FGセンサを用いた高精度損傷評価技術

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カテゴリ: 第5回
1. はじめに
近年、機器・構造物が大型化、複雑化し、その健全 性確保のため、より高度の損傷評価技術が求められて きている。機器・構造物の多くは磁性材料から構成さ れており、したがって、漏洩磁束法(Magnetic Flux Leakage Technique; MFL 法)等電磁気を用いた非破壊 損傷評価法が有効である。 [1-2]これらの電磁気を用いた磁気センサには、従来は主 にホール素子等が用いられてきたが、近年では様々な 高感度の磁気センサが開発されてきている。なかでも、 フラックスゲートセンサ(Fluxgate Sensor; FGセンサ) は、10T以下の高感度測定が可能であり、また測定範 囲も大きく、従来と比較し小型化されてきている。 1. 本研究においては、FGセンサを用いて、磁性構造材 料である SS400 を対象に様々な欠陥幅や断面形状を有 する欠陥の評価を行い、本センサを用いた場合の最適 な測定条件を探索した。また、Ni-Fe 合金の荷重負荷過 程中における磁束密度の測定を行い、応力との関係を 明らかにした。さらに、これらの結果より FG センサ を用いた損傷評価システムに関しての検討を行った。
2. 試験片および実験方法 2.1 模擬欠陥の磁束密度測定 - 欠陥材には一般構造用圧延鋼板 SS400 を用いた。そ の試験片形状を Fig.1(a)、(b)に示す。(a)の欠陥断面の 形状は長方形であり、(b)は半円および三角形である。 - 試験片はネオジム磁石で長手方向に着磁を行った着 磁材と、その後消磁を行った消磁材とを用いた。 - 測定には FG センサ、X-Y ステージ、コントローラ、 コンピュータ等から構成される非破壊損傷評価システ ムを用いた。FGセンサの径はおおよそ 1x3mm であり、 ±5×10T の範囲の磁束密度の測定が可能である。412a = 0 3~・・200a) Rectangle shape defectAA65110.5b) Surface defect (Semi-circle and Triangle)Fig. 1 Shape and dimensions of specimen.4452.2 荷重負荷過程中の磁束密度測定荷重負荷過程中の磁束密度測定には Ni-Fe合金(パー マロイ)の平滑材(40×0.2×0.1mm)を用いた。FG セ ンサを試験片中央部(リフトオフ 0.5mm)に設置し、 荷重負荷過程中における長手方向の磁束密度 B, の変 化を測定した。3.実験結果および考察 3.1 模擬欠陥の磁束密度測定 (1) 着磁材Fig.2(a)、(b)には Fig.1(a)の試験片で欠陥幅0.3mmの 場合の着磁材の鉛直方向および長手方向の漏洩磁束密 度分布 Ba、B,をそれぞれ示す。 B.の場合にはリフトオ フが 5mm まで、Bの場合にはリフトオフが 10mm ま では、欠陥を有する場合の典型的な漏洩磁束密度分布 が得られていることがわかる。x10-4 - 0.20 50.10ながらMagnetic Field B, T1120-000000000000960-0-00204004-000004, かんかんのか 1066-00000sshadotner~Lift off 4mm o-Lift of 5mm- Lift off 7mm + Lift off 10mm-0.20 10520_2510_ 15_ Position mX10-3a)B(Defect width 0.3 mm)x 10-41.20FLift off 3mm - Lift off 5mm --0-Lift off 7mm+ Lift off 10mm0.8Magnetic Field By T-0.4stattheMAMAMAT A10_5_10_1520250.3 Position mb) B, (Defect width 0.3mm) Fig. 2 Changes in magnetic flux densities near defect for SS400 magnetized specimen.したがって、FG センサを用いることにより、通常の ホールセンサ等の磁気センサと比較し、極めて大きな リフトオフから欠陥を検出できることが可能である。