 上記については、1外部バッテリの活用、2防水 コネクタ、ケースの簡易防水化、保護カバーの検 討、3ケーブル類、センサ等の器材の収納分離と小 型・軽量化などのバージョンアップを検討中であ る。 366 5. おわりに * 振動診断による回転機器の傾向管理は、30 年を超 える実績があり、その有効性は認識されている。従来 の振動診断は、常時稼働している回転機器がメインの 対象機器であり、非定常に稼働する間欠運転機器は、 振動による状態監視が困難であった。しかしながら、 本システムの開発により、間欠運転機器においても振 動による状態監視が可能となった。但し、原子力発電所の間欠運転機器の大半を占める 竪型ポンプは、水中軸受等の構造が多く、センサの設 置箇所が限定され、水中部の状態監視が難しい。本シ ステムによる測定データの蓄積・評価により、竪型ポ ンプの水中部の状態監視技術の確立につながる可能 性がある。振動による状態監視技術(振動診断技術)は、デー タの蓄積による診断ノウハウによるところが大きい。 本システムの活用により、振動による状態監視技術の 対象機器を増やすとともに、データの蓄積により、診 断精度の向上につなげていきたい。- 367 -“ “?原子力発電所における間欠運転機器の振動傾向管理の実施方法について“ “米川 豊,Yutaka YONEKAWA,福永 辰也,Tatsuya FUKUNAGA
原子力発電所では、回転機器の振動法による設備診 断技術の導入に積極的に取り組んでいる。しかし、原 子力発電所の主要な回転機械は、間欠運転機器である 場合が多い。振動法は、回転時の振動を検出するもの であり、常時回転していない機器に対し、どのような 振動傾向管理を実現するかが課題であった。今回、日本原子力発電(株)と旭化成エンジニアリ ング(株)では、共同で、間欠機器の傾向管理システ ムを開発し、傾向管理を実現したので,その概要と実 際の事例を紹介する。
2. システム開発の背景 原子力発電所では、平成 20 年度から新検査制度が 導入される。新しい制度には以下の3つの大きな変更 点がある。 1 今まですべての原子力発電所で同一だった検 査を改め、それぞれの原子力発電所の運転期間 とその状況を考慮し、プラント毎にきめ細かい 検査を実施していくこと。 2 これまで約1年ごとに原子力発電所を停止して 行う「定期事業者検査」に集中している検査を 見直すと同時に、運転中の検査を充実強化して いくこと。
3 ヒューマンエラーや組織要因による事故やトラブルを防止するための根本的な原因分析に積極的に取り組んでいくこと ・ 特に、「運転中の検査の充実強化」に関しては、事 業者が自主的に行ってきた「状態監視保全(CBM : Condition Based Maintenance)」の活動を制度化するこ とが柱になっている。「状態監視保全」とは、原子炉 が停止している検査期間中だけでなく、日常的に運転 中のさまざまなデータを収集・分析し、安全保全活動 を進めていくことである。欧米の原子力発電所では、 すでにこの考え方を導入し、高い成果をあげている事 が報告されている。 * 状態監視保全のコア技術である設備診断技術は、日 本国内においては、鉄鋼、石油化学などの装置産業を 中心に主として 1970年代より導入されている。その 中でも回転機械の振動診断技術は多くの実績があり、 現在は、ISO 機械状態監視・診断技術者資格者の認定 制度等にもより、拡大・定着している。 原子力発電所においても、振動診断による回転機械の 傾向管理を実施しており、成果をあげている。振動診 断は、回転機械が稼動していることが前提であり、サ ンプポンプに代表される廃棄物処理系の機器は、槽に 溜まった水をレベルスイッチによる自動起動により 運転を開始する間欠運転機器であり、運転時間が短く 運転する時間もわからないことから、状態監視が困難 であった。これらの機器が、回転機械の約5分の1を 占めるため、その対応が課題となっていた。3633. 間欠運転機器の傾向管理システム 3.1 システムの概要 - 間欠運転機器は、前述の様に常時運転していないた め、定期的な振動測定などの状態監視ができない。ま た、通常の振動診断の様に異常兆候を検出した場合に 別途精密診断していたのでは、精密測定のチャンスが なくなるため、以下の機能を基本機能として搭載する こととした。 * . 起動時のモータの磁場の変化を捉え、起動時に自動測定を実施し、振動レベルを記録する機能。 - 精密診断に必要となる基本的な周波数解析(FFT)を実施し、データを自動保存する。 ・ システムの構成は、現場にてデータ収集を実施する データ収集装置(MD-1028)と事務所にて事前に測定 条件を設定し、収集したデータの管理を実施する管理 ソフトウエアで構成されている。