原子炉配管の確率論的構造健全性評価-3 溶接残留応力に関する確率論的破壊力学解析
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カテゴリ: 第5回
1. 緒言
いて確率評価モデルを構築した。構築した溶接残留応力分布の確率評価モデルを PASCAL-SP に導入し、配 我が国の初期の軽水型原子力発電所は既に 30 年以管溶接部の破断確率を評価した。 上運転されている。今後さらなる長期間の運転が検討 されているため、高経年における構造機器の健全性確
2. 配管 PFM 解析コード: PASCAL-SP 保は重要な課題である。安全上重要な構造機器の一つ である圧力バウンダリ配管の溶接部では、構造健全性 原子力機構では、軽水炉の構造機器における確率論 を低減する応力腐食割れ(SCC)が報告されている。構造 的な構造健全性評価手法に関する研究の一環として、 健全性評価においては、より合理的な評価手法として、 PASCAL-SP (PFM Analysis of Structural Components in 材料特性のばらつきや経年劣化事象の不確かさ等を確Aging LWR - Stress Corrosion Cracking at Welded Joints of 率論的に評価する確率論的破壊力学(PFM)解析手法が Piping)の開発を進めている。PASCAL-SP は配管溶接部 近年提唱され、その有用性が示されている[1]。原子力 の破損確率をモンテカルロ法により評価する。SCCに 機構では、最近の知見に基づき PFM 解析手法によって。 よるき裂進展、破断判定等は、原子力安全・保安院の 配管溶接部の破損確率を評価するプログラム 考え方[4]及び日本機械学会(JSME)・維持規格[S]に準拠 PASCAL-SP の開発を進めている。PFM 解析手法で応 している。Fig. 1 に PASCAL-SP における破損確率評価 力腐食割れ(SCC)によって経年劣化した配管溶接部ののためのフローチャートを示す。解析条件における不 破損確率を評価する際には、溶接残留応力分布の不確 確かさやばらつきを表す確率変数をサンプリングした かさが重要な要因となる。
後、SCC によるき裂進展・合体、供用期間中検査、地 そこで、溶接残留応力分布の不確かさについて、試震によるき裂進展等を模擬する。供用期間中検査にお 験体からの実測結果[2]に基づいて検証した有限要素法ける欠陥検出性及びサイジング精度はUTSプロジェク 解析結果によりデータベースを作成[3]し、その値を用ト[6]の試験データを基にモデル化し、PASCAL-SP に導入している。単一溶接線における破損評価の結果は、 連絡先: 伊藤裕人、〒319-1195 茨城県那珂郡東海村 白方白根 2-4、(独)日本原子力研究開発機構 電話: 029-282-6277、e-mail: ito.hiroto@jaea.go.jp我が国の初期の軽水型原子力発電所は既に 30 年以 上運転されている。今後さらなる長期間の運転が検討 されているため、高経年における構造機器の健全性確 保は重要な課題である。安全上重要な構造機器の一つ である圧力バウンダリ配管の溶接部では、構造健全性 を低減する応力腐食割れ(SCC)が報告されている。構造 健全性評価においては、より合理的な評価手法として、 材料特性のばらつきや経年劣化事象の不確かさ等を確 率論的に評価する確率論的破壊力学(PFM)解析手法が 近年提唱され、その有用性が示されている[1]。原子力 機構では、最近の知見に基づき PFM 解析手法によって 配管溶接部の破損確率を評価するプログラム PASCAL-SP の開発を進めている。PFM 解析手法で応 力腐食割れ(SCC)によって経年劣化した配管溶接部の 破損確率を評価する際には、溶接残留応力分布の不確 かさが重要な要因となる。 _そこで、溶接残留応力分布の不確かさについて、試 験体からの実測結果[2]に基づいて検証した有限要素法 解析結果によりデータベースを作成[3]し、その値を用 毒造健全性原子力機構では、軽水炉の構造機器における確率論 いる。構造 的な構造健全性評価手法に関する研究の一環として、 =法として、 PASCAL-SP (PFM Analysis of Structural Components in かさ等を確 A ging LWR - Stress Corrosion Cracking at Welded Joints of 解析手法が Piping)の開発を進めている。PASCAL-SP は配管溶接部 ]。