研磨による応力改善のガイドライン化の検討

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カテゴリ: 第5回
1.緒言
一般的な研磨施工の目的としては、表面を滑 らかに仕上げることにより、組み立て部品の寸 法精度を上げる、部品の取り合い部の摺動抵抗 を下げる、美観を良くすること等が挙げられる。原子力発電プラントでは、十数年前から、適 切な研磨材を使用することにより被研磨面の残 留応力が圧縮側に改善されることに着目して、 炉内構造物溶接部等の応力改善による応力腐食 割れ(SCC)予防保全策として広く適用され ている。これまで、日本原子力技術協会の炉内構造物 等点検評価ガイドライン検討会では、応力改善 工法として、ピーニング工法、外面からの入熱 による応力改善工法(IHSI、LSIP)の ガイドラインを策定、発行してきているが、研 磨による応力改善工法のガイドラインは策定さ れていない。実機の応力改善を合理的に行い保 全活動を効率的に進めるためには、施工環境、 施工時間、応力改善効果の程度等を踏まえて、 適用部位に応じた最適な工法が選択できるよう に、適用の可能性のある応力改善工法について は広くガイドライン化を図ることが重要であり、 研磨による応力改善のガイドライン化を検討した。
2. 研磨による応力改善の概要と特徴 1 研磨材を装着したヘッドを電動又はエア駆動の モータにより回転させながら金属表面に押し当てる ことにより、金属表面層に微小な塑性変形を与える 方法で、適切な研磨材と施工方法の組み合わせによ り、被研磨面の引張残留応力を圧縮残留応力に改善 することができる。研磨材としては様々な種類がある。代表例として、 図1に示すフラップホイール、Nストリップの写真 を示す。フラップホイールNストリップ図1 研磨材の例研磨施工後の残留応力の測定例を図2に示す。ピ ーニング施工後の残留応力(図3にウォータジェッ トピーニング(WJP)の例を示す。)と比較すると、 ・残留応力改善効果の及ぶ板厚方向の深さは小さいも のの、ピーニングと比較して一般的に施工装置が簡 易、施工時間が短いという特徴がある。大気中、水 中のいずれでも適切な施工条件を設定することによ り施工が可能であることから、新設機器にも既設機 器にも適用が可能である。537500また、研磨により被研磨面の極表層部は除去されインの予備検討として、適用要領のまとめ方の方 ることから、機械加工等により生じた表面硬化層の 向性を検討した。 除去も耐SCC上の副次的な効果として期待できる。 研磨による応力改善効果は、被研磨面に微小な塑性変形を付与することによるもので、塑性変形 に影響を与える基本支配因子としては、 ・ 研磨材の種類 ? 研磨材の周速度 ・ 研磨材の押付けカ ・ 単位面積当たりの施工時間 ? 施工環境(水中/気中) が挙げられる。これらの基本支配因子は表1に示 す影響因子により構成されるものと考えられる。残留応力(MPa)・500施工条件、 ツール径100mm 施工回数 15回表1 研磨による応力改善の影響因子 影響因子備考 | (1) | 研磨材の種類 12/研磨材の径
- 1000% ? 2010_ 0_ 表 面 か ら の 距 離(Lm) 図2 研磨施工後の残留応力分布例1IWJPEIがIWJP施工後】 SUS304 SUS316L NCF600地上出入 | (7) | 施工環境(水中/気中)
残留応力 a [MPa]
“ “研磨による応力改善のガイドライン化の検討“ “伊東 敬
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