CMS(コンディションモニタリングシステム)による状態監視診断
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カテゴリ: 第5回
.緒言
発電設備の利用率向上を図る上で状態監視保全 (CBM)が有効との認識が高まってきている。 従来、状態監視技術は回転機器の振動診断等のように 当該機器の直接観測情報をもとに診断する例が多い。 本稿では発電設備の個別機器及び熱サイクル設備全 体の性能をオンラインでヒートバランスを監視して診 断できるコンディションモニタリングシステム(CMS) を提案したい。CMS については平成20年1月15日、 第1回「検査・評価・保全に関する連携講演会」等で も報告しており参照されたい。表-1 に示すように、タービン、湿分分離器、復水器、 給水加熱器、蒸気発生器等の機能低下診断、バルブシ ートリーク等の発電機出力への影響評価、給水流量評 価等が出来る。診断結果は運転性能の分析支援及び短 期対策は勿論だが、中長期的なプラントマネジメント に活用することができる。
オンライン状態監視診断ユーザインターフェースアドバイスヒートバランス計算運經驗「ents]代替値で置き換え計測値を使用Yes計測信号はOK2. システムの構成と診断機能 CMS はシグナルバリデーション、ヒートバランス計 算、運転経験データベース、オンライン状態監視診断 及びユーザーインターフェースの5つのサブシステム から構成されている。図-1 にシステム構成図を示す。 状態監視診断は、次の3ステップを経て行なわれる。 ・温度、圧力及び流量等の約 150点の計測値の入力 ・各設備の機能低下原因の評価、アドバイス ・各設備の機能低下量の計算、出力(電気出力低下順 ・リスト)「106円計測信号オンラインデータ 12 → シグナルヘリテーションオンラインデータ取込シグナルバリデーション図-1 CMS システム構成連絡先:諸田 秀嗣 〒108-0075 東京都港区港南二丁目 16-5、 コンピュータソフト開発(株) 事業企画プロジェクトグループ 電話: 03-6716-5460 E-mail : hidetsugu_morota@csd.co.jp- 92 -リスト)状態監視診断 低下評診断支援機能診断内容 タービン性能評価 内部漏洩、機械損失評価等 湿分分離器性能評価 | 湿分分離効率の評価等冷却管汚れ、冷却水量評価及び空 復水器性能評価気抽出装置の性能低下評価等 給水加熱器性能評価 加熱管の汚れ、抽気管の圧力損失 蒸気発生器性能評価 | 評価等 バルブシート、配管漏洩部位の摘出 漏洩評価 プラント熱効率プラント全体の熱効率評価等給水流量評価給水流量計のドリフト量の評価 性能変化の早期検知、原因同定及 び性能変化機器の電気出力ロス値 及びそのランキングリスト作成運転性能分析支援診断結果の活用中長期的プラント マネジメント機器の最適サイジング、交換時期 計画、計画停止計画等表-1 CMS の診断機能 3. 診断内容 CMSの診断の目的の一つは機器の機能低下の早期検 プロセス量の監視のみでは数MWe程度の機能低下の検 関連しあった機能低下等は診断が難しい場合もある。 3. 診断内容 CMSの診断の目的の一つは機器の機能低下の早期検 知及び対策の立案である。図2にその概念図を示すが、 プロセス量の監視のみでは数MWe程度の機能低下の検 知が遅れる可能性がある。また、熱サイクルの各機器が 関連しあった機能低下等は診断が難しい場合もある。 それに対し、CMSを用いることによってプラントの性 能変化を早期に検知することができれば、それに基づい て、施策を実行することにより電気出力ロス(経済的損 失)を早期に抑制する事ができる。また、状態監視機能 としてCMSは、1機能低下の有無の判断、2機能低下 原因の診断、評価、ガイド、3機能低下の影響分析、4 解決策のアドバイス機能等を有している。 診断は診断モデルプロセッサー(DMP)の概念を用い ている。DMP は対象機器に関わる計測値と計算値の残 差,その方向性から推定される診断仮説(例えば、A 温度計測値-B 温度計算値<1.0 は正常等)の中から、 最も可能性の高い診断を下すものである。 前述の残差は測定値のバラツキやモデル化する上での 誤差等を考慮して許容限度を設定している。 前述の残差は測定値のバラツキやモデル化する上での 各診断仮説の確かさは残差と許容誤差及び残差の計測 50%及び80%の確かさで機能低下の可能性がある場合 変数に対する変化度合等を考慮して判断する。 50%及び80%の確かさで機能低下の可能性がある場合 は、システム表示画面、診断ロジック図上でそれぞれ黄 色、赤色で警告する。図-3は診断結果の診断ロジック図 例であり、左側に当該機器に関わる計測値と計算値の残- 93 -図-3 診断ロジック図例差方程式群、右側に診断仮説群を配し、当該機器の機能 低下がどの計測値等に起因するかを判別し、具体的なア ドバイスを出すようにしている。