原子力の破損確率をモンテカルロ法により評価する。SCC に 去によって、 よるき裂進展、破断判定等は、原子力安全・保安院の ログラム 考え方[4]及び日本機械学会(JSME)・維持規格[5]に準拠 折手法で応している。Fig. 1 に PASCAL-SP における破損確率評価 管溶接部の のためのフローチャートを示す。解析条件における不 分布の不確 確かさやばらつきを表す確率変数をサンプリングした後、SCC によるき裂進展・合体、供用期間中検査、地 ついて、試 震によるき裂進展等を模擬する。供用期間中検査にお 有限要素法ける欠陥検出性及びサイジング精度はUTSプロジェク その値を用 ト[6]の試験データを基にモデル化し、PASCAL-SP に導入している。単一溶接線における破損評価の結果は、連絡先: 伊藤裕人、〒319-1195 茨城県那珂郡東海村 白方白根 2-4、(独)日本原子力研究開発機構 電話: 029-282-6277、e-mail: ito.hiroto@jaea.go.jp- 431 -漏えい、破断、補修・取替に分類される。き裂が貫通 して漏えいが検知された場合は漏えいと判定され、破 断判定は破断クライテリアに基づいて行われる。供用 期間中検査によりき裂が検出された後、JSME 維持規 格の欠陥評価法により補修・取替と判定された場合は、 補修・取替と判定される。上記の手続きを繰り返すこ とによって破損確率を評価する(モンテカルロ法)。複数 の溶接線からなる配管系全体の破損確率を評価する際 には、溶接線の集合からなるセグメントを導入してい る。各セグメントの破損確率は属している溶接線の破 損確率から求められ、配管系全体の破損確率はセグメ ントの破損確率から求められる。スタート確率?数解析条件 ・環境、形状 ・運転応力、溶接残留応 力分布,etc解析条件設定確率変数サンプリング・溶接残留応力分布き裂進展速度 ・欠陥検出確率、 サイジング精度.etc運転状態を模擬き裂進展評価運転応力、 溶接残留 応力を 負荷破損評估 ・漏えい ・破断モンテカルロ法イベント発生 ・供用期間中検査(ISI) (欠陥検出性及びサイジング精度) ・地震荷重によるき裂進展 ・過度事象破損確率評価ストップFig. 1 Flow chart and schematic image of PFM analysis code for piping: PASCAL-SP3. 溶接残留応力分布不確かさのモデル化溶接残留応力分布はSCCの発生や進展に大きな影響 を及ぼすことが知られている。入熱や溶接速度等の溶 接条件にはばらつきや不確かさが存在し、それらが結 果として溶接残留応力分布に不確かさをもたらす。多 くの要因が溶接残留応力の不確かさに寄与すると考え られるが、本報では第2報[3]の結果を受けて、溶接時 の入熱と溶接速度に着目した。配管溶接部近傍の各場 所における溶接残留応力の不確かさは正規分布に従う と仮定し、残留応力データベースを基に確率評価モデ ル開発した。データベースには、Fig. 2 に示すように、 各場所の残留応力の平均値、標準偏差、近傍位置同士 の相関係数を格納する。それらの値は溶接試験体から の実測データに基づいて検証されたシミュレーション 手法によるパラメトリック解析結果に基づいている。PFM 解析に用いる溶接残留応力分布は、次の2段階の 手続きにより決定する(Fig.3)。最初に、データベース から正規分布に従って各場所の溶接残留応力を式(1)に より決定する。S, = a. (c, + z hari-sp““ 式(1)C. - (,-S;““)ここで SA はん番目の場所の溶接残留応力、Shoe は平 均値、oは標準偏差、ry は配管肉厚方向のi番目とj 番目(隣同士)の相関係数であり、Z は標準正規分布 従う乱数である。次に、決定した S, から最小二乗法に より多項式回帰曲線を求める。この手続きを繰り返す ことによって溶接残留応力分布の不確かさをモデル化した。