システムの概要を図 1に示す。 - なお、データ収集装置(MD-1028)は、振動加速度セ ンサ 4ch 分のデータ収集が同時に可能となっており、 磁気センサにより得られる運転の ON-OFF 信号によ り自動的に計測開始-停止を判断し、データ収集を行 う。また、管理ソフトウエアは、現場用のデータ収集 装置の測定条件設定を実施するコントロールソフト ウエア (PCH1009)とデータ管理及び、解析ソフトウ エアのMD-310 for Win の2つのソフトウエアで構成 される。 * システムの概要を Fig.1 に示す。く、現場の暗号Ule mountsMD-1028 (管理ソフトウエア」PCH1009MD-1028MD-310 for WinFig. 1 Intermittent operating machine monitoring system3.2 システムの特徴間欠機器傾向管理システムの特徴を以下に示す。 (1) データ収集装置の特徴データ収集装置は、主に以下の3つの特徴を有す。 また、データ収集装置の基本仕様を Table.1 に示す。 ○間歇機器の起動に合わせた自動計測機能: - 外部トリガーとの組合せにより、間歇機器の起動に 合わせて振動を自動的に計測することが可能。2豊富な解析機能 1豊富な解析機能を搭載しており、異常兆候を検出し た場合の精密診断も可能。 ・FFT(1Hz ~20kHz)解析機能 ・エンベロープ解析機能 3持ち運びに便利なケース一体型測定器本体は、アタッシュケース型の専用ケースと 一体型となっており、かつ、振動計測に必要なケーブ ル類、センサ等の器材が収納可能となっており、現場 への運搬が楽にできる。Fig.2 MD-1028 externalsBBTable.1 MD-1028 Basic Specification | センサ加速度センサ 4点加速度 RMS(g) : 1k~20kHz 振動?速度 RMS(mm/s):10~1kHz運転開始1分後測定開始 120分 振動トレンド加速度値、速度値速度FFT(10~1kHz) 周波数解析 | 加速度FFT( ~20 kHz)加速度ENV( ~1kHz) FFT データ |運転開始後1分後測定 |電源 | AC100V (2) 管理ソフトウエアの特徴管理ソフトウエアは、以下の2つの特徴を有す。 なお、データ管理及び、解析ソフトウエアである「MD-310 for Win」は、旭化成エンジニアリング製 このポータブル振動診断器 MD-310V の管理ソフトと兼用であり、他のポータブル振動診断器による傾向管 理データと同じアプリケーションにて管理可能とな っている。 1豊富なデータ解析機能 *傾向管理、精密診断に必要な様々な解析機能を搭載 しており、トレンドデータ,測定点比較など診断に必 要となるデータを一度に評価可能。 ・トレンド解析表示データ収集装置により記録された速度、加速度の * 振動値を測定日毎の経時変化グラフとして表示す364おります。機器名称ポンプB臣「万両V機器番号(Tag No.) P-200A03/15 1162715モードクラブ速度(mm/)--1 FO/AB-/AC)加Fig.3Trend analysis display・フィールドトレンド解析表示データ収集装置により記録された稼働中の振動 値の変化を表示する。機器名体,圧は理は新定テスト「 間テス機器番号(TagND2004051700 A定日2004/06/25位置T向A位置・方南VAフィールドトレンドグラフー20041575 10:20:26 A10)010000150000グラフコ丸出グラフ参り・グラブ万回モーFETESTHERNERCAFig.4Field trend analysis display・FFT データ解析表示データ収集装置により稼働後に自動解析された 周波数解析(FFT)結果を表示する。機器名作「ポンプB位下向い1865 (Tag No. P-200A42009/01/15向FFTグラフ2009/01/15 10FTモードoootsuloooofoot・3色グラフ10台グラフ03.50050001125001E+19肌数)1日数:クラブ510FFTHA名一度モード Gモード 「エンドローブモード!ビークリストに 圧術院フィールドFig.5 FFT data analysis display2柔軟なデータ出力機能表示したデータは、表出力は CSV ファイル、 ラフ出力は JPEG ファイルとして出力可能。機器番号(Tag No.) 