図-4 にはオンライン状態監視診断フローの概念図を 示す。差方程式群、右側に診断仮説群を配し、当該機器の機能 低下がどの計測値等に起因するかを判別し、具体的なア ドバイスを出すようにしている。図-4 にはオンライン状態監視診断フローの概念図を 示す。CMSによる状態監視診断電気出力ロス(MW)ロスの進展電気出力ロスcust Gems2 Sews_forer.状態監視診断(早期検知機能」 | プロセス量監視による機器 低下状況を適宜確認)診断(検知が遅れる)図-2 状態監視診断の概念図TemoTom. TawaTB0memorerencernoonmenwomereolore!Tomotd 0Ta - TunardoDDDDDDD|TarnTime-Grd. O1899/12/3130 frammermemememememememSwederwensisugameBrem. Tx1.0wweetsimoseesweeeeeeeeeeTomTX1PClose図-3 診断ロジック図例6mm Taw11x1TA.GO.9 fromenomoemonsurintennection www.momore drameroero TX1 Torn. Grd 0 TweenmensementerportreememememorenあさOooooooTem T10CIOsoオンライン 状態監視診断フロー4.1 給水ポンプ出口ミニフローライン流量調節弁シートリーク CMSは電力計指示値を参照値としてCMS計算値が指 示値と等価(指示値-計算値=0) となるよう評価する ことにより系統内のリーク、給水流量評価も含めて任 意の運転状態の個別機器の性能低下量を評価すること ができる。ID Daily 自動監視診断モードON2 Daily 監視診断モード (定時評価)1899/12/3110mg「EETITURITmentterStore3機能低下機器 アラームリスト4電気出力ロスレポート ----------------期間10月02日0RBRISTNO自動計算自動計算中断 詳細チェックYesDODODOmi115機能低下原因、 トレンドデータ他確認1900/01/016該当機器の診断、 アドバイス確認Check the pressure transmluor, including toCilbrauan Rus.. If une qullbrauen tolatus laull-free: 1. Chaak the number or plugged tubes. 2. Modity ine' tribe touline. 3. Tune therrodnt in CMS.1対応策検討図-4 状態監視診断フローClose4. 状態監視診断例 以下に給水ポンプ出口ミニフローライン流量調節弁 のシートリーク例及び復水器性能低下時の出力ロス、 夏期出力予測評価事例を紹介する。CMS のリーク評価は、有意な出力ロスを来す可能性 のあるバイパスライン(ヒータ出口クリーンアップラ イン、給水ポンプミニフローライン、復水ポンプ出口 シール戻りライン)等が予めモデル化されており、個 別機器の出力低下の兆候が無いにもかかわらず出力が 出ていない場合や、現場でリークの兆候があるものの、る。別機器の出力低下の兆候が無いにもかかわらず出力が - 94 - 当該リークが出力低下にどれほど影響しているかが把 は CMS の系統モデル中の給水ポンプミニフロー 当該リークが出力低下にどれほど影響しているかが把 14.2 復水器性能低下時、海水昇温時の出力予想 握できない場合の評価機能である。(1) 背景 以下の紹介事例は給水ポンプミニフローラインリー 夏期早々、復水器清浄度が低下している状況下で、 クの事例であり、背景、評価結果等は下記の通りであ 海水昇温時の清浄度が現状維持 (55%)の場合と改善(74%) 出来る場合について電気出力を評価したもの 図-5 は CMS の系統モデル中の給水ポンプミニフロー で、復水器洗浄時期他の判断に活用されたものであ ラインモデル部を示したものである。る。 (1) 背景トラブル復旧後、定格出力に復帰した際、5MWe相 (2) 評価 当の出力ロスが確認された。原因が特定できず、現 図-6は復水器性能の経時変化データ例である。CMS 場での調査、分析の結果、復水流量の増加傾向(給 は図-7 に示すように任意時点の復水器性能をもとに 水ポンプミニマムフローリーク)が認められた。海水温度、清浄度等を境界条件に運転サイクル内の電 (2) 漏洩部位と CMS モデル気出力予測 (性能予測) 等を容易に行うことができる。 図-5 に CMS モデル図を示す。漏洩部位は給水ポン 評価結果は、復水器の清浄度が現状のままで海水温 プミニフローラインの流量調節弁である。