FEM AnalysesResidual Stress Distribution DatabaseResidual StressDistance from Inner Surface 1 Thickness of Piping, XHOHUncertainty at Each PointCorrelation between Nearest NeighborsDistance from Boundary between Base and Weld Metal, LFig. 2Contents of residual stress distribution database1. Determine Residual Stress atA Point by the Statistics (Average, Standard Deviation and Correlation coefficient)Stress in DatabaseResidual Stress2. Determine Fitting to Forth OrderPolynomial Eq. by the Least Square MethodDistance from Inner Surface/Thickness of Piping, X Probabilistic model for residual stress distributionFig. 34324. 溶接残留応力分布の不確かさに関する 感度解析溶接残留応力分布全体の不確かさは各場所の不確か さの集合である。データベースにおける各場所の標準 偏差oは場所毎の不確かさを表し、それらの集合は溶 接残留応力分布全体の不確かさを表す基準と考えられ る。そこで、溶接残留応力分布全体の不確かさを表す 尺度として標準偏差 o を用いることとし、データベー スの標準偏差ooに係数を乗じて感度解析を行った。 Table 1 に解析条件の概要を示す。配管系には運転応力 で分類した 4 セグメントがあると想定し、各セグメン トには 24 溶接線が属しているものとした。各溶接線に は時刻 0 において、超音波探傷試験で検出されない最 も大きな寸法の欠陥[6]を1つ設定した。溶接残留応力 分布は、前報の溶接 A に関して構築したデータベース を用いた[3]。このデータベースの溶接残留応力全体の 平均値を Fig. 4 に示す。また、溶接金属と母材の境界 から 1mm 母材側の断面における平均値と標準偏差の 例をFig.5に示す。Table 1 Outline of analytical condition 配管サイズ | 250A (肉厚 15.1 mm) 材料SUS316 セグメント溶接線数 | 運転応力MPa] 2414724109.952473.52436.75 溶接残留応力分 | FEM 解析結果より構築した 布データベース SCC 評価 ・き裂発生 モデル各溶接線に時刻 0に単一き裂 (深さ 0.7mm, 全長 15.5mm) ・き裂進展 JSME 維持規格の SCC 速度線図と対数正規分布の組合せ 破断判定法 JSME 維持規格極限荷重評価法 流動応力 ワイブル分布(形状パラメータ 1.89, 尺度パラメータ 36.9, 位置パラメータ 327.5MPa) 供用期間中検査 | JSME 維持規格 標準検査 地震考慮しないPFM 解析において、供用期間中検査は JSME 維持規 格で規定されている検査方法を踏襲した。すなわち、3 回目までは 10 年毎、それ以降は7年毎に検査を行い、 各セグメントを 25%/10 年の割合で検査した。解析結果 例として、運転時間に対する漏えい確率及び破断確率 をそれぞれ Fig.6 及び Fig.7に示す。グラフ中の凡例に おける数字は標準偏差に乗じた係数を表している。溶 接残留応力分布の不確かさは漏えい及び破断確率に大 きな影響を及ぼし、不確かさが大きい程、両者の確率 は高くなるという結果が得られた。また、運転時間の 経過に伴い、漏えい確率は低下し、破断確率は飽和す る傾向がみられた。これは、運転時間が十分経過する と、漏えい及び破断に至る前に供用期間中検査で欠陥 が検出され、最終的に補修・取替となるためである。なのでかつくくなっS (MPa)ちしんくださ×2こふくしゃくなっていたでしょう。 メンなさんかくくらいでいくかいかん] えさえおさかなくなるセレクタンクトです。しくないしっくりマック2500 2003 150 100を交え、多分このあったのでそのうっかりくりしているえる々なおさらだったりしていたターンでのコンのみなさんのPICUにいきなりな09300SDKにいい ひっかったりとココココロロン200cococan ココロコロCr confua33130c3eたらそんなある日のこの299.90040000でっかいったのかな。