ト x 10-4Difference of Magnetic FieldABZ20.40L1112 Defect Width mx10-3Fig. 3 Relationship between AB, and defect width at a lift off height of 4mm.X10-40.04mo.02GooBooedMagnetic Field B,2000000. . HitoArmotions2000+ Lift off 4mm TO-Lift off 5mm + Lift off 7mmLift off 10mm -0.04 105 10_ 15_2025Position mx10-3FG senor (Defect width 0.3mm)a) x10-4 0.04+Lift off 4mm- Lift off 5mm --Lift off7mmLift off 10mmMagnetic Field B2 Tmored0.0004-0.021900/01/0410_1520 Position m25X10-3b) Hall element sensor (Defect width 0.3mm) Fig.4 Changes in magnetic flux densities near defect for SS400 demagnetized specimen.446Fig. 3 にはリフトオフ 4mm の場合の極値間の漏洩磁 束密度の差AB,と欠陥幅との関係を示す。欠陥幅とAB, との間には対応関係が認められ、欠陥幅の増加ととも にAB, は増大する。したがって予めこの関係を取得し ておけば、欠陥幅の推定も可能であると考えられる(2) 消磁材 - Fig.4(a)には消磁材の場合の FG センサによる漏洩磁 束密度分布 B,を示す。消磁処理を行ったあとの微小な 残留磁化を測定することにより、リフトオフ 4mm で欠 陥に対応した磁束密度の測定が可能であることがわか る。一方、Fig.4()にはホール素子による測定結果を示 す。ホール素子では、高調波が重畳しており欠陥に起 因する正確な漏洩磁束密度分布を得ることができない。 このように、FG センサを用いることにより、着磁の条 件を緩和することができると考えられる。 (3)表面欠陥 Fig.5 には Fig.1b)の着磁材の長手方向の漏洩磁束密 度分布 B,を示す。リフトオフが 1mm と比較的小さな 場合の結果であるが、漏洩磁束密度分布より試験片の 欠陥の表面位置を同定することがほぼ可能である。TMagnetic field73y mmLongitudinal directionJOG1015x mm(a) Surface defect (Semi-circle)TMagnetic fieldymmLongitudinal direction10g11075208x mm(b) Surface defect (Triangle) Fig. 5 Magnetic flux density distribution By around surface defects for SS400 magnetized specimen.また、漏洩磁束密度分布は欠陥の断面形状とも対応し ており、半円を有する欠陥の場合の方が、三角形形状 の断面を有する場合よりも大きな磁束密度分布が測定 されている。したがって、これらのデータを集積する ことにより、漏洩磁束密度分布 B, から欠陥形状の推定 も可能であると考えられる。3.2 荷重負荷過程中の磁束密度測定 - Fig.6 に Ni-Fe 合金の薄板材に引張荷重を付加した場 合の FG センサの磁束密度 B, と応力との関係を示す。 応力レベルは弾性域の範囲であるが、応力の増加とと もに B, が増大していることが確認できる。したがって、 構造部材の荷重状態を予測すること、さらには塑性変 形の開始の検知を予測することも十分可能であると考 えられる。4 おわりにFG センサを用いた非破壊損傷評価に関するいくつ かの成果について述べた。リフトオフを大きく取るこ とができる、磁化に関する条件を緩和できる等の点は 非破壊評価のみならず機器・構造物のモニタリングへ も発展させることができる可能性を有する。x 10-4 1.64Magnetic Field B, T1.6150100150 Stress MPa2002 50Fig. 6 Relationship between magnetic flux density B, and stress for Ni-Fe alloy.参考文献[1] S. TAKAYA et al., ““Magnetic Property Change ofSUS304Steel Due to Fatigue at Elevated Temperature”, Electromagnetic Nondestructive Evaluation, IX, 2004,pp.167-174. [2] 中曽根祐司他, SUS304 鋼貫通および非貫通き裂面上の塑性誘起マルテンサイト相の分布,日本保全 学会第4回学術講演会要旨集, 2007, pp.119-122.447“ “FG センサを用いた高精度損傷評価技術“ “鈴木 隆之,Takayuki SUZUKI,寺崎 亮実,Akimitsu TERASAKI,笹本 明,Akira SASAMOTO,西村 良弘,Yoshihiro NISHIMURA,寺本 徳郎,Tokuo TERAMOTO
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