が 25°Cまで推移すると、電気出力が約 10MWe 低下 (3) 評価すること、また、洗浄度を改善すると、約 5MWe 低 復旧後、数日間の運転データを用いてタービン、復 下に止まるとの結果を得たものである。 水器及び給水加熱器について性能評価を実施したと図-6 復水器性能 ころ、機器の機能低下は認められなかったが、給水 流量ミニフローラインのリーク及び給水流量の低下Fouling of Main Condenser Tubes の兆候が認められた。評価の結果、5MWe の出力ロ スのうち、1.4MWe 相当がミニフローラインの流量 増加(シートリーク (50 ton/hr))によるもの、そのMay'02-to-Sep'02他が給水流量低下他によるものであるとの評価結果 を得た。 リーク量の評価は各機器の性能及びリークの可能Jul'01 to Mar '02 性のあるバイパスラインを特定した後、図-5 のよう に、リーク評価ウインドウ上でリーク量を評価する ことができる。 水器及び給水加熱器について性能評価を実施したと 他が給水流量低下他によるものであるとの評価結果図-5 CMS 給水ポンプミニフローラインSea Water Temp. vs Condenser Pressures %0.583333333333333S% %%15 Sea Water Temp = Condenser Intet Temp(°C)Tubne Pour MW[109781MwTempertureReactor Thermal Power 1000ここで一ついいわるるるしがる流量調節Closeリーク評価 ウインドウ(74%) 出来る場合について電気出力を評価したもの 復水器洗浄時期他の判断に活用されたものであ 気出力予測(性能予測) 等を容易に行うことができる。 下に止まるとの結果を得たものである。図-6 復水器性能Fouling of Main Condenser TubesSea Water Temp. vs Condenser Pressure- May '02 to Sep '02れるtryJul '01 to Mar '02Sea Water Temp = Condenser Polet Temp(°C) 25図-7 復水器性能予測|清浄度が55%か ら74別に改善し た場合品海水温度 (C)清浄度が55%で 推移した場合復水器清浄度:55% 海水温度:19°C 電気出力:1193MWe1900/01/1411781180 111821903/04/041903/04/06118411861188_ 電気出力(MWA)- 95 - 5.結言 発電設備の利用率向上には状態監視保全(CBM)の高 度化が必要であるが、当該機器の直接観測情報をもと ランスを監視して発電設備の個別機器及び熱サイ Process Fault Diagnosis,” American Institute of Chemical 5.結言 発電設備の利用率向上には状態監視保全(CBM)の高 度化が必要であるが、当該機器の直接観測情報をもと にした状態監視技術に加えて、オンラインでヒートバ ランスを監視して発電設備の個別機器及び熱サイクル 設備全体の性能を診断できる CMS が有用である。参考文献 [1] Petti, T.F., J. Klein, and P.S. Dhurlati(1990): “TheDiagnostic Model Processor: Using Deep Knowledge for Process Fault Diagnosis,” American Institute of Chemical Engineering (AIChe) Journal-accepted[2] 武藤、熱効率最適化モニタリングシステムによる 東海第2発電所の性能評価(その1) 平成 13 年度火力原子力発電大会研究発表要旨集、 平成13年9月[3] H. Morota, Condition Monitoring System Activities inJapan, Nuclear Plant Performance Improvement Seminar, 10th in the P2EP Series July 15-16, 2002, Saratoga Springs, NY[4] 諸田、熱効率最適化モニタリングシステム(CMS)、 原子力 Eye Vol.48 NO.3 (2002 年3月号)[5] 諸田、松山、張、ヒートバランス監視による発電設備診断、平成 20年1月、保全学会、第1回「検査・評価・保全に関する連携講演会」 Morota, Condition Monitoring System Activities in Japan, Nuclear Plant Performance Improvement Seminar,- 96 -“ “?CMS(コンディションモニタリングシステム)による状態監視診断 “ “諸田 秀嗣,Morota HIDETSUGU