さんのしたくなったり50えるるぶるるるるることのない50 100-150200 -25030252015 L(mm)Fig. 4 Database made by parametric FEM analyses of 250A piping (Average residual stress S is shown. L and X denote distance from the interface between base and weld metal and through-thickness position from the inner surface divided by thickness of piping, respectively)Residual Stress (MPa)-250 -30000.2 0.4 0.6 0.8 1 Distance from Inner Surface / Thickness of Piping, XFig. 5 Residual stress distribution in Fig.5 at the section in base metal of 1 mm from boundary between base and weld metal. (Error bar denotes a standard deviation)4331--%3D200 1-40%3D3000.10.01CottoneLeak ProbabilityLafooooooooooooonacoaneos0.0010.00011.0E-05 1 0_10_20 30 40 50Operating Time (years)6070Fig. 6Effect of the standard deviation of residual stress distribution on probabilities of pipe leak1-- 0%3D100 -00%3D200 - 0%3D3000.10.011,0E-03Break Probabilitytomoccororollocationaoooooooooo0.00010.000010.00000110.0000001010607020 30 40 50Operating Time (years)Fig. 7 Effect of the standard deviation of residual stressdistribution on probabilities of pipe breakFig. 75.結言 - SCC を考慮した配管溶接部の破損確率評価コード PASCAL-SP を開発し、溶接残留応力分布の不確かさや ばらつきを評価する手法を整備した。これまでに、 250A 管に対する感度解析を実施した。本報の結論を以 下に示す。 1) PASCAL-SP コードの入力として FEM解析結果に基づく溶接残留応力分布データベースを用いて、溶接 残留応力分布の不確かさをモデル化する手法を整備した。 2) 溶接残留応力分布の不確かさは破損確率に大きな影響を及ぼし、不確かさが大きい程、破損確率が大 きくなる影響を定量的に確認した。「謝辞本研究は、平成 18 年度及び 19 年度に(独)日本原子力 研究開発機構が経済産業省原子力安全・保安院から受 託した「確率論的構造健全性評価調査」事業における 成果の一部である。参考文献[1] G Yagawa, Y. Kanto, S. Yoshimura, H. Machida, K.Shibata, “Probabilistic fracture mechanics analysis of nuclear structural components: a review of recent Japanese activities,““ Nuclear Engineering and Design,207, (2001), pp269-286. [2] 飛田徹、勝山仁哉、伊藤裕人、鬼沢邦雄:“原子炉配管の確率論的構造健全性評価-1、一溶接条件と 溶接残留応力のばらつきー、““ 日本保全学会 第5回学術講演会 (2008). [3] 勝山仁哉、飛田徹、伊藤裕人、鬼沢邦雄:“原子炉 12配管の確率論的構造健全性評価-2、一残留応力解 1析による溶接条件のばらつきの影響評価一、”日本保全学会 第5回学術講演会 (2008). [4] 原子力安全・保安院 報告書“原子炉再循環系配管に係わる健全性評価方法について、” (2004). [5] 日本機械学会 発電用原子力設備規格 維持規格(2004 年版) JSME S NA1-2004 (2004). [6] (独)原子力安全基盤機構“原子力発電施設検査技術実証事業に関する報告書(超音波探傷試験における 欠陥検出性及びサイジング精度の確認に関するも の) [総括版]、” (2005).434“ “?原子炉配管の確率論的構造健全性評価-3 - 溶接残留応力に関する確率論的破壊力学解析 -“ “伊藤 裕人,Hiroto ITOH,勝山 仁哉,Jinya KATSUYAMA,飛田 徹,Tohru TOBITA,鬼沢 邦雄,Kunio ONIZAWA