機器名称 測定日 位置 方向 FFTモード:S-P200A環ポンプ日 : 2003/8/15Vエンベロープ定い20003/08/15 11:49:00 V1 エンベロープ106004 200gきれいんまんラムール・webショップバイトストールします!11337.5周波数(H2)限波ピークリスト周波数 58.12Hz -.116.88Hz 1174.38Hz64.38Hz 234.38Hz計測値 0.095 0.073 0.05 0.032Fig.6 EXCEL data output example3.3 システムの操作手順システムの操作手順を以下に示す。 (1) 運用(前準備) * 管理ソフトウエアにて、測定対象となる間欠運転機 器の登録を実施する。 (2) 現場測定 1 センサを対象機器に取付け、データ収集装置へ接続する。あわせて、運転信号検出器とデ ータ収集装置も接続する。Fig.7.1Measurement preparation(Hard setup)Fig. 7.2 Measurement preparation(Hard setup : Details)2 データ収集装置と PC を接続し、PC より機器情報、測定条件などをデータ収集装置へダ ウンロードする。1900/12/30Fig.8 Measurement preparation(Software setup)PC をデータ収集装置から外し、測定スタン バイとなる。 データ収集装置は、対象機器の運転信号をキ ャッチすると1分後に自動的にデータの測 定を開始する。なお、起動後、すぐは一定回 転数に到達せず、振動値が安定しないため、 測定にあたっては、ディレイタイムを設けて いる。(Fig.9) ・ データは 120分間採集され、収集装置にメモリーされる。 . 120 分以前に運転が停止した場合は、その時点でデータ測定を停止し、データを保する。 データ収集完了後、PC をデータ収集装置に 接続し、測定データをアップロードする。 センサ、運転信号検出器、PCなどをデータ 収集装置から外し、撤収します。(3) 傾向管理・解析パソコンのデータ管理・解析ソフトウエア(MD. 310 for win)にデータを登録し、測定データの各種 解析、及び、レポートの作成を実施する。1分120分運転 間欠歌運転機習停止この間1分毎に振動値 1 のみを測定テー タ収集開始データ収集停止振動値トレンド(力加速度、速度)FFT2006/15950000円・速度おかれさえ本にはがき、ンベロープFig.9Measurement order4. システム導入の効果と課題 4.1 システム導入の効果 * 本システム導入により、従来、測定が難しかった 間欠運転機器の運転時の振動計測が可能となり、状 態監視が可能となった。また、同時に精密診断デー タ (FFT データ)の計測も実施するため、振動値 の経時変化による状態監視のみでなく、周波数スペ クトルの比較による診断も可能となった。間欠運転 機器の場合は、基本的に測定の機会が少ないため、 振動値の経時変化のみによる状態監視では判断が 難しい場合があり、スペクトルデータの変化を確認 することは状態監視において、大変に有効である。4.2 システムの課題 * 現システムの課題としては、以下があげられる。 1 電源が AC100V のみであり、電源コンセントを測定の都度、引く必要がある。また、電源が確保できない場合は、測定できない。 2 データ収集装置に防水保護がなされていないため、屋内での測定に限定される。 データ収集装置が、振動計測に必要なケーブル 類、センサ等の器材が収納可能となっているた め、大きく重くなっており、階段等での搬送が難しい。 * 上記については、1外部バッテリの活用、2防水 コネクタ、ケースの簡易防水化、保護カバーの検 討、3ケーブル類、センサ等の器材の収納分離と小 型・軽量化などのバージョンアップを検討中であ る。 366 5. おわりに * 振動診断による回転機器の傾向管理は、30 年を超 える実績があり、その有効性は認識されている。従来 の振動診断は、常時稼働している回転機器がメインの 対象機器であり、非定常に稼働する間欠運転機器は、 振動による状態監視が困難であった。しかしながら、 本システムの開発により、間欠運転機器においても振 動による状態監視が可能となった。但し、原子力発電所の間欠運転機器の大半を占める 竪型ポンプは、水中軸受等の構造が多く、センサの設 置箇所が限定され、水中部の状態監視が難しい。本シ ステムによる測定データの蓄積・評価により、竪型ポ ンプの水中部の状態監視技術の確立につながる可能 性がある。振動による状態監視技術(振動診断技術)は、デー タの蓄積による診断ノウハウによるところが大きい。 本システムの活用により、振動による状態監視技術の 対象機器を増やすとともに、データの蓄積により、診 断精度の向上につなげていきたい。- 367 -“ “?原子力発電所における間欠運転機器の振動傾向管理の実施方法について“ “米川 豊,Yutaka YONEKAWA,福永 辰也,Tatsuya FUKUNAGA