発電設備の利用率向上を図る上で状態監視保全 (CBM)が有効との認識が高まってきている。 従来、状態監視技術は回転機器の振動診断等のように 当該機器の直接観測情報をもとに診断する例が多い。 本稿では発電設備の個別機器及び熱サイクル設備全 体の性能をオンラインでヒートバランスを監視して診 断できるコンディションモニタリングシステム(CMS) を提案したい。CMS については平成20年1月15日、 第1回「検査・評価・保全に関する連携講演会」等で も報告しており参照されたい。表-1 に示すように、タービン、湿分分離器、復水器、 給水加熱器、蒸気発生器等の機能低下診断、バルブシ ートリーク等の発電機出力への影響評価、給水流量評 価等が出来る。診断結果は運転性能の分析支援及び短 期対策は勿論だが、中長期的なプラントマネジメント に活用することができる。
オンライン状態監視診断ユーザインターフェースアドバイスヒートバランス計算運經驗「ents]代替値で置き換え計測値を使用Yes計測信号はOK2. システムの構成と診断機能 CMS はシグナルバリデーション、ヒートバランス計 算、運転経験データベース、オンライン状態監視診断 及びユーザーインターフェースの5つのサブシステム から構成されている。図-1 にシステム構成図を示す。 状態監視診断は、次の3ステップを経て行なわれる。 ・温度、圧力及び流量等の約 150点の計測値の入力 ・各設備の機能低下原因の評価、アドバイス ・各設備の機能低下量の計算、出力(電気出力低下順 ・リスト)「106円計測信号オンラインデータ 12 → シグナルヘリテーションオンラインデータ取込シグナルバリデーション図-1 CMS システム構成連絡先:諸田 秀嗣 〒108-0075 東京都港区港南二丁目 16-5、 コンピュータソフト開発(株) 事業企画プロジェクトグループ 電話: 03-6716-5460 E-mail : hidetsugu_morota@csd.co.jp- 92 -リスト)状態監視診断 低下評診断支援機能診断内容 タービン性能評価 内部漏洩、機械損失評価等 湿分分離器性能評価 | 湿分分離効率の評価等冷却管汚れ、冷却水量評価及び空 復水器性能評価気抽出装置の性能低下評価等 給水加熱器性能評価 加熱管の汚れ、抽気管の圧力損失 蒸気発生器性能評価 | 評価等 バルブシート、配管漏洩部位の摘出 漏洩評価 プラント熱効率プラント全体の熱効率評価等給水流量評価給水流量計のドリフト量の評価 性能変化の早期検知、原因同定及 び性能変化機器の電気出力ロス値 及びそのランキングリスト作成運転性能分析支援診断結果の活用中長期的プラント マネジメント機器の最適サイジング、交換時期 計画、計画停止計画等表-1 CMS の診断機能 3. 診断内容 CMSの診断の目的の一つは機器の機能低下の早期検 プロセス量の監視のみでは数MWe程度の機能低下の検 関連しあった機能低下等は診断が難しい場合もある。 3. 診断内容 CMSの診断の目的の一つは機器の機能低下の早期検 知及び対策の立案である。図2にその概念図を示すが、 プロセス量の監視のみでは数MWe程度の機能低下の検 知が遅れる可能性がある。また、熱サイクルの各機器が 関連しあった機能低下等は診断が難しい場合もある。 それに対し、CMSを用いることによってプラントの性 能変化を早期に検知することができれば、それに基づい て、施策を実行することにより電気出力ロス(経済的損 失)を早期に抑制する事ができる。また、状態監視機能 としてCMSは、1機能低下の有無の判断、2機能低下 原因の診断、評価、ガイド、3機能低下の影響分析、4 解決策のアドバイス機能等を有している。 診断は診断モデルプロセッサー(DMP)の概念を用い ている。DMP は対象機器に関わる計測値と計算値の残 差,その方向性から推定される診断仮説(例えば、A 温度計測値-B 温度計算値<1.0 は正常等)の中から、 最も可能性の高い診断を下すものである。 前述の残差は測定値のバラツキやモデル化する上での 誤差等を考慮して許容限度を設定している。 前述の残差は測定値のバラツキやモデル化する上での 各診断仮説の確かさは残差と許容誤差及び残差の計測 50%及び80%の確かさで機能低下の可能性がある場合 変数に対する変化度合等を考慮して判断する。 50%及び80%の確かさで機能低下の可能性がある場合 は、システム表示画面、診断ロジック図上でそれぞれ黄 色、赤色で警告する。図-3は診断結果の診断ロジック図 例であり、左側に当該機器に関わる計測値と計算値の残- 93 -図-3 診断ロジック図例差方程式群、右側に診断仮説群を配し、当該機器の機能 低下がどの計測値等に起因するかを判別し、具体的なア ドバイスを出すようにしている。