いて確率評価モデルを構築した。構築した溶接残留応力分布の確率評価モデルを PASCAL-SP に導入し、配 我が国の初期の軽水型原子力発電所は既に 30 年以管溶接部の破断確率を評価した。 上運転されている。今後さらなる長期間の運転が検討 されているため、高経年における構造機器の健全性確
2. 配管 PFM 解析コード: PASCAL-SP 保は重要な課題である。安全上重要な構造機器の一つ である圧力バウンダリ配管の溶接部では、構造健全性 原子力機構では、軽水炉の構造機器における確率論 を低減する応力腐食割れ(SCC)が報告されている。構造 的な構造健全性評価手法に関する研究の一環として、 健全性評価においては、より合理的な評価手法として、 PASCAL-SP (PFM Analysis of Structural Components in 材料特性のばらつきや経年劣化事象の不確かさ等を確Aging LWR - Stress Corrosion Cracking at Welded Joints of 率論的に評価する確率論的破壊力学(PFM)解析手法が Piping)の開発を進めている。PASCAL-SP は配管溶接部 近年提唱され、その有用性が示されている[1]。原子力 の破損確率をモンテカルロ法により評価する。SCCに 機構では、最近の知見に基づき PFM 解析手法によって。 よるき裂進展、破断判定等は、原子力安全・保安院の 配管溶接部の破損確率を評価するプログラム 考え方[4]及び日本機械学会(JSME)・維持規格[S]に準拠 PASCAL-SP の開発を進めている。PFM 解析手法で応 している。Fig. 1 に PASCAL-SP における破損確率評価 力腐食割れ(SCC)によって経年劣化した配管溶接部ののためのフローチャートを示す。解析条件における不 破損確率を評価する際には、溶接残留応力分布の不確 確かさやばらつきを表す確率変数をサンプリングした かさが重要な要因となる。
後、SCC によるき裂進展・合体、供用期間中検査、地 そこで、溶接残留応力分布の不確かさについて、試震によるき裂進展等を模擬する。供用期間中検査にお 験体からの実測結果[2]に基づいて検証した有限要素法ける欠陥検出性及びサイジング精度はUTSプロジェク 解析結果によりデータベースを作成[3]し、その値を用ト[6]の試験データを基にモデル化し、PASCAL-SP に導入している。単一溶接線における破損評価の結果は、 連絡先: 伊藤裕人、〒319-1195 茨城県那珂郡東海村 白方白根 2-4、(独)日本原子力研究開発機構 電話: 029-282-6277、e-mail: ito.hiroto@jaea.go.jp我が国の初期の軽水型原子力発電所は既に 30 年以 上運転されている。今後さらなる長期間の運転が検討 されているため、高経年における構造機器の健全性確 保は重要な課題である。安全上重要な構造機器の一つ である圧力バウンダリ配管の溶接部では、構造健全性 を低減する応力腐食割れ(SCC)が報告されている。構造 健全性評価においては、より合理的な評価手法として、 材料特性のばらつきや経年劣化事象の不確かさ等を確 率論的に評価する確率論的破壊力学(PFM)解析手法が 近年提唱され、その有用性が示されている[1]。原子力 機構では、最近の知見に基づき PFM 解析手法によって 配管溶接部の破損確率を評価するプログラム PASCAL-SP の開発を進めている。PFM 解析手法で応 力腐食割れ(SCC)によって経年劣化した配管溶接部の 破損確率を評価する際には、溶接残留応力分布の不確 かさが重要な要因となる。 _そこで、溶接残留応力分布の不確かさについて、試 験体からの実測結果[2]に基づいて検証した有限要素法 解析結果によりデータベースを作成[3]し、その値を用 毒造健全性原子力機構では、軽水炉の構造機器における確率論 いる。構造 的な構造健全性評価手法に関する研究の一環として、 =法として、 PASCAL-SP (PFM Analysis of Structural Components in かさ等を確 A ging LWR - Stress Corrosion Cracking at Welded Joints of 解析手法が Piping)の開発を進めている。PASCAL-SP は配管溶接部 ]。原子力の破損確率をモンテカルロ法により評価する。