連成解析による気液二相流中構造物の振動・腐食評価手法の開発-6 二相流での配管減肉評価モデル

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カテゴリ: 第5回
1.緒言
液滴から配管壁へ移行する運動量を求める。この配管 壁へ移行する運動量により、減肉速度を評価する。原子力発電所において、配管減肉が報告されている 箇所の一つは、給水加熱器ドレン系である。給水加熱 器ドレン系における配管減肉に寄与する要因の一つは 液滴衝突であるが、現状では液滴衝突による配管減肉 の定量的予測は、困難である。一方、プラント寿命延 長、或いはプラント出力増加が検討されつつある現状 を鑑みるならば、液滴衝突による配管減肉の定量的予 測は、喫緊の課題である。1980年以降国内で報告された液滴衝突による配管損 傷事例は、BWRで16件、PWRで3件である。この件 数の相違を、それぞれの冷却水の pH の相違に起因す ると考え、配管壁の腐食を考慮した配管減肉評価モデ ルを提案する。
2.2 二相流動解析
直角曲がり管内の二相流動を、三次元二相流解析コ ード PLASHY [1] により解析する。定常状態における速 度場ベクトルを図1に示す。給水加熱器ドレン系では、 高クオリティであることから、蒸気単相流で近似する。 この近似の妥当性は、文献 [2] に示されている。給水加 熱器ドレン系での代表的な条件として、入口圧力 0.1MPa、出口圧力 0.01MPa と設定した。流入方向
2. 配管減肉評価モデル入口圧力 0.1MPaRelem2.1 評価モデルの概要給水加熱器ドレン系での配管減肉が発生する箇所の 代表的な例として、直角曲がり管を取り上げる。給水 加熱器ドレン系での流動は、二相流の噴霧流であると出口圧力 想定される。直角曲がり管での二相流解析により、定0.01MPa 常状能における速度場を求める。求めた速度場を用い図1 定常状態における直角曲がり管内の速度場 て、液滴の軌道を追跡する。液滴の軌道追跡により、 原子力発電所において、配管減肉が報告されている 箇所の一つは、給水加熱器ドレン系である。給水加熱 器ドレン系における配管減肉に寄与する要因の一つは、 液滴衝突であるが、現状では液滴衝突による配管減肉 の定量的予測は、困難である。一方、プラント寿命延 長、或いはプラント出力増加が検討されつつある現状 を鑑みるならば、液滴衝突による配管減肉の定量的予 測は、喫緊の課題である。1980年以降国内で報告された液滴衝突による配管損 2.1 評価モデルの概要 1 給水加熱器ドレン系での配管減肉が発生する箇所の 代表的な例として、直角曲がり管を取り上げる。給水 加熱器ドレン系での流動は、二相流の噴霧流であると 想定される。直角曲がり管での二相流解析により、定 常状態における速度場を求める。求めた速度場を用い て、液滴の軌道を追跡する。液滴の軌道追跡により、2二相流動解析 直角曲がり管内の二相流動を、三次元二相流解析コ -ド PLASHY [1] により解析する。定常状態における速 場ベクトルを図1に示す。給水加熱器ドレン系では、 クオリティであることから、蒸気単相流で近似する。 の近似の妥当性は、文献 [2] に示されている。給水加 三器ドレン系での代表的な条件として、入口圧力 - 420 -2.3 液滴軌道解析 - 二相流動解析により求めた速度場と液滴の運動方程 式 (1)により、液滴の軌道を追跡する。--- 17 pp.v, -1,(0, -....)-1ルコート (13)p.1, -1,(0, -u.) -(1) ここで、mp:液滴質量(kg) yp:液滴速度(m/s) dp : 液滴径 (m) Pg: 蒸気密度 (kg/m) ug:蒸気速度(m/s)Ca:抗力係数(-) である。図2に、式(1)の抗力係数、液滴径、液滴の初期 位置、液滴からの蒸発速度をパラメータとした結果を 示す。(a)リー------C2=0.5Ca-0.2 -C3-0.1R : 1x104 R3: 2x104 R: 5x10-5 - R““ : 2x105 ・R: 1x10-S(c)(d)R : 1x10-4R:2x104 R: 5x10-LV:0 0-v:50 ーーーv:100 ロー v: 200R: 2x10R:1x10図2 液滴の軌道解析結果2.4 配管減肉速度評価図3に配管減肉評価モデルの概念を示す。液滴の衝 突頻度に対応して、配管壁を以下の三種類の領域に分 類する。(i)液滴が全く衝突しない箇所 (ii)液滴が少数衝突する箇所 (iii)液滴が多数衝突する箇所(i)では、配管壁に安定した酸化被膜が形成され、 かつ液滴が衝突しないので、損傷は発生しない。(ii) では、液滴が酸化被膜に衝突し、酸化被膜が剥離され、 常に金属面が露出する。露出した金属面には再び酸化 被膜が形成され、液滴衝突により酸化被膜が剥離され、 減肉が進行する。(ii)では、安定した液膜が形成され 化被膜が形成されるが、液膜が緩衝材となり損傷は進 行しない。|液滴が全く衝突しない箇所「液滴が小数衝突する箇所液滴が多数衝突する箇所図3 配管減肉評価の概念図現在、減肉速度の定量評価を実施中である。3.結言腐食を考慮した液滴衝突による配管減肉評価モデル を提案した。謝辞本発表は経済産業省の提案公募事業「革新的実用原 子力技術開発費補助事業」“連成解析による気液二相流 中構造部物の振動・腐食評価手法の開発”において開 発した平成19年度成果の一部である。参考文献 [1] R. Takahashi, K. Matsubara and H.Koike, ““Implementation of a Consultative Expert System for Advanced Fluid Dynamics Analysis Code - a Flow““, Proc. 2nd International Forum on Expert System and421in Energy Engineering, Computer Simulation in Energy Engineering,ICHMT, p. 4-L-1 (1992). [2] 経済産業省革新的実用原子力技術開発費補助事業「連成解析による気液二相流中構造物の振動・腐 食評価手法の開発」平成19年度成果報告書 p587 (2008).- 422 -“ “連成解析による気液二相流中構造物の振動・腐食評価手法の開発-6 二相流中での配管減肉評価モデル“ “岡田 英俊,Hidetoshi OKADA,上原 靖,Yasushi UEHARA,内藤 正則,Masanori NAITOH,内田 俊介,Shunsuke UCHIDA
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