図-4 にはオンライン状態監視診断フローの概念図を 示す。差方程式群、右側に診断仮説群を配し、当該機器の機能 低下がどの計測値等に起因するかを判別し、具体的なア ドバイスを出すようにしている。図-4 にはオンライン状態監視診断フローの概念図を 示す。CMSによる状態監視診断電気出力ロス(MW)ロスの進展電気出力ロスcust Gems2 Sews_forer.状態監視診断(早期検知機能」 | プロセス量監視による機器 低下状況を適宜確認)診断(検知が遅れる)図-2 状態監視診断の概念図TemoTom. TawaTB0memorerencernoonmenwomereolore!Tomotd 0Ta - TunardoDDDDDDD|TarnTime-Grd. O1899/12/3130 frammermemememememememSwederwensisugameBrem. Tx1.0wweetsimoseesweeeeeeeeeeTomTX1PClose図-3 診断ロジック図例6mm Taw11x1TA.GO.9 fromenomoemonsurintennection www.momore drameroero TX1 Torn. Grd 0 TweenmensementerportreememememorenあさOooooooTem T10CIOsoオンライン 状態監視診断フロー4.1 給水ポンプ出口ミニフローライン流量調節弁シートリーク CMSは電力計指示値を参照値としてCMS計算値が指 示値と等価(指示値-計算値=0) となるよう評価する ことにより系統内のリーク、給水流量評価も含めて任 意の運転状態の個別機器の性能低下量を評価すること ができる。ID Daily 自動監視診断モードON2 Daily 監視診断モード (定時評価)1899/12/3110mg「EETITURITmentterStore3機能低下機器 アラームリスト4電気出力ロスレポート ----------------期間10月02日0RBRISTNO自動計算自動計算中断 詳細チェックYesDODODOmi115機能低下原因、 トレンドデータ他確認1900/01/016該当機器の診断、 アドバイス確認Check the pressure transmluor, including toCilbrauan Rus.. If une qullbrauen tolatus laull-free: 1. Chaak the number or plugged tubes. 2. Modity ine' tribe touline. 3. Tune therrodnt in CMS.1対応策検討図-4 状態監視診断フローClose4. 状態監視診断例 以下に給水ポンプ出口ミニフローライン流量調節弁 のシートリーク例及び復水器性能低下時の出力ロス、 夏期出力予測評価事例を紹介する。CMS のリーク評価は、有意な出力ロスを来す可能性 のあるバイパスライン(ヒータ出口クリーンアップラ イン、給水ポンプミニフローライン、復水ポンプ出口 シール戻りライン)等が予めモデル化されており、個 別機器の出力低下の兆候が無いにもかかわらず出力が 出ていない場合や、現場でリークの兆候があるものの、る。別機器の出力低下の兆候が無いにもかかわらず出力が - 94 - 当該リークが出力低下にどれほど影響しているかが把 は CMS の系統モデル中の給水ポンプミニフロー 当該リークが出力低下にどれほど影響しているかが把 14.2 復水器性能低下時、海水昇温時の出力予想 握できない場合の評価機能である。(1) 背景 以下の紹介事例は給水ポンプミニフローラインリー 夏期早々、復水器清浄度が低下している状況下で、 クの事例であり、背景、評価結果等は下記の通りであ 海水昇温時の清浄度が現状維持 (55%)の場合と改善(74%) 出来る場合について電気出力を評価したもの 図-5 は CMS の系統モデル中の給水ポンプミニフロー で、復水器洗浄時期他の判断に活用されたものであ ラインモデル部を示したものである。る。 (1) 背景トラブル復旧後、定格出力に復帰した際、5MWe相 (2) 評価 当の出力ロスが確認された。原因が特定できず、現 図-6は復水器性能の経時変化データ例である。CMS 場での調査、分析の結果、復水流量の増加傾向(給 は図-7 に示すように任意時点の復水器性能をもとに 水ポンプミニマムフローリーク)が認められた。海水温度、清浄度等を境界条件に運転サイクル内の電 (2) 漏洩部位と CMS モデル気出力予測 (性能予測) 等を容易に行うことができる。 図-5 に CMS モデル図を示す。漏洩部位は給水ポン 評価結果は、復水器の清浄度が現状のままで海水温 プミニフローラインの流量調節弁である。が 25°Cまで推移すると、電気出力が約 10MWe 低下 (3) 評価すること、また、洗浄度を改善すると、約 5MWe 低 復旧後、数日間の運転データを用いてタービン、復 下に止まるとの結果を得たものである。 