SCC に 去によって、 よるき裂進展、破断判定等は、原子力安全・保安院の ログラム 考え方[4]及び日本機械学会(JSME)・維持規格[5]に準拠 折手法で応している。Fig. 1 に PASCAL-SP における破損確率評価 管溶接部の のためのフローチャートを示す。解析条件における不 分布の不確 確かさやばらつきを表す確率変数をサンプリングした後、SCC によるき裂進展・合体、供用期間中検査、地 ついて、試 震によるき裂進展等を模擬する。供用期間中検査にお 有限要素法ける欠陥検出性及びサイジング精度はUTSプロジェク その値を用 ト[6]の試験データを基にモデル化し、PASCAL-SP に導入している。単一溶接線における破損評価の結果は、連絡先: 伊藤裕人、〒319-1195 茨城県那珂郡東海村 白方白根 2-4、(独)日本原子力研究開発機構 電話: 029-282-6277、e-mail: ito.hiroto@jaea.go.jp- 431 -漏えい、破断、補修・取替に分類される。き裂が貫通 して漏えいが検知された場合は漏えいと判定され、破 断判定は破断クライテリアに基づいて行われる。供用 期間中検査によりき裂が検出された後、JSME 維持規 格の欠陥評価法により補修・取替と判定された場合は、 補修・取替と判定される。上記の手続きを繰り返すこ とによって破損確率を評価する(モンテカルロ法)。複数 の溶接線からなる配管系全体の破損確率を評価する際 には、溶接線の集合からなるセグメントを導入してい る。各セグメントの破損確率は属している溶接線の破 損確率から求められ、配管系全体の破損確率はセグメ ントの破損確率から求められる。スタート確率?数解析条件 ・環境、形状 ・運転応力、溶接残留応 力分布,etc解析条件設定確率変数サンプリング・溶接残留応力分布き裂進展速度 ・欠陥検出確率、 サイジング精度.etc運転状態を模擬き裂進展評価運転応力、 溶接残留 応力を 負荷破損評估 ・漏えい ・破断モンテカルロ法イベント発生 ・供用期間中検査(ISI) (欠陥検出性及びサイジング精度) ・地震荷重によるき裂進展 ・過度事象破損確率評価ストップFig. 1 Flow chart and schematic image of PFM analysis code for piping: PASCAL-SP3. 溶接残留応力分布不確かさのモデル化溶接残留応力分布はSCCの発生や進展に大きな影響 を及ぼすことが知られている。入熱や溶接速度等の溶 接条件にはばらつきや不確かさが存在し、それらが結 果として溶接残留応力分布に不確かさをもたらす。多 くの要因が溶接残留応力の不確かさに寄与すると考え られるが、本報では第2報[3]の結果を受けて、溶接時 の入熱と溶接速度に着目した。配管溶接部近傍の各場 所における溶接残留応力の不確かさは正規分布に従う と仮定し、残留応力データベースを基に確率評価モデ ル開発した。データベースには、Fig. 2 に示すように、 各場所の残留応力の平均値、標準偏差、近傍位置同士 の相関係数を格納する。それらの値は溶接試験体から の実測データに基づいて検証されたシミュレーション 手法によるパラメトリック解析結果に基づいている。PFM 解析に用いる溶接残留応力分布は、次の2段階の 手続きにより決定する(Fig.3)。最初に、データベース から正規分布に従って各場所の溶接残留応力を式(1)に より決定する。S, = a. (c, + z hari-sp““ 式(1)C. - (,-S;““)ここで SA はん番目の場所の溶接残留応力、Shoe は平 均値、oは標準偏差、ry は配管肉厚方向のi番目とj 番目(隣同士)の相関係数であり、Z は標準正規分布 従う乱数である。次に、決定した S, から最小二乗法に より多項式回帰曲線を求める。この手続きを繰り返す ことによって溶接残留応力分布の不確かさをモデル化した。FEM AnalysesResidual Stress Distribution DatabaseResidual StressDistance from Inner Surface 1 Thickness of Piping, XHOHUncertainty at Each PointCorrelation between Nearest NeighborsDistance from Boundary between Base and Weld Metal, LFig. 2Contents of residual stress distribution database1. Determine Residual Stress atA Point by the Statistics (Average, Standard Deviation and Correlation coefficient)Stress in DatabaseResidual Stress2. Determine Fitting to Forth OrderPolynomial Eq. by the Least Square MethodDistance from Inner Surface/Thickness of Piping, X Probabilistic model for residual stress distributionFig. 