浜岡原子力発電所におけるドレン配管詰まり除去工法の確立

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カテゴリ: 第5回
1.緒言
去後])をベースに検討を行った。同プロセスに対応す * 発電所内で発生する排水を流す配管において、砂る汎用器具のうち、1多くの曲がり部が存在しても所 塵・錆等の堆積による配管詰まり事象が認められてい定の性能を期待できること2現場への運搬等が容易な る。発電所に敷設される排水配管は、配管距離が長く、大きさであることを考慮し器具の洗い出しを行った。 かつ多くの曲がり部を有しており、現有するファイバー その結果、配管内面点検の器具として管内カメラを 2 ースコープおよび研削器具では詰まり部位まで到達せ 機種、詰まり除去器具として研削用の電動ドリルを 2 ず対応が困難であった。このため、多くの場合、詰ま 機種、回収用の真空掃除機を1機種抽出した。 り部位の配管切断を行った上で詰まり物の除去を行う 対応としていた。特に当該の配管が天井付近等の高所
2.2 適用性評価 の場合、作業足場の設置・撤去作業が加わり、より多 (1) 実物大モックアップ配管試験装置の製作 くの労力および日数を要していた。このため、配管の
*抽出した器具の適挿入口 切断作業を極力回避し効率よく詰まり物の除去が行え用性を評価するため、 る工法を確立することを目的として研究を実施した。実機排水配管を模擬 本稿では同研究の成果を取り纏め報告する。した実物大モックアップ配管試験装置 2. 詰まり除去技術の評価地点(Fig.2)を製作した。 2.1 事象調査・工法の検討配管(全長 15m)は実10m - 詰まり物の事例を Fig.1に機と同様、炭素鋼材地点 示した。詰まり物には、砂塵(STPG)で、配管径 の他、薄片状の固形物が観察を 80A (Sch80) とした。15m され、固形物からは鉄の含有曲がり箇所は9箇所を7地点 が確認された。調査結果より、設け、実機と比べ保守 Fig. 2 Full-sized mockup 排水配管の詰まりの発生要因的な曲がり構成とした。 eauipment は、排水等に含まれる砂塵おまた、挿入口より 5m、10m、15m地点に、20cm 長さ よび配管内壁で生成された錆のフランジ配管試験体を設け、試験体内に模擬材(モ が混合し堆積したものと推 Fig. 1 Blockages exampleルタル材)を充填することにより、研削用の器具の性 定した。能確認を行えるようにした。 ・ また、工法については、一般建物の排水配管清掃に (2)適用性評価 おいて採られているプロセス(1配管内面点検[除去 製作したモックアップ管試験装置を用い、抽出し5mた管内カメラ2機種、電 動ドリル2機種および真 空掃除機1機種について 適用性の評価を行った。管内カメラでは、挿入 性能が高く乾湿両用器を 1機種(Fig.3) 選定した。Lo Fig.3 Monitering equipment また、電動ドリルでは、 研削性能の高かった電動ドリル (Fig.4)および研削性 能は若干劣るものの小型で操作性に優れた電動ドリ ル (Fig.5) を2機種とも選定した。真空掃除機では、 吸引性能の確認の他、吸引ホースの先端にガイドと なるスプリングを取り付ける等、ホース挿入性の向 上のための改良措置を実施した。Fig. 4 Blockage clearing Fig. 5 Blockage clearing equipmentequipment (3) 実機事象での検証試験実機での詰まり事象(排水口から詰まり位置までの 配管長が約9m)にて選定した管内カメラと電動ドリ ル器具の検証を実施した。その結果、管内カメラ (Fig.3)は、8.5mまでは挿入が可能であったが詰 まり推定位置(約9m)の到達には至らなかった。ま た、電動ドリル(Fig.4) は、詰まり位置までの到達お よび研削が可能であったものの、研削後にドリルケー ブルが固着し引抜き不可となる事象が生じた。このた め、当該配管の形状を模擬した新モックアップ配管試 験装置を追加で製作し検討等を行った。 * 電動ドリルに対しては、新モックアップ配管試験装 置を用い、ドリルケーブル挿入の際の引き抜き荷重を 測定した。その結果、引き抜き不可となったケーブル 径(小32mm)に対し、10mm 細いオプションケーブルを 使用することで配管抵抗が 30~40%小さくなることが 確認でき、ケーブルの小径化が対策となりうると判断 した。一方、管内カメラでは、管内カメラのケーブルより も、電動ドリルのケーブルの方がより深く挿入できる ことに着目し検討を行った。検討結果を踏まえ、汎用のファイバースコープの廻りをスプリングで覆うこと により、ドリルケーブルと同様の形状のカメラを試作 (Fig.6) した。挿入は、電動ドリル本体機(Fig.5) で試作カメラへ回転を与えることで行い、新モックア ップ配管試験装置で挿入操作を行ったところ、配管試 験装置の全通過を確認した。になりシンプルなが受像器シスプリングカメラ先端Fig.6 Monitering equipment 検討結果を反映した上で、実機当該事象に対し再度 の検証を行ったところ、電動ドリルのケーブル引抜き に支障がないことおよび試作カメラが詰まり位置(約 9m)まで到達することを確認した。また、比較的浅い 詰まり事象での検証の結果、小型の電動ドリル(Fig.5) でも十分研削が可能であり、持ち運びおよび操作性の 点で利便性を有すると判断した。2.3 総合評価以上を踏まえ、Table.1 に詰まり除去における工法を 取り纏めた。基本の対応器具等での対応が困難な場合 にはバックアップでの対応を設定した。 工法 ステップ対応器具等 プロセス(基本) (バックアップ) 1配管 I.点検 管内カメラ 「試作カメラ 内面点検 (除去前) (Fig.3)(Fig.6) (除去前) 2詰まり III. 研削 | 電動ドリル電動ドリル 除去(Fig.5)(Fig.4) III.回収 真空掃除機配管切断 (改良吸引ホース) +真空掃除機(改良吸引ース) 3配管 「IV. 点検 「管内カメラ試作カメラ 内面点検 (除去後) | (Fig.3)(Fig.6) (除去後)Table 1 Blockage clearing method 3.結言配管切断箇所を最小限にでき、かつ高所での作業を 排除することが可能な詰まり除去工法を確立すること ができた。98
“ “浜岡原子力発電所におけるドレン配管詰まり除去工法の確立“ “林 晴久,Haruhisa HAYASHI
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