水器及び給水加熱器について性能評価を実施したと図-6 復水器性能 ころ、機器の機能低下は認められなかったが、給水 流量ミニフローラインのリーク及び給水流量の低下Fouling of Main Condenser Tubes の兆候が認められた。評価の結果、5MWe の出力ロ スのうち、1.4MWe 相当がミニフローラインの流量 増加(シートリーク (50 ton/hr))によるもの、そのMay'02-to-Sep'02他が給水流量低下他によるものであるとの評価結果 を得た。 リーク量の評価は各機器の性能及びリークの可能Jul'01 to Mar '02 性のあるバイパスラインを特定した後、図-5 のよう に、リーク評価ウインドウ上でリーク量を評価する ことができる。 水器及び給水加熱器について性能評価を実施したと 他が給水流量低下他によるものであるとの評価結果図-5 CMS 給水ポンプミニフローラインSea Water Temp. vs Condenser Pressures %0.583333333333333S% %%15 Sea Water Temp = Condenser Intet Temp(°C)Tubne Pour MW[109781MwTempertureReactor Thermal Power 1000ここで一ついいわるるるしがる流量調節Closeリーク評価 ウインドウ(74%) 出来る場合について電気出力を評価したもの 復水器洗浄時期他の判断に活用されたものであ 気出力予測(性能予測) 等を容易に行うことができる。 下に止まるとの結果を得たものである。図-6 復水器性能Fouling of Main Condenser TubesSea Water Temp. vs Condenser Pressure- May '02 to Sep '02れるtryJul '01 to Mar '02Sea Water Temp = Condenser Polet Temp(°C) 25図-7 復水器性能予測|清浄度が55%か ら74別に改善し た場合品海水温度 (C)清浄度が55%で 推移した場合復水器清浄度:55% 海水温度:19°C 電気出力:1193MWe1900/01/1411781180 111821903/04/041903/04/06118411861188_ 電気出力(MWA)- 95 - 5.結言 発電設備の利用率向上には状態監視保全(CBM)の高 度化が必要であるが、当該機器の直接観測情報をもと ランスを監視して発電設備の個別機器及び熱サイ Process Fault Diagnosis,” American Institute of Chemical 5.結言 発電設備の利用率向上には状態監視保全(CBM)の高 度化が必要であるが、当該機器の直接観測情報をもと にした状態監視技術に加えて、オンラインでヒートバ ランスを監視して発電設備の個別機器及び熱サイクル 設備全体の性能を診断できる CMS が有用である。参考文献 [1] Petti, T.F., J. Klein, and P.S. Dhurlati(1990): “TheDiagnostic Model Processor: Using Deep Knowledge for Process Fault Diagnosis,” American Institute of Chemical Engineering (AIChe) Journal-accepted[2] 武藤、熱効率最適化モニタリングシステムによる 東海第2発電所の性能評価(その1) 平成 13 年度火力原子力発電大会研究発表要旨集、 平成13年9月[3] H. Morota, Condition Monitoring System Activities inJapan, Nuclear Plant Performance Improvement Seminar, 10th in the P2EP Series July 15-16, 2002, Saratoga Springs, NY[4] 諸田、熱効率最適化モニタリングシステム(CMS)、 原子力 Eye Vol.48 NO.3 (2002 年3月号)[5] 諸田、松山、張、ヒートバランス監視による発電設備診断、平成 20年1月、保全学会、第1回「検査・評価・保全に関する連携講演会」 Morota, Condition Monitoring System Activities in Japan, Nuclear Plant Performance Improvement Seminar,- 96 -“ “?CMS(コンディションモニタリングシステム)による状態監視診断 “ “諸田 秀嗣,Morota HIDETSUGU