34324. 溶接残留応力分布の不確かさに関する 感度解析溶接残留応力分布全体の不確かさは各場所の不確か さの集合である。データベースにおける各場所の標準 偏差oは場所毎の不確かさを表し、それらの集合は溶 接残留応力分布全体の不確かさを表す基準と考えられ る。そこで、溶接残留応力分布全体の不確かさを表す 尺度として標準偏差 o を用いることとし、データベー スの標準偏差ooに係数を乗じて感度解析を行った。 Table 1 に解析条件の概要を示す。配管系には運転応力 で分類した 4 セグメントがあると想定し、各セグメン トには 24 溶接線が属しているものとした。各溶接線に は時刻 0 において、超音波探傷試験で検出されない最 も大きな寸法の欠陥[6]を1つ設定した。溶接残留応力 分布は、前報の溶接 A に関して構築したデータベース を用いた[3]。このデータベースの溶接残留応力全体の 平均値を Fig. 4 に示す。また、溶接金属と母材の境界 から 1mm 母材側の断面における平均値と標準偏差の 例をFig.5に示す。Table 1 Outline of analytical condition 配管サイズ | 250A (肉厚 15.1 mm) 材料SUS316 セグメント溶接線数 | 運転応力MPa] 2414724109.952473.52436.75 溶接残留応力分 | FEM 解析結果より構築した 布データベース SCC 評価 ・き裂発生 モデル各溶接線に時刻 0に単一き裂 (深さ 0.7mm, 全長 15.5mm) ・き裂進展 JSME 維持規格の SCC 速度線図と対数正規分布の組合せ 破断判定法 JSME 維持規格極限荷重評価法 流動応力 ワイブル分布(形状パラメータ 1.89, 尺度パラメータ 36.9, 位置パラメータ 327.5MPa) 供用期間中検査 | JSME 維持規格 標準検査 地震考慮しないPFM 解析において、供用期間中検査は JSME 維持規 格で規定されている検査方法を踏襲した。すなわち、3 回目までは 10 年毎、それ以降は7年毎に検査を行い、 各セグメントを 25%/10 年の割合で検査した。解析結果 例として、運転時間に対する漏えい確率及び破断確率 をそれぞれ Fig.6 及び Fig.7に示す。グラフ中の凡例に おける数字は標準偏差に乗じた係数を表している。溶 接残留応力分布の不確かさは漏えい及び破断確率に大 きな影響を及ぼし、不確かさが大きい程、両者の確率 は高くなるという結果が得られた。また、運転時間の 経過に伴い、漏えい確率は低下し、破断確率は飽和す る傾向がみられた。これは、運転時間が十分経過する と、漏えい及び破断に至る前に供用期間中検査で欠陥 が検出され、最終的に補修・取替となるためである。なのでかつくくなっS (MPa)ちしんくださ×2こふくしゃくなっていたでしょう。 メンなさんかくくらいでいくかいかん] えさえおさかなくなるセレクタンクトです。しくないしっくりマック2500 2003 150 100を交え、多分このあったのでそのうっかりくりしているえる々なおさらだったりしていたターンでのコンのみなさんのPICUにいきなりな09300SDKにいい ひっかったりとココココロロン200cococan ココロコロCr confua33130c3eたらそんなある日のこの299.90040000でっかいったのかな。さんのしたくなったり50えるるぶるるるるることのない50 100-150200 -25030252015 L(mm)Fig. 4 Database made by parametric FEM analyses of 250A piping (Average residual stress S is shown. L and X denote distance from the interface between base and weld metal and through-thickness position from the inner surface divided by thickness of piping, respectively)Residual Stress (MPa)-250 -30000.2 0.4 0.6 0.8 1 Distance from Inner Surface / Thickness of Piping, XFig. 5 Residual stress distribution in Fig.5 at the section in base metal of 1 mm from boundary between base and weld metal. (Error bar denotes a standard deviation)4331--%3D200 1-40%3D3000.10.01CottoneLeak ProbabilityLafooooooooooooonacoaneos0.0010.00011.0E-05 1 0_10_20 30 40 50Operating Time (years)6070Fig. 6Effect of the standard deviation of residual stress distribution on probabilities of pipe leak1-- 0%3D100 -00%3D200 - 0%3D3000.10.011,0E-03Break Probabilitytomoccororollocationaoooooooooo0.00010.000010.00000110.0000001010607020 30 40 50Operating Time (years)Fig. 7 Effect of the standard deviation of residual stressdistribution on probabilities of pipe breakFig. 75.結言 - SCC を考慮した配管溶接部の破損確率評価コード PASCAL-SP を開発し、溶接残留応力分布の不確かさや ばらつきを評価する手法を整備した。これまでに、 250A 管に対する感度解析を実施した。本報の結論を以 下に示す。 1) PASCAL-SP コードの入力として FEM解析結果に基づく溶接残留応力分布データベースを用いて、溶接 残留応力分布の不確かさをモデル化する手法を整備した。 2) 溶接残留応力分布の不確かさは破損確率に大きな影響を及ぼし、不確かさが大きい程、破損確率が大 きくなる影響を定量的に確認した。「謝辞本研究は、平成 18 年度及び 19 年度に(独)日本原子力 研究開発機構が経済産業省原子力安全・保安院から受 託した「確率論的構造健全性評価調査」事業における 成果の一部である。参考文献[1] G Yagawa, Y. Kanto, S. Yoshimura, H. Machida, K.Shibata, “Probabilistic fracture mechanics analysis of nuclear structural components: a review of recent Japanese activities,““ Nuclear Engineering and Design,207, (2001), pp269-286. [2] 飛田徹、勝山仁哉、伊藤裕人、鬼沢邦雄:“原子炉配管の確率論的構造健全性評価-1、一溶接条件と 溶接残留応力のばらつきー、““ 日本保全学会 第5回学術講演会 (2008). [3] 勝山仁哉、飛田徹、伊藤裕人、鬼沢邦雄:“原子炉 12配管の確率論的構造健全性評価-2、一残留応力解 1析による溶接条件のばらつきの影響評価一、”日本保全学会 第5回学術講演会 (2008). [4] 原子力安全・保安院 報告書“原子炉再循環系配管に係わる健全性評価方法について、” (2004). [5] 日本機械学会 発電用原子力設備規格 維持規格(2004 年版) JSME S NA1-2004 (2004). [6] (独)原子力安全基盤機構“原子力発電施設検査技術実証事業に関する報告書(超音波探傷試験における 欠陥検出性及びサイジング精度の確認に関するも の) [総括版]、” (2005).434“ “?原子炉配管の確率論的構造健全性評価-3 - 溶接残留応力に関する確率論的破壊力学解析 -“ “伊藤 裕人,Hiroto ITOH,勝山 仁哉,Jinya KATSUYAMA,飛田 徹,Tohru TOBITA,鬼沢 邦雄